
ベネチア2015
■2015年12月28日(月)
昨日ミラノからベネチアに移動してきました。いつもの通り旅の終わりはベネチアです。今、イタリア時間28日月曜日の朝を迎えています。先ほど遅い朝食を済ませて来ました。
今朝のベネチアのお天気は昨日と同様霧に包まれています。天気予報では晴れるのだそうです。幸いなことにアックアアルタはありません。ホテルの目の前がカナル・グランデ(大運河)に面している為に、潮位があがれば周辺は水浸し、それどころか、道路は川と化して歩けなくなってしまいます。あちこちに積み上げられているパッサレッレ(戸板)を見れば、アックアアルタも既に起こってるのだと思います。この季節のベネチアの風物詩、ここでは洪水も楽しまねばなりません。
さて、きのうは、ミラノ出立の列車に乗り遅れて、ちょっと気分がゆるんでいます。あ゛ー待ってぇ~と追いかけても列車は止まってはくれない、当たり前です。この時の顛末は又お話したいと思いますが、いつものネット予約の早割のチケットでなくて幸いでした。

久しぶりに訪れたカンティーナ・ド・スパーデ
ホテルにチェックイン後、町をぶらぶらしながら早い夕食に出かけました。途中ヴァポレットに乗ってしまったので、なじみのあるリアルト方面に足を向けたのですが、久しぶりにド・スパーデに行ってみようと思ったのでした。

ド・スパーデ店内
このバーカロを知ったのは、もう随分前のことです。ベネチアの町巡りの達人陣内秀信さんの著書に出て来たのですが、当時の経営者セバスチャンさんにたまたま店の前でお会いして感激したのでした。この時は、お店が閉まっていて周辺をウロウロしていると、ド・スパーデに来たのかと声を掛ける人がいました。私がそうだと答えると、その男性が近くに居たセバスチャンさんを呼んでくれたのでした。

美味しそうなチケッティが並ぶ
お店は何時に開きますか、と聞くとゴンドリエーレのような雰囲気で大きな身体をしたセバスチャンさんは、それでも優しい顔つきで、明日からだよ、7時にオープンだと言いましたが、この日は12月26日で、明日は帰国日です。残念な思いを抱えながらホテルに引き返したのですが、これがこのお店との出会いでした。

好きなチケッティを選んでお皿に盛ってもらう
暫くして、あるイタリアの旅行サイトがこのお店を紹介したために、日本人が一気に増えて驚きました。皆一様に、そのサイトの紹介ページを手にしています。それまでは日本の旅行者とは会ったことがなかったので、ちょっと心強い気持ちにもなりました。ところが、その翌年辺りから、このお店の料理は何だかつまらなくなってきました。観光客相手のお店が提供する味とさして変わらなくなり、魚介類の質も落ちている、海老なんて、中身がほとんどない・・・
ある年、セバスチャンさんはお元気ですか、と店のスタッフに聞くと、彼は辞めて居ないと言いましたが、その辺りから経営者が変わり、料理の味も落ちていったのだろうと思います。

店内はあっという間に人があふれました
それから私の足も向かなくなったのですが、どうも昨年再び経営者が変わったようで、ネットの評価がとても良くなっていました。で、今回の訪問となった訳ですが、成る程、口コミは大きいものですね。

私が頼んだチケッティ
私は午後6時前に店に着いたのですが、もう20人ばかりの人が店が開くのを待っていました。さすがに以前の美味しかった味がどんなだったか、覚えてはいないのですが、少なくとも、熱々で出してくれたチケッティやイカスミのスパゲティは美味しくて、日本では味わえない料理だなぁと思いました。

イカスミのスパゲティ
ベネチアは一年経ったら、随分と変わります。駅構内はすっかりリニューアルされて、トリノの名店ジェラートのグロムが出来ていたし、リアルトの周辺も新しいピザ店や明るいレストランがオープンしている。このド・スパーデの店内は何も変わっていない、昔のままでしたが、こうして経営者が変遷しながらでも老舗が消えることなく存続するのはどこかほっとする気持ちになるのでした。

クリスマスのイルミネーションがもう外されたのか
今年はちょっと寂しいリアルト橋付近
今年はちょっと寂しいリアルト橋付近
カンティーナ・ド・スパーデへの行き方は簡単です。皆さん、迷いに迷ったと言う方が多いですが、ヴァポレットに乗れば、リアルト・メルカートで降ります。そこから真っ直ぐ行きそうですが、そうすると迷うので、運河沿いに歩いて行きます。途中野菜や果物を売っている露天がありますが、それを過ぎて突き当たると、魚市場です。夜は勿論市場は閉まっていて真っ暗ですが、左に折れると、日本人には有名なヴィー二・ダ・ピントというお店があります。そのお店を正面に左側の小さな道に入り、すぐを右に折れると、ド・スパーデです。又、リアルト橋を渡っても同じです。道を真っ直ぐ行かずに魚市場をとにかく運河沿いに向かって下さい。ここ数年、クリスマスの前後は閉まっていますが、12月27日からは営業を再開しています。
一人でも大丈夫。さっさと入店し、カウンターでおつまみや料理を注文しましょう。待っていても、日本のように注文は取りには来てくれません。ボナセーラ、と明るく声を掛けて、あつかましいくらいの態度がちょうど良いです。第一陣はオープン(午後6時半)すぐでいっぱいになりますが、次は7時くらいが狙い目でしょうか。支払いは、最後にカウンターで。私が頼んだチケッティ4つと白ワイン一杯、イカスミのスパゲティで、19ユーロでした。
余談

私の部屋
ほんとに早く、超早割で予約をした部屋でした。この時期通常ならこのホテルのこの部屋は料金が高く、とても宿泊できるものではありません。目の前は大運河。ヴァポレットの乗り場も目の前で最高のロケーションにあるホテルです。
貧乏性なのでしょう。部屋は一人では少々広すぎて、そして部屋のソファや王様が座るような椅子に置かれたこの沢山のクッションたちがとても邪魔。ベッドにちょっと積み上げてみました。

そして更に困ったのが、お風呂の設備のジェットバス。バスタブにお湯をはろうとしたら、いっぱいになってくるのに、止まらない。ボタンを押すと横から下からブクブクもの凄い音をたててジェットの噴流が始まったものの・・・わっーうっそぉー。(*_*)またまたトラブル発生です!