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■ 鹿沢温泉 「紅葉館」 〔 Pick Up温泉 〕



<鹿沢温泉「紅葉館」> (群馬県吾妻郡嬬恋村大字田代681 、10:00~16:00(要問合せ)、500円、0279-98-0421)
オフィシャルHP

元禄年間からの歴史をもつ上州の名湯。
かつては外湯もあって湯治場として賑わったようですが大正七年の大火で消失し、いまは「紅葉館」のみの一軒宿(「日本秘湯を守る会」会員宿)となっています。
下の新鹿沢温泉には多くの宿があって、鹿沢温泉からの引湯とされていますが実態はナゾ。

かつては信州方面からの湯治客が多く、信州の滋野から地蔵峠を越える道端に観音像がおかれて、「紅葉館」でちょうど百番を数えます。ふるくから登山基地として知られ「雪山賛歌」誕生の地ともいわれています。


【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 年季入った木造の建物


【写真 上(左)】 温泉犬
【写真 下(右)】 帳場前

「紅葉館」は、明治二年(1869年)創業の老舗宿。
玄関は県道沿いですが、館内は別世界。重厚な調度類、ぎしぎしと音をたてる狭い廊下、木枠のガラス窓など湯宿の風情にあふれています。
階段を下っていく浴場へのアプローチや共同浴場のような渋い佇まいの脱衣所も好ましげで、なにもかにもがお湯への期待を高めてくれます。


【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 脱衣所

「雲井の湯」の額が掲げられた浴場は男女別。
窓は小さく場内は暗めですが、それがかえって風情を高めています。
木造り5-6人の年季入りまくりの湯船とそのよこに打たせ湯。
カランはなく、打たせ湯からお湯を汲みます。


【写真 上(左)】 打たせ湯-1
【写真 下(右)】 打たせ湯-2

打たせ湯のお湯は「龍宮の湯」といい、湯船とは別の35℃の源泉です。
その横には冷水槽があり冷たい水(湧水、6.2℃)が注がれています。
湯船の湯口のうえのファイヤーダンス?の壁画が不思議な雰囲気をかもし出しています。

岩からつき出た金属パイプから20L/minほどを投入で、槽内注排湯はなく、湯船ふちから静かにあふれ出る源泉かけ流し。
カランなし、シャワー・シャンプー・ドライヤーなし。土曜14時で独占~3人。


【写真 上(左)】 浴槽
【写真 下(右)】 壁画

適温のお湯は青緑味がかったうす茶色のうすにごりで、光線の加減で青や緑に変化します。金気味+弱苦味+α味(たぶん旨味だと思う/後日追補)、金気臭+焦げ臭にドクダミを思わせる特異な温泉臭がまじります。


【写真 上(左)】 湯口
【写真 下(右)】 湯色

弱いキシキシととろみのあるお湯は、肌に染み込んでくるような絶妙な浴感があってよくあたたまり、浴後は肌に張りがでて、焦げ系の残り香かおるすばらしいお湯。

(はじめて入ったこのとき(このレポ時)は、まだ青くて重炭酸土類泉の特徴をよくはつかんでいませんでしたが、やはり当時からはげしく好みのお湯だったようです(笑)。)

風情ある建物とふかみのあるお湯が見事に調和した屈指の名湯だと思います。
手入れはたいへんかと思いますが、このようなすばらしい宿をいつまでも続けていってほしいと思いました。

Mg・Na-炭酸水素塩泉 44.5℃、pH=7.0、37L/min自然湧出、成分総計=1.39g/kg、Na^+=127mg/kg (39.21mval%)、Mg^2+=69.8 (40.74)、Ca^2+=53.7 (18.99)、Fe^2+=1.62、Cl^-=35.6 (7.18)、HCO_3^-=790 (92.47)、陽イオン計=256 (14.1mval)、陰イオン計=827 (14.0mval)、メタけい酸=226、メタほう酸=6.0、遊離炭酸=79.7 <H9.10.31分析> (源泉名:雲井の湯)

<温泉利用掲示>
(HPより) 加水:なし 加温:なし 源泉かけ流し
(浴場入口の天然温泉利用証) 全項目適正(二重黒丸) 完全放流式 加水なし 加温なし

※ 予約すれば大阪、堂島の「喜庵」よりのれん分けした蕎麦処「上州喜庵 雨過山坊」で手打ち蕎麦を食べられるようです。

○ 元レポは「みしゅらん掲示板 特集クチコミ情報」でも紹介いただいています。

一郷一会100名湯(takayamaさん)

〔 2009年5月1日UP (2003年11月入湯・レポに加筆・修正)〕
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