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■ 杉戸天然温泉 「雅楽の湯」

 

杉戸天然温泉 「雅楽の湯」
住 所 :埼玉県北葛飾郡杉戸町杉戸2517
電 話 :0480-53-4126
時 間 :10:00~24:00 / 年中無休
料 金 :980円(土日祝 1,080円)タオルセット・館内着付 / 19:00~ 780円(土日祝 880円)
オフィシャルHP
※ 営業状況、時間・料金・TELなどは、原則としてUP日時点の最新データに直してありますが、掲載内容を保証するものではありません。ご利用の際は必ず事前に各施設にご確認ください。

※ この施設は浴場内撮影禁止です。掲載写真は、開業前に開催された「施設見学会」時に支配人さんの諒解を得て撮影したものです。

埼玉県杉戸町に2012/04/11オープンした最新鋭の日帰り温泉。
運営は「さいたま清河寺温泉」と同じ三和興産(株)で、オフィシャルHPにも「杉戸天然温泉『雅楽の湯』は、清河寺温泉の姉妹店です。」と表記されています。

杉戸は日光街道の宿場町として賑わいましたが、いまはわりに地味なエリアで、「東武動物公園のそば」といったほうが通りがいいかも。

鉄道だと、東武伊勢崎線「東武動物公園」駅から送迎バス(約30分毎/無料?)あり。
車だと高速利用は東北道「岩槻」IC or 「久喜」IC経由で20~30分ほど。「久喜」ICからはちとルートが複雑なので、「岩槻」IC~R16~R4という幹線経由が無難なところか。
東武動物公園駅入口をすぎてしばらく行ったAOKIのすぐ先(カインズの手前)の歩道橋の角(信号なし)を右折してしばらく走った左手。
R4は交通量が多いので右折要注意です。

 
【写真 上(左)】 平日午後の入り
【写真 下(右)】 玄関サイン

田んぼのなかに突如として和風スパ銭があらわれます。Pは広々で停めやすいもの。
外観はこぢんまりとしていますが、おくがふかく施設充実。

 
【写真 上(左)】 玄関
【写真 下(右)】 エントランス

中庭&回廊形式を大胆にとりいれた構成で、全体に外光が入ってあかるい雰囲気。
ここらへんのつくりは、小川町の「花和楽の湯」を彷彿とさせるもの。
中庭に面して足湯も設置されています。

 
【写真 上(左)】 シックな館内
【写真 下(右)】 足湯

 
【写真 上(左)】 足湯&中庭
【写真 下(右)】 中庭

フロントで入館受付、右手おくのリネンカウンターで入浴セット(館内着+タオルセットなど)を受けとります。
現在のところ、昼間で入浴セットなしのコースは設定されていません。
リネンカウンターのおくは別料金の岩盤浴ゾーン。

 
【写真 上(左)】 岩盤浴ロビー
【写真 下(右)】 岩盤浴

フロント左手は飲食ゾーンで食事処「みやび」とビュッフェレストラン「irodori」があります。

 
【写真 上(左)】 浴場入口
【写真 下(右)】 洗い場

浴場は手前右手が男湯、左手おくが女湯で交替制かは不明。
脱衣所はスペース広く、天井高く、外光もたっぷりとられて(露天がみえます)なかなかのでき。什器類のシックな色づかいも好感。

入って内湯ゾーンは回廊形式で、なんとなく北本の「湯楽の里」を思い起こしましたが、上質感はこちらのほうが上。
とくに完全セパレートされた洗い場は、高級旅館並の仕上がりか?
カランはセパレート型15+オープン型8の系23。アメニティ類完備。
平日16時で20~30人程度でしたが、浴場が広いのでえらく空いているように感じます。

 
【写真 上(左)】 高い木組みの内湯天井
【写真 下(右)】 内湯
内湯は回廊のおく、露天を借景として窓が広くとられ、高い天井に太い木梁がわたされた雰囲気あるもの。このあたりも高級旅館的質感。
露天に面して半露天的な「シルク風呂」(超微細気泡浴槽)の乳白色が、いいアクセントになっています。

 
【写真 上(左)】 シルク風呂
【写真 下(右)】 水風呂

水風呂はやや冷たいものの、カルキ気がなく若干のとろみも感じるなかなかのもの。
水風呂のよこには機能浴槽(真湯)もあります。

サウナは日に3回ロウリュを実施中。かなり広いので扇ぎ手がたいへんそうですが、なかなか気合い入ったパフォーマンスを展開していました。(入ったとき(16:30~)のオイルはシトラスでこれもかなりの使用量。)
ただ、4/27までの実施ということで、その後継続するかは不明です。

 
【写真 上(左)】 サウナ
【写真 下(右)】 緑ゆたかな庭園露天

露天はすばらしいものです。
背面左右に照葉樹の大木2本を配し、左手おくには竹林がつづきます。
いつも思うのですが、露天風呂と竹林はほんとうに相性がいいですね。
雰囲気ある和風庭園のなかに多様な浴槽を配置した、いわゆる「絵になる露天」で、さいたま見沼の「小春日和」を思い起こしましたが、それより野趣ゆたか。

手前から時計まわりに、休憩ゾーン(デッキチェアあり)、「高濃度炭酸温泉」(温泉)、左手おくに「寝湯&寝ころび湯」。中央上部に「あつ湯」、下段に「源泉岩風呂」。
右手おくに「壷風呂・石風呂」と浴槽は多彩。
ただ、雨よけは「源泉岩風呂」の一部に東屋が掛けられている程度で、大雨のときはどうなるかな?

 
【写真 上(左)】 源泉岩風呂
【写真 下(右)】 絵になる露天

また、スケール感は申し分ないですが、逆に見通しがよすぎてややあけ広げ過ぎな感も・・・。
若干の仕切りなどを施すと、さらに居ごこちはアップするかも。

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それでは主要浴槽ごとにレポしていきます。

 
【写真 上(左)】 内湯の湯口
【写真 下(右)】 内湯の湯色

<内湯>
石造20人程度で湯温はかなり熱め。
中央の石の湯口数ヶ所から熱湯源泉投入+側面注入で窓際スリットからの排湯。
踏み込みの形状がちと人間工学的じゃないので要注意。(踏み込みがふかく、奥行きがあるので、浅湯か?と油断していると浴槽中央あたりでいきなりふかくなる感じ、出るときもかなり手前に段差がセリ出しているのでつまづきそうになる。”段差注意”のハリ紙は出ているが・・・)
設計段階ではここまでのにごり湯を想定していなかったのかも。
この内湯建屋は露天(壷風呂)サイドからみると湯抜きを備えた湯屋建築で、いいアクセントになっています。

 
【写真 上(左)】 高濃度炭酸温泉
【写真 下(右)】 寝湯&寝ころび湯

<高濃度炭酸温泉>
壁際にL字型に設置で湯温はややぬる、計7-8人ほど。木樋の湯口はあるが間欠投入で槽内注入がメイン。
炭酸はかなりつよめ。掲示では温泉利用の”加水なし”だが、かなりうすめに感じる。
ただ、それでも温泉利用の炭酸泉はかなりの入りごたえ。
底に黒砂が溜まっていてちと気になるが、これは内湯掲示によると「源泉汲み上げ時にまじるもの」とのこと。

<寝湯&寝ころび湯>
大木のたもとに設えられて”隠れ湯”的。お湯は高濃度炭酸温泉と同様、うすめに感じる。
ぬるゆなので長湯可。計7-8人ほど。

 
【写真 上(左)】 あつ湯
【写真 下(右)】 あつ湯の湯口

<あつ湯>
石組小石敷7-8人。加温かけ流し浴槽でかなり熱い。
赤茶に色づいた石組の湯口から透明な熱湯源泉を投入+側面注入で下段「源泉岩風呂」への流し出し。

<源泉岩風呂>
石組小石敷10人以上+寝湯×4付設。循環浴槽で湯温はほぼ適温に調整されている。
上段「あつ湯」からの流入+底面注入で側面スリットからの排湯。
お湯は循環槽としてはいいできだが、かけ流し系浴槽にくらべるとどうしても劣る。

 
【写真 上(左)】 壷風呂
【写真 下(右)】 石風呂

<壷風呂・石風呂>
間隔を置いて1人×3槽を贅沢に配置し、陶製×2&石づくり×1。
アプローチの踏み石がいびつで滑りやすいので注意。
赤茶に色づいた石樋の湯口からかなりの量の透明な源泉を投入でけっこう熱い。

それにしても、人気アイテムはもれなく盛り込んだと思われるほどのすばらしい充実ぶりをみせています。

〔お湯〕
さて、問題のお湯です。
ここではかけ流し系3槽(壷風呂・石風呂/内湯/露天あつ湯)についてのイメージのみ書きます。

湯色は緑がかった茶色がベースの透明度10~20cm程度のにごり湯で、赤茶の浮遊物がただよいます。
壷風呂・石風呂は緑色、内湯は赤茶、露天あつ湯は黄色系の色味がつよくなっています。
透明度は、内湯 > 露天あつ湯 > 壷風呂・石風呂の順で濃く、もっとも鮮度感を感じた壷風呂・石風呂のにごりがいちばんうすくなっています。
お湯のよさは、壷風呂・石風呂 > 内湯 > 露天あつ湯の順かな?
ただ、内湯は食塩泉&鉄泉、壷風呂・石風呂は重炭酸土類泉がそれぞれ卓越したニュアンスがあって、イメージが微妙にちがいます。

 
【写真 上(左)】 湯色のコントラストが綺麗
【写真 下(右)】 源泉岩風呂の湯色

強塩味+微苦味+微旨味+微金気だし味の複雑な味。
重炭酸土類泉系焦げ臭+金気貝汁臭+アブラ系鉱物臭のいかにもよさげな湯の香。
重炭酸土類&鉄泉系のぎしぎしとした湯ざわりながら、浴後は意外なほど肌がすべすべになります。

高張性食塩泉のあたたまりに、重炭酸土類泉の力感&奥行きを加えた力強いイメージのお湯。
あつ湯槽が多いのでトド多発、湯あたり注意。
場所的に化石海水系の濃いめ食塩泉を想像していましたが、ここまで重炭酸土類がでているとは正直おどろきました。
なお、このあと物好きにも「東鷲宮百観音温泉」に突入しましたが(意外に近い)、強食塩泉バリバリの「百観音温泉」に対し、こちらはやはり重炭酸土類がつよく出ているように感じました。
温泉好きは入りくらべてみるのも面白いかと・・・(ヘロヘロになりますが)

鮮度感、湯質、湯づかいとも申し分なく、これは埼玉屈指の名湯といっても過言ではないかと・・・。
とくに壷風呂の鮮度感は、埼玉では「埼玉スポーツセンター」の源泉槽、清岸寺温泉の壺湯などとならぶ屈指のレベルかと思います。(還元系だと思う)
また、かなりの広さの内湯でも相当の鮮度感を維持しているのは立派。

ただ、問題は湯温。
スタッフの話によると壷風呂・石風呂や内湯は加温していないが、気温によってかなり熱くなるので、投入量で調整をかけているがなかなか微妙との由。
源泉温度は46.0℃ですが、わたしがいったときは(非加温槽の)湯口はおそらく50℃近くはあったような気がします。
夏場はさらに投入量を絞ることになると思いますが、そのときの鮮度はどうなるか、しばらくお湯とスタッフとの格闘がつづくのだと思います。

さすがに埼玉屈指の人気施設「清岸寺温泉」を運営しているだけあって、すばらしいできの施設となっています。
贅沢な空間どりと環境演出はチェーン系スパ銭とはあきらかに一線を画すもので、設備も充実しているし、現行料金は1日過ごすならけっして高くないと思いますが、一浴利用のお客にはどうかな?
R4にも近いので、館内着なし割引料金を設定すれば、車利用客の吸引も期待できるような気もしますが、投資回収を考えるとそうもいかないのかも・・・。

 
【写真 上(左)】 生源泉かけ流し
【写真 下(右)】 湯休み処

それと名称「雅楽の湯」。これは”うたのゆ”とカナをふらないとまず読めないでしょう。
すなおに「うたの湯」ないし源泉名から「みやびの湯」としたほうが、知名度UPやパブリシティ上有利なような感じもします。

いずれにしても、埼玉を代表するハイレベルな日帰り施設がまたひとつオープンしたわけで、温泉好きとしては嬉しいところ。
それにしても、近年オープンした埼玉の日帰り温泉は軒並みレベルが高いです。
温泉不毛県と呼ばれたかつての埼玉県。それがいまや日帰り温泉施設の範疇に限っていえば、全国屈指の県になっているのでは? と感じるほどです。

〔 源泉名:杉戸みやび温泉 〕
Na-塩化物温泉 46.0℃、pH=7.3、560L/min(約1,500m掘削揚湯)、成分総計=16.07g/kg
Na^+=5250mg/kg (83.73mval%)、NH4^+=17.6、Mg^2+=188.6 (5.69)、Ca^2+=510.2 (9.33)、Fe^2+=5.4、Cl^-=9560 (98.29)、Br^-=35.9、I^-=6.7、SO_4^2-=2.2、HCO_3^-=250.8 (1.50)、陽イオン計=6058 (272.8mval)、陰イオン計=9856 (274.4mval)、メタけい酸=52.8、メタほう酸=91.4、遊離炭酸=7.9 <H21.2.19分析>

<温泉利用掲示>
●生源泉湯 / 壷風呂・石風呂
 加水:なし、加温:なし、循環ろ過:なし、塩素消毒:なし
●源泉あつ湯
 加水:なし、加温:あり、循環ろ過:なし、塩素消毒:なし
●源泉岩風呂 / 寝湯 / 高濃度炭酸温泉
 加水:なし、加温:あり、循環ろ過:あり、塩素消毒:あり

■ブランドグルメ
〔 武井鶏園の合鴨肉 〕
合鴨(アイガモ)は、マガモとアヒルとの交雑交配種。
杉戸町の武井鶏園では、埼玉県産合鴨を指定農場で70から77日飼育(ふつうより長い)し、職人さんが手作業で加工、「色付きと厚みにおいて各段の差」がある品質を確保しているそうです。通販でも販売しているようです。
(「武井鶏園」HPなどを参考。)

〔 2012/04/27UP (2012/04入湯) 〕


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