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「知らざあ言って聞かせやしょう」 付章 その2

2017年02月20日 00時07分59秒 | 伝統芸能(歌舞伎など)
 「知らざあ言って聞かせやしょう」 心に響く歌舞伎の名せりふ 赤坂 治績 新潮新書 2003年

 付章 その2

 もちろん、江戸時代の文化も宗教や当時の支配思想の影響を強く受けていました。しかし、それとは価値観の異なる庶民の文化が咲き誇っていたのです。たとえば、日本演劇最大のヒット作『忠臣蔵』は「忠義」を旗印にしているものの、描いている中身は「金」と「色」です。大星由良助(大石内蔵助)など赤穂の浪士が敵討ちを果たすまでを描いていると見せながら、社会と人間の根源を描いたのです。歌舞伎を支えた庶民に人気があったのは、仇討ちに加わる金を調達するために死んでいった勘平であり、勘平の心を察して色街に身売りしたおかるでした。

 江戸の文化のもう一つの特徴は古いものを尊重したこと。古い形を遺しつつ新しい形を作ってきたため、歌舞伎は大変幅広い演劇になり、さまざまな特徴を持っています。歌舞伎のせりふを理解するために、その台本。せりふの特徴を整理しました。

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