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「大放言」 その10 百田尚樹

2017年06月28日 00時11分22秒 | 本の紹介(こんな本がある)
 「大放言」 その10 百田尚樹  新潮新書 2015年

 やればできると思っているバカ その1

 夢はイチロー P-22

 私の友人に小学校の教師がいる。先日、彼からの興味深い話を聞いた。その時、彼から教えてもらった会話を紹介しよう。彼と彼が担任する小学校6年生の男の子の会話だ。

「◯◯君は、将来、何になりたいんや?」

「俺? MLBに行ってイチローみたいなプレーヤーになることかな」
(今どきの子は教師相手にも「俺」と言うのを知って驚いた)

「大きな夢を持ってるな。そやけど、◯◯君は野球クラブに入ってないやないか」

「それがどうした」

「イチローになりたいんやったら、野球をやらなあかんのと違うか?」

「それはそうや。そのうちにやろうと思ってる」

「イチローになりたいんやったら、今、やらなあかんのと違うか」

「俺、多分、やればできるような気がするんや」

 私はその話を聞いて思わず吹き出してしまった。あんまり面白いので、コントの台本に使わせてもらおうと思ったほどだ。しかし友人の教師は笑わなかった。

「最近こういう子が増えているんや。低学年ならおかしくもない。でも6年生にもなって本気でこんなことを考えてる子がどんどん増えている。何もできないのに夢だけは大きな子。そういう子たちに共通するのは『自分はやればできる子』と思ってることや」