「私の作文教育」 その9 宇佐美 寛 (1934年生まれ、千葉大学名誉教授) さくら社 2014年
第七章 文体 その1 P-168
この悪文の最もゆゆしい、見過ごすべきでない問題点は、次のようなことである。言い換えれば、右のような欠陥が生ずるもと(原因)は、次のようなことである。
一文(センテンス)が長すぎる。長い一文の中に、多くの事柄を無秩序につめ込んでいる。(一文一義である。)しかも、この長い一文は、多くの事柄を関係づけまとめる構造になっている。だから、各部分が粗雑になっている。これでは、詳細に各部分を設計・点検する思考はできない。
学生は、今までに、大ざっぱに、しかも短い文言で全体をまとめて把握する要約は教わってきた。しかし、逆に小部分にまで分解し足りない部分を補い増やす分析的思考は全然育てられていない。
第七章 文体 その1 P-168
この悪文の最もゆゆしい、見過ごすべきでない問題点は、次のようなことである。言い換えれば、右のような欠陥が生ずるもと(原因)は、次のようなことである。
一文(センテンス)が長すぎる。長い一文の中に、多くの事柄を無秩序につめ込んでいる。(一文一義である。)しかも、この長い一文は、多くの事柄を関係づけまとめる構造になっている。だから、各部分が粗雑になっている。これでは、詳細に各部分を設計・点検する思考はできない。
学生は、今までに、大ざっぱに、しかも短い文言で全体をまとめて把握する要約は教わってきた。しかし、逆に小部分にまで分解し足りない部分を補い増やす分析的思考は全然育てられていない。