民話 語り手と聞き手が紡ぎあげる世界

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「語りの力と教育」 その1 高橋 郁子

2014年07月11日 00時16分08秒 | 民話(語り)について
 「語りの力と教育」ネットより  ―高齢者の話術と存在感について―  高橋 郁子

 http://www.geocities.jp/fumimalu/soturon.htm

 語りの力と教育 その1

                                                                               
 高齢者は体の衰えとともに、世間と交流する機会も減り、触れ合う時間も少なくなっていく。
このことは高齢者にとってよいことであるとは思えない。

 さらに、若い世代にとっても高齢者との触れ合いが減少することはよいことではない。
なぜならば、高齢者の語りは、長い年月の中で培われた話術により、
未来に伝えていくべき伝承が隠されているからである。

 しかし、最近では「いい高齢者」であるために、遠慮をして口を閉ざす人もいる。

 かつてはどうであったのか。
高齢者の語りの力は若い者達と語ることにより、力が発揮されるのである。

 こうした問題に着目したのは警察であった。
高齢者が社会参加することにより、地域社会の連帯感が増し、
青少年の健全な育成につながるというのである。

 しかし、現在は語りの場やふれあいの場が圧倒的に少なくなっている。
かつて、炉辺の昔話として存在していた語りから、語りの世界はどのように変わってきたのか。

 それにより、高齢者をとりまく世界はどのように変わったのか。

 高齢者の語りの力と教育の問題について考えてみたい。