絵本と児童文学

絵本と児童文学、子ども、保育、サッカーなどの情報を発信する

説得するより、子どもの心に届く言葉を

2004-04-03 10:32:04 | 子どもからの発見
説得するより、子どもの心に届く言葉を  (2004年04月03日 (土) 10時32分)

■昼寝が遅かったので途中で起こして、次の予定された行動をうながしたときのこと。起きたがいいが、すぐに行動に移せなく立ったまま言った。
「かい、おこってるんだよ」「おこってる!」
といってそれらしい顔をして、足に力を入れて立っていた。
「怒ってる気持ち、とんでいけー」
というと、いっそう妥協は許さないといった雰囲気で、構えた。手のしぐさを交えてまた言う。
「怒ってる気持ち、とんでいけ!」
間をおいてもう一度言うと、気分転換ができて行動に移った。3歳半ばなので「・・・とんでいけ!」といった言葉が、理屈を言って説得したりするより有効と思われる。
 起こされた不快感を、「怒ってる」と言葉で表現できることに新鮮さを感じたし、この年齢としては大事なことだ。その子どもの表現を認めつつ、ゆったりと安心を与えるように対応することによって、気持ちがほくれて、もつれたりかんしゃくを起こしたりしない。自分の気持ちを言葉に置き換えられることを伸ばしていくことは、必要なことなのである。
 もしこの時「怒りたかったら、怒ってな」「何やってるの、早くしなさい」「どうして怒ってるかいってごらん」といった大人の立場からものを言い、子どもの気持ちを押しつぶすように対応をしたら、そこで子どもの気持ちがもつれて、大声で泣いたりふてくされて次の行動にさっと移行できないだろう。そして親子のすれ違った気持ちが、蓄積していくのである。

■「さっきタクシーがうろうろしてたよ」
 うろうろ、という表現を使ったので驚いて、
 「うろうろって?」と反応すると、
 「バックしたり、すすんだり・・・」
 と状況の適切な説明をした。たしかにタクシーが家の前で、行ったり来たりして場所を探している様子だった。「うろうろ」という擬態語を、いつの間にか適切に使っているのが発見であった。


コメントを投稿