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東南アジアへの小さな旅(4)

2014-07-06 21:01:37 | 生活・教育・文化・社会
4.街はバイクと車が主流に

 ハノイのノアバイ空港からタクシーでホテルに向かう。空港の隣接地の建設工事表示に大成建設というのがあった。新しい規模の大きい国際空港を建設中とのことだ。
 道路と車窓からの風景は、昔の面影がないぐらい変わっていた。かつての所々でほこりがまい車が揺られる道路、手入れのされていない住まいが点在して牛がゆっくり横断するということは見られない。
 整備された道路が片側2車線。ラインが引かれ両側に道路灯があり、ところどころに道路標示もあった。一定の速さで走れてしかも走行車のきれまがないぐらい多く、車社会になっている。それに遠くに水田が見ながらも、道路沿いに整った比較的新しい住宅が多い。
 同行の友人は、交通の専門家で途上国の交通インラ整備の仕事をしていたが、道路と住宅等の風景に驚いて、しきりに写真を撮る。

 タクシーに30分ぐらい乗っていただろうか、街の道路はバイクと自転車と車がいっぱいに入り乱れて走っているではないか。
、ホテルは、設備、サービス、システムは国際標準である。観光客も多いだとうから当然なのだが、ここでも近代化を歩んでいるベトナムを実感したのだった。
 5階の部屋からは、古くからの3階の住まいが見えて、ぼくに残っているベトナムイメージと一致してほっとした。1階が商店で2,3階が住宅で、ゆったりした暮らしを感じることができる。

 一息ついたらハノイ在住の友人が来たので、久しぶりの再会とお互いの健康を確認できた。そしてスーツケースいっぱいに詰め込んだ友人へのみやげを進呈した。少しの生活品と彼が関係するオフィス等に必要だろうお菓子だ。ベトナムもプレゼント文化だろうから用意したのだ。
 友人のリクエストのなかに中村屋の「月餅」があった。ぼくは、それはもともと中国のお菓子であり、70年代の東京土産という認識だったので、ベトナムの方がなじみそうなおしゃれなお菓子もいいのにと思ったが、それは必ずしも正しくはなかった。
 後に分かったことは「月餅」はベトナムでの最大の行事であるテト(2月上旬の旧正月)に誰もが食べるもの。ベトナムのそれは中国風で中に肉が入っているとのことだ。食べ比べてて食文化共通性は興味のふくらむことだろうか。
 そして滞在中のスケジュールを確認し、ハノイの四方山話をして、夕食まで街の散策のためホテルを出た。

 道路は自転車とバイクそれに車が、ひしめき洪水のように流れていた。バイクが主流で自転車が少数だ。かつてはバイクのことを「ホンダ」と呼ぶぐらい日本の中古のホンダ製ほとんどだった。今もホンダが主流だが、ヤマハも見かけたのは空港から市街への道沿いに工場があったことと結びついた。それからホンダと一見区別がつかないようなメーカーがあったが、中国のメーカーとのことだ。
 車は韓国メーカーであるHYUNDAIが圧倒的に多く、他のメーカーを探すのが難しいぐらい。バスやトラックもHYUNDAIである風景は、ぼくにとってめずらしく感じた。

 街はかつての宗主国であるフランスが、当時の人口の数倍である100万人規模(現在670万人)を想定して造ったとのことで、風格のあるものだ。3メートル幅ほどの歩道と8~15メートルぐらいの道路で、巨木の街路樹がある。
 道路には信号が設置され、一方通行にしているところが多く、車両の流れを工夫しているようだ。
 道路の横断は、歩行者優先ではないので、慣れていないぼくにとっては一大決心のともなう怖いことだ。どうやら止まらないでゆっくり歩き続けることがマナーで「安全」とのことだ。歩行者と車両の阿吽の呼吸といってもいいだろうか、人が横断しているところで車両は一瞬止まってさけてすぐ走るのだ。ぼくは車両が押し寄せてくる感じでひるんでしまう。
 平板を敷き詰めた歩道は、でこぼこがある。電柱はフランス統治の頃のものだろうか、太くはない4本の柱で四角のもので、そこに数え切れないぐらいの電線を支えている。
 大教会(セント・ジョゼフ教会)といわれている前のわずかな空間で、小学生が柔らかいボールでサッカーをやっていた。 ベトナムはサッカーへの関心が高く、プロリーグがある。おそらく日本人選手も2桁はいるのではないかと、想像してみた。

 ベトナムで有名なサッカー選手のレ・コン・ビンの記憶は、ぼくにとってはまだ新しい。昨年9月から12月までコンサドーレ札幌に在籍していて、テレビで何回か彼のプレーを見た。J2では力を発揮できるぐらいの力量だった。ベトナムのサッカーに関心ある人には、特別の存在ぐらい人気と力を備えている選手である。
 ところで数日前の「ワールドウェイブ・アジア」(BS1)でのベトナムのニュースによると、ベトナム代表監督に5月から就任した三浦俊也氏(Jリーグ大宮、札幌、神戸、甲府などの元監督)の最初の試合をミャンマーとおこない、6-0で勝利したと伝えていた。レ・コン・ビン選手が得点したとのことだ。
 三浦氏は日本サッカー協会(JFA)が介在して就任しU22代表監督も兼務し、2年契約とのことだ。当面は11、12月におこなわれるAFCスズキカップ(アセアン地域の国際大会)が代表の重要な試合となる。

 ベトナムのサッカー協会は、日本の協会とパートナーシップ協定を締結し、Jリーグをモデルに作っていこうとしている。V(ベトナム)リーグの組織委員長は田中孝司(元名古屋の監督)であり、審判も日本の国際審判を派遣しリーグ戦試合の笛を吹いている。試合の観客が1万人を超えるのがめずらしくないとのことだ。
 また、ベトナム代表は、この地域ではタイと並ぶハイレベルである。
 ちなみにタイのタイ・プレミアリーグには、日本人選手が40人ほど在籍している。元日本代表の岩政、カレン・ロバート、茂庭、黒部も活躍している。なかにはJ1の中堅ぐらいの年俸の選手もいるのとのことだ。またタイ代表のGKコーチは、元日本代表コーチの加藤好男氏である。



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