絵本と児童文学

絵本と児童文学、子ども、保育、サッカーなどの情報を発信する

子ども時代の回想が、保育への関心に

2004-04-16 10:06:27 | 子ども・子育て・保育
[127] 子ども時代の回想が、保育への関心に (2004年04月16日 (金) 10時06分)

 授業が始まって2週目です。からだがなれないせいか、くたびれています。6コマに非常勤1コマという量の多さと、年度始めのため授業準備にも時間を費やしているためと思われます。加えて4コマは立ち続けの授業で、マイクなしで大声の講義ということにもよりましょう。
 それに新しい学生の名前を覚えなければなりません。その昔、名前を覚えるのが得意で、つねに100人ぐらいの学生を知っていたものでした。近年は、時には名前を知らないため学生から指摘を受けようになり、これがけっこう堪えるものです。
 授業では、今年度もささやかながら新しい試みを始めてみています。現場を知らない学生に、保育への関心を高めもらう工夫を試みることにしました。それに参画型の授業にする、ということを考えてみました。
 保育内容の「生活と環境」という科目は、おもちゃや遊具、園舎、公園、遊び場など、主としていわゆる物的環境についての内容にしています。今日は「小3ぐらいまでに遊んだおもちゃについて、思い出して交流してみよう」と、バズ・セッションで10分余り話し合ってもらいました。学生たちはじつに楽しそうにしゃべり合います。各自に配布している紙に事前にメモを書き、それをもとに話し合います。話し合い後補足してまた書きます。今のところ、あえて話し合い後にセッションごとに発表するとはしません。
 小3という年齢は記憶をたどれるし、まだスポーツや勉強などに特化しない生活と遊びがある頃なので、このようなテーマは話が盛り上がるのです。話し合っている様子見てと学生の提出したメモを読むと、私自身も楽しくなります。そんな話し合いになっているのは、授業で獲得した知識や考える視点を支えにしているからでもあります。
 印象的なのは、話し合うことによって記憶をよみがえらせている学生が多いことです。地域や家庭の独自性を背負った各自を表明し合うことで、他人と相対化しつつ自分を確かめる作業になります。それにメディアなどによるおもちゃの流行のなかにあったため、「そうだ!そんなのはやった」「私も集めた!」といった、時代を共有していた子どもの時の暮らしに気づきます。
 自分の中にある「子ども性」をよみがえらせ作業は、子どもを対象にした保育を学ぶために重要なことです。おもちゃなどの子どもの文化財をテーマにした場合は、子ども時代の肯定的なことが多く出ます。これが子どもへのまなざしにも影響する、と思われます。自分にある「子ども性」をたどることは、多くの好奇心をよみがえらせる作業にもなります。 各自の共通点に気づくことによって、子ども時代の空気を確認できます。自分のなかにある「子ども性」を大きくするは、現在の子どもへの関心を高めることにつながっていくのではないでしょうか。    (4・15)

コメントを投稿