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ユニークな園舎

2009-12-24 18:22:53 | 子ども・子育て・保育
 研修で訪ねた保育園の建物はユニークなもので、設計者の思い入れの強いものに思えた。
 園舎全体の外観が見えるぐらいの距離になったら、コンクリート打ちっぱなしに、縦長のガラスと赤、黄、青がストライブ風に施していたのが分かった。同行した保育者が「パチンコ店に見えるって言っているんですよ」というだけあって、わたしのこれまでの体験からしても保育園とは思えない外観だった。
 建ってまもなくの園舎だが、円形に保育室等が配置されていて、中央が園庭である。そのため壁が曲線の保育室が多い。遊戯室は舞台が円形になっていたて、壁が曲線なので視線のよりどこらがなく不安な気持ちになった。案内していただいた先生によると、担任の先生によってはコンデショが悪い時は、気分が滅入ることがあるとのこと。
 わたしが想像しても机の配置と壁が並行にならないので、保育には使いにくそうだ。子どもたちにも何らかの心理的な影響があるだろうと想像した。野球場のような広さならある部分円形になってもよいのだが、広くない部屋の壁面が直線でないことの問題を考えたのだった。
 内部の廊下はコンリート打ちっぱなしで、ガラスを床までにしていた。足元がガラスだと不安に感じる保育者や子どももいるだろう。それにカラーデザインも施され、刺激の強いオレンジ等が使われていた。なお、ガラスはビルなどでも使われている耐久性の強いものなので強い力が加わっても破損することはない。
 廊下の壁が打ちっぱなし、あるいは床がコンクリートに板を張り付けたものでぶつかったり転んだりすると衝撃のリスクは小さくない。梅雨時は床が盛り上がるとの事である。
 園舎全体を円形にしたのは土地条件等からではなく、設計者の作品としての思い入れのようだ。わたしからみれば長時間生活する場である子どもや働く人が安心して和むような空間ではないように思えた。外観のデザイン、内部意匠のいくつかの試みなど、よくあることだが設計者の独りよがりな傲慢さがあふれている「作品の建物」に思えた。

 その建物は、子育て支援センターと高齢者のたまり場としての機能も複合して備えていた。市としても相当力を入れて建築したに違いない。しかしそこを利用する人や働く人の立場のことをどのように考えたか、インタビューしてみたくなったのだった。また機会があったら、詳細を見てわたしとしても多面的に検討してみようと考えた。
 市や現場が意見を言わない、あるいはいえなかったのだろうか。少なくとも30年はこのままで利用するのだ。
 

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