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身近な生き物: ゆりかごから墓場まで

2021-03-24 06:29:19 | 日記
世界の半分近い数

 人気者の「ロン」が亡くなり園内に献花台が設けられた。
家族連れが訪れて在りし日を偲んでメッセージをノートに記入した。
そんな記事が信濃毎日新聞に載ったのは先月の21日。
レッサーパンダのロンが16日に亡くなったと報じていました。
 先週の城山動物園に続く近隣の動物園シリーズ第2弾は茶臼山動物園。
実は私、この動物園で誕生して間もないロンを抱っこした貴重な体験をしています。
生まれて間もない頃に出会い亡くなった日も知っている、そんな関係にある
動物園の動物はロンしかいません。

 レッサーパンダはインド・ミャンマー・ネパール・中国の標高1500~
4800mの地域に生息している小型の哺乳類。
成獣でも数十cm数kgしかありません。
 ふたつの亜種があって、体毛が濃く茶色で大柄なのが中国のシンセンレッサー
パンダ。
色が薄くて顔が白く小柄なのがその他の地域のネパールレッサーパンダ。
 日本にいるのはほとんどがシンセンで、56施設で254頭飼育されています。
世界中の動物園にいるシンセンは349頭、半分近くを日本勢が占めています。
(日本平動物園 より)
 その端緒は1985年の3月19日に中国からやって来たオスのタケオとメス
のハナチャンでした。
以来血縁を管理されつつ子孫が増え続けています。

リンゴが大好物

 覚えていますか、2本足で立ち上がって一世を風靡した風太君を。
彼が結婚した相手は茶臼山動物園の出身でした。
 チィチィはロンより2年前の2003年に茶臼山で生まれ、ロンが生まれた
2005年に風太のいる千葉動物園に嫁入りしています。
4男3女の子供たちは全国の動物園で人気者になり、中にはアメリカのコロンバス
動物園まで遠出をしたものもいます。(レッサーパンダの家系図 より)
 レッサーパンダの出産期は5月から7月、1頭ないし4頭が生まれます。
生まれたばかりは120gの小さな体で、3週間ほどは目も開きません。
5カ月ほどお乳を飲み続け、次第に親と同じ物を食べる様になっていきます。

 ロンと出会ったのはそんな頃でした。
「大人の飼育体験」募集の告知をラジオで聴いてすぐに飛びつき、かなりな応募者
の中から選んで頂きました。
 当日はゾウとウォンバットとレッサーパンダの担当になり、きつい尿の臭いが
漂う獣舎の裏手で食事の準備。
 レッサーパンダの主食はササの葉、これは小枝のまま与えます。
黒板には月曜日に500mlの牛乳と同じく月曜にリンゴ14kg、水金曜日に
リンゴ10kgを与えると書かれてありました。

 食事の準備が終わった時に園の方が声を掛けてくれました。
「子供抱いてみる?」
30cm四方の箱の中には2頭の子パンダ、体重を測る為に抱き上げてくれと言う
のです。
 そりゃ凄い体験、喜んで差し入れた私の手に向かってロンともう1頭が牙を
むいて威嚇します。
かわいい顔のチビ助が必死に唸り声を上げる姿に、小心者の私はすくんでしまいました。
 ロンを抱き上げるためには、暫しの時間と想像以上の勇気が必要でした。 
コメント
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