あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

昭和のプロレス:車かナイフか

2020-01-31 06:29:19 | 日記
血を見てドン引きの観客

 「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」では、主役を支えた脇役たちの活躍を振り返っています。
今週は「テーズと同じ必殺技のルター・レンジ」です。
 173cm104kgと小柄ながら筋肉の鎧を纏ったような体形、黒人特有のバネで打点の高い
ドロップキックを得意にしていました。
決め技は鉄人テーズで有名なバックドロップ。
背の低さをカバーするように高々と持ち上げて急角度で落とす危険なものでした。
(ドクトル・ハチャのぼやき旅 より)

 1961年12月に日本プロレスに初来日、吉村をバックドロップ一発でKOしましたが、
それを見ていた力道山が思わず漏らします。
「投げるスピードといい足腰のバネといいテーズを超えている。
いやあ恐れ入った、こいつは本当に凄え!」
 その力道山と豊登が持つアジアタッグ選手権を奪った試合では、興奮したファンがリング
サイドに押し寄せ大混乱。
12日後に行われたリターンマッチでのレンジのやられっぷりは半端ではありません。
日本組の猛攻を受けまくり文字通り血反吐を吐いてみせたのです。
 プロレス特有の演出とはいえレンジの流血は度を越えたもの。
王座奪還を喜ぶはずのファンが引いてしまったというエピソードが残っています。

いつか見た結末

 69年に国際プロレスに登場したレンジの肩から胸には大きな傷跡がありました。
2年前のインド遠征でファンにナイフで切り付けられた、それがトラウマになり激しい試合が
出来なくなったと当時の専門誌は報じていました。
本当はハワイに遠征した時の交通事故の後遺症で、無理がきかなくなったとの説もあります。
(続プロシタン通信 より)

 いずれにしても国プロに現れたレンジには以前の気迫も体力もありません。
だから板橋区体育館で行われたエース小林との一戦では、結末をお茶に濁すしかありません。
1本目は暴走したレンジの反則負け。
2本目は切り札のバックドロップでレンジが体固め。
3本目の開始早々にレンジはまたも仕掛けます。
 右腕を腰に回し左腕で太もも辺りを抱き上げてバックドロップの体勢です。
とその瞬間小林がコーナーマットをひと蹴り!
バランスを崩したレンジは小林に抑え込まれる形でフォールを奪われました。

 でもこれを目にしたファンは小林の勝利を素直に喜べません。
同じシーンを既に見ていたからです。
 時は3年前の2月28日、所は東京都体育館、馬場対テーズのインター選手権の決勝です。
必殺バックドロップを仕掛けられた馬場がコーナーを蹴りテーズを押しつぶして逆転勝利。
 会場と役者は少々格落ち、しかし結末だけはインター戦と同じとあってファンは白けます。
レンジの不調も相まってこの試合は小林人気の盛り上げに繋がるものとはならなかったのでした。

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国語のおさらい:「ん」ではじまる物語

2020-01-30 06:29:59 | 日記
僕んちと隠れんぼ

 毎週木曜日は国語のおさらいをしています。
今週取り上げるのは日本語の中でもちょっと変わった存在の「ん」です。
 日本では「ん」ではじまる固有名詞は見かけませんが、外国では結構使われています。
特にアフリカの地名や人名や部族名に多いのはよく知られた話。
例えばチャドの首都はンジャメナ、先日NHKが生中継を行ったタンザニアの自然公園は
ンゴロンゴロ保全地域、カメルーンの都市はンガウンデレ。
 アフリカ大陸以外で「ん」ではじまる固有名詞が多いのはインドネシア。
ンダラタンドとかンガウェンなど盛りだくさん。
他にもフィジーやニュージニアにもあるそうですが、その辺りはちょっと意外な気がします。
(ニコニコ大百科 より)

 「ん」で連想するのはしりとり。
平安時代に貴族の遊びとして誕生したそうですが、口にした単語の最後の文字が「ん」だと
負けになります。
 誰しも経験した遊びでしょうが、結構末尾に「ん」が付く単語が多いので手こずります。
その一方で「ん」ではじまる日本語はほとんどないからこのルールは理にかなっています。
 ここでほとんどと言ったのがみそ、辞書を引くとゼロではありません。
三省堂の国語辞典には12の項目が掲載され、ひとつ手前の「を」が4つしかないのに比べると、
意外なほどのボリューム感です。

 どんな言葉があるかといえば「ん」一文字で<接尾語としてそのような状態にあることを表す。
泥んこなど。>
「んち」は<「・・・の家」の意の圧縮表現。
ぼくんちでは犬を飼っている。>
「んぼ」は<そのような状態にある人を表す。
軽い侮蔑を含意することが多い。
甘えんぼ、けちんぼなど。
またそのようにする子供の遊びでもある。
隠れんぼ。>
 言われてみればこのような使い方は何の抵抗もなく普通に使っています。

しりとりの謎

 50音は5つの母音と子音の組み合わせでできています。
ところが「ん」はそのルールに属さない特別な存在。
古事記・日本書紀・万葉集などには「ん」の文字は見当たらないといいます。
その為古代の日本語には無く、室町の頃に中国から入ってきたと考えられているそうです。
(Wikipedia より)
 そうとなると、おかしな点が。
平安時代に貴族の遊びとして始まったとされるしりとり、室町時代に「ん」が伝わるまでは
どんな決まりでやっていたのか気になります。

 その愚問はさておいて、今回の「ん」で国語のおさらいは45回目になりました。
毎回50音のどれかひとつを無作為に取り上げてきましたがひと回りの完了です。
 しかしこれだけ続けても日本語は難しい。
相変わらず本を読めば読めない漢字が現れるし、辞書を開けば意味の分からない言葉に遭遇します。
こりゃもっと勉強しろって話です。
 そんなこんなで最終回になるはずだった「ん」が、もう1周するためのスタートになりました。
このシリーズ、来週も普通に続きます。

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身近な生き物:目覚まし時計が鳴るまでは

2020-01-29 06:29:09 | 日記
ふたつの冬眠

 先週は新潟県見附市の県営住宅にクマが現れました。
昨年の暮れには同じく十日町市の倉庫で親子らしき3匹が発見されました。
信濃毎日新聞では「暖冬で熊冬眠できず?」の見出しで、似た様な現象が各地で起こっている
ことを報じています。
ひょっとしたらクマの世界で異変が起きているのかもしれません。
 信毎の記事を抜粋します。
<山形県で小学校付近をうろつくクマが発見された。
東北では今年に入り既に福島で2回、青森・宮城で1回ずつ目撃情報が寄せられている。
専門家は「冬眠中のクマは完全に意識がないわけではない。
暖かい日が続けば出没が増える可能性はある。>と言っています。
 冬眠って深い眠りのイメージがあったのでこれは意外な話です。

 哺乳類の冬眠には大きく分けて「クマ型」と「リス型」があるそうです。
<冬眠中のクマは体温を通常より低い30度前後に保ってあまり動かずに過ごす。
何もなければ途中で目覚めず餌も食べない。>
 しかし気温が上がるとより快適な場所を求めて移動することがあるといいます。
だから1月に各地で目撃例が相次ぐのも暖冬の影響と考えればそれほど不思議なことでは
なさそうです。

クマよ起きるな

 謎がいっぱいなのは「リス型」の冬眠。
この習性の詳しい仕組みは分かっていないそうです。
 <リスなどの小型の哺乳類は1週間ほど続けて深く眠り、周期的に目覚めて蓄えた餌を食べる。
深い眠りでは体温は10℃以下になり心拍数も通常の数十分の一に落ちる。
脳波も消えてしまう。>
 通常の哺乳類は体温が大きく下がれば心臓が止まってしまいます。
長期間低体温が続けば細胞が死に、筋肉は萎縮し骨密度も低下します。
しかしリス型冬眠ではそんな事態は起こりません。
そのメカニズムはいまだに解明されていないのだそうです。

 リスに近いハムスターで検証が行われています。
<冬眠中には体の脂肪が固まりにくくなる遺伝子が活性化する。
脂肪を効率的に使う酵素に加えて、脂肪を合成する酵素も動きが活発になる。
冬眠が終われば遺伝子の働きは低下する。>
 この驚きの能力を解明すれば私たちの暮らしを大きく変えるかもしれません。
<病気や高齢化で寝たきりになった人の筋力を維持し、骨粗鬆症を防ぐ手掛かりが見つかりそう。
移植のための臓器を長持ちさせる技術にも役立てそう。>(引用はいずれも 信濃毎日新聞 より)
 NASAでは有人探査の「人工冬眠」の技術として着目をしているといいます。

 リスの冬眠は今後も研究課題としてますます注目されていきます。
ではクマの冬眠は?
大したメカニズムもなさそうなのでクマさんよ、中途半端に起きずにゆっくり寝ていてちょうだい。

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雑草の日:花を愛でキノコに舌鼓

2020-01-28 06:29:39 | 日記
根こそぎ倒れる

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げていますが、今週は若干趣を違えて
毎日の様に通る森林公園のウォーキングコースが荒らされた話です。
雑草の天国だった場所が酷いことになってしまいました。
 そこは雪が融ければフキノトウやゼンマイが顔を出し、春にはイカリソウやショウジョウバカマ
が咲き、夏にはオカトラノオの花が風にそよぎ、秋になれば異形のオヤマボクチの花が見られる場所。
沢から尾根に至る南向きの広い斜面です。
 およそ100段の階段があり、通るたびに体を鍛えているなあと実感できる場所でもあります。

 辺りには昔植林されたのであろうカラマツが数多く並んでいます。
それが今回の惨事を招いた元凶です。
 昨年10月の台風19号の激烈な風が1本のカラマツを根こそぎ倒しました。
根元にぽっかり空いた大きな穴は階段の一部も破壊し、太い幹や枝はあたりをほじくり返して
いました。
 こりゃひどい、気象災害で雑草の楽園が台無しだ。
その光景を目にしてそう思いましたが、その結果をもたらしたのは実は人間でした。

カラマツこそいい迷惑

 植林用のカラマツは種を蒔いて育てます。
1年程経った時点で苗を選別するために植え替えが行われます。
金属刃がついた専用のトラクターで地表から15cmの深さで掘り起こしますが、それより
下に生えている根は切断されてしまいます。
 その根は「直根」と呼ばれ重力方向に深く伸び、水平方向に広がる「側根」と共に木を
倒れにくくしています。
 ところが直根は一度切られると再生せず、側根も細くなるので風などに弱い木になって
しまいます。(県林業総合センター より)
 県内の人工林約33万ヘクタールのうち、半分の約17万ヘクタールがカラマツ林。
戦後の復興期から高度成長期に盛んに植えられましたが、そのほとんどは直根が切られた苗です。
(県森林づくり推進課 より)
 台風になぎ倒されたカラマツは、人の手によって倒れるべくして育てられた木でした。

 直根を残しての植え替えは手作業になりますが、山林種苗農家は何万本ものカラマツの
苗を育てるので機械に頼らざるを得ません。
<専門家は成長すればするほど重心が高くなり、強風によって根ごと倒れる「根返り」が心配。>
とし、災害に強い森林づくりを提唱しているそうです。(信濃毎日新聞 より)
 イカリソウやオヤマボクチが生える場所は雑草の楽園。
その斜面を太くて頑丈な幹で薙ぎ払ったカラマツの無慈悲な暴虐。
私の目にはそう映りました。
 しかし自然はそんな出来事などとっくに織り込み済み、それらもひっくるめて時は流れます。
ショウジョウバカマやゼンマイは邪魔な木を除けて再生します。
朽ちた木はやがておいしいハナイグチやハナビラタケの温床に変わります。
 花が咲けばきれいだと騒ぎキノコを見つければおいしいとまた騒ぐ。
そんなお気楽な私が文句を言うなんて、カラマツに失礼でした。

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健康長寿:若者の冷や水

2020-01-27 06:29:59 | 日記
死因のランキング

 先月の信濃毎日新聞にあった小さな記事。
世界保健機構(WHO)が年齢層ごとに適切な身体活動量を勧告したと報じていました。
行数僅か22行の少ないボリュームながら内容は深刻でした。

 毎週月曜日は専門知識のかけらも無い私が、ウォーキングを通じて健康長寿を手に入れようと
奮闘するお話です。
今週は「運動不足とウォーキング」です。

 年齢層ごとの勧告と聞けば気になるのは我々世代に向けての内容、
しかし残念ながら22行では細部の記述はありません。
そこで実態を調べてみました。
 <1日30分以上の運動を週に2回以上、1年以上続けている人を「運動習慣がある」と
規定すると、65歳以上の男性の46.2%女性39.0%が該当する。
高齢者の体力は年々増加傾向にあり、日常的に運動している人は生活の充実度が高い結果も
出ている。>(健康長寿ネット より)

 わが世代の運動状況は他の世代と比べてもそん色ない様ですが、もちろん問題もあります。
ひとつは2極化、運動を毎日していると全くしない人に分かれるといいます。
 運動をしない人の理由は<歳をとったから、特に理由はない、仕事や家事が忙しい、面倒
だからの順。>(健康長寿ネット より)
 ふたつめは無理な運動に挑戦して心筋梗塞などを起こし高齢者が突然死すること。
種目別の事故発生率を見るとゲートボール30%、ゴルフ27%、ランニング12%、登山7%、
水泳5%となっています。(みんなの介護 より)
ありがたいことにウォーキングは顔を出しません。

贈る言葉

 肝心のWHOの勧告に話を戻しましょう。
意外なことに問題だとされたのは我々世代ではなく、十分に体を動かしていると思われる若年層でした。
<現状では世界の成人の23%、11~17歳の青少年の81%が運動不足と推察される。
経済発展や都市化の広がりに伴い身体活動が減る傾向がみられる。>(信濃毎日新聞 より)
 それ以上の記載がないのでスポーツ庁のHPを見てみました。
<週1回以上運動する割合は男女とも小中学校の間は比較的高いが10代後半から下降し
青年期を迎える。>
運動量のピークは男子が中2の13歳、女子が小5の10歳。
 その年でピークを迎えてしまったら、その先の半世紀以上は何をするのさ、君たちの体は。
日本も恐ろしい状況です。
若者よ、もっと歩こうよ。

 「年寄りの冷や水」とは<歳をとった人が若い者に負けずに無理して何かをしようとするのを、
警めたり冷やかしたりする語。>(三省堂国語辞典 より)
ジイサン、無理するなって感じですが、実際にはジイサンの方が運動に励んでいました。
 そんな年寄りに負けまいと急に運動を始めた若者がいたら、励ましを込めてこの言葉を贈ります。
「若者の冷や水」、いいじゃないか!
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