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昭和のプロレス:サンダースの末裔

2021-03-26 06:29:39 | 日記
デビュー戦はストレート負け

 「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」では主役を陰で支えた脇役達の活躍を
振り返っています。
今週は初来日でいきなり看板タイトルを奪取したタッグチーム、「ザ・コンバット」
の登場です。
 試合のかき回し役は 182cm110kgのマイク・マーテル、パワー殺法で
勝負を決めるのが185cm115kgのピエール・マーチン。
ふたり合わせてザ・コンバット、その名は日本マットに轟いて・・・いませんでした。

 初来日は1975年11月の国際プロレス。
専門誌などの北米マット情報でたまに紹介されてはいましたが、ほとんどファン
には馴染みのない存在です。
 だから11月2日の開幕戦でストレート負けを喫してもファンの反応は「ま、
そんなものだろ」程度でした。
 ところが翌3日の草津・井上組とのIWAタッグ選手権の本番を迎えると様相
が一変、前日の負け試合が嘘のような動きを見せます。
1本目こそマーテルが井上にとられますが、2本目はマーテルが取り返し、
決勝の3本目もマーチンが井上を押さえ込んで王座を奪取。
 ほぼ無名だったザ・コンバットの名前も多少は広まりました。

 でもリターンマッチでどうせ負けるだろう、そんな大方の予想を裏切って
21日の防衛戦も乗り切ってしまいます。
こうなれば俄然ファンの関心は高まります。
 12月2日に横浜文化体育館で行われる3度目の激突は金網デスマッチ、その
発表が更に関心を高めました。
試合結果は日本組の涙の奪還劇、辛うじて王座の海外流出を阻んだのでした。
 ザ・コンバットは翌76年10月の勇猛シリーズに再来日を果たします。
マーチンは自身が保持するUS王座を井上相手に防衛。
更には木村の持つIWAシングル王座にも挑戦。
 コンバットの名前はかなりファンに浸透し、来日を重ねればもっと客を呼べる
存在になるだろうと期待も高まりました。

たった2回の来日

 国プロの得意技はシリーズ開幕直後に外人組がタッグ王座を奪い、その奪回を
巡るストーリーでシリーズを盛り上げる手法。
 IWAタッグの4代目王者はヘニング・ウインダム組、9代はバション・コロフ組、
14代はタイラー・サリバン組、16代はクイン・ヘス組、18代はワイルド
サモアンズ、いずれもこのやり方でシリーズを盛り上げました。
 歴代の外人王者に比べると小粒の感が否めないザ・コンバットでしたが、国プロ
の得意な手法に乗っかり暴れまわりました。

 昭和世代が「コンバット」と聞いて思い出すのはテレビドラマのコンバット。
サンダース軍曹を演じたヴィック・モローが人気スターになった番組です。
 もしもザ・コンバットがその後も来日を続けたら、サンダース軍曹の様な渋い
魅力が浸透して大物チームになったと思われます。
でも悲しいことにチームとしての来日はこの2回限りで終わりです。
 78年にマーテルが不慮の事故で亡くなりチームが消滅。
81年には国際プロレスそのものが経営難で無くなってしまったのでした。
コメント
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