あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

カニがさる話

2017-06-21 06:52:50 | 日記
お婆ちゃんの思惑

 月に一度、地域の一斉清掃があります。
普段は面白くも無さそうな顔をして排水口を掃除している隣のお婆ちゃんも、毎年この時期だけは
表情が生き生きとしています。
 水底の泥をすくってはスコップを覗きこみ、何やら見つけると喜々としてつまみ上げています。
その時指先で暴れているのは、サワガ二です。
孫が遊びに来た時に喜ぶんだと、うれしそうに話していました。
 日本固有種のサワガニは脚を含めても数センチしかない小さなカニです。
だいたいは黒褐色から赤みを帯びた褐色をしています。
きれいな水を好み河川の上流域から中流域で暮らし、水質階級Ⅰの指標生物になっています。
(Wikipedia より)
 家の横を流れる排水口で捕まえられるのは、一斉清掃の時だけ上流の池の水を放水するから。
勢い良い水流に乗って沢山のサワガ二が流れて来ます。

カニの思惑

 6月の初め、森林公園を散歩していてサワガニを見つけました。
何も水遊びをしながら探したのではありません。
普通に遊歩道を歩いていて見つけたのです。
 確かに近くには沢がありますから、水辺と言えば言えなくも無いのですがかなり距離が
あります。
沢に掛かる橋から続く階段を十数段上がった場所です。
しかも沢自体も護岸工事されているので水底から土手まで2m近くの段差があります。
カニがこんな高い場所まで、何の為に上がって来たのか不思議でした。
 理由を考えて、まず思い浮かんだのは産卵です。
しかし帰宅後に検索すると、どうも違う様です。
サワガニは産んだ卵をメスが腹に抱えて保護する生態なので、水辺から離れた場所にいるのは
不自然です。
 ちなみにサワガニの雌雄は、ハサミの大きさや腹節の形などで簡単に見分ける事が出来る
そうです。
しかしこれも検索して得た知識なので、この時点では知る由も無くオスメスの見分けも
しませんでした。

 岩陰での冬眠から目覚めた直後かとも考えましたが、それもしっくりきません。
何しろ6月の初めです、余程のんびりした性格をしていても、さすがに4月には目が覚めて
いるでしょう。
 雨降りの日には川からは這い出て近くの森林などにいる事もあるそうですが、この日は快晴。
樹々に遮られているとは言え、陽ざしはかなり強い一日でした。
 では一体あのサワガニは何を目的にあんな場所にいたのでしょう。
謎は深まるばかりです。
真相を知るには本人に聞くしかありません。

 「ほんの気まぐれの散歩でございヤス。
余りサワガニーでおくんなさい。」
そう言ってサワガニはそそくさと姿を消しました。

コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 鬼みたいな、アスパラみたいな | トップ | キジはオールドアニメのファン »

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (umiko0)
2017-06-21 10:54:55
偶然にこちらの書き込みを見つけて
読むうちに楽しくてつい、過去記事まで遡り
読んでしまいました。
さらりとした文章。

きのうは一日雨でしたが今日は爽やかに晴れて
さ、楽しませていただいたことだし
遅い一日の始まりとします。
ありがとうございました。
返信する

コメントを投稿

日記」カテゴリの最新記事