あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

秋の小布施で栗拾い

2015-10-31 08:00:31 | 日記
一時は廃れた歴史

 秋の観光シーズン真っ只中です。
観光県長野の北信地域では、特に善光寺と小布施が人気の核になっています。
小布施で有名なのは葛飾北斎と栗。
それくらいは知っていますが、実は両方共にほとんど何の知識もありません。

 毎週土曜日はウォーキング中に気になった疑問を取り上げていますが、今週は
「栗の謎」です。

 栗栽培の歴史の古い小布施ですが昭和45年当時は一時栽培が廃れました。
当時は僅かに19haの畑しか残っていなかったそうです。
 その後葛飾北斎人気で当地を訪れる観光客が増え、それに伴い栗の需要も高まり
農地も再び拡大し、今では79haの畑で栗が栽培されています。
 小布施は強酸性水の松川が形成した扇状地で水はけの良い地質です。
加えて日当たりも良く、これが栗栽培に適しているそうです。(須坂新聞参照)

実践開始

 先日栗を収穫するお手伝いをする機会がありました。
栗拾いと言えば火箸の様な物でイガを摘んでいる風景を思い浮かべます。
実際にはゴム手袋等を2枚重ねして直にイガを摘み中の栗を取り出します。
そうしなければ大量の栗はさばききれません。
 イガがどれ程鋭いのか、試しに素手で挑戦しましたが絶対に無理。
痛くて痛くて少しも持てません。

 栗には早生栗、中生栗、晩生栗の大きな分類があります。
国内では少なくとも40種の栗が栽培されているそうです。
 一番生産量が多いのは中生栗の「筑波」(つくば)で全体の3割を占めています。
この栗は平均して品質が良いので加工用の原料に向いています。
一方で害虫に弱い、樹勢が経年と共に落ちやすい、等の欠点もあると言います。

 次に生産量が多いのは早生栗の「丹沢」(たんざわ)です。
こちらは生食、加工用両方に使われている粒の大きな栗です。
 三番目に多いのは中生栗の「銀寄」(ぎんよせ)です。
風味があり品質が非常に高く甘みが強い栗です。
しかし結実する時期が遅く雨に弱い欠点があります。
 天明の大飢饉の際には救荒食として売れに売れて、大阪中の銀貨を寄せ集めた
のでこの名になったと言います。

 小布施ではこの3種の代表的な栗に加えて、害虫に強く皮も剥き易い貯蔵用の「石槌」
(いしづち)や、非情に粒が大きくてホクホクした食感の「岸根」(がんね)、
「ぽろたん」等が栽培されています。
 フジやあきばえ、紅玉等のリンゴの種類はある程度知っていました。
しかし栗の知識はほとんどゼロの状態。
 何事も経験、栗拾いが雑学を広める良い機会になりました。
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愛犬の為に日本遠征を断ったレスラー

2015-10-30 08:00:39 | 日記
仁王像の様なチーム

 名チームと記憶されるタッグチームながら日本マットに登場したのは一度だけ。
派手な大技など無いけれど、もう一度見たいと思わせる存在感があったチームを
思い出しました。

 毎週金曜日は「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」と題してお届けしていますが今週は、
初期の国際プロレスに出現した大型タッグチームを取り上げましょう。

 時は1969年10月、国際プロレスで「IWA世界タッグシリーズ」が開催されました。
これはヨーロッパから凱旋帰国するストロング小林を売り出す目的で企画され、
懐かしのレスラー豊登とチームを組んだ小林が主役になるシリーズでした。
 そこにヨーロッパ代表として登場したのが190cm、135kg、この時が3度目の
来日となるイアン・キャンベルと191cm、135kg、初来日の
ブルーノ・アーリントンでした。

僕は犬が大好きです

 ショルダータイプのコスチューム、顔を覆い尽くす放題の髭、ほとんど
同じサイズの巨大な体。
似通った風貌の二人が並んで立つだけで、スコットランド辺りの闇の中から
突然現れた鬼の様な迫力がありました。
 
 力のキャンベル、技のアーリントンと宣伝されていましたが、両者ともに
技らしい技はほとんど出しません。
巨体を生かした試合です。
 一方の日本チームも怪力を誇る二人です。
だから両チームの戦いは、巨大な岩と一回り小さな荒削りの石が、力を加減しない
ままにぶつかり合うゴツゴツした物でした。

 スマートさの欠片も無い戦い振りは、見ていて思わず体に力が入ってしまいます。
例え盛り上がりに欠けた試合でも、見終わる頃にはどっと疲れが襲ってきます。
 このシリーズ大いに活躍した巨漢チームですが、その後の登場はありません。
後にAWA提携路線で来襲するブルーザー、クラッシャーチーム等との対戦は是非見たかった。

 一説にはアーリントンが極度の遠征嫌いの為に再度の来日要請を断ったと言われています。
その理由が明確で愉快です。
巨体のアーリントンは「愛犬と離れる日本遠征は辛すぎる。」
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善光寺さんと鳩

2015-10-29 08:00:05 | 日記
伝書鳩ブーム

 真っ白なハトが4羽気持ちよさげに大きな円を描いて空を飛んでいました。
伝書鳩でしょう。
ドバトは良く見ますが、伝書鳩は最近すっかり見かけなくなりました。

 毎週木曜日はウォーキングの途中で見かけた野鳥を取り上げていますが、今週は
ハト科 カワラバト属 ドバト です。

 良く勘違いされますが、伝書鳩が野生化してドバトになったと思っている方が多い様です。
そうでは無く長年の品種改良でドバトからレース鳩が生み出され、第一次世界大戦以降は
情報伝達の手段として伝書鳩の利用が急速に高まりました。
 日本では東京オリンピック開幕式でのハトを飛ばした演出がきっかけになり、
1969年に伝書鳩飼育のブームが巻き起こりました。
ブームはやがて70年代になって終息しました。

 レース鳩とドバトの見た目は似ていますが大きな違いがあります。
レース鳩の方が体全体が大きく骨太で、翼も頑丈で力強い羽ばたきをします。
とは言え姿が似ているので足環の有無が見分ける際の大きな違いになってきます。

鳩の功罪

 長野市民はハトと言えば善光寺を思い浮かべます。
ここで見るのは主にドバトですね。
 昔は境内で餌の豆を買ってハトに与える光景が普通に見られました。
しかし現在ではエサの販売は中止され、建造物にもハトが巣を作らない様に金網が
張り巡らされています。
これは善光寺だけでは無く全国の自治体の多くでも行われている事です。
理由はハトの糞害。

 鳥類は尿も糞と一緒に排泄します。
黒と白に見える糞の内、白い部分が尿でこれは金属を腐食させます。
更にカビを繁殖させ、ダニの住処にもなります。

 善光寺の山門には五羽のハトが描かれた「鳩字の額」が掲げられています。
この山門を1750年の建立以来250年ぶりの大修理をした時の話です。
長い年月に積み重なったハトの糞を、建造物を傷めない様に少しずつ剥がしました。
それは驚くなかれ、厚さ30cm、総重量5.8tもあったと言います。

 滝廉太郎が作曲をした「鳩ポッポ」は誰もが知っている童謡です。
お馴染の歌詞は和歌山県出身の東くめが善光寺境内で遊ぶハトを見て作ったと言われています。
余り知られてはいませんが境内にはその歌碑が立てられています。

 善光寺さんと鳩は、思った以上に深い関係にありました。
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謎の言葉「しょうりょうばった」

2015-10-28 08:00:12 | 日記
久しぶりに遭遇

 「しょうりょうばった」とは何を意味する言葉でしょうか?
ばった、とあるからバッタでしょう、そう仰るあなた、正解です。

 先日ウォーキング中に、何年振りかでショウリョウバッタを見かけました。
道路わきの藪の中から、緑色の虫が飛び出して歩道に着地しました。
結構大きな物体がいきなり飛び出したので、嫌でもその存在に気が付きました。
 草緑色のスマートな体型、長さが10cm近くありますか、雌のショウリョウバッタです。
雌は日本最大のバッタですが、雄はその半分ほどの大きさしかありません。
だから並んでいると別の種類のバッタの様です。
しかし大きさ以外は雌雄全く同じ姿をしています。
特徴は斜めに切り取った様な頭部。
そこから2本の触角がカッコよく突き出しています。
 たまにコチコチコチと雄が鳴いています。

時々意味不明になる自分

 ショウリョウバッタと繰り返して口にすると、何だか呪文を唱えている
気分になります。
次第に、あれ?本当にそんな名前だったっけ?と危うい気もしてきます。
 暫く使わなかった言葉で頭の中が混乱しています。
歳のせいでしょうか、普段は気にならない当たり前の字や言葉を「本当にそれで
よかったかな」と時々あやふやに思う場面に遭遇します。

 先日もこんな事がありました。
「業」を書こうと思った時です。
一画目から五画目まで書き、六画目は「一画二画目と同じ縦棒だっけ?
それとも縦棒なしで横棒だっけ?」
一瞬迷いました。
 一度迷うと正解が分からなくなります。
ショウリョウバッタを繰り返していたら同じ感覚に襲われました。

 ショウリョウバッタ、漢字ではどう書くでしょう?
「精霊蝗虫」と書く様です。
精霊流しの精霊船に形が似ている事からこの名前になったと言います。
ナルホド、幾つになっても学ぶ事はいくらでもある物。
 そうショウリョウバッタが教えてくれました。
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思いやりを持った毒植物

2015-10-27 08:00:56 | 日記
おいしそうな実

 公園の遊歩道を歩いているとそこだけ路面が派手に汚れています。
桑の実を踏み潰した様な紫色のシミが至る所に着いています。
この時期に桑の実?
周囲を見ると歩道の脇には紫色の実を着けたあの草が勢いよく茎を伸ばしていました。
 なるほど、子供達があれを踏み潰して遊んだんだ、と納得です。

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた山野草を取り上げていますが、今週は
 ヤマゴボウ科 ヨウシュヤマゴボウ です。

 漢字では洋種山牛蒡と書きます。
明治初期に薬草の原料として北アメリカから輸入された物が野生化し全国に分布しました。
生命力が強いので在来の植物を押しやり繁殖します。
 茎が赤い色をして2m程にも伸びます。
枝先に着く花は白い小さなブドウ状で、実が熟すと同じようにブドウ状の房になります。
実の色は黒に近い紫色で美味しげなベリーの様です。

私、毒を持っています

 根が太く長く、牛蒡の様に見える事から、洋種の山牛蒡と名付けられました。
しかしこの名前が不幸を招きます。
長野県の様に山牛蒡を漬物にする食文化を持つ地域では、誤ってこの植物の根を
食べてしまう例があると言います。
 ヨウシュヤマゴボウには全体にアルカロイドなどの毒が含まれています。
しかも、根、葉、実の順に毒成分が多く含まれています。
誤って食べると2時間ほどでおう吐や下痢になり、量が多い場合には痙攣や
意識障害を引き起こす事もあると言われています。

 大人の私が見てもこの実はおいしそうな色をしてたわわに実っています。
一粒摘んで口に運びたい誘惑にかられます。
好奇心旺盛な子供ならその気持ちはもっと強いでしょう。
 幸いにも実際には子供の食害のニュースは余り聞きません。
赤い茎と黒紫の強烈なコントラストが、もしも子供の心に警戒心を呼び起こして
いるとしたら、それはこの草なりの思いやりなのかも知れません。
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