雑草の日：オヤジの種蒔き

一株１億円

　毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、　キジカクシ科　オモト属　オモト　です。
　落ち葉に一面覆われた歩道を進んでいたら、茶褐色の視野に突然緑色
が映りこみました。
靴ベラみたいな幅広の葉が地面から生えだしているオモトの一株です。
　たった数枚の葉っぱですが、モノトーンに近い世界では飛び抜けた色彩。
しかも中心部には真っ赤な数粒の実まであるので、緑と赤の補色が一段と
目を惹きます。
　結構な広さがある森林公園ですが、オモトが生えているのはここしか
ありません。
赤い実を摘んで別の場所に蒔いて増やしてやろうかな。
そんなことを思いました。

　オモトは日本原産の多年草。
昭和の時代の家庭では庭の隅っこによく植えられていました。
　愛玩の歴史は古くて４００年以上前から交配が繰り返され、１０００種
以上が作り出されています。
ポイントは＜葉の芸（変化）と斑（模様）と大きさ。＞
（みんなの趣味の園芸　より）
　人気の絶頂期はは庶民には高嶺の花。
＜江戸時代には大名の間でブームになり、数千万円から１億の値が付いた
物もあった。＞（LOVEGREEN　より）
オモト、恐るべしです。

成長戦略

　冬枯れに赤い実は特別に目立つ存在ですが、たまたまそうなった訳
ではありません。
そこにはオモトの緻密な成長戦略がありました。
　＜６月頃に花を咲かせ７月に青い実を付ける。
実は４～５カ月の間、見た目はそのままでじっくりと成熟する。
１１月から１２月に霜が降りる頃になると実を赤くさせる。
鳥の目には赤い色はよく映る。＞
　夏の間は栄養豊富な昆虫を餌にしていた鳥たちも、寒さが増してくると
植物の実を探し始めます。
その頃に目立つのはナンテンやセンリョウ・マンリョウなどの実。
こちらは１cmに満たない大きさなので体が小さな鳥が食します。

　オモトの実はそれよりひと回り大きいので大型の鳥が好みます。
＜その様な鳥は大きな木の枝で糞をすることが多いので、オモトの種は
日陰に落ちる確率が高くなる。＞
　好む環境に種が蒔かれることになりますが、ここで更なる工夫が。
＜オモトの種はそのまま蒔いても発芽率は低い。
果実の綿を取り少し傷があった方が発芽率は高い。
大型の鳥に丸呑みにされ砂嚢ですり潰される過程が発芽を助ける。＞
（おもとの豊明園　より）
こうして鳥に蒔かれた種は新天地で芽を出すのでした。
　オヤジが気まぐれに摘んで適当に蒔いても、発芽の可能性なんてありません。

健康長寿：ひび割れ、まさかの原因

真皮までダメージ

　私の願いは健康長寿。
そのために続けているのがウォーキング。
毎週月曜日はこのふたつに関連するテーマを取り上げています。
今週は「ひび割れとウォーキング」です。
　冬になると目立つのがひび割れを治す薬のコマーシャル。
水仕事や外仕事で痛めた箇所をすぐに修復すると宣伝しています。
　数年前までは気にもしなかったコマーシャルですが、最近はやたらと
反応してしまいます。
そう私の指先もぱっくり割れるようになってしまったのです。
　今も右手の親指の左先が割れています。
先月は爪を挟んだ反対側、右の端が割れていました。
割れたその個所が痛いこと痛いこと。

　人間の皮膚は３層構造。
＜一番外側の表皮が接触などから刺激を防ぎ、その下には水分や弾力を維持
する真皮があり、最も内側には主に脂肪で構成される皮下組織がある。
ひびは表皮の深い部分、あるいは真皮に達することもある。＞（ROHTO　より）
私の指の痛みはかなり深い所で感じるので、きっと真皮までいっています。
　そんなひびが生じる原因は主に乾燥、それと。
＜水仕事などで皮脂が洗い流され皮膚を保護する機能が低下する。
加えてアルコール食毒液の刺激、パソコンやスマホの頻繁な操作などで指先
に負担が増えている。
そこは日常生活でよく使う部位なので、保護しづらいため治りにくい一面
もある。＞（ヒフノコトサイト　より）
　こうして私の指先は冬になると繰り返し辛い目に遇うのでした。

縦の永さ　

　知って驚く事実がありました。
私の様に爪の横の皮膚がぱっくりと割れる人には共通点があるそうで。
何とそれは「爪切り」
　＜爪と皮膚が密着しているピンク色の部分と、爪と皮膚が離れている部分
との境目を、イエローラインと呼ぶ。
爪を切る時にこのラインに沿って先を丸く整える人の場合、爪の縦の長さ
（指先に向かって爪の左右に当たる部分）が短くなる。
すると指先に多くの圧力が掛かる作業をしたり外的刺激が多かったりした
場合、皮膚が硬くなり乾燥により割れやすくなる。
こうならない為には縦のラインを長めに保つ様に爪先を四角く整えるのが
良い。＞（FEELNAIL　より）
　驚きました、私の爪先はどれも丸くなっています。
まさかこの切り方がいけなかったとは。

　同様のことは足の爪にも言えるのでしょうが、足には別の注意も必要
なのだそうで。
＜足は皮脂腺が不足しているので、擦れなどによりかかとの周りの皮膚
が乾燥しやすい。
そのため強い痛みが伴う裂け目ができることがある。＞（BAND-AID　より）
　そんな事態になったら、楽しい筈のウォーキングも地獄の苦行になって
しまいます。
たかが数ミリのひび割れ、侮れません。

日曜日は川柳の日

　この冬は雪が少なめ。
昨年末に２日程雪かきしただけです。
雪が少なければ作業も減るし運転も楽だし。
ありがたい話です。
と思っていたら４日前の大寒波＆豪雪。
倍返しどころかシーズン分の雪をかきました。
誰もが雪を呪っているかと思いきや。
　そこで今週の駄作です。

　＜雪うれし　イヌと子供と　スキー場＞

　大雪の中、「あるくあかるく」は毎日更新目指します。
次週の予告編です。

３０日（月）健康長寿：　　指先の怪我
３１日（火）雑草の日：　　伝統植物
１日（水）身近な生き物：　樹上の集団
２日（木）国語のおさらい：お疲れです
３日（金）昭和のプロレス：義兄弟タッグ
４日（土）日々の愚問：　　知らない仕組み

　大雪と言っても長野市はまだ良い方。
豪雪地帯のご苦労を思えば初心者級の降り方です。
でも寒さと腰痛はこたえます。

日々の愚問：気になる週刊誌の見出し

Ｍ８のメガ地震

　毎週土曜日は日々の暮らしの中で生じた極々小さな、ドーデもいい愚問
を取り上げています。
今週は「週刊誌の見出し」です。
　新聞に毎週載る週刊誌の広告をつい見てしまいます。
健康情報、老後の始末、有名人のゴシップなどに混じって時々差し込ま
れるのが大地震の予測。
曰く「〇月に△地方に震度６の地震が来る」と書かれているので書店で
立ち読みしたり、内容によっては購入したり。
つい先日もその手の見出しがありました。
　そこで頭をよぎったのがふたつのハテナです。

　先ずはこれらの予測の信頼度はどうなのか？
昨年の見出しを日付順に並べると＜４月１２日までに北陸に巨大地震＞
＜６月２２日までに原発エリアで大地震＞＜９月７日までに東北でＭ
６．０＞などなど。
　一方２０２２年には震度１以上の地震は１９４５回、３以上が２０６回、
５以上が１５回。
　５以上の中身を見ると＜３月に福島沖でＭ７．４、震度６弱の地震が発生。
５万棟以上の建物に被害。＞
＜石川県能登地方で６月１９日に震度６弱、２０日に震度５強の地震が発生。＞
（tenki.jp　より）

　見出しと照らし合わせると、北陸と石川県、東北と福島県の一致はあり
ますが、時期にはかなりな隔たりがあるので予測は大外れ。
一方で能登半島の西側には志賀原発があるので＜６月２２日までに原発
エリアで大地震＞の見出には説得力を感じます。
　信頼度が高いのか低いのか、何とも判断しかねるところです。
でも日本は地震大国、誰もが被災者になる可能性があります。
そう思えば先週の見出しは捨て置けません。
　＜Ｍ８・メガ連動大地震の危険度マップ　発生確率は最大７７％！＞
これに踊らされて本屋で立ち読みをする私がいます。

６５歳以上が２５％

　もうひとつのハテナは、見出しって週刊誌の売り上げにどれ程貢献する
のだろう？です。
　男性週刊誌の売り上げ一番は週刊文書、こちらは不倫や政治家とカネなど
のスクープが得意。
そのトップ記事を如何に見出しで表現するかが編集者の腕の見せ所なの
だそうで。
秘訣は、興味を引くけれど中身が分からない文言にする、のだとか。
　一方で文春に肉薄するのが週刊現代。
ターゲットを団塊世代に絞り健康物や老人向けの情報に特化。
１月１９日２６日合併号では＜死ぬ前に用意しておくこと＞の見出しで
前年同期比１３０％近い売り上げを達成しています。（Jcastニュース　より）

　景気の良い話ですが、業界には大きな問題点があるそうで。
読者層の２５％が６５歳以上の高齢者なので、売り上げは漸減。
直近の３年で文春が８万部、現代が１０万部、売り上げを落としていると
いいます。（PRESIDENT　Online　より）
　私だって見出しに踊らされて、本屋に向かう熱意もそう長くは続きません。
えっ？立ち読みだから、はなから計算外だって？

昭和のプロレス：レフェリーのスタミナは無尽蔵

どしゃ降りの大観衆

　「甦れ！金曜８時の昭和のプロレス」では試合を盛り上げた脇役達を
振り返っています。
縁の下の力持ちはレスラーだけではありません。
今週登場の「ブルドック、ダニー・プレチェス」には悪役レスラーと公平
なレフェリーのふたつの顔がありました。
　日本マットとの最初の絡みはサンフランシスコ遠征中の力道山と１９５４
年１月２日に行った試合。
　翌々年８月にはボボ・ブラジル、ロード・レイトンと共に初来日。
このシリーズで最高の盛り上がりを見せたのは９月２５日の川崎球場での
最終戦でした。
あいにくのどしゃ降りながら力道山・豊登対プレチェス・ブラジルを目当て
に１５０００もの大観衆が集まりました。
前年から漂っていたプロレス人気低迷の気配など感じぬ程に観客は大興奮。

　これを契機にテレビ中継のレギュラー化や新聞各紙のプロレス報道の
スペース拡大が始まり、プロレス人気は復活したのでした。
この立役者はシリーズ主役のブラジル、プレチェスはあくまで脇を固める
存在でした。
　典型的な脇役なのに、３回の来日で合計６シリーズに出場する快挙を成し
遂げています。
毎回２シリーズ参戦の計算になりますが普通ではあり得ない事態です。

大波乱の決勝戦

　同年１０月２日にテーズが来日しました。
実はプレチェスはＮＷＡの公式レフェリー・ライセンスの持ち主。
テーズ対力道山のレフェリーに指名され、シリーズを跨いで滞在していた
のでした。
　７日に後楽園球場で行われた一戦は８時２５分に開始のゴング。
闘いは決着がつかず６１分時間切れ引き分けに終わりました。
　試合を裁いたプレチェスは、実はセミファイナルにレスラーとしても
登場しています。
東富士・豊登対プレチェス・坂田の試合は４５分の時間切れ引き分け。
プレチェスはレスラーとして４５分、レフェリーとして６１分動き
回ったのです。
何とも凄まじいスタミナです。

　５９年に開催された第１回ワールドリーグでは覆面のミスターアトミック
が異常人気を巻き起こしました。
５月８日の力道山・豊登対アトミック・プレチェス戦には１万人。
以後の試合も連日超満員札止めの大盛況が続きました。
　そして迎えた６月１５日の最終戦。
決勝進出を懸けた力対アトミック戦は、試合中のアクシデントでレフェリー
がダウン。
急遽駆り出されたプレチェスは、覆面を剥がして大流血を招いた力道山に
反則負けを宣告。
場内は騒然としますが、アトミックの負傷棄権により力の決勝進出が決まります。
　大観衆は予想外の展開に興奮し、オルテガを破って栄えある第１回優勝者
になった力に熱狂しました。
　大波乱の末の決着でワールドリーグは大成功。
大ヒット企画誕生の裏にプレチェスの采配があったのでした。