あなぐま寝入り
「森林公園にあるタヌキの巣穴。何時もの様に歩道から観察しようとした私は、そこに別の
生き物がいる事に気が付いて驚いた。」
そこまでが先週のお話でした。
今日はその生き物についてです。
その動物と目が合いました。
老眼だし手前の藪が邪魔しているので細部までは見えませんが、明らかにタヌキとは異なります。
耳が垂れ下がり、目の周りには黄色の毛が生えています。
地面に座り込んでいる様子ですが、平べったい体つきに見えます。
この公園にいるそんな姿の生き物と言えば、そうアナグマです。
アナグマは北海道を除く日本各地に生息しています。
鋭い爪で地面に穴を掘り、横に広がるトンネル網を作ります。
穴の深さはおよそ2mから3m、長さは50mにも及びます。
この中で数匹の家族が暮らしています。
食性は動物食を中心にした雑食。
性格は獰猛ですが驚くとタヌキと同じ様に、俗に「狸寝入り」と呼ばれる擬死状態になります。
タヌキと違い冬には冬眠をします。
生態が似ている部分もあれば異なる部分もあるアナグマとタヌキですが、前者はイタチの仲間、
後者は犬の仲間です。
襲撃の予感
そんなアナグマが巣穴の前に陣取っているのを見て、頭に浮かんだのは子タヌキを襲う姿です。
暫く様子を伺いましたが、全く動きません。
しびれを切らせて私の方が退散してしまいました。
目的は何だったのか気になって帰宅後に色々と資料に当たりましたが、アナグマがタヌキを
襲った目撃談はありません。
逆に巣穴を共用している話は数多く見つかりました。
例えば昔の猟師のアナグマ獲りの話です。
<巣穴の入り口を一か所だけ残して全部塞いでしまい、煙であぶる。
猟師が巣穴の入り口で鉄砲を構えて待っていると、穴からアナグマが飛び出し続いてタヌキも
出て来た。
2種の獣は同じ巣穴で暮らしていた。>
あのアナグマはタヌキの一家を襲うつもりなど無かったのかもしれません。
実際のところはどうなのか、実地で調べるべく数日後に巣穴目指して藪に入りました。
一気に草が生え葉が茂り、少し前までは見通しの良かった林が今ではジャングル状態です。
足元に長い物が居そうな気がして落ち着きません。
漸く巣穴を見下ろす場所まで来ました。
タヌキの姿は見えませんが、一見したところ巣穴の周囲に変わった様子もありません。
殺戮はもちろん、争った形跡も見えません。
近くのため糞には今朝した様な糞が積み上がっているし、よく見ると巣穴から延びる獣道も薄らと
あります。
タヌキの平穏な生活は保たれている様子です。
野生動物が遭遇すれば、必ず戦いが始まると思うのは私の勝手な連想。
彼らには彼らなりの掟と秩序がある様です。
ではアオダイショウとヤマカガシが遭遇した場合はどうなるか、その話は来週水曜日に。
「森林公園にあるタヌキの巣穴。何時もの様に歩道から観察しようとした私は、そこに別の
生き物がいる事に気が付いて驚いた。」
そこまでが先週のお話でした。
今日はその生き物についてです。
その動物と目が合いました。
老眼だし手前の藪が邪魔しているので細部までは見えませんが、明らかにタヌキとは異なります。
耳が垂れ下がり、目の周りには黄色の毛が生えています。
地面に座り込んでいる様子ですが、平べったい体つきに見えます。
この公園にいるそんな姿の生き物と言えば、そうアナグマです。
アナグマは北海道を除く日本各地に生息しています。
鋭い爪で地面に穴を掘り、横に広がるトンネル網を作ります。
穴の深さはおよそ2mから3m、長さは50mにも及びます。
この中で数匹の家族が暮らしています。
食性は動物食を中心にした雑食。
性格は獰猛ですが驚くとタヌキと同じ様に、俗に「狸寝入り」と呼ばれる擬死状態になります。
タヌキと違い冬には冬眠をします。
生態が似ている部分もあれば異なる部分もあるアナグマとタヌキですが、前者はイタチの仲間、
後者は犬の仲間です。
襲撃の予感
そんなアナグマが巣穴の前に陣取っているのを見て、頭に浮かんだのは子タヌキを襲う姿です。
暫く様子を伺いましたが、全く動きません。
しびれを切らせて私の方が退散してしまいました。
目的は何だったのか気になって帰宅後に色々と資料に当たりましたが、アナグマがタヌキを
襲った目撃談はありません。
逆に巣穴を共用している話は数多く見つかりました。
例えば昔の猟師のアナグマ獲りの話です。
<巣穴の入り口を一か所だけ残して全部塞いでしまい、煙であぶる。
猟師が巣穴の入り口で鉄砲を構えて待っていると、穴からアナグマが飛び出し続いてタヌキも
出て来た。
2種の獣は同じ巣穴で暮らしていた。>
あのアナグマはタヌキの一家を襲うつもりなど無かったのかもしれません。
実際のところはどうなのか、実地で調べるべく数日後に巣穴目指して藪に入りました。
一気に草が生え葉が茂り、少し前までは見通しの良かった林が今ではジャングル状態です。
足元に長い物が居そうな気がして落ち着きません。
漸く巣穴を見下ろす場所まで来ました。
タヌキの姿は見えませんが、一見したところ巣穴の周囲に変わった様子もありません。
殺戮はもちろん、争った形跡も見えません。
近くのため糞には今朝した様な糞が積み上がっているし、よく見ると巣穴から延びる獣道も薄らと
あります。
タヌキの平穏な生活は保たれている様子です。
野生動物が遭遇すれば、必ず戦いが始まると思うのは私の勝手な連想。
彼らには彼らなりの掟と秩序がある様です。
ではアオダイショウとヤマカガシが遭遇した場合はどうなるか、その話は来週水曜日に。