頼りない存在
今日は存在感の薄い虫の話です。
暗くなってから帰宅すると家から漏れた明かりに誘われて玄関の辺りをゆらゆらと
飛んでいたり、お寺の薄暗いトイレに入ると壁に沿って上に行ったり下に降りたり
を繰り返しています。
もやーと現れて当てども無く漂っているガガンボを見るのは、余り気持ちの良い物
ではありません。
子供の頃に初めて見た時は、蚊の親分の様な大きな体と異常に長い手足が不気味で、
どれ程血を吸うつもりかと怖くなりました。
本当は人間の血では無くて花の蜜を吸って生きている、蚊とは縁の無いおとなしい
虫なのですが。
漢字では「大蚊」と表記するし、「蚊の母」がなまった物が名前の由来とも言われて
いるので、昔の人も大型の蚊と認識していたのでしょう。
カトンボなどとも呼ばれ日本中に生息しています。
捕まえようとすると手足がすぐにもげてしまって、見た目と大違いなきゃしゃな
体つきに驚かされます。
幼虫時代は地中で植物の根などを食べて暮らし、成虫になると僅か10日の寿命を
揺らめいて過ごします。
そっくりさんの事情
ガガンボにそっくりなガガンボモドキ何て虫も存在します。
日本では寒冷地に生息している虫なので、長野県内では良く見られます。
姿かたちはガガンボにそっくりですが、こちらは獰猛な肉食です。
見分ける一番のポイントは羽の数。
ガガンボモドキは4枚の羽根を持っていますが、ガガンボの羽は一部が退化してしまった
ので2枚にしか見えません。
昆虫界では種類が違うのに姿がそっくりな虫が数多く存在します。
カマキリとミズカマキリは鎌を持つ姿がそっくりですが、後者はまったく別種のカメムシ
の仲間です。
狩りの腕を鍛えるに従って手が同じような形に進化したのでしょう。
キイロスズメバチにそっくりなアブやカミキリムシの仲間も数多く存在します。
これは毒針を持つ攻撃的な蜂に似せる事で敵から身を守るのが目的です。
いわば「虎の威を借る狐」なので、似せた理由は大いに納得できます。
しかしか弱い本家に似せ様とするガガンボモドキは訳が分かりません。
キツネの衣を借るトラ、になりますがそこにはどんな理由があるのでしょうか。
ウサギなどの小さな生き物はキツネの姿を見れば大慌てで逃げて行きます。
しかし大きな体の馬の場合はキツネ等眼中になく、警戒もしないで近づいてしまいます。
すぐそばまで来て、あれっトラだ!と気付いても時既に遅し、キツネの皮を脱ぎ捨てた
トラにたちまち食べられてしまいます。
ガガンボモドキはそんな大物を狩る成功例を頭に描いて、今日もひ弱なガガンボを
演じているのです。
たぶん。
私が考え出したガガンボモドキの行動の理由ですが、その正当性はガガンボの存在よりも
頼り無い話です。
今日は存在感の薄い虫の話です。
暗くなってから帰宅すると家から漏れた明かりに誘われて玄関の辺りをゆらゆらと
飛んでいたり、お寺の薄暗いトイレに入ると壁に沿って上に行ったり下に降りたり
を繰り返しています。
もやーと現れて当てども無く漂っているガガンボを見るのは、余り気持ちの良い物
ではありません。
子供の頃に初めて見た時は、蚊の親分の様な大きな体と異常に長い手足が不気味で、
どれ程血を吸うつもりかと怖くなりました。
本当は人間の血では無くて花の蜜を吸って生きている、蚊とは縁の無いおとなしい
虫なのですが。
漢字では「大蚊」と表記するし、「蚊の母」がなまった物が名前の由来とも言われて
いるので、昔の人も大型の蚊と認識していたのでしょう。
カトンボなどとも呼ばれ日本中に生息しています。
捕まえようとすると手足がすぐにもげてしまって、見た目と大違いなきゃしゃな
体つきに驚かされます。
幼虫時代は地中で植物の根などを食べて暮らし、成虫になると僅か10日の寿命を
揺らめいて過ごします。
そっくりさんの事情
ガガンボにそっくりなガガンボモドキ何て虫も存在します。
日本では寒冷地に生息している虫なので、長野県内では良く見られます。
姿かたちはガガンボにそっくりですが、こちらは獰猛な肉食です。
見分ける一番のポイントは羽の数。
ガガンボモドキは4枚の羽根を持っていますが、ガガンボの羽は一部が退化してしまった
ので2枚にしか見えません。
昆虫界では種類が違うのに姿がそっくりな虫が数多く存在します。
カマキリとミズカマキリは鎌を持つ姿がそっくりですが、後者はまったく別種のカメムシ
の仲間です。
狩りの腕を鍛えるに従って手が同じような形に進化したのでしょう。
キイロスズメバチにそっくりなアブやカミキリムシの仲間も数多く存在します。
これは毒針を持つ攻撃的な蜂に似せる事で敵から身を守るのが目的です。
いわば「虎の威を借る狐」なので、似せた理由は大いに納得できます。
しかしか弱い本家に似せ様とするガガンボモドキは訳が分かりません。
キツネの衣を借るトラ、になりますがそこにはどんな理由があるのでしょうか。
ウサギなどの小さな生き物はキツネの姿を見れば大慌てで逃げて行きます。
しかし大きな体の馬の場合はキツネ等眼中になく、警戒もしないで近づいてしまいます。
すぐそばまで来て、あれっトラだ!と気付いても時既に遅し、キツネの皮を脱ぎ捨てた
トラにたちまち食べられてしまいます。
ガガンボモドキはそんな大物を狩る成功例を頭に描いて、今日もひ弱なガガンボを
演じているのです。
たぶん。
私が考え出したガガンボモドキの行動の理由ですが、その正当性はガガンボの存在よりも
頼り無い話です。