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国語のおさらい:時間にルーズな日本人

2021-03-18 06:29:49 | 日記
日本人の根幹

 海外にも提供される新幹線の技術、さぞや評判が高いだろうと思いきや、意外
にもそれ程でもないのだとか。
一番の理由はその正確さ、1分1秒の遅れに拘る文化が無いというのです。
 時間厳守のビジネスマナーを叩きこまれた典型的な日本人の私としては意外
過ぎる話ですが、つい先日までは日本人も時間に大らかだったと聞くと「嘘でしょ」
と言うしかありません。

 毎週木曜日は国語をおさらいする日。
今週は小説に出てきた言い回し、「にろくじちゅう」のおさらいです。

 新明解国語にはこう解説されています。
<二六時中 一昼夜にわたって休みなく事が行われる様子。>
これは普段使っている「四六時中」と同じ意味。
 試しにそちらを引くと<24時間の意。
一昼夜にわたって何かが行われることを表す。>と出ています。
四六と意味が同じ二六、どうして存在するのか不思議です。
 四六の認知率は95%、一方の二六は僅かに4%。(ことばの総選挙・デジタル大辞泉 より)
圧倒的に四六時中が現代社会の常識です。
 ところが最初に生まれたのは二六時中、四六時中に切り替わった背景には日本
民族の根底を揺るがす外圧があったのでした。

ふたつのタイプ

 江戸時代には1日を12等分して十二支を当てはめました。
子の刻とか丑の刻など時代劇で耳にする表現です。
<日の出のおよそ30分前を明け六つ、日没のおよそ30分後を暮れ六つとして、
その間の昼夜をそれぞれ6等分し一刻(いっとき)とした。
だから昼夜や季節によって一刻の長さが変わったが、人々は不便を感じなかった。>
(お江戸の科学 より)
 たとえば申の刻は現代時間ならば15時から17時。
同じ刻でも幅があり過ぎるので待ち合わせなんかしたら大変、場合によっては2時間
も待たされてしまいます。

 でも当時の人々の時間の概念は大らか、文句を言う人は誰もいません。
事情が変わったのは明治維新で外国人がやってきて、ルーズな時間感覚に文句を
言い始めてから。
 そこで発令されたのが明治5年の「24時間制」の採用とそれまでの「不定時法」の廃止。
でも正確な時間が求められる軍隊では運用されたけれど、一般には浸透しません。
 大正9年に「時の記念日」が制定され若干の意識変革が起こったけれどまだまだ。
昭和17年に鉄道省が時刻表記を24時間制に改正して漸く世間一般の常識に
なりました。(マイナビニュース より)
 これに伴い12等分が元になった二六時中から、24時間制の四六時中に替わって
いったのでした。

 世界で最も時間に厳格だといわれる日本人、でも少し前まではゆったりとした
時間の流れで暮らしていたのでした。
 人間にはふたつのタイプがあるそうで。
<Mタイプは時間に正確で一度にひとつのことを追いかける。
Pタイプは時間にルーズだが同時に複数のことを行い、人間関係を重視する。>
(nipoon.Com より)
 私は間違いなくMだけれど、憧れるなあPに。
コメント
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