あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

国語のおさらい:何故かハリネズミ

2024-02-29 06:29:09 | 日記
国語を侵略

 毎週木曜日は国語をおさらいする日。
今週は70年近く生きてきたけれど、先日初めて読んだり書いたりした
言葉、「蝟集」のおさらいです。
 辞書をパラパラしていて見つけました。
<四方八方から多くのものが一時に集まる(集まって来る)こと。>
(新明解国語辞典 より)
群衆が蝟集する、などと使うと説明されていましたが、気になったのは
こちらの一節。
<蝟はハリネズミの意。
その針状の無数の毛が放射状に逆立った形状から蝟集が生まれた。>とありました。
 ハリネズミは日本に生息しない生き物。
それが日本語に入り込んでいるのにはちょっとばかり違和感があります。 

 見慣れない「蝟」の部首を調べるとこちらも馴染みのない「彐」もしくは
「彑」とありました。
苦し紛れに「ヨの部」と読んでみたけれど、当然ながらそんな名称はありません。
正しくは<けいがしら、いのこがしら>(漢語林 より)と呼ぶそうで。
 毛の長い獣の象形の意味を持っているのが縁でハリネズミになった様な
話が書かれていました。

モグラの仲間

 これまた知らなかったけれど、ハリネズミを表す漢字はこれ以外にもあるそうで。
それが「彙」
<彐の部の13画。
音読みではイ、訓読みではあつ(める)、たぐい、はりねずみ。
たぐい、仲間、集まり、はりねずみなどの意味を持つ漢字。>(mojinavi より)
 70を前にして蝟と彙の何とも難しい漢字を教わったけれど、残りの人生
でたぶん書くことは無い筈。
だって三歩歩けば忘れてしまうだろうから。
 どうしても「ハリネズミ」を漢字で書く必要に迫られたら、初心者級の
「針鼠」を書いてお茶を濁すとします。
なんだ当て字じゃないか、と言われても平気。
あの有名な「大菩薩峠」の中にも「針鼠」が出て来るのだから。

 ついでにハリネズミという生き物のおさらいを。
<体長14~22cmでネズミよりモグラに近い夜行性の生き物。
目が退化し視力はほとんどないが嗅覚聴覚が優れている。
毛がまとまって硬化した針が背中一面に生えている。>
 野生のハリネズミはヨーロッパなどが分布域だと思っていたけれど、意外な
事実を知りました。
<ペットとして飼われていたものが国内の一部の地域に定着している。>
(動物完全大百科 より)
 日本語に入り込んだだけじゃ物足りず、ハリネズミは日本の国土にも入り
込んでいるのでした。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

身近な生き物:復活ショー

2024-02-28 06:29:39 | 日記
凍らない虫

 昆虫の生態には詳しいつもりでいたけれど。
先日読んだ新聞紙面で大きな勘違いだったと気付きました。
 <日本全国でよく見られるハイイロゲンゴロウ。
池や沼の他、水溜まりや学校のプールなどにも生息している。
冷え込みが強い日は水の表面が凍ることがあるがなんとこのハイイロ
ゲンゴロウ、水と一緒に凍ってしまう。
「凍ったら死んでしまうのでは?」と思うがそうならないのが凄いところ。
氷を暖かい場所において溶かすと、中から出てきて次第に動き始める。
彼らは凍ってもなお生きることが出来る特性を持っている。>(週刊長野 より)
 「よく見られる」と書かれたこの虫の名前を知らなかっただけでなく、
結構頻繁にみられる光景と言われる氷漬け復活も全く知らなかったので
ダブルのショックを喰らいました。

 子どもの頃に池や田んぼで水生昆虫を追い回したので、たぶんハイイロ
ゲンゴロウを見てはいるのでしょう。
でも記憶にないので生態を調べてみました。
 <体長9.8~16.5mm。
6月頃に幼虫になり7月頃に蛹になる。
7月後半から8月頃に羽化し成虫のまま水中で越冬する。
幼虫、成虫共にボウフラなどを捕食する。>(Hondaキャンプ より)
 ゲンゴロウの仲間が水面から飛ぶ際には一端水から上がり体を乾かすのが流儀。
でもハイイロゲンゴロウはいきなり水面から飛翔できる特技の持ち主。
 ネットでその動画を見ると、ブンブン音を出しながら水面を回転し、
突然飛び立ちました。
こんな凄腕の持ち主を知らないくせに、虫に詳しいなんて言った自分が恥ずかしい。

呼吸の秘訣

 子どもの頃に不思議だったのはゲンゴロウが長い間水の中にいられること。
後になって、翅と腹部の間に空気を溜め背面の気門で呼吸していると知った
けれど、それにしても長すぎる。
半世紀を過ぎてその秘密を知りました。
 <上翅気室からはみ出した空気は周囲の水に直接触れるので、気泡内の
酸素分圧が低下すると水中の溶存酸素が内部に流れ込む。
このため当初の蓄え以上の酸素が利用できる。
しかし代謝によって生じた二酸化炭素は水に溶けやすいので次第に気泡は
縮小し、表面積が少なくなり酸素の取り込みもできなくなる。
そうなると浮上して空気を溜め込むことになる。>(基礎ゲンゴロウ学 より)
 こんな仕組み、誰も教えてくれなかったなあ。

 氷漬けから復活する仕掛けも教えてもらってないので分かりません。
昆虫の中には体に不凍液などの成分を持ち凍っても死なない種がいるとは
聞くけれど。
 <一部のものは虫体が固く凍結しても生存し融解すると再び生活を続けられる。>
(昆虫の耐凍性と防御物質 より)
 難解な論文にあったこの一節がハイイロゲンゴロウを指すのか否か、これまた
誰も教えてはくれません。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雑草の日:スミレの主張

2024-02-27 06:29:59 | 日記
0対100

 毎週火曜日のテーマは植物に関するあれこれ。
10年近く火曜の駄文書きを続けていますが、いまだに植物ってよく
分からない相手。
たとえば寒さに抗い冬でも花を咲かせるスミレ科の園芸種。
殺風景な季節に私たちの目を楽しませてくれます。
 よく知られている様にこの仲間は自家受粉をしますが、改めて考えると
それってすごく不思議な仕組み。

 同じ花や同じ植物の花粉で受粉して種子を作る仕組みが自家受粉。
だから人や虫や鳥や風の助けは不要です。
花粉を広く飛ばす必要が無いので量は少なくて済み、虫や鳥を集める必要
が無いのできれいな花を咲かせたり香りや蜜を出したりする必要もありません。
 効率的な反面、遺伝子結合による多様性が失われ、同じ遺伝子ばかりの
近交弱勢の恐れがあります。
諸刃の剣の自家受粉、スミレにとってはどんな位置づけなのかあれこれ
調べてみました。

 スミレの花期は3月から5月。
これが終わった6月から9月が結実に特化した閉鎖花の季節。
 見た目は花被片が開かない蕾の状態ですが、中では粛々と自家受粉が
行われています。
やがて結実し時季になれば種を四散させます。
 ここで気になるのは開放花と閉鎖花の割合です。
<個体によっては正常花が全く付かず初めから閉鎖花ばかりのものもある。>
これは園芸種を育てる栽培家の話。
0対100とは極端ですが、自然界でもこれに近い傾向が見られるようです。

ほぼ100%

 新潟県の弥彦山近辺での観察報告がありました。
それによると閉鎖花の貢献度は非常に高め。
 <平均結実率は開放花で35%、閉鎖花で60~70%。
平均種子捻出率は47%と80%。>
 種の多さは閉鎖花が圧倒的ですが掛かる経費は反比例。
<ひとつの花の花粉量は開放花が3~5万個に対し閉鎖花は千個程度。
1株が年間に付ける花の数は概ね100個、その内の80%は閉鎖花。
年間に作られる種子の数は平均して5000個だが70~90%が
閉鎖花によるもの。>

 ほとんど閉鎖花の貢献で成り立っていますが、これは日当たりの良い林縁
での観察結果。
暗い林床では閉鎖花による種子がほぼ100%だったそう。
送粉者が訪れない光条件の悪い場所ほど閉鎖花の役割が高まる傾向にあると
思われると述べられていました。(北海道スミレ散歩 より)
だったら閉鎖花だけでいいじゃん、そう思うのですが。
 「閉鎖花で大量の種を残し、開放花で遺伝子の質を高める」
要はどちらも大事、きれいな花を咲かせるのはあんたに見せる為じゃ
ありません。
スミレはそう言っているかもしれません。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

健康長寿:怪しいウォーキング

2024-02-26 06:29:19 | 日記
高齢者の95%

 私の願いは健康長寿。
お迎えの来るその日まで自分の足で歩いていたいもの。
そこで頼りにする健康法がウォーキング。
毎日1時間歩いています。
ついでに月曜日にはこのふたつに関連するテーマで駄文も書き散らしています。
今週は「肌の痒みとウォーキング」

 2年程前から冬になると体が痒い。
特に気になるのが脛。
むずむずするので軽くこすると気持ちいい。
でも暫くすると前よりちょっと強めの痒みが襲ってくる。
それで力を入れてかけばいったん治まり、その後もっと痒くなる。
 そんなことの繰り返し。
これを老人性乾皮症と呼ぶのだそうで。
名前を知ったからと言って症状が治まる訳じゃないけれど、対策が立て
易くなるのは確かです。

 ある調査によれば高齢者の95%がこの症状に悩んでいるそうで。
原因は様々だけれど、高齢者の場合は肌の保湿力が低下するのが主な原因。
 <肌が乾燥すると痒みを伝える神経が真皮の中から皮膚表面に向けて
伸びて来るため知覚神経が過敏になる。>
歳をとると背は伸びないけれど、おかしなところが伸びてしまいます。
 痒いからと言ってかきむしるのは大間違い。
<皮膚のバリアー機能が崩壊し、乾燥肌に炎症(湿疹)が加わった皮脂
欠乏性湿疹と呼ばれる症状になり、更に痒みが強まる。>
(引用はいずれも 信濃毎日新聞 より)

ウォーキングの効果

 乾皮症治療の一番手は保湿剤の塗布。
角層に人工的な膜を作って保湿とバリアー装置を形成します。
更に過敏になっている神経線維を改善する効果も期待できます。
 <医師の処方、ヘパリン、セラミド、尿素などを含む市販の軟膏、
ローション、クリームなど多くの種類がある。>(信濃毎日新聞 より)
 薬の効き目は確かにすごい、私にも頼れる一品があり気配を感じる前に
塗ってスッキリしています。

 ところで痒みに対してウォーキングはどんな役目を果たしてくれる?
その質問に対する答えは「さて?」
乾燥した日に歩き回れば脛に纏わりついたジャージの刺激で痒みが酷く
なったりして。
 逆効果になりそうなウォーキング、実は目立たないけれど大きな効果
がありました。
それが「ストレス解消」
 <ストレスが神経終末から痒み伝達物質の神経ペプチドを放出して痒み
を引き起こすことが報告されている。>(毎日新聞出版 より)
 ボケーと暮らしていてもストレスは溜まるもの。
でも四季を感じながら歩いていれば何となくストレスは薄れます。
だから老人性乾皮症も少なからずウォーキングが癒してくれると信じています。
 ところが毎日歩いていながら痒みに襲われているのも事実。
癒してくれていると信じたい、に訂正です。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

日曜日は川柳の日

2024-02-25 06:29:29 | 日記

 先日の地元紙の一面記事。
厳寒期が最盛期の名産の寒天作り。
冷え込みが少なくて製造期間が短縮に。
諏訪湖の御神渡りは出現の気配もなし。
温暖化の影響を嘆いていました。
でも暖かい冬は正直言ってありがたい。
 そこで今週の駄作です。

 <ポカポカを 小春日和と つい言いそう>

 暖冬の2024年2月最終週。
「あるくあかるく」次週の予告編です。

26日(月)健康長寿:   皮膚の痒み
27日(火)雑草の日:   受粉の仕組み
28日(水)身近な生き物: 凍るハイイロゲンゴロウ
29日(木)国語のおさらい:ハリネズミの意味
1日(金)昭和のプロレス: ファンクの相棒
2日(土)日々の愚問:   4位に転落

 文化庁の調査です。
「小春日和」を正しく認識している人は52%。
春先の穏やかな天気と思っている人が42%。
正しい意味を知っていても、つい言いたくなってしまいます。
それ程に穏やかで和む表現。
小春日和って実に魅力的。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする