あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

身近な生き物:観察の醍醐味

2022-11-29 06:29:09 | 日記
3つの断言

 寒空の下、森林公園の坂道を歩く私の視線の先に浮かぶのは1匹のガ。
1円玉くらいの大きさで、どこへ行こうか戸惑いながらフラフラと宙を
漂っています。
 これは晩秋から真冬に掛けて活動をする珍しいガのフユシャクで、
国内には50種ほどの仲間がいます。
 このガについて私は次の3点を断言します。
「①仲間の多くは地味な灰褐色 ②彷徨っているが決して食べ物を探して
いるのではない ③私には飛び方で雌雄が分かる、これは間違いなく
オスのフユシャク」

 順番に説明していきましょう。
先ずは地味な体色についてです。
 一般にチョウなどの翅が美しい色や模様に飾られるのにはふたつの目的
があるといいます。
メスの興味を惹くことと天敵の目を眩ますこと。
 ところがフユシャクの場合はどちらも縁がありません。
メスはどれ程魅力的なオスがいても近寄ってはくれません。
最大の天敵はコウモリですが、寒くなれば冬眠して姿を消してしまいます。
だから仲間の多くは地味な灰褐色をしています。

 次は食物探しをしない点。
理由は簡単、フユシャクの成虫には食べ物を受け入れる口が無いのです。
 極寒の季節に水分を取り込めば体内から凍り付いてしまいます。
これを防ぐために羽化するまでにため込んだ養分だけで彷徨います。
徘徊の目的は、そう子孫を残すため。
 みっつめの飛び方で雌雄の区別ができる点は話を盛りすぎました。
事実は「飛んでいるのは全てがオス」
メスの翅は退化して飛べないのです。

フェロモン放出

 目の前を飛ぶ灰褐色のフユシャクのオスは、メスの手掛かりを探しています。
翅を失って飛べないメスは自分からオスに近寄ることは出来ません。
だから尾部からフェロモンを放出しオスを誘うのです。
フラフラとさまよう様に浮かんでいたのは、必死にフェロモンを求める姿でした。
 マニアの伝によればフユシャク観察の醍醐味はメスに出会うこと。
翅のない1cm程の地味な姿を探し出すのは、フェロモンを感知できない
人間にとっては至難の業です。
だから先ずはオスの行動に注目し、フラフラ飛行が一定の範囲を探る様に
飛び回り始めたらチャンスだといいます。
 <メスはフェンスの上や樹の幹にとまっていることが多いのでそこを
注視する。>(WILC MINC GO!GO! より)

 マニアでない私には興味のない話ですが、それでもきっとメスを探す
でしょう。
 活動している身近な生き物がほとんど姿を消してしまう冬が、この先
あまりに長く続くから。

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国語のおさらい:迷いの連鎖

2022-11-29 06:29:09 | 日記
意味不明な反応

 毎週木曜日は国語のおさらいをしています。
今週は画数が7画の簡単な漢字に手こずる話です。
 「呆然」を目にすると条件反射で間違った読み方が頭に浮かびます。
普通に「ぼうぜん」と読み進めれば良いのですが、何故か「あぜん」が
出て来るのです。
毎度根拠のない迷いに直面し、どうしてそんな事態に陥るのか悩みます。
 今週のおさらいはその点の解明です。

 「呆」をおさらいしましょう。
<部首は口、字画は7。
音読みではホウ、ボウ、ホ、タイ、カイ、ダイ。
訓読みではあき(れる)、おろ(か)>(mojinavi より)
 どこにも「あ」を思わせる読み方などありません。
だから「あぜん」に迷うのはおかしな話です。
 小説などで、漢字がどのように読まれているかをまとめたサイトが
ありました。
それによると<呆然:ぼうぜん78.4%、ぼんやり14.7%、ばうぜん
4.8%>(ふりがな文庫 より)
 ぼんやりは三遊亭円朝の落語の中、ばうぜんは泉鏡花の小説の中など
での使い方。
 名だたる文献のなかにも「あ」を思わせる読み方は見つかりません。
それなのに私の頭はその方向に何故か反応してしまいます。

謎の解明

 「あぜん」の漢字表記は唖然。
読み方は異なるけれど、意味は似た雰囲気をしています。
違いをおさらいしましょう。
 <唖然の「唖」は言葉を話せないの意味を持ち、「然」は状態を表している。
よって驚きのあまり声も出せない様子を意味する。
 呆然の「呆」は元々は赤ちゃんをおむつで包んだ姿を表し、ぼんやり
するやおろかを意味している。
よって呆然は驚きのあまりぼんやりしている様子を表している。>(語彙力 より)
 意味の上からも「あぜん」を思い起こす要素は見当たりません。
自分の頭の反応が説明できずに悩みます。

 漢和辞典を眺めていたら謎を解く鍵が見つかりました。
「呆」の項にこんな解説があったのです。
 <事の意外なのに驚く、呆れる。
呆然(ぼうぜん)、呆気(あっけ)>(漢語林 より)
これだ、この読み方だ!
 痴呆とか阿呆ならば迷いなく「ちほう」「あほう」と読み進めるけれど
「呆然」に直面すると頭の中にきっと「呆気」が浮かぶのです。
それが「あれ?あぜんだったかな?」の迷いの原因になるのでした。
長年の迷いが消えました。
 でももう迷わなくなった訳ではありません。
私は漢字に疎い人間。
「代替・凡例・早急・完遂etc.」などを目にする度に「あれ?」の疑念が
続きます。
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雑草の日:植物園は動物園

2022-11-29 06:27:08 | 日記
18種の哺乳類

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、 イネ科 スズメノチャヒキ属 キツネガヤ です。
 森林公園の歩道脇の薮で長い穂を風になびかせていた草。
多年草なので今でもそこに生えている筈ですが、確認するのは至難の業。
夏の頃には青々としな垂れていた花序が目印になりましたが、枯れ落ちた
今は手掛かりになるものが何もありません。
 そんな地味な存在ですが名前は妙に印象的です。
どうしてキツネ?
ノギって何?

 先ずはキツネが付いた理由から。
<護頴(鱗状の包葉のこと)の先端が細くなり芒(殻の先端の針の様に
鋭い棘)になる。
芒の長さは1cmほど。>(イネ科ハンドブック より)
 小穂自体が細長い上に先端に芒が付いているので全体の印象は更に鋭いものに。
<遠目では細く尖って 見える様をキツネに見立てて名前になった。>
(野田市HP より)
細い様子からキツネの目を連想したのかもしれません。
 一方具体的な部位を示す解説もありした。
<花穂の姿がキツネの尾を思わせるから。>(GKZ植物事典 より)
 この手の話を聞くと昔の人の想像力の豊かさに感心します。
道端の草を目にして生き物を思い描くことは、私の頭では絶対にありません。

 話は脱線しますが植物の名に付いた哺乳類は18種に及ぶそうで。
<多い順にイヌ、ウシ、ウマ、ネコ、キツネ、トラ、ネズミ、サル、クマ、
イノシシ、シカ、イタチ、コウモリ、ブタ、タヌキ、キリン、ウサギ、ヒツジ。>
 5位のキツネは<キツネアザミ、キツネノゴマ、キツネササゲ、キツネノ
ボタン、キツネノカミソリ、キツネヤナギ。>(動物の名が付く植物 より)
など9種類あるといいます。 

鳥類も登場

 次は「ガヤ」、調べてみたら何のことは無い、「カヤ」でした。
茅葺屋根に使う植物の総称です。
 <細長い葉と茎を地上に立てる草本植物で、主要な物にチガヤ、スゲ、
ススキなどがある。
イネやムギは水を吸ってしまうがガヤの茎は油分があるので水を弾き耐水
性が高い。>
だから昔から屋根材や飼肥料として暮らしの中に取り入れられてきました。
 主な仲間には<イタチガヤ、オカルガヤ、カモガヤ、チガヤ、ネズミガヤ、
メカルガヤ、メリケンガヤなどがある。>(Wikipedia より)
 どれも「カヤ」では発音しにくいので納まり良く「ガヤ」になったの
でしょう。

 気づけばここにもイタチやネズミが登場しています。
更にはカモも混じっています。
よくよく見ればキツネガヤが属するグループの名称にはスズメが入っています。
 植物園を巡っていたらいつの間にか動物園に入り込んだ気分です。 
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健康長寿:何故か悪玉

2022-11-28 06:29:49 | 日記
未解明な謎

 私の願いは健康長寿。
そんな私が頼りにするのはウォーキング。
そこで毎週月曜日にはこのふたつに関連したテーマを取り上げています。
今週は「マイオカインとウォーキング」です。

 新聞に掲載された週刊誌の広告を眺めていたらこんな文言に目が止まりました。
<分泌ホルモン「マイオカイン」で動脈硬化予防・脳の海馬の活性化>
マイオカインって何だ?
 正体は筋肉から分泌される生理活性物質(サイトカイン)の総称。
2000年代に注目され、年に100本以上の論文が執筆される程のホット
な研究分野。
これまでに50種類以上のマイオカインが発見されているといいます。

 昔から運動が体に良いことは広く知られていましたが、その理由には
未解明な点が多かったのだとか。
それを明らかにしたのがマイオカインの存在。
 <骨格筋は体重の4割を占め血液中の糖分や脂肪の多くを消費する。
この骨格筋が収縮したときにマイオカインが分泌され、血液を介して全身
に運ばれる。
マイオカインは全身の臓器や組織とコミュニケーションをとり機能を調節
している。>(FEATURE より)
 その連携で運動すると体の調子が上向くのでした。

ふたつの顔

 これまでに次の様な関連が明らかになっているそうで。
<海馬の神経細胞を増やしている可能性がある。>(NHK より)
<皮膚細胞の活性を高め肌のコラーゲン産生に寄与している。>(FANCL より)
<イリシンは神経細胞の活性化。
SPARCは大腸がんの抑制。
脂肪消費を促したり糖尿病・高血圧・動脈硬化を抑制したりするマイオ
カインもあると考えられている。>(NHK より)
 凄さは分かりましたが、どうすれば増えるのでしょう?

 それには筋トレとウォーキングなどの有酸素運動の組み合わせが良いと
ありました。
<効率よく安定的に分泌させるには太ももなどの大きな筋肉を鍛えるのが有効。
負荷は軽くても構わないが週に3~5回行うことがお勧め。>
 また筋トレをする際には<ゆっくり行い、呼吸を止めずに、鍛える筋肉
を意識する。>ことが大事。(引用はいずれも NHK より)
 凄い働きのマイオカインですが、油断できない相手でもある様で。
<日常的にしっかり動いている人はマイオカインが適度に分泌する。
しかし動かないでいると善玉マイオカインが減り、筋肉の萎縮を進める悪玉
マイオカインが増加してしまう。>(FEATURE より)
 悪玉がいるとは想定外でした。

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日曜日は川柳の日

2022-11-27 06:29:09 | 日記

 JAXAの月面着陸機オモテナシ。
残念ながら着陸断念の結末でした。
原因は機体が逆向きになってしまったため。
本来太陽に向くはずの表面が反対に。
そのため太陽電池が機能不全になりました。
 そこで今週の駄作です。

 <オモテナシ ひっくり返り 表無し>

 「あるくあかるく」、師走を迎えて突っ走ります。
次週の予告編を。

28日(月)健康長寿:   マイオカインって何?
29日(火)雑草の日:   キツネが生える
30日(水)身近な生き物: ひらひらの蛾
 1日(木)国語のおさらい:あっけない話
 2日(金)昭和のプロレス:アメリカの主役
 3日(土)日々の愚問:  国消国産?

でも日本の技術陣は粘り強い!
3月頃には軌道の影響で通信ができるかも。
そんな期待をもってオモテナシを追いかけます。
月の表が無理なら裏側へ。
オモテナクてもウラアルさ。
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