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日々の愚問:「ファン」を漢字で書くと

2018-06-30 06:29:49 | 日記
サッカー以外にも

 日本中が勝負の行方にハラハラドキドキしながらテレビ中継に夢中
になっていた時、私の頭は場違いな疑問で占められていました。
「どうしてサッカーファンをサポーターって呼ぶんだろう?」

 毎週土曜日は日々の暮らしの中で生じた、極々小さなどーでも良い
愚問を取り上げています。
今週は「ファンの呼び名が違う訳」です。

 サポーターが使われたのはJリーグの発足時に、当時は大勢を占めて
いた野球ファンと差別化する目的で「ファン」以外の呼称を考えたのが
発端だったそうです。
スタジアムに通い、特定の選手に声援を送り、時に金銭的な支援も行い、
目に見える形でクラブチームを応援するので「サポーター」の呼び名が
定着したと言います。(JS-Soocer より)
 公益財団法人・日本サッカー協会のホームページにはもっと端的な
説明が載っていました。
<サッカー好きな人をファン、熱狂的なサッカーファンや特定のクラブ
チームを支援する人をサポーターと呼ぶ。>

 別の競技のテレビ中継でも「ファン」と異なる呼称を耳にしました。
海外からのゴルフ中継では観客を「パトロン」と呼んでいます。
金持ちオヤジが若い女性を囲う卑下た妄想を膨らましてしまう私としては、
何とも落ち着かない呼び名です。
 日本の試合ではギャラリーと呼ぶのに、何故あちらではパトロンなのか
気になります。
<本来はマスターズの観客のみを指す言葉。
創成期にはオーガスタ・ナショナルGCのメンバーが資金運営を行い、
現在でもチケット収入が賞金に充てられているのでパトロンが使われる。>
(スポラボinc より)
 マスターズ以外の大会でも用いられる理由は<単に解説者が言って
みたいから。>(YAHOO知恵袋 より)、そんな事情らしいです。

日本語の定義

 Wikipediaではファンを<特定の人物や事象に対する支持者や愛好者
のこと>と定義し、それぞれの分野特有の呼称を紹介しています。
例えば相撲ファンは「好角家」、バスケットファンは「ブースター」。
鉄道ファンは「鉄ちゃん」で、シューロック・ホームズのファンは
「シャーロキアン」。
私達世代ならば吉永小百合さんのファンを「サユリスト」、今の時代
ならば安室奈美恵さんのファンを「アムラー」と呼んでいます。
そう言えばプロレスの世界でも、熱狂的なハルク・ホーガンファンを
「ハルクマニア」と称した時期もありました。

 これからも様々な分野で、気の利いた魅力的な呼称が出て来るでしょう。
 最後に私なりにファンを定義して、今週の愚問は終わりです。
「応援する個人やチームの動向が気になって、常に心が落ち着かない人。
漢字で書くと『不安』」

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昭和のプロレス:気持ち良くやられましょう

2018-06-29 06:29:39 | 日記
超一流が勢ぞろい

 外人レスラーに魅力が無いと陰口を叩かれていた国際プロレス。
汚名を吹き飛ばそうと、総力を挙げて超一流のレスラーを招きました。
 誰もが知る人気レスラーが勢揃いした中に、ひとりの無名の男が
混じっていました。
どうしてそんなレスラーを呼ぶ必要があったのか、今日はそんなお話です。

 毎週金曜日は「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」です。
当時世界各国に存在したチャンピオンの活躍を振り返っていますが、
今週は「ベルギータッグ王者のイワン・バイテン」です。

 1972年の第4回IWAワールドシリーズに参加した外人レスラー
は豪華すぎました。
2年前に老舗日本プロレスの第12回ワールドリーグで準優勝したドン・
レオ・ジョナサン。
まだ見ぬ強豪と言われた初来日のホースト・ホフマン。
必殺のブレーンクローを引っ提げたバロン・フォン・ラシク。
圧巻はこの大会以降は新日本プロレスの常連となるアンドレ・ザ・
ジャイアント。
 ひとりだけでもシリーズの主役を張れるメンバーです。
加えて脇を固めていたのが第1回IWAワールドリーグに参加した
ジョージ・ゴーディエンコとレイ・ゴールデンアポロン、それに人気者
のティト・コパでした。

仕事の内容

 プロレスとは奥深い物、主役のスターだけでは成り立ちません。
もしも全員が馬場・猪木級のスターだったら、外人レスラーの猛攻を
受けてファンに凄みを伝える役目がいなくなります。
見事にやられるレスラーがいてこそ、主役が光るのです。
 この豪華絢爛のシリーズにあって、外人勢でその役を引き受けたのが
バイテンでした。

 YouTubeでシリーズ中の6人タッグマッチが見られます。
伊達男風のバイテンが日本人エースのラッシャー木村にエルボースマッシュ
を叩きこみ、脚を持ってキックを連発します。
しかし力を抜いているのが透けて見えます。
 逆襲に転じた木村の怒涛の攻めが始まりますが、ここからのバイテン
のやられっぷりが凄い!
ブルドッキング・ヘッドロックで顔からマットに叩きつけられ、首筋に
クロスチョップ、膝の上に背骨から落とされるシュミット流バックブリーカー。
それでも足りずに担ぎ上げられてアルゼンチン式のバックブリーカー、
しかも木村はその態勢で回転しています。

 木村の強さを十分に印象付けて、ここでバイテンはギブアップの意思表示。
この役割を主役級の外人レスラーにさせる訳にはいきません。
日本人と外人の主役が勝敗を決めるのはシリーズの終盤戦、それまで
バイテンは日本人レスラーの強さをアピールし続けるのが役目です。
 人気外人レスラーに混じって、バイテンは日々いい仕事をしていました。

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ことわざ勉強会: 「ふ」ではじまることわざ

2018-06-28 06:29:29 | 日記
送り仮名がふたつ

 毎週木曜日はことわざ勉強会です。
ルールは簡単、50音を1文字ずつ書いた紙を袋に入れ中味を見ずに選びます。
引き抜いた紙に書かれた文字ではじまることわざを思い浮かべてうんちくを
学ぶ、それを楽しむ酔狂な日です。
 今週引いたのは「ふ」、頭を捻るとおかしな言葉が浮かんで来ます。
「福は内」「不治の病」、もっとふさわしい物は無いかと考えた末に出て
来たのが、「冬来たりなば、春遠からじ」です。
 意味するところは<つらい時期を耐え抜けば、幸せな時が必ず来る>。
昔から日本にあった教えだと思っていましたが、意外にも外国から伝わった
言葉が基になっているそうです。
 イギリスの詩人パーシー・ビッシュ・シェリーってお方が書いた「西風に
寄せる歌」の一節から生まれたことわざなんだとか。(コトバンク より)

 話は逸れますがこのことわざの送り仮名表記が資料によって違います。
「冬来たりなば」と書くのは「ことわざ・慣用句の百科事典」、一方
「コトバンク」には「冬来りなば」と書かれています。
 どちらを選ぶかはお好み次第、なのかどうかは分かりませんが。

キャッチコピーで大成功

 さてここからが本日の本題、歴史に埋もれた食べ物の宣伝に関する
お話です。
 ある所に品質の良い唐辛子を売る店がありました。
辛さが評判を呼んでたいそう繁盛していましたが、それを妬んだ商売敵が
近くに安売りの店を出店。
 品質が一番とは言うものの、買う方にしてみれば安さも魅力、徐々に
売り上げが下がってしまいました。
 何とかこの苦境を乗り切ろうと考えた店主の脳裏に、前の年の夏に
目にしたうなぎやの看板が浮かびました。
有名な平賀源内先生のキャッチコピーです。
「本日丑の日」と大きく書かれた横に、ひとまわり小さな文字が並びます。
「土用の丑の日うなぎの日 食すれば夏負けすることなし」

 源内先生が生きたのは1728年から1780年の間、一方シェリーは
1792年から1822年に活躍しましたから、これは1800年代後半
あたりのできごとです。
 源内先生に倣って店主は早速大きな字で書いた看板を店先に据えました。
季節は足先が凍りつく寒い冬。
看板を目にした人が次々店に入って商品を買い求めます。
 そこには唐辛子のカプサイシンが血管を拡張させ、皮膚温度を上げる事
が書かれていました。
凍えた足や手の指先を温め、冷えからくる腰痛や肩こりを治すと評判になり、
店は今まで以上に繁盛しました。
 大いに客を呼んだ看板には、一際大きな文字でこのことわざが書かれていました。
「冬来たりなば 貼るとうがらし」
 このお話、歴史に埋もれ切ってしまっていかなる文献にも見当たりません。
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身近な生き物:こんな筈じゃなかった

2018-06-27 06:51:31 | 日記
オオスズメバチを撃退

 知人から、珍しい物があると聞いて早速出かけました。
近所の森林公園にあるあずまやの軒下です。
 確かにありました、こぶし大のトックリを逆さまに吊り下げた形をした
ハチの巣が。
ナルホド、本当にトックリバチの巣はトックリにそっくりだ、そう感心して
その日は帰路につきました。
 二日後にそこへ行って見るとどうした事か状況が一変。
数センチ程に垂れ下がっていた目立つ突起部分が姿を消して、まん丸い形
に変わっていました。
 何かで読んだ知識では、確かこれはコガタスズメバチの典型的な特徴。
暫く観察していると、黒と黄色の縞模様のスズメバチが巣穴から出て来ました。

 コガタスズメバチは女王バチで3cm、ハタラキバチで2cmの小型
のスズメバチです。
 攻撃性は比較的低いのですが、地域によっては獰猛なキイロスズメバチ
よりも刺される被害が多く発生しています。
それは都会周辺の環境にも柔軟に適応する為。
庭木の植え込みや軒先に巣を作りますが、最初は小さくて目立ちません。
また他のスズメバチの様に威嚇行動も余りしないので、近くに寄っても
気が付きません。
 やがて巣が大きくなりハタラキバチの数も増えた頃、植え込みの剪定など
で知らずに近づいて刺されてしまう事が多いのです。
 攻撃性は低いとは言え、巣を守る為には襲撃するオオスズメバチさえ
追い払ってしまいます。(上野高敏・スズメバチ事典 より)

朝晩大きさを変える
 
 コガタスズメバチの巣作りは5月の初め、越冬を終えた女王バチが単独
で始めます。
材料はかじりとった樹皮に唾液を混ぜた物で、先ずは軒下などにお椀型の
外壁を吊り下げます。
 お椀は次第に丸くなり、底の穴から突起が伸びて行きます。
これはコガタスズメバチとツマグロスズメバチ(八重山諸島に分布)だけに
見られる習性で、外敵の侵入防止と巣の保温の為と考えられています。
(都市のスズメバチ より)

 ところがせっかく作った突起部分も、ハタラキバチが孵化すると壊されて
しまいます。
そして穴の外側から盛り上がる様に一回り大きな外壁が作られて行きます。
 それを繰り返し巣はどんどん大きくなり、バレーボールからバスケット
ボール程にも成長します。
この頃になると中には多くのハタラキバチがひしめいています。
ハタラキバチは勤勉で、穴の大きさを昼は大きく夜は小さく変えて巣を守ります。
(都市のスズメバチ より)

 醜いアヒルの子が美しい白鳥に姿を変えるのは楽しい童話の世界、
おとなしいトックリバチの巣が恐ろしいスズメバチの巣に姿を変えるのは
昆虫の不思議な世界です。
 身近な場所で今日も生き物の営みが続いています。

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雑草の日:のこぎりは語る

2018-06-26 19:48:26 | 日記
印象深い記事

 一昨日の信濃毎日新聞の「達人訪ねて」は県の伝統的工芸品「信州鋸」
についてでした。
主役は鍛冶・両角金福さん、18歳でこの道に入り以来50年以上のこぎり
を作り続けているそうです。
 すごく印象深い記事だったので、暫く頭の中はのこぎりで一杯になって
しまいました。

 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、キク科 ノコギリソウ属 ノコギリソウ です。

 記事に影響を受けたのか、森林公園の歩道を歩いていたら細かい切れ込み
の入った葉が目に飛び込んで来ました。
ノコギリソウです。
 毎日通る場所なのに何時からそこにあったのやら、ご所の庭先に植わって
いるのは目にしますが、ここに生えていたとは気付きもしませんでした。
きっとあの記事を読んだ縁でしょう。
 それまでノコギリソウは園芸種だと思いこんでいましたが、これを機会に
調べたら少しばかり違いました。

 元々は高原などに生えている野草、日本には数種類自生していると言います。
一方でヨーロッパやヒマラヤ原産の物が、観賞用あるいはハーブ利用の為に
日本に伝わり、それらの一部が野生化して広まってもいるそうです。(
四季の山野草 より)
 外来種を載せた「侵入生物データーベース」を見ると、確かにキバナ
ノコギリソウ、オオバナノコギリソウ、セイヨウノ⋰コギリソウ、セイヨウ
ノコギリソウモドキの名前が見つかります。
ノコギリソウの仲間には在来種を脅かしている種もあるようです。

近未来の姿

 人の暮らしの影響で新たに生息範囲を広げる物がある一方で、確実に
数を減らしている種もあります。
現在の地球上では恐ろしい程のスピードで、生き物が姿を消しています。
絶滅する種は1年で何と4万種。
 例えば長野県の絶滅危惧種の植物は120種、いずれも保護と同時に
珍しさ故の盗掘の被害に直面しています。

 絶滅と言えば、のこぎりを作る鋸職人も姿を消してしまいそう。
明治初期には4200人もいた諏訪地方の鍛冶師は、今ではたったの
二人だけ。
建築手法も変わり、現場でのこぎりを使う機会も大幅に減っています。
 信州の名工に選ばれた鋸職人両角さんの跡を継ぐ者はもう誰もいません。
(信毎記事 より)
 今日のウォーキングはのこぎりで頭の中が一杯でした。
そんなのこぎり繋がりのノコギリソウと鋸職人、未来の姿が違います。

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