泡立つ音
何処かから聞こえる奇妙な音。
プツプツプツと泡立つ様な音に時折混じるピキッと鋭い音。
耳をそばだてるとどうやら数メートル先の樹上が音の発生源。
逆光に浮かぶ直線的な枝のシルエットの中に丸っこい物体が幾つも
蠢いています。
位置をずらして目をこらせば黄色いくちばしと少し長めの尾。
イカルです。
この鳥の特徴は何と言っても黄色くて太いくちばし。
見た目の印象はブンチョウのそれに似ています。
見るからに丈夫そうなこのくちばしは硬い木の実を割るのに最適。
樹上から聞こえたおかしな音はくちばしで実を割っている音でした。
好む木の実は多彩です。
例えばヌルデの果実。
これはオレンジ色をした直径3mm程の納豆みたいな外観で房になって
垂れ下がります。
ハゼは5~15mmの偏平な球形の光沢のある実で高カロリー。
マツの実は言わずと知れたマツボックリの中身。
胚乳が豊富な栄養素となります。
木の実だけでなく草の実にも手を、いやくちばしを伸ばします。
例えばイネ科のジュズダマ。
直径9mm程の光沢のある実は硬いけれど、イカルのくちばしは難なく
割ってしまいます。
餌の少ないこの季節、イカルは群れを作って木の実を探し泡立つ様な音
を立ててお腹を満たします。
くちばしの構造
最近の研究では「恐竜の子孫は鳥類」が定説なのだとか。
ティラノザウルスの末裔がイカルの様な鳥と言われてもピンときません。
そうは言っても鶏の細い脚には爬虫類を思わせる鱗。
翅は恐竜の前脚が変化したものと聞けば、あるかもしれない、と思えてもきます。
それに最近の図鑑には羽毛を纏った恐竜も描かれているので、恐竜の子孫説
を頭から否定する気は薄れます。
でもどうしても違和感を拭えないのが鳥のくちばし。
鋭い牙の生えた獰猛な肉食獣の口とはイメージが違い過ぎるじゃないですか。
ところが恐竜の骨格を調べるとくちばしへの変化が解明できると言います。
<恐竜には頬から鼻に掛けて左右一対の骨があり前方に伸びた形状になっている。
この骨が進化の間に前方に突きだしてひとつの骨に結合し徐々にくちばしに
変わっていったと考えられている。>(Gigazine より)
となるとあの鋭い牙は何処に消えたのか。
<歯は硬い物を噛み砕く為に密度が高い。
鳥は飛行するために硬い歯を捨てて軽いくちばしを選んだ。
くちばしにも骨はあるが軽くするために穴が開いてスカスカ。
強度を増すために筋交い構造になっている。>(白鳥と昆虫と鼻の自然観察 より)
木の実を漁るプツプツ音のご先祖様がティラノザウルスだったとは。
世が世なれば餌になるのは木の実じゃなくてぼーと歩いている私です。
何処かから聞こえる奇妙な音。
プツプツプツと泡立つ様な音に時折混じるピキッと鋭い音。
耳をそばだてるとどうやら数メートル先の樹上が音の発生源。
逆光に浮かぶ直線的な枝のシルエットの中に丸っこい物体が幾つも
蠢いています。
位置をずらして目をこらせば黄色いくちばしと少し長めの尾。
イカルです。
この鳥の特徴は何と言っても黄色くて太いくちばし。
見た目の印象はブンチョウのそれに似ています。
見るからに丈夫そうなこのくちばしは硬い木の実を割るのに最適。
樹上から聞こえたおかしな音はくちばしで実を割っている音でした。
好む木の実は多彩です。
例えばヌルデの果実。
これはオレンジ色をした直径3mm程の納豆みたいな外観で房になって
垂れ下がります。
ハゼは5~15mmの偏平な球形の光沢のある実で高カロリー。
マツの実は言わずと知れたマツボックリの中身。
胚乳が豊富な栄養素となります。
木の実だけでなく草の実にも手を、いやくちばしを伸ばします。
例えばイネ科のジュズダマ。
直径9mm程の光沢のある実は硬いけれど、イカルのくちばしは難なく
割ってしまいます。
餌の少ないこの季節、イカルは群れを作って木の実を探し泡立つ様な音
を立ててお腹を満たします。
くちばしの構造
最近の研究では「恐竜の子孫は鳥類」が定説なのだとか。
ティラノザウルスの末裔がイカルの様な鳥と言われてもピンときません。
そうは言っても鶏の細い脚には爬虫類を思わせる鱗。
翅は恐竜の前脚が変化したものと聞けば、あるかもしれない、と思えてもきます。
それに最近の図鑑には羽毛を纏った恐竜も描かれているので、恐竜の子孫説
を頭から否定する気は薄れます。
でもどうしても違和感を拭えないのが鳥のくちばし。
鋭い牙の生えた獰猛な肉食獣の口とはイメージが違い過ぎるじゃないですか。
ところが恐竜の骨格を調べるとくちばしへの変化が解明できると言います。
<恐竜には頬から鼻に掛けて左右一対の骨があり前方に伸びた形状になっている。
この骨が進化の間に前方に突きだしてひとつの骨に結合し徐々にくちばしに
変わっていったと考えられている。>(Gigazine より)
となるとあの鋭い牙は何処に消えたのか。
<歯は硬い物を噛み砕く為に密度が高い。
鳥は飛行するために硬い歯を捨てて軽いくちばしを選んだ。
くちばしにも骨はあるが軽くするために穴が開いてスカスカ。
強度を増すために筋交い構造になっている。>(白鳥と昆虫と鼻の自然観察 より)
木の実を漁るプツプツ音のご先祖様がティラノザウルスだったとは。
世が世なれば餌になるのは木の実じゃなくてぼーと歩いている私です。