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昭和のプロレス:偽物大集合

2021-03-05 06:29:49 | 日記
マードックの偽兄弟

 見た目はまるで銀髪鬼フレッド・ブラッシー、戦い方も噛みつき主体の
ラフ殺法。
そんな危ない奴がやって来ると専門誌は来日前に盛んに煽りました。
 実際リングに登場した姿は言われてみればブラッシーに似ていなくも
ありません。
でも醸し出す雰囲気には本家が持つ殺気がありません。
試合も平凡でファンが期待する暴れっぷりをみせません。
ブラッシーのそっくりさんのメッキはすぐに剥がれ落ちてしまいました。

 「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」では主役を引き立てた脇役を振り返って
います。
今週は「偽銀髪鬼、ドン・カーソン」です。

 1969年頃のアメリカでは著名なレスラーに良く似たレスラーを集めた興業が
度々行われていたそうです。
 たとえばレイ・スチーブンスが「ルー・ケーズ」、ドリー・ディクソンが
「ホボ・ブラジル」、クリス・マルコフが「ナルド・フォン・エリック」、
ロニー・カービンが「バミー・ロジャース」、そしてカーソンが「テッド・
ブラッシー」(NWA世界王者でたどる各地の熱戦譜 より)に変身して
いました。
いずれも良く似たレスラーばかりです。
 カーソンはそっくりさんとして名を知られていますが、意外にも真似をされた
こともありました。
 それをしたのはデビュー当時のディック・マードック。
あの実力者がキャリアの初めにはカーソンブラザーズと称してカーソンの弟を
演じていたのでした。

コックスの挑戦

 カーソンが日本にやって来たのは1970年の日本プロレス。
6月1日の第1次ゴールデンシリーズ開幕戦で中堅の山本小鉄をネックブリーカー
ドロップで下します。
これはブラッシーの得意技。
 初戦を見る限りでは偽ブラッシー、好発進です。
その勢いでカール・コックスと組んで坂口・吉村のアジア王座に臨みました。

 パートナーのコックスは日本のタイトルとは深い縁があります。
66年の初来日でジョー・カロロと組んでいきなりアジアタッグを奪取。
その後エディ・グラハムをパートナーに再戴冠。
72年にはジン・キニスキーとのタッグでアジアタッグに挑戦しています。
 タッグの最高峰インター王座には68年にバションと組んで初挑戦。
10月24日と29日に連続で熱戦を繰り広げています。
 この時には奪取はなりませんが、73年にファンクスがアメリカに持ち帰った
王座にサイクロン・ネグロと挑戦。
見事に勝利して第23代王者になっています。
そのタイトルはファンクスに奪回されるまで3回の防衛をしています。

 さてコックスとカーソンのアジアタッグ戦に戻りましょう。
1本目はコックスが大暴走して反則負け。
続く2本目はカーソンがコブラツイストにあっさりとギブアップ。
 コックスは日本のタイトルに数多絡みましたが、本人はきっとこの試合でこんな
ことを思ったのでは。
この偽物め。

コメント
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