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健康長寿 めざしましょう

昭和のプロレス:逃げたターザン

2022-09-30 06:29:29 | 日記
バス3台を動かす

 「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」では、世間を巻き込む程に話題を
振りまきながら脇役で終わってしまったレスラーを振り返ります。
それは「密林王、グレート・アントニオ」です。

 まるでターザンを思わせるニックネームですが、実態は193cm210
kgのおでぶちゃん。
相撲取りを巨大化させた暑苦しい肉体をしていました。
 1961年の第3回ワールドリーグの目玉として4月27日に羽田に
到着すると、出迎えに出た力道山を突き飛ばして大暴れ。
予定されていた記者会見は中止になり、東郷が鎖を首に巻いてホテル
まで引っ張って搬送する騒ぎ。
翌日のスポーツ紙がこの騒動を大きく報道したのでアントニオは一躍時の人
になったのでした。
 報道を見たファンで28日の神宮外苑は黒山の人だかり。
招待された身障者50名を乗せた8tバス3台をアントニオが鎖で引っ張る
大デモンストレーションを行ったのです。
 実際にバスが滑り出したのでファンは驚愕。
羽田の乱闘と神宮のパフォーマンスで、リーグ戦は開幕前から沸騰状態に
なりました。 

 第3回ワールドリーグは5月1日から6月29日まで全66戦の長期日程。
開幕戦で遠藤をボディプレスで圧殺、2日は芳の里ら日本人若手3人と
ハンディ戦を行いこれにも圧勝。
人間離れしたパワーの持ち主のアントニオ見たさにどこの会場も満員の入り
になりました。
 そうなると誰しも自分の人気を鼻に掛けたくなるものです。
人並外れた体格の持ち主は、自己顕示欲も人並み外れたものでした。
大盛況なのはオレ様の人気のお陰、契約期間を延長しろ、ギャラを上げろ、
あげくは天皇陛下に合わせろと言いたい放題、やりたい放題になって
しまいました。

ゴッチとミスターX

 リーグ戦優勝候補のカール・ゴッチにはこんな展開は我慢できません。
開幕戦から3週間経った5月21日に対戦すると、強烈な肘打ちで鼻血
まみれにして呼吸困難に陥れ場外に蹴り落とし。
両者リングアウトの裁定で控室に逃げ帰ったアントニオを追い、もうひとり
の優勝候補のミスターXと共に殴る蹴るの暴行です。
こうなると巨体が取り柄のアントニオにはなす術はありません。
 困ったのは力道山です。
恐怖の密林王が控室で袋叩きになったと知れてはこの後のインター戦に
客が集まりません。
だから徹底した箝口令を敷きました。

 6月2日の蔵前国技館は17000人の超満員、それを見届けた力道山
に憂いはありません。
1本目リングアウト、2本目空手の滅多打ちでストレート勝ち。
 後はシリーズ最終戦まで地方を回ってアントニオ見たさの客を集めよう、
そんな算段をしたかもしれません。
 ところがその目論見は9日に戦ったミスターXによってぶち壊されて
しまいました。
アントニオのジーパンを引きずり下ろし観客の嘲笑の的にしてしまったのです。
 このままでは何をされるか分からない、怯えたアントニオは決断しました。
その日のうちに横浜港から客船に飛び乗るとカナダに逃げ帰ってしまった
のでした。
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国語のおさらい:はったりの理解

2022-09-29 06:29:29 | 日記
芝居と文章

 毎週木曜日は国語をおさらいしています。
今週は「けれんみ」を取り上げますが、この言葉、私の中では難易度A級。
どう使ったら正しい使い方になるのか、どうも分かりません。
 たとえばこんな風に使われます。
「けれんみが無いので好感を持てる」
この場合は無いから良いとしていますが、逆もあります。
「けれんみで大向こうをうならせた」
こちらは明らかにあった方が高い評価です。
いったい「けれんみ」とは何なのか、どう使うべきなのか、さっぱり
分かりません。

 辞書を引くと「けれんみ」の項は無くて「けれん」で載っています。
<義太夫などで客受けを狙って、わざわざ笑わせたりして語ること。
歌舞伎で俗受けを狙って演じること。
はったりやごまかしの意でも使われる。>(新明解国語辞典 より)
 はったりやごまかしと同意語と聞けば、けれんみは否定的な意味になる
と感じます。
ところが次の質問と回答を見ると考えが揺らぎます。
 <けれんみがある演技とは褒めているのか批判しているのか?>
回答で最も多いのが「褒めている」の44%。
逆に「批判している」としたのは14%。
「文脈による」と答えたのが28%。
 解説にはこうありました。
<けれんは演劇、特に歌舞伎でよく使われる用語。
定格を外れ、見た目の奇抜さを狙った綱渡りや宙返りなどの演技や演出を指す。
正統派の芸では無いが「見せる」という大切な要素を受け持っている。>
(毎日ことば より)
演劇などの世界ではけれんみはあった方が高評価。
 では別の世界では?

 <けれんみのない文章は誉め言葉か否か>の質問には82%が「誉め
言葉」と回答したといいます。
文章にはごまかしは不要です。(oggi.jp より)
 ここまでをまとめると<映画や演劇などの作品でうまい具合に誇張され
たり演出されたりしている場合は、けれんみが効いた作品と評価される。
そういう要素が必要無い場面では、けれんみが無いので正統派で落ち
着いていると評価される。>(意例典 より)

理解の程度
 
 つまりけれんみは良い意味にも悪い意味にも使われる言葉。
<まじめさや正しさが求められる場面では、決められたことをそのまま
理解して行うことが重視される。
そこではけれんみが無い方が物事はスムーズに運ぶ。>
 逆に無くては物足りないケースもあります。
<創造的なものが求められる場面では、如何に人が考え付かないものを
提案できるかが重視されるのでけれんみが必要となる。>
(LAURIERPRESS より)
 場面によって好かれたり嫌われたりする言葉なのでした。

 「けれんみ」を幾分か分かった気がします。
どの程度理解したかと尋ねられたら「うわばみ」や「けじらみ」や「はな
つまみ」くらいには日常会話で使えそう、そんな感じです。
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身近な生き物:小川のグルメ

2022-09-28 06:29:49 | 日記
特定外来種にはあらず

 暑い盛りの8月末に、テレビで衝撃的な料理を目にしました。
香辛料にまみれた真っ赤な大量のザリガニが盛られた大皿が所狭しと
並べられ、テーブルを囲む人々が黙々と殻を剥いて口に運んでいました。
中国ではザリガニがブームなのだそう。
 物凄い量のザリガニが4千年の食欲の前に、次々と胃袋に消えて
行きました。
どの顔も満足そう、食べたことは無いけれどきっとおいしいのでしょう。
 ザリガニ料理で有名な湖北省のある市の年間取扱高は12億トン、金額
にして2420億円。
国全体のビジネス額は驚きの8兆円。
 中国ではザリガニは外来種ですが、この食欲があればどれ程増えても
困ることは無いでしょう。

 でも日本ではこの外来種が悩みの種です。
8月31日の地元紙には<アメリカザリガニ おいしく駆除を>の見出しが
付いたこんな記事が載っていました。
 東御市の主婦が増えすぎるアメリカザリガニに手を焼いて、信毎に「駆除
の仕方を教えて欲しい」と投書。
すると釣り大会やグルメ大会などで楽しみながら数を減らすアイデアが
寄せられたそう。
そこで<9月3日にザリガニ料理、4日に釣り大会を催す。>(信濃毎日新聞
 より)とありました。
 日本では外来種のアメリカザリガニが増えすぎて深刻な問題になっています。

 わが国には3千種以上の外来種が生息し、その内の156種が特定外来
生物に指定されています。
国内に生息するウチダザリガニなどの外来のザリガニもその指定を受けて
いますが、何故かアメリカザリガニだけは除外されています。
 駆除を進める一方で指定から外されるとは、なんとも不思議な話です。

お婆ちゃんのご馳走

 でも理由を知れば納得です。
特定外来種は飼うことが禁じられています。
ところが<アメリカザリガニは既にペットとして広まっている。
指定すると野外に密かに捨てるなどの事態が生じかねない。
そこで新たな輸入・販売や川や池に話すことは禁じるが、捕まえた個体を
飼ったり譲ったりすることは認めることにした。>
 規制による効果が表れるまでには時間がかかるかもしれない、記事には
そう書かれていました。
ところが効果ではなく、大きな迷惑をすぐさま受けた生き物がいました。
在来種のニホンザリガニです。
 8月13日の地元紙には<ペットとして人気のアメザリが売れなくなる
ので替わりにニホンザリガニをヤフオクで売るケースが激増。
これまで年に500匹前後だったものが2401匹と大幅に増えた。>
(引用は全て 信濃毎日新聞 より)とありました。
 減って欲しい種は減らず、減っては困る種に絶滅の危機が迫っています。

 ザリガニと言えばAKBか坂道グループかのアイドルがテレビでこんな
話をしていたのを思い出しました。
子供の頃は貧しくて、おばあちゃんの家に遊びに行くと小川で捕まえた
ザリガニが食卓に出てきた。
 お腹をすかせた子供の話は胸に刺さります。
でも中国でブームになる程おいしいと知れば、それも風変わりなグルメ話
に思えてしまいます。
 私の感覚ってずれてますか?
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雑草の日:レタスの親分

2022-09-27 06:32:21 | 日記

長年の勘違い
 毎週火曜日はウォーキングの途中で見かけた雑草を取り上げています。
今週は、 キク科 アキノノゲシ属 ホソバアキノノゲシ です。
 ひょろりと伸びた長い草丈が特徴的なこの草は、道端や荒れ地が定番の
ありふれた草。
全く関連が無いけれどシャキシャキとした葉っぱが売り物のレタス。
こちらは手塩にかけて育てられる人気の高原野菜。
 まるで違うふたつの植物ですが、実は同じグループに属していると聞く
とちょっとした驚きを感じます。
と言うより、レタスの所属先がキク科アキノノゲシ属と知った方が衝撃は
大きくなります。
 姿かたちや用途はまるで違うけれど、切れば白い乳液が滲み出すところ
が共通点。
アキノノゲシはレタスの親分格ともいえる草なのでした。

 先日森林公園を歩いていると、ちょっと湿った荒れ地にホソバアキノ
ノゲシが数本棒立ちしていました。
春から咲くノゲシに対して9月から11月に花期を迎えるのでアキノが
付き、葉にはほとんど切れ込みが無く細長いタイプなのでホソバが添え
られました。
 花は2cm程で淡い黄色をしていますが、よく見ると舌状花だけで筒状
花はありません。
 一部の花は既に萎れて綿毛が出ています。
この綿毛に関して、私は長いこと大きな勘違いをしていました。

多数の微毛

 タンポポやアキノノゲシなどの花には花期が終わると白い綿毛が出てきます。
この綿毛を冠毛と呼びますが、私は花びらが乾燥して細かく裂けたもの
が冠毛になると漠然と思いこんでいました。
 ところがこんな表記を目にしてびっくり。
<冠毛は花の時から既にあり、花が萎んで花茎がいったん倒れた時に長く育つ。
花が閉じ、次に開いた時には綿毛になっている。>(雑草観察ブック より)
 長年の認識は間違いらしいとは気付きましたが、仕組みがいまいち
分かりません。
<冠毛は果実の上端に生じる毛状の突起で萼が変化したもの。
毛には剛毛・軟毛・羽毛状があり、実が熟す時に長く伸び乾燥すると
放射状に開く。
冠毛は風で飛ばされ落下傘となってゆっくりと落ち果実の散布域を
広げる。>(カルチベ より)
 花びらの成れの果てとの思い込みは見当はずれの勘違い。
綿毛が姿を現す仕組みが漸く頭の中で整理できました。

 ところで素人考えでは綿毛よりも薄い膜の方が風に乗りやすいと
思うのですが。
<タンポポの冠毛の隙間を合計すると全体の体積の90%を占める。>
(natureダイジェスト より)
この隙間が渦を作ることで空気が上昇する流れを生み出すのだそうで。
 しかもアキノノゲシの冠毛には大きな特徴が加わります。
<枝分かれした多数の微毛があるので多種に比べて比較的サイズの大きな
果実を風に乗せて運ぶことができる。>(ちば南房総の野草日記 より)
 地味な花には大きな秘密がありました。
調べついでにレタスにも冠毛があるのか、調べてみましょ。


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健康長寿:先が読めないものは

2022-09-26 06:29:49 | 日記
悩みの種の変異株

 私の願いは健康長寿。
私の健康法はウォーキング。
毎週月曜日はこのふたつに関連するテーマを取り上げています。
 今の世の中、健康に関する最大の関心事は新型コロナ。
対策の切り札はワクチン接種です。
 1回目を打ったのは遥か昔のことに思えますが実は去年の話。
そこから今に至るまでの流れを振り返り、これからどうするべきかを
考えました。
今週は「新型コロナワクチンとウォーキング」です。

 2021年3月5日の地元紙からの抜粋です。
<4月以降ファイザー製ワクチンの接種が16歳以上を対象に始まる。
受けるか否かの判断は個人に委ねられる。>
臨床試験では接種者の発症は9割以上減り、インフルエンザの30~
60%の有効率より遥かに高い、と解説されていました。
 次いで3月9日の紙面から。
<長期の副反応が分からない。
今後増えると予想される変異株にどれ程効くかも分からない。>
リスクを紹介した上で、打たない選択肢もあるけれど打った方が良い、
そう結んでいました。
 更に3月12日には<はしかはウイルスが変異しないので一度ワクチン
を摂取すれば生涯にわたり免疫を獲得できる。
しかし新型コロナには厄介な問題がふたつある。>
 そのひとつは感染しても無症状のケースが多いこと。
知らぬ間に人にうつしてしまいます。
もうひとつは変異株。
これが今まさに私たちを悩ませている問題です。

T細胞やB細胞

 従来型に続いてオミクロン株が発生。
そのため「BA・1」に対応したワクチンを開発しました。
 すると免疫をすり抜ける性質を持つとみられるオミクロン株派生型
「BA・5」への置き換わりが起こりました。
7月中旬で感染者の5割以上がこちらによるものと推計されています。
 今後予想される第8波に備え政府は10月からオミクロン株対応ワク
チンを実施する方針を発表しました。
素人考えでは当然BA・5に効くものだと考えますが、実態は違います。
 <従来株に対応した成分にBA・1に対応した成分を混ぜた2価ワク
チンを使う。
これは現在主流のBA・5にも一定の効果が期待できる。>
 BA・5対応ワクチンは作らない?
<BA・5対応の2価ワクチンはアメリカでは許可が下りているが国内
では審査中。
厚労省は現在のオミクロン株対応ワクチンでも効果の差はそれ程大きく
ないと考えている。>
 何よりも今後出て来るワクチンに期待して今は接種を控える選択が
増えることを懸念しています。

 体の中では免疫が機能しています。
<ヘルパーT細胞が司令塔になり、キラーT細胞が感染した細胞を
丸ごと殺し、B細胞が細胞から出てきたウイルスを殺す。>
(引用はいずれも 信濃毎日新聞 より)
 ウォーキングには免疫力を高める効果が期待できます。
新型コロナウイルスの変異も政府の方針も、この先どう転ぶか読めない
となれば、毎日のウォーキングを続けるのが健康長寿への確かな道。
 一歩進めばT細胞やB細胞が元気になるのが分かり・・分かる気がします。
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