あるく あかるく

健康長寿 めざしましょう

日曜日は川柳の日

2022-07-31 06:29:49 | 日記

 森を歩けば猛暑とは別世界。
少し冷たい空気と濃い緑が迎えてくれます。
それだけで充分なのに、他にもあれやこれやが。
色々出てくる中で一番の困りものはアレです。
カブトムシがいないかと覗き込んだクヌギの木。
我が物顔で樹液をひとり占めしていました。
オオスズメバチが。
黒と黄色の縞模様と唸りを上げる鈍い羽音。
姿を見ただけで腰が引けてしまいます。
 そこで今週の駄作です。

 <スズメバチ 針翅無けりゃ デカいアリ>

 8月に突入の来週の予告編です。

1日(月)健康長寿:   吹いて健康に
2日(火)雑草の日:   そよぐ穂
3日(水)身近な生き物: シジミしみじみ
4日(木)国語のおさらい:味噌汁の文法
5日(金)昭和のプロレス:リトマス試験紙
6日(土)日々の愚問:  ここにもウイルス
 
 オオスズメバチの武器は一撃必殺の針。
もしもそれが無かったら。
ついでに翅がもげ落ちていたら。
怖さの欠片も無いただの虫なのですが。
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日々の愚問:年寄りの野望

2022-07-30 06:38:10 | 日記
発端はスクラップ

 日本中がバブル景気に沸いていた頃、知り合いに聞かれると私は決まって
こう答えていました。
「死んだ婆ちゃんの遺言で、株にだけは手を出しません」
 必ず株価は上がるから買わなきゃ損、そんな雰囲気が蔓延していた時代です。
持ち株の話題を振られる度にそのセリフを口にして煙に巻いていましたが、
真実は半分だけ。
 株に手を出さなかったのは本当ですが遺言なんて嘘っぱち、理由は単に
面倒に思えたから。
 それから何十年も縁の無い世界のままでしたが、なんの因果か今に
なって株式投資について調べものです。

 毎週土曜日は日々の暮らしの中で生じた極々小さな、ドーデもいい愚問
を取り上げています。
今週は「高齢者の株式投資」についてです。

 そんなことになった切っ掛けは新聞のスクラップを整理していて、
2017年9月の地元紙に目が止まったこと。
まるまる一面を使った特集記事のタイトルは「財布のミカタ」、内容は
「小額から始める株式・投資信託」とありました。
 株式の売買単位の変更やネット証券の認知度アップで投資の敷居が
ぐんと低くなっている。
老後の資金を賄うなど、実際に運用している人の目的やタイプは様々。
節約しつつこつこつ小銭をため、新しい話にすぐには飛びつかずしっかり
と調べる堅実派。
新しいものは試してみないと気が済まず、ITなどで情報収集も得意な積極派。
 両極端なタイプが紹介されていましたが、私はどちら?
新しいものに興味は持つけれど調べるのは嫌い、しかもIT情報には
からきし疎い。
両者の悪い所を足したのが私です。
 だから株式投資になど興味を持ってはいけません。
でも世の中の高齢者はどうしているかは気になります。

60代は半数

 そちら方面の関心は薄いのでそもそも「投資信託」の意味すら分かりません。
<一般投資家から集めた資金を専門の期間が運用し、その成果を投資家に
配分する制度。>(コトバンク より)
 最低限の意味を知ったからには、どれ程の人々が投資をしているのかも
知りたくなります。
年代別の利用率を調べてみると<20代80.9% 30代80.1% 
40代72.5% 50代62.8% 60代46.2% 70代35%>
(MORNINGSTAR より)
 若い世代はほとんどが、高齢世代もかなりな比率で取り組んでいるのが
分かります。

 株式も投資信託も今はネットで手軽に始められる時代。
インターネット取引の口座数は過去10年で倍に増えているそう。
時代に取り残されない様に私もスマホをいじくった方が良いのかな、
そんな考えが頭を掠めました。
危ない危ない、その気になる所だった。
 今週の愚問から導かれた格言。
それは「大事なのは投資よりと~しより」
 周囲に大事にされる年寄りに、なれるものならなってみたいものです。
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昭和のプロレス:3人目の男

2022-07-29 06:29:29 | 日記
勝てなかった相手

 「甦れ!金曜8時の昭和のプロレス」では主役を引き立てた脇役達を
振り返っています。
今週は「力道山を倒した男、フレッド・アトキンス」の登場です。
 アメリカでプロレス修行に励み幾多の競合と渡り合った力道山。
日本に帰ってくると記者会見を開いてこう口にしました。
「シングルで戦って勝てなかった相手はたったの3人だけ」
タム・ライスとレオ・ノメリーニ、3人目がアトキンスでした。
 力は日本プロレスを創設すると天敵ともいうべきこの3人との雪辱戦
を企てました。
この流れに乗ってアトキンスが日本にやって来たのは1963年の第5
回ワールドリーグ。

 早速5月6日にコワルスキーと組んで力・豊登のアジアタッグに挑戦します。
しかし結果は1本目12分38秒に豊登に、3本目は1分ちょうどに力道山に、
共にアトキンスが抑え込まれて敗退です。
 注目の力とのシングル対決は5月10日の岩手県大会で実現しました。
1本目は14分47秒に力が反則勝ち、2本目は怒涛の反撃で32秒に力が
体固め。
ストレートで敗退です。
 リーグ戦では7勝5敗1分けで外人勢4位の戦績を残して帰国しています。

 その年の10月にカナダオンタリオ湖畔のアトキンスの自宅を2度目の
アメリカ武者修行に旅立ったジャイアント馬場が訪れました。
アトキンスの指導を受ける為です。
下半身と腹筋の鍛錬を主眼とした鬼の指導により、馬場は何時間でも
動ける体を手に入れたのでした。
 アトキンスが再び日本にやって来たのは68年の1月。
テーズとホッジを看板に新興勢力の国際プロレスが行った旗揚げシリーズ
でした。
しかしこの時のアトキンスの役目はレフェリー、選手としての活躍は
ありません。
 そしてこれが最後の来日となりました。

大記録を樹立

 国プロでレフェリーを務めたアトキンスですが、実は日本プロレス
時代にもレフェリーとしてリングに登場しています。
それもただの試合ではありません。
プロレス史だけでなく日本のテレビ史にもいまだに記録が残る、とんでも
ない大一番を裁いているのです。
 時は63年5月24日、所は東京体育館、試合はWWA世界選手権試合。
大注目のこの戦いはテレビで生中継されましたが、時間内に決着がつかず
異例の15分の延長戦に突入。
最後は足四の字固めが決まったまま両者が場外に転落して半失神状態に陥り、
続行は不可能と判断したレフェリーが引き分けを宣告しています。
 試合の視聴率はプロレス史上最高を記録しています。
そればかりか紅白歌合戦、サッカーW杯、東京五輪のバレー試合に次ぐ
テレビ史上第4位の64%という大記録をも打ち立てています。
 歴史に残るこの試合のリングに登場したのはたったの3人。
覆面の魔王デストロイヤーと力道山、そして3人目がレフェリーの
アトキンスでした。

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国語のおさらい:頼りない辞書

2022-07-28 06:29:39 | 日記
使い分け

 毎週木曜日は国語のおさらいをしています。
今週は評判の小説を読んでいたら不思議な四字熟語に出会った話です。
意味やら背景やら調べていたら謎が謎を呼んで迷宮に放り込まれて
しまいました。
 市立図書館でその小説をリクエストしたのはまだ寒さが残る3月3日。
漸く順番が来たのは猛暑真っただ中の先週でした。
 早見和真さんの「正体」の終盤にその言葉が出てきました。
主人公が「希死念慮がある」と呟く場面です。
 面倒な字面じゃないから読み方も意味も見当がつきます。
調べてみたら想像した通りに<きしねんりょ:死にたいと願うこと>と
ありました。
 でも疑問が湧きます。
「その言葉、自殺願望とどう違う?」

 それについてはこう解説がありました。
<自殺願望と同義ともされるが、疾病や人間関係などの解決しがたい問題
から逃れるために死を選択しようとする状態を自殺願望、具体的な理由は
無いが漠然と死を願う状態を希死念慮と使い分けることがある。>
(デジタル大辞泉 より)
 謎のひとつは解けましたが、既に別の謎が生まれています。
国語のおさらいで私が先ず頼るのは「新明解国語辞典」、でも希死念慮
が載っていないのです。

編纂者という職業

 辞書で見つけられない言葉に時々遭遇します。
たとえば同じく「き」ではじまる四字熟語の「毀誉褒貶(きよほうへん)」。
新明解国語辞典を探しましたが載っていません。
 その代わりに二字に分解すると出てきます。
<きよ(毀誉):悪口を言うことと褒めること。褒貶を参照せよ。>
そこで褒貶を引くと<褒はほめる。貶はけなすの意。相手の言動・存在を
正しく認めたり低く評価したりすること。>(新明解国語辞典 より)
 ある調査によると四字熟語の人気ランキングで毀誉褒貶は7位に入賞
しています。
それ程一般的なのにどうして辞書には載らないのか謎です。
 もっともそのランキングで1位の「風林火山」も載っていないので、
人気は関係ないのかもしれません。
 四字熟語は国語辞典の守備範囲外、そんな決まりがあれば謎は解けますが
「一石二鳥」などは堂々載っているのでますます謎は深まります。

 日本語学を専攻するごく限られた研究者だけが就くことができる職業、
それが編纂者。
辞書に何を乗せてどれを外すか、その権限を持っています。
 三省堂国語辞典の第7版に掲載されている総語数は82000。
新版を作るにあたってそこに新しい言葉が4000追加されました。
その改定作業において編纂者はふたつの事柄に拘ったそうです。
もしかしたらそこに載る載らないのヒントがあるかもしれません。
 勇んで調べると<①旧版にない新規項目を増強すること ②旧版の項目
に手入れをして語釈(言葉の説明)を新しくすること。>(AERA dot より)
目当ての答えとは違います。
 希死念慮に導かれた今週のおさらいは、辞書が頼りにならないことも
ある、を結論に唐突に終わります。
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身近な生き物:あの世のトンボ

2022-07-27 06:29:39 | 日記
ご先祖様の姿

 森林公園の歩道を歩いていたら、薄暗い空間に浮かぶ謎の物体に遭遇。
近づいて観察するとトンボの様だけれど、違和感がたっぷり。
 あけ放たれた空間をすいすいと空気を切って飛ぶのがトンボ。
午後の風に吹かれながら揺れる穂で翅を休めるのがトンボ。
よく目にするオニヤンマやアカトンボの姿が浮かんできますが、そんな
標準的なトンボとは一線を画した姿が数匹、宙を漂っていました。

 爪楊枝を思わせる体にさほど大きくはない4枚の翅。
頼りない翅を不器用に動かして舞っているので、その気になればすぐに
でも捕まえられそう。
 こちらとの距離を保ちたいのか、飛び去ろうとするけれどたいした速度
でもないから簡単に追いつけます。
すると逃げるのを諦めたのか、少し先の枝に舞い降りて翅を揃えて無防備
な姿を晒します。
 そんな恰好だけでもステレオタイプとはかけ離れているのに、決定的な
違いはその色です。
全身が黒づくめ、あろうことか翅の色までまっ黒です。
全長数センチのイトトンボの仲間のハグロトンボでした。

公園周囲の環境

 ハグロトンボは「あの世」からやって来ます。
お盆になるとご先祖様がこのトンボに姿を変えて戻ってくると伝えられて
います。
 翅を閉じて草にとまる姿を合唱している様子に見立てた昔の人が、愛しい
人への思いを込めて作り出したお話です。
幽玄な森に漂うハグロトンボにはその設定が凄く似合います。
 他のトンボと同様にハグロトンボの生まれは水の中。
水生昆虫を捕食して大きくなったヤゴは脱皮して成虫に変わります。
 羽化して間もない若い個体は水辺を離れて森を目指します。
どうしたことかこの時期のハグロトンボは薄暗い場所を好むのです。
 でもこの森林公園には沼や池はありません。
ヤゴの暮らしに適した水溜まりを探すにはかなりな距離を飛行しなければ
辿り着けません。
頼りないハグロトンボの舞いでその距離を移動できるとは思えません。
 この森のハグロトンボは何処からやって来るのか不思議です。

 ハグロトンボを観察して、その飛行距離を計測した記録がありました。
それによると<移動距離の平均値は323メートル。最大値は1320
メートル。>(ランドスケープ研究 より)
 こちらの予測を遥かに上回る飛行能力を持っています。
ならばどこか遠くの池から飛んでくるのもあり得る話です。
 そこでふと気づきました。
忘れていたけれど公園の隣に大きな水溜まりがありました。
それは隣接する市営プール。
先々週に営業を始めるまでは藻の生えた池状態でした。
 正にヤゴの暮らしに適した環境です。
ハグロトンボの生まれた場所はあの世でも遠くの池でもなくて、すぐ隣の
プールでした。
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