Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

エリックベネイの愛と人生-7 EB True Story

2009-02-07 09:13:44 | エリックベネイの愛と人生
エリックベネイの真実

たいへん長い記事だが、Eric Benetは深く心の内や経験を語っている。
インタビューアーの聞き方がうまく、
エリックが自分を振り返る呼び水となっている。

やはりお蔵入りしてしまったアルバム”Better & Better"は、
エリック・ベネイにとって割り切れない思いが残っているのだろう。
しかしそれでもあきれめずに音楽活動を続けてきた事で、
ワーナーの上層部のメンバーが交替し、
その事で状況が変わってきたというのも”Love & Life"の1曲目、
"Love Patience & Time"の歌そのもの。
継続は力なり。
デモンテと組んでいる理由や音楽の好みについても良く説明されていて、
興味深い。

Cleyton Perry
2008/10/16 BC MUSIC
過去、何十年もの間にR&Bはすっかり変わってしまった。
特に男性歌手にとっては。
90年代のヒップホップの波に追われて一人又一人とキャリアを終えて行った。
しかしながらエリックベネイはこの業界の中で自分に正直でありつつ、
独自の音楽を切り開いている。
彼の4枚目のアルバム、EricBenet“Love & Life”クラシックR&Bへのオマージュであり、
パブリシティの力を借りる事なくじわじわと人気が定着している。
“You're The Only One” は、Urban AC Radioで1位となり、
古き良き時代の音楽を思い出させた。
忙しい中Eric Benetは、Cleyton Perryのインタビューに答えてくれた。
最近のR&B事情、父親としての自分、
そして完成したのにもかかわらず発売される事のなかったアルバム、
"Better & Better"について。

この業界であなたが息の長い活動を続けている秘訣は?
Eric「その時の流行や人気のある音楽を追った事は一度もない。
つまり自分として納得できる良い曲を作る、自分に正直にやってきただけ。
机に向かい歌を書く時、自分の魂を込めた曲を作る。
決して流行にのった曲を作ろうとか、ヒットする曲を書こうとは思わない。
自分のできる限りの力を尽くして感動できる最良の物を作るだけ。
今、売れっ子のプロデューサーがいるから、その人と組めばヒット曲が出せる、
なんて事は僕のスタイルじゃない。」

“Love & Life”は、近年のR&Bアルバムの中でユニークさと
クラシックR&Bへのオマージュとしてずば抜けている。
R&Bが数年の間で変わってしまったのはなぜ?
「僕にとって今、R&Bと言われている物は本物ではない。
どちらかと言うとそれはポップダンスミュージックだ。
自分の考えるR&Bはネオソウルとかalternative。
こだわっている違いは曲の作り方。
ヒットR&Bはプロデューサーがホットビートを作り、
まるで機械作業のように音が加えられていく。
そしてそこに歌詞が載せられる。
それでも良い曲が生まれる事もあるけれどね。」

どうしたら本来のやり方ができる?
「自分の好きなやり方はオーガニックな音の作り方。
ピアノとギター、そしてメロディーが生まれ、曲の旅が始まる。
そしてクライマックスを向かえ終わる。
これはクラシックR&Bが作られたやり方。
今でも時々こうやって作られた曲も聴けるけど多くはないね。」

“Love & Life”のプロデューサー、Demonte Poseyとはどのように
知り合った?
「デモンテとは14年前に従兄弟のGeorge Nashに紹介された。
彼は素晴らしいよ。いろいろな音楽性、コード、アイデアが溢れている。
自分と彼の共通している点は、力強いシンプルなメロディー、
そしてそれを重ねていく曲が好みだという事。」

“Love & Life”のコンセプトは?
「“Hurricane”の時は、まさに心の中がハリケーンの状態だった。
“Love & Life”を作った今は、毎日を楽しく感謝の気持ちで過ごしている。
自分の今の状態がそのままアルバムになった。」

LoveとLifeにはどういう互換があると思う?
『愛について学んでいないなら何も学んだ事にはならない』という言葉があるけれど。
「その言葉は“Love & Life”の1曲目”Love Patience & Time”にあてはまる。
この曲では、どんなに暗い時があってもそれを通り抜ければ、
どんなに絶望的な事が人生にあってもそれを乗り越える事により、
生きている事の素晴らしさ、世界の美しさに気付く日が訪れる、と歌っている。
今の世界は混沌とした状態だけれど、前向きに明るく対処すれば、
その事を通して学ぶ事ができる。 そしてその経験がずっと先になって役に立つ。」

真実を書く事はどのようなプロセス?
「まず紙が必要だね。それがセラピーの一歩。
人々について書く。酷い目にあった時は復讐するチャンスだよ。
今回のアルバムを作っていて、これが楽しくてだから曲作りはやめられないと思ったよ。」

『人生は良いカードだけではないけれど続ければ良い事もある』という言葉があるけれど。
「僕は楽器は得意じゃないし、歌もダンスもそんなに巧くない。でも精一杯やる。
そうすれば必ず上手にできるようになる。
それに気付かない人も気付いた時遅すぎる人もいる。」

いつ自分の才能に気付いた?
「未だにそのレベルに達しているとは思えないけれど。
一年生の音楽の時間に、皆が自分と同じように音が浮かんでくると感じている
と思っていたら、違うという事に気が付いた。
そして教会のコーラスで歌と声で神の意志を人々に伝え感動させる事ができると知った。」

“Love & Life”の中の”You’re The Only One”のヒットは
MyspaceやYouTubeでのエリックベネイとインディアのデュエットの影響が大きい。
テクノロジーではなくてこのようなキャンペーンの仕方をした理由は?
ファンとの交流をキャリアに中でとても大切にしていますね?
「自分の音楽を好んでくれる人達がいて、娘を学校にやれて二人で食べていける、
その感謝の気持ちを忘れた事はないよ。
だから皆が自分に求めている事、期待に応える様な曲を作りたいと思っている。
そしてそうする事が楽しい。
皆が気に入ってくれて何度も聴いてくれると思うとすごく嬉しいんだ。」

“One More Tomorrow”はインディアに捧げているけれど、
キャリアにおいて父親である事はどのように関わっている?
「良い父親でありたい、良い人間になりたい、という事は自分にとって大切な事だった。
子供を育てるという事は素晴らしい経験だった。
そして良い男、ソングライター、人間へと鍛えられた。
いろいろな面で僕を良くしてくれた。」

2001年の“Better & Better”はなぜ完成したのに発売されなかった?
映画「グリッター」で使われた“Could Have Been”も入っていたのに。
「きっとこのアルバムは良くなかったんだよ。
レコード会社にとって時としてアーティストは使い捨てだ。
大勢の中の一人に過ぎない。
レーベルの中心になる人がアルバムを評価しなければ発売されない。
それが“Better & Better”で起きた事。
でもその中には自分でも諦めきれない自信作もあったから、
“Hurricane”の中に”Pretty Baby”と“I Wanna Be Loved”を入れた。
いつか“Better & Better”が発売される事もあるかと思っている。
今でも素晴らしいアルバムだと信じているから。
イギリスで実現するかもしれない。」

そこから何を学んだ?
「何の要求もされずに自分の好きなようにアルバムが作れるようになるまで、
ずいぶん時間がかかった。
ワーナーに1996年からいるけれど、もうかなりの人が入れ替わっている。
エクゼクティブが5回変わっているかな?
そして今いる人達が自分にとって良い環境を作ってくれているのだと思う。」