Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

『凛』

2010-01-31 00:21:16 | 私の日々
品川区役所から裏道を抜けて大井町の駅に向かう途中、一か所、飲食店が固まっている一角がある。
夜はネオンに彩られ賑やかな佇まいを見せるかと思うが、昼間は閑散としている。
数年前になるが、そこに場違いな行列が続くのを見かけた。
行列はある店の前から始まり、通りを越えた向かいの道にまで続いている。
一軒のラーメン屋の店先から人々は静かに順番を待ちながら、並んでいた。

何回目かにその場所を通った時、いつもよりも行列が少なく10人以内程。
好奇心から並んでみることにした。
注文を何にするか、伝言ゲームのように店主から回ってくる。
メニューも出てないので、何があるかもわからないまま、「醤油。」と伝える。
「売り切れだって。」と伝言が回ってきたので、「それなら塩。」
「塩もないって。」と言われて、「じゃあ、何ならあるの?」と聞くと、「賄い。」と言われた。
「ならそれを。」と答えてしばらく待つ。

ようやく店内に入ると、カウンター7席ほど。
店主に「これからのれんが下がっている時は、店内に一声かけてから並んで下さい。」
のれんが下がっているのに気付かずに並んでしまった私を、並んだ以上は受け入れたとみた。
メニューは塩、醤油ラーメンと賄いラーメンの三種。
塩を頼んだ人には「ニンニク、赤か白入れますか?」と聞いている。
赤は唐辛子が入ったにんにくのペースト。
醤油を食べていたおばちゃん、「私もニンニク入れて。」と言うと、
「醤油にニンニクは合いません。」

店の壁に張り紙がしてある。
「注文はこちらが聞くまで言わないで下さい。」
「会計はお釣りがないようにお願いします。」
お財布の中を確かめるとその日に限って1万円札しか入っていない。
『賄い』というのを頼んだ人に出来上がった器が置かれる。
塩と醤油は細麺に量も少なめなのに対し、こちらは太麺に具もたっぷり、油も濃く、
溢れるばかりに盛られている。
とても食べ切れそうにないからきっと残すことになり、お会計の時にもお釣りをお願いすることになる。
待っている間に何だかドキドキしてきた。

店主はもくもくとラーメンを作っている。
細麺はかなり細いので茹で加減が秒単位で出来具合に係る。
その間に注文を言われて答えたりしていたら、麺は伸びてしまう。
高額紙幣のお釣りもしかり。黙って金額をカウンターに置いていくのがその店の流儀のようだ。
そのためにか金額もキリがいい。

私の前に「まかないラーメン」が置かれる。
量も小振り、先ほどの人は大盛りを頼んだのか、それとも人を見て量を判断するのか。
私は最後の客となり、ラーメンを完食した。
お釣りもお小言もなく渡してくれた。

その店のストイックな雰囲気に惹かれて、また来店することになる。
今度は醤油を頼んでみる。
生姜の効いた和風の出汁。賄とは全く違ってさっぱりした味に細麺が合っている。
焼豚も自家製らしく自然で美味しい。
店内に置かれた煮卵も追加。
中は半熟なのに、しっかり煮汁の味が浸みている。
これは、家でも半熟卵を作り、そのまま醤油ベースのたれに漬け込み作るようになった。
醤油ラーメンが500円、煮卵が50円。

何回か醤油ラーメンを食べて、その後訪問すると、私の顔を見て、「醤油ですね?」
「今日は塩でニンニクを入れてみようかと思って。」
店主の笑顔を初めて見た。
すべてに丁寧な手作りの味わいがある。
ここに来るようになってから他店、たとえ有名店でも、
ラーメンや具材、スープがそっけなく思えるようになってしまった。

大きなどんぶりを抱えて、必死に汁を飲み干す私。
通う内に、「これ、使って下さい。」と私だけレンゲを出してくれるようになった。
子供用みたいなキティーちゃん柄の小さなレンゲ。

ある日、その店は忽然と消えていた。
張り紙があり、隣町に移転したとある。
何回か移転先に行ってみて、味は変わらず美味しかったが、
店主は厨房、サービスする人がいて、カフェのような作りになっていた。
遠くなったのと店の雰囲気に馴染めなくて、足が遠のいてしまった。

今にも崩壊しそうな木造の屋台のようなカウンターだけの店。
湯気の中、寡黙に麺を茹でる店主とそれを見つめながら、黙って順番を待つ客達。
あの空間が忘れられない。

アメリカンダンスアイドル シーズン4 トップ4

2010-01-30 00:04:04 | アメリカンダンスアイドル
トップ4、ケイティー、コートニー、トゥイッチ、ジョシュア。
とうとう男女、たった二人ずつ。
4人に力の差はない、違いは個性と、そして優勝を決めるのは人気度。

今回は男女ペアの演技が2つずつ、女性同士、男性同士、そしてソロ、最後は全員。
全部で1人が5つも踊ることになる。

ゲスト審査員はマンディ・ムーア。

1組目、コートニーとトゥイッチ。
タビサ&ナポレオンの振り付けでヒップホップ。
クラブ好きの男とそれにむかつくキュートな女の子の物語。
"Church" T-Pain
コートニーがトゥイッチの体を階段のように勢いよく駆け上る。
二人のコミカルな取り合わせが笑える。
タビサ&ナポレオンの振り付けは今シーズンでどれも見応えがあった。
トゥイッチの包容力の大きさが演技に出る。

コートニーのソロとインタビュー。
今までを振り返る。
ロングアイランド出身、家族を大切にする絆の深いイタリア系。
シーズン3は年齢制限にかかり、応募できなかった。
ゲブとの相性がぴったりで、二人の仲を疑われたが、ちゃんと彼がいるそうだ。
「ダンスのパートナーとして好きで尊敬する気持ちと恋愛は別。」
いつも家族が客席から応援してくれていたコートニー。
踊ってきた作品の中で一番好きなのは、前回のダークな雰囲気のソニアのジャズ。

曲は"They Weren't There" Missy Higginsでソロ。
マンディーからはまだまだ技術を磨かないとの指摘もあったが、メアリーに褒められて、
コートニーは大泣き。
技術的には未熟な部分があっても、それを上回る明るさ、魅力、躍動感が彼女のダンスにはある。
「あなたは強い人ね。よくここまでやってきた。若い人たちに勇気を与えた。」
コートニーの涙は自分がここまで来たことへの喜びと満足感が溢れたのだろう。

2組目、ケイティーとジョシュア。
ウェイド・ロブソンが久々の登場で振り付け。
ケイティー「ここまで来たのが嬉しくて顔がずっとスマイルになっている。」
ジョシュア「達成感とプレッシャーの両方。」
作品は愛の困難さがテーマ。恋人たちの大喧嘩と仲直り。
実際の二人もずっと組んできてほんとうに仲が良い。
"Slow Dancing In A Burning Room" John Mayer
久しぶりに観るウェイドの振り付けが新鮮。
二人が別々の動きをしていても、統一感がある。
別れがたい二人の気持ちが地味な振り付けの中に心の内がしっかりと表現されている。
マンディ、「始まる前のただ呼吸をしているケイティーのアップ、それだけでもう引き込まれた」

コートニーとケイティー。 女性二人の演技になる。
タイスのブロードウェイ。
電車に乗り遅れたという設定。
"The Trolley Song" Rufus Weinright
乙女チックな宝塚を思わせるようなレビュー。
コートニーは黄色、ケイティーはピンクのドレスが似合っている。
ダンスとは全然違う部分での感想だが、このドレス、二人を反対にしたらまるで絵にならない。
レースのパラソルを持つ。
パラソルは投げたり、受け止めたり、失敗もあるだけにそれが中心になると演技がぼけてしまい、
小道具に使うのは難しいそうだ。
コートニー、ソロが終わりホッとして疲れも出てきたのか、ケイティーに較べると体が重い感じがした。
ナイジェル、「コートニーは勢いのあるダンサーだけど、二人が一緒に踊ると
ケイティーの方が伸びやかに見える。」
女性二人が同じような動きで踊ると確かにケイティーの方が技術的に上回っているのが出てしまう。

トゥイッチのインタビュー。
アラバマで祖父母に育てられ、お金を手っ取り早く稼ぐ方法として、このオーディションに落ちたら、
海軍入りを考えていたそうだ。
オーディションの最初の頃と較べると、顔付が違っている。
穏やかな表情、余裕と自信が滲み出ている。
ペアで組んだケーリントンとの相性が抜群だったので、彼女の落選は落ち込んだそうだ。
一番思い出に残るダンスは、ジャン・マークのウィンナワルツ。
ジャンの障害を持つ娘に捧げられたダンス。
ソロのダンスは、"It Was All In Your Mind" Wade Robson
「ずっと輝きを失わず、苦しい時もあったはずだけど、自分のスタイルを最後まで貫いた。」
「ユーモアのあるダンス、そこにはダンスの知識を越えるものがあった。」

トゥイッチとジョシュア。
男性二人のペア、ユーリの振り付けでロシアンダンス。
コサックダンスの要素も入っている。
曲はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」
ジョシュアの開脚ジャンプ(エレベーション)、ターンが冴える。
トゥイッチの低い姿勢での足捌きも完璧だったが、ジョシュアの方に軍配。
終わった後も二人はじゃれあってふざけて飛んだり跳ねたり。

ケイティーのインタビュー。
「決勝まで来るとは思わなかった、最初の目標がラスベガス、次はトップ20、一つ一つを固めてきた。」
トップ20を決める審査で落ちたら、、また挑戦するかと聞かれて、「もう2回目、次はない。」
と言ってしまった。
その時は、親友のナタリーと二人でセリに掛けられているような演出をされて、「辛さから言ってしまった。」
そのためにトップ20入りから外れそうになる。
「あなたの言った気持ちもわかるわ。」とキャット・デイリー。
一番印象に残るダンスは、"No Air"でジョシュアと踊ったリリカルなヒップホップ。
「あなたはいつもふざけたダンスを休憩中にしてるわね?」
この瞬間のすべてを楽しみたいから、とケイティー。
初めから通して見ると、彼女も凄く綺麗になっていて驚いた。
ソロは"Hide And Seek" Imogen Heap

ペアでの2ラウンド目。
トゥイッチとケイティーのフォックストロット。
気品のあるエレガントなダンス。
"Feeling Good" Michael Buble
タキシードのトゥイッチとケイティーのドレスが優雅だ。
ケイティーはほんとにどんなダンスもこなしてしまう。

ジョシュアのインタビュー。
子供の頃、授業料が払えず学校の雑役をして支払ったこともあるそうだ。
アメフト、陸上をやっていたのをやめてダンスへ。
印象に残るダンスはケイティーと踊ったサンバ、専門外のダンスなのに手応えがあることに感動したようだ。
ソロは"Knee Deep" Funkadelic
ステージをすべて使って、審査員の脇までジャンプして踊る。
楽しさ満載。

ジョシュアとコートニーでジャイブ。
激しいキックやフットワークが続くハードなダンス。
振り付けはジェイソン・ギルソン。
"The Dirty Boogie"
コートニーの勢いがなくなってきている、足がついていかない。
こうなるともう体力勝負、そして訓練だろうか。
難しいダンスに更に難易度の高い技が続く。
ジョシュアのスタミナには驚かされる。
ナイジェル「キックに切れがない、二人の呼吸が合っていない、ジャイブの爽快感がない。」
やはり疲れが出てくると自分のダンスでさえ精一杯。
相手の様子を見て合わせる余裕はなくなる。

最後はトップ4全員。
ミアの振り付けで曲は「ハレルヤ」
「お互いのエネルギーと競争心を生かす。」とミア。
タータンチェックのコスチューム、男性もスコティッシュスカート風。
ここまで来ると体力の限界に挑戦している。
振り付け師の手加減、全く容赦ない。
「これがダンサーの世界。肉体を超越して気力で踊っている。」
ナイジェル、「落ちた人、ウィルやマークを『なんで?』と思う人や意見が出てくる、
でもここに残っている人はそれだけのものがある。」
「お金を使ってショウを観にくる人に言い訳は通用しない、どんなに疲れていても、体調が悪くても。」

最後の言葉はショウビジネスすべてに言える。
どんな状況でもショウ マスト ゴー オン!

「夜汽車よ、ジョージアへ」

2010-01-29 00:23:01 | 私の日々
最近、R&Bのオールドスクールを通り越して、ド演歌みたいなジャンルにはまっている。
きっかけは、昨年、テディー・ペンダ―グラスの"Close The Door"の映像をYouTubeで見つけた辺りかな?

先日、FOX TVのドラマを観ていたら、この曲が歌われるシーンがあった。
グラディス・ナイト&ピプス、"Midnight Train To Geogia"「夜汽車よ、ジョージアへ」

「LAは、彼には厳しすぎた
夜汽車でジョージアへと発つことにした
スターになるという夢を持って、故郷を出てきたけれど、
もう潮時かと思っている
夢は必ずしも叶うわけではないって

彼は車を売って、片道のチケットを買った
ジョージアに戻ったら、穏やかな生活に戻る
昔の素朴な日々へ

彼の隣の席には私
二人で一緒にジョージアへ行くわ
彼のいない生活なんて考えられない
だから彼の世界で生きていこうと思う

彼は夜汽車でジョージアへ発っていく
そして隣の席には私
さあ、行かなくちゃ。」

これは正しい訳ではありませんよ。
多分に私の想像の世界が入っています。
後ろのコーラスの三人の男性のダンス、スタイリスティックスを更にオーバーアクションしていて、
これも中々、気に入っている。

LAからジョージアへ汽車でだなんて。
今でもそんなのありなのかな?

午前零時を回った今頃、聴くとしっくりくる曲。

Gladys Knight - Midnight Train To Georgia



エリックベネイのKyte Phone Video

2010-01-28 18:14:03 | エリックベネイの日々&KyteVideo
画像はエリックの携帯から投稿されたエリックべネイと娘のインディア。
エリックは今、CDの録音の最後のチャックに入り、またミルウォーキーに滞在している。

Eric Benet、小型のkyte phone videoで自分の現在の状況を投稿するようになったのは、
"Love&Life"が発売され、全米ツアーがスタートした一昨年10月だった。
「今までので、どれが好き?」とアメリカのファンの一人から尋ねられた。
ひとつとは決められない。

エリックが陸軍傷痍軍人病院に慰問に訪れ、反対に患者達の勇気や優しさに心打たれる様子、
もうすぐ大学に入り親離れする娘のインディアと一緒にLA郊外へとハイキングに行った映像、
アメリカ国歌を歌う初夏の夕べのドジャーズスタジアム、
プロデューサー、デビッド・フォスターのプライベートジェットでフロリダ上空、
雲の上から見る様子を伝えてきたり。

そしてライブツアーで行ったパリで画家の描いたエリックとまだベビーだったインディアの肖像画を見せられ、
言葉を失って感動しているエリックべネイ、
ロンドンの町をオフの日に冷やかし、中古レコード屋でR&Bセクションを見ていて、注意されたり。
デンマークで雨の日に傘を持ちながら、「雨に唄えば」をジーン・ケリーみたいに歌う姿、
日本のビルボードの楽屋で私が伝えるアメリカのファン達のメッセージに答えているところ、
その他にも遡ればたくさんの映像がある。

ホイットニー・ヒューストンの物真似をして、"Greatist Love Of All"を振りをたっぷりつけて、
歌っているお茶目な様子も見られる。
オバマ大統領の就任式典に出掛けて、近くの人に「あなた、エリックべネイに似てるわね?」
なんて言われて、とぼけている映像。
アメリカツアー中に立ち寄ったレストランではMaxwellと間違えれて、写真撮影をせがまれ、
「僕の曲の何が好き?」と聞いて、ウェートレスが言ったマックスウェルのヒット曲を口ずさみつつ、
一緒にカメラに収まるエリック。

kyte videoには、エリックべネイの悲喜交々がたくさん詰まっている。

南青山六丁目楽団@Body&Soul 1/26 2010

2010-01-27 14:47:51 | その他のライブ
サックス奏者、岡崎正典が我社で学生アルバイトとして働いていたのは、いったい何年前だろう?
法政大に在学中だった岡崎は楽器を持ち歩き、
良いストリートパーフォーマンスをしているグループがあると、
声を掛けて飛び入りで参加させて貰ったりすると話していたのを覚えている。
その後、バークリー音楽院の奨学金を獲得、アメリカへと渡って行った。

「ボディー&ソウル」のスケジュールに岡崎正典の名前を発見。
翌日は休日だったので、これならセカンドショウまでしっかり聴ける。
このお店のショウスタートは8:30、セカンドが10時過ぎ。
今までは1stだけで失礼していた。
前日に予約の電話を入れて、岡崎が出ているか、確認。
満席に近い状態らしく、指定したカウンターは取れずにバーの前の席になる。
Body&Soul
http://www.bodyandsoul.co.jp/

昨日は陽が差した日中は暖かく感じられたが、夜になってからは、風も吹き、めちゃくちゃ寒かった。
それでも、出掛けていくのは、岡崎正典がもちろん今現在、演奏者として素晴らしいだけでなく、
学生時代の彼がアルバイトで、きっちり仕事をして、後輩にもしっかり指導したりっぱな青年だったからだ。

8時前に入店し、自家製ピクルス、シーフード炊き込みご飯、牛頬肉の赤ワイン煮、などを注文。
オーナーマダムのKyokoさん、「その赤ワインソースは、ぜひパンに浸して食べて。」
フランスパンも追加。
このお店で本格的に食事をするのは、初めてかもしれない。
どれも美味しいくて、寒い夜に心温まる丁寧に作られた料理の数々。
食事中は赤ワイン、食後にはホットバタードラムをお願いする。

メンバーたちがカーテンでステージと仕切られた楽屋で、音合わせをしているのが聴こえる。
アレンジの確認を楽器ではなく、生声でしている。
みなさん、絶対音感を持ったプロ、歌声を聴いているだけで、演奏が楽しみになってくる。

1st、最初は南青山六丁目楽団のテーマソング。
このネームミングはオーナー。
そして、コルトレーンの"Blue Train"
オズの魔法使いから、"Over The Rainbow"は、サンバ風のアレンジが新鮮だ。
昨年、岡崎が参加した小曽根真のNo Name Horsesは、ラテンがテーマだった。
そこからインスパイヤーされたのかな?
"Take The A Train"
中低音ばかりのグループ、高い音の楽器がないが、決して地味にはならず、落ち着いた心和らぐ中に、
華やかさも感じるのはメンバーのセンスと技術ゆえだろう。

"Tenderly"
トロンボーン奏者、片岡雄三の演奏に岡崎の説明が入る。
この曲の演奏で片岡は、7ポジG音から1へと演奏を展開していく。
ボストンで学生をしていた時に、曲のアレンジの授業があり、これは手の長さや場所の広さも必要なので、
演奏者泣かせのアレンジ、譜面にやたら書くなと指導を受けたそうだ。
苦もなく、その演奏をこなしてみせた片岡に岡崎はエールを送る。
そして山岡潤の専門は、日本では珍しいユーフォニウムという楽器。

最後の曲は、Gigi Gryce "Hymn Of The Orient"

セカンドは、ルイ・アームストロング、"Strutting Some BBQ"
カウントベイシーの"The King"
「リパブリック賛歌」
コルトレーン、"I Want To Talk About You"
南青山六丁目楽団のアルバム収録曲でもある、コール・ポーター、"It's All Right"
スタンダードな曲で多いに盛り上がり、最後のアンコールはブルースでしっとりと締め括った。

「曲はまだたくさんあるけれど、この辺で。」
このユニット、それぞれが実力のある演奏者でスケジュールも先まで詰まっているため、
中々、セッションが難しいそうだ。
この場でオーナーのkyokoさんが次回は5月末と決められていた。

いつも慌ただしく1stだけで店を後にしていたが、初めて1st、2ndと通して観て、
完結した演奏を聴くことができた。
セットリストも前半、後半と合わせて考えられていることと思うので、全部を聴けて大満足の夜だった。
お店も4時間近く滞在したことになるが、音の反響も柔らかく、スタッフもフレンドリーで居心地がいい。

ジャズファンの常連のおじさまがセンターに座っていて、掛け声を掛けたり拍手喝采、
感動の余り合掌したり(笑)
煙草の煙が演奏者に向かないように、気を使って吸っている。
アンコールや、次回の出演も要求してくれた。
会場を仕切りつつあったその方を、マダムが「今日の主役はあなたじゃないのよ。」とやんわりと諫め、
大人の素敵な女性の貫録を見せる。
岡崎正典、南青山六丁目楽団の演奏、そして『ボディーアンドソウル』の雰囲気を堪能した夜でした。

南青山六丁目楽団
岡崎正典(ts)
片岡雄三(tb)
山岡潤(euph)
紅野智彦(pf)
小西忠哲(b)
高橋徹(ds)

facebookの盗用?

2010-01-26 18:14:30 | 私の日々
画像は昨年秋のミルウォーキーでのチャリティーライブで共演したエリックと姉リサ。

エリックの姉、リサからfacebookで、メッセージが来た。
開いて見ると、私だけじゃなくて兄弟、親戚、知人一同へと向けらている。
ジョーダンという名前がたくさんあり(エリックのラストネーム)そしてナッシュの名も。
エリックベネイの親類縁者ご一同様に私の名前があるのは、ありがたいことだと思ったが、
タイトルと動画だけで文章がない。
タイトルはリサらしくない不自然な言葉でそして動画は開けなかった。
よっぽどリサにメッセージを送ろうかと思っていたら、彼女がコメントを出した。

リサのステータスで彼女のページを誰かが勝手に操作していると知った。
送りつけられた人達がそれぞれの状況を記している。
もちろん、私も書き込んだ。
他の人のコメントの注意事項を読むと、やはり頻繁にパスワードを変えるとか、
セキュリティーを強化していった方が良いとのこと。
未知の人物からの動画はむやみに開かないようになど。

パスワード、あちこち変えると、どこが何だったかわからなくなってしまい、
暗証番号共々辟易しているが、取り合えず、変更することにした。
もっともリサは有名人でたくさんのfacebookフレンドもいる。
私にはそんな心配は無用かとは思うが。

アメリカンダンスアイドル シーズン4 トップ6

2010-01-25 15:05:57 | アメリカンダンスアイドル
とうとうトップ6になった。

ケイティ、チェルシー、コートニー、ジョシュア、マーク、トゥイッチ。
一人ずつの紹介、全員ここまで来たという自信と、そして去って行った仲間のためにも、
トップ6として最高の演技を見せたいという意気込みを感じる。

ゲスト審査委員はアダム・シャンクマン。
「ヘアスプレー」のメイキングの音声解説を観て以来、彼のファンになった。
振り付け師であり、映画監督でもある。

1組目、コートニーとマーク。
オーストラリアの振り付け師、ジェイソン・ギルキンソンでウィンナワルツ。
彼によるとウィンナワルツには一切、セクシーな表現があってはいけないそうだ。
曲は意外にも、アメリカンアイドルの優勝者、David Cook "The Time Of My Life"
デビッドの曲でウィンナワルツとは思いもかけなかった。
二人とも巧くなったなぁと見とれる。
シーズン3の解説でTRFのサムが「コンテストが続くとみんな、すごく上手くなる。
でも終わるとまた元に戻るけど。」
と話していたが、ほんとうにその通りだ。このままマジックが解けず、元に戻らずにいて欲しい。
トップ6、全員が驀進している。
"The Time Of My Life" まさに「人生最高の時」を過ごしている映像。

ソロの一人目はチェルシー。
"When I Grow Up" Pussycat Doll
ボールダンサーのチェルシーはソロに弱いかなぁ。
チアガールのようなブロンドで青い目の彼女。
好かれるか、反感をかうか。評価が分かれそうだ。
でも実際の彼女は男勝り、そしてダークで怪しげなダンスも得意だ。

2人目はトゥイッチ。
"Midas Touch" Midnight Star
シルバーのマウスピースとメガネが小道具。

2組目のペアはケイティーとジョシュア。
"I finally got her back!" 「やっと彼女を取り戻したぞ!」と嬉しそうなジョシュア。
セリーヌ・ディオン "All By Myself"
タイスの振り付けでコンテ。
ずっと組んできただけに2人は息がぴったり合っている。
そして再会した喜びがダンスに表れる。
「2人は決勝に進むわ。」とメアリー。

3組目、チェルシーとトゥイッチ。
トニーとメラニーの振り付けでマンボ。
サルサとマンボ、似てるように思われるがカウントの仕方がまるで違うそうだ。
Victor manuelle "Ahora Me Toca Ami"
チェルシーの赤いドレスは踊っているとまるでメラメラと燃える炎のよう。
振りを間違えたトゥイッチが横目でチェルシーの様子を見るところがある。
私は気付かなかったが、審査員のナイジェルは見過ごさず、カメラでその表情がアップで再現。
「どんな時でも顔に出してはだめだよ。」とチェックが入る。

3人目のソロはケイティ。
Maroon 5 "Can't Stop"
勢いがある愉快なダンス、ケイティにはアジア系らしい個性を感じる。

4人目はジョシュア。
Memphis Bleek "Like That"
今更ながらだが、ジョシュアのヒップホップには弾むような滑らかな動きが溢れている。

2ラウンド目。

4組目、コートニーとマーク。
ソニアの振り付けでジャズ。
妖しい雰囲気の中でぶつかり合うカップルを演じた。
Mirah "The Garden"
ダークなテイストが2人に良く似合っている。
シーズン3でも感じたが、ここまでくる一流のダンサー達、どんなにセクシーなダンスも気品がある。

5組目、ケイティとジョシュア。
ジェイソンの振り付けでパ・ソ・ドブレ。
Le Reave "Filet"
闘牛士とそのケープを表す女性のダンス。
画面一杯に広がる動きがまさに2人のショウタイム。

5人目のソロはコートニー。
Eliza "Rock Your Soul"
愛されるキャラのコートニー、コンテ専門の彼女のソロダンス、非の打ち所もない。

6人目、マーク。
着ているタンクトップを小道具に、首や腕に巻きつけてアクセントをつける。

6組目はチェルシーとトゥイッチ。
タバサ&ナポレオンの振り付けのヒップホップ。
支配欲の強い指揮者の物語。
タクトを2人で奪い合う。
"Control" The Vitamin String Quartet
思わずリズムを取りたくなるような躍動感。
2人ともクレージーな様子をしっかりと出している。

ナイジェルから「ダンスコンテストを越えるエンターテイメントショウがこの番組。
観客を楽しませないと。もう実力はみんな同じ。だから落ちた人も気にすることはない。」と挨拶。

結果発表。
ナイジェルから「演技が絶賛され、拍手喝采を受けるのは嬉しい。
しかしダンサーとして生きていく以上、批判を受け、オーディションで落ちることは避けられない。
しかし、落ち込み過ぎないで欲しい。
これを生かして前に進んでもらいたい。
何百万の人の前で脱落を宣言されるのは辛い。
でも今回、1人ずつが100万以上の投票を獲得しているんだよ。
そういう事実を糧にこれからも頑張って。」

メアリー「オープニングダンスの全員は美しくて、力強くてダンサーとしてマチュアだった。
みんなを誇りに思う。」

アダム「控室でさっき、みんながお喋りしたり、笑っているのが聞こえてきたんだ。
君たちは他の人を思いやることのできる素晴らしい心がある。
その気持ちをずっと忘れないでほしい。
これからもいろいろなことがあると思うけれど、この経験、
ここまで来たという事実は君たちにとって一生の物だ。
それと、もう君たちは有名人、応援してくれたファンがいて、投票してくれたということ。
自分のファンの事もこれからも大切にね。」
さすがアダム・シャンクマン、そしてナイジェルもメアリーも暖かいメッセージをトップ6に送っている。

落選はマークとチェルシー。
コートニーが残り、チェルシーが去っていく。
ケイティは個性もありすべてをこなせるダンサー。
男性はジョシュアとトゥイッチが残る。
この二人がここまで来ると、オーディションで予想した人はいるだろうか。

RUFUS featuring SLY STONE 1/23 2nd @ Blue Note

2010-01-24 15:27:18 | その他のライブ
前日、ブルーノートに電話してセカンドの受付時間を確認する。
通常7時だが、たいへんな混雑が予想されるため、大幅に受付時間を早める予定とのこと。
どれくらい早くなるのかと尋ねたが、電話に出た担当者の「それは申し上げるわけには・・
そこのところを分かって欲しい。」という言外の雰囲気があり、それ以上踏み込めなかった。

そこで、6時15分頃着を目指してブルーノートへ。
ゲットした整理番号は29番。入場開始は8時。
ブルーノート隣のレストラン「アディングブルー」では、ブルーノートのセカンドに間に合うように
食事が済ませられるムニューエクスプレスがある。
行ってみると、その日はウェディングパーティーで貸切。

何軒かお店を覗くが予約が一杯、貸切、などが続く。
このままだと246まで出てしまう、あまり遠くなるのもと思い、
もうスタバで時間を潰そうかと思った時に、「青山バル」の看板が。
地下に行くと予約で一杯だが、外のテラスの端に席を作ってくれた。
寒いかと思ったら、ストーブとエアコンがあり、周りはビニールシートで覆われていて暖かい。

お店の人に「7:45には食べ終わって出たい。」と断ってから、
スペインコロッケ、トルティーヤ、パブリカのマリネ、牛ばら肉とキャベツのグリル、内臓の煮込み料理。
すべて小皿料理をオーダー。
7時半まではハッピーアワー、飲み物が半額とのことなので、
スパークリング、赤ワインなどを慌てて飲む。
席が窮屈じゃないかとお店のスタッフ達がいろいろ気を使ってくれる。

7:45になると、呼ぶ前にお会計に来てくれて、「これからブルーノートですね?」
「なんでわかるんですか?」
「そんな感じしてます。」(笑)
コートを預かってくれたスタッフも「ブルーノート、楽しんできて下さい!」
出口で見送ってくれる。
とても良いお店でした。

さてブルーノートに戻ると1stが終わって出てきた人と、2ndの待ち客とでロビーはごった返している。
私はこの日のドレスコード、間違ったような気がしてきた。
光り物の帽子、金銀ラメのスカート、バッグ、トップを着ている女性。
ノースリーブ、男性も半袖が多い。この理由は後でわかる。
一か月前のエリックべネイの時とは完璧に客層が違う。
年上の人もいるが、若者、男性が多い。
この日のブルーノートの雰囲気、ファンクブラザースの出演した時のコットンクラブを思い出した。
あの時も年齢層が思いの他、普段のコットンクラブよりも若く大盛況だった。

今回のブルーノートのスライ&ルーファス、若いだけではなく、
かなり個性的な人たちがロビーで待っていた。
男性のアフロ、腰までのロングヘア、赤や金、彩り鮮やかな髪の人。
被り物も多い。キャップ、コサック帽、ベレー。

29番、アリーナは無理かと思いきや、ステージに向かって左、2列目の3番目、4番目の席の奥側に入れた。
周りの人は単数、あるいは10番代の番号。
脇の通路はアーティストの通り道。
けっこうラッキーなシチュエーション。

8:45の予定が遅れて9時頃にルーファスご一行が現れる。
トニーはギターを弾き歌いながら登場。
その瞬間、みんな立ち上がった。
今まで、ライブで私が立ち、周りも立つとか、周りが立って私も、あるいは私だけ立つ、
そういうことはあっても、自分が立ちあがったのとみんなが立ったのが同時、これは感動。

"Once You Get Started"に始まり、4曲目の"Dance With Me"までずっとスタンディング。
みんな、ノリがいいというか、正しいノリ方をしている。
時々、ライブで0.5拍ずれてハンドクラップしている人とか、ちょっとノリが変、
合いの手の入れ方、違うなぁと思う人が近くにいると気になる。
昨日の観客はもう、バリバリのファンで正統派、見ていて気持ちが良い。

ステージにいったい何人乗っているだろうかと数える。
ボーカル、その時は5人、ホーン2人、キーボード3人、ギター、ベース、ドラムス、全部で13人?!

「さて少し、スローにペースを変えようか?」
いったん着席。
マダム・ディーの"Growing In Circles"
他の女性ボーカルとは違ったフォーマルなモードで深々と三方に礼をしてから、歌い始める。
クラシックのオペラ歌手のようだ。
しっとりとした曲が、心に響く、というよりも心を突き抜ける圧倒的な歌唱力。

"Do You Love What You Feel"
で観客は再びスタンディング。
"Tell Me Something Good"
"Sweet Thing"
"Have A Good Chance"
観客にも歌のフレーズや"Party!"などシャウト、バックコーラスをどんどん要求。
熱気がムンムン。凄く熱くなる。半袖やノースリーブの人はこれを知っていたのかな?
ジャケットを脱ぎ、スカーフも外す。
"You're GotThe Love"
エリック・べネイもこの曲はチャカ・カーンと10年近く前にライブでデュエットした。
トニーはギターでジミー・ヘンドリックスや他の伝説のギタリストのコピーも演奏。
「彼らは僕のヒーローだった。今も心の中に生きていて、彼らの魂はここに一緒にいるよ。」

客席から"Ain't Nobady"と何度も叫ぶ人がいた。
「誰かが何か言ってるけど?」「なんて言ってるの?」
「エイント ノバディ!」
「よし、じゃあ、やろう!」

その後、いったんルーファスが舞台を降りた後、客席は異様な興奮が満ちてきた。
気がつくと、スライが通ると思われる通路に人が殺到。
もちろん、私も。
「スライ!スライ!」と掛け声が。
20代とも思える若者たちがたくさん。
皆、上気した表情でスライの登場を待っている。
1人の若者からにこやかな表情で手を差し出され、思わず握手。

あまりに人が集まったせいか、ステージに向かい、右側からスライは壇上へ。
"Dance To The Music"
髪は紫ともピンクとも言える。

次にキーボードに向かい、"If You Want Me To Stay"を歌い始めたスライ。
キーボードの周りを20人位が囲んでぎっしりスタンディング。
もちろん私も。
その後ろをさらにまた何人もの人が遠巻きにしている。
もう、スライが出てきてから、席なんて関係ない状態になっている。
右に左に、前に後ろに、スライに合わせて観客が波のように打ち寄せる。
女性はバッグ、男性もジャケットにお財布とか入っていたと思うけど、
貴重品のことなどみんな眼中にない状態。

スライが歌っている、スライが弾いている、自分のすぐ近くで。
スライの鍵盤に向かう指先を見つめ、姿を焼き付け、耳を傾ける。
この時は、周りも先ほどまでのはじけ方から変わり、シーンと聴き入っていた。

"Thank You"で退場するスライは壇上から降りる時も、ストップモーションでスライらしく演出した。

スライの登場と共に、壇上にはスライの娘も現れた。
そして他のバックボーカルはチャカ・カーンの娘、トニーの娘もいる。
みんな、親の七光りではなく、実力を備えたボーカリストばかり。

"I Want To Take You Higher"
みんな、空に向かい、手を差し伸べ、熱狂はピークに。

スライは今度は私たちの側から退場。ブルーノートのスタッフとスライ側の付き人がきっちりガード。
手を差し出す隙もなく、スライと共に観客が移動していくので、姿も良く見えない。

アンコールが終わった時に、時計を見ると、10:45。
1時間45分もパーフォームしてくれたんだ。
周りの若者たちからスライは出ないけど、ルーファスのサイン会があると情報。

レジが空くのを待って、席を立った。
「良いライブだった。」と言うより、「もの凄いものを観た。」という感じだ。
中身の濃い1時間40分余りが終わり、はしゃぎ過ぎ、騒ぎ過ぎ、
踊って、叫んで、歌ったので、さすがにちょっと疲れてしまった。
しみじみとしたハッピーフィーリングが残るというよりも、花火の終わった後のような脱力感。
でも、最高のライブでした。

あれだけの大人数。
楽屋はどういう状態になっているのかとちょっと気になった。
スライだけ専用の別室でも用意したのかな。

Eric Benet at Java Jazz Festival

2010-01-23 10:59:02 | エリック・ベネイライブ(日本以外)
2005年の3月、エリック・べネイは初めてインドネシアの地に降り立った。
エリックのマネージャーとジャワジャズフェスティバルのプロデューサー、ピーター・ゴンザと親交があり、
この話はまとまった。
ジャカルタのジャズフェスの映像、ペイテレビのものなのか、当初は下記の"Spiritual Thang"
最後まで歌う長いヴァージョン、そして"Hurricane"の映像もあったが、消去されてしまった。
日本でも、韓国でもその国の言葉で挨拶をしたエリックべネイ。
インドネシア語も連発していた。

その頃、アメリカで厳しいバッシングを受けていたエリック。
3rdアルバム、"Hurricane"を完成したものの発売日が中々決まらない中、
訪れたジャカルタの地で歓迎を受け、心から楽しそうにしている様子が良くわかる。

この時のバンドは2005年9月末から10月にかけての来日でも同じメンバー。
バックボーカルはステファニー1人だったので、もう一人映像に出てくる女性は、現地採用か?
日本でも現地採用のバックボーカル募集があったら、やりたい人、たくさんいるでしょ?
ドラムスは大阪公演まではいたが、どういうわけか東京では急遽別の人物にチャンジ。
ギタリストはこの当時、19歳、これは現在のドラムスのウェスの年齢をジョークにするのとは違い、
実年齢です。
この時のブルーノート、「大きな荷物はアーティスト側の希望により客席に持ち込まないで下さい。」
とフロントデスクに張り紙が。何か物々しいスタートだった。

ところで、ここ数年、こういうタイトなバンドのエリックを聴いていない。
フォーンもも入り、バックボーカルもいるエリックべネイのライブも観てみたいと思うが、
ジャカルタではどのような編成になるのだろうか。

ジャズフェスの後、エリックは同伴した娘のインディアとバリ島へと向かった。
エリックの事だから、プライベートプール付きの豪華なホテルか、
貸切の一軒家風コテージにでも滞在したかと思ったら、
大手の一般的なホテルに泊まり、インディアと2人で他の宿泊客とともにビーチで寛いでいる。
アメリカで気の休まることのなかったこの頃のエリックとインディアにとって、
かの地は忘れられないものになった。
その翌年もジャワジャズに参加し、インディアも同伴、それからずっと「好きな場所は?」と質問されると、
「バリ島。」と答えている。

風光明媚な土地を気に入っただけではなく、インドネシアではエリックはまだそれほど知名度がない。
その上、エリックの容貌はインドネシアの人たちに自然に溶け込める。
そんなこともあり、ここではリラックスして過ごせるのではないだろうか。
しかしながら、インドネシアはアメリカから行くのには、もの凄く遠い国だ。
それで、ここ数年、参加が叶わなかったのかもしれない。

今回のジャワジャズの参加、昨年はみっちり国内、日本、ヨーロッパでツアーを行ったエリック・べネイ。
インドネシアの地で楽しみながら、ゆっくりするのも悪くないかと
このフェスティバルにチェックインしたのでは?

さあ、ジャカルタに親戚やお友達がいる方、そして我こそはと思わん方は、
ぜひ、ここに行ってジャワジャズについて聞かせて下さいね。
私もなにかムズムズしていますよ。

予定表を見ると、エリックべネイの出番は3/6(土)の6時~7時15分のみ。
http://web.javajazzfestival.com/2010/artistdetail.php?action=detail&nid=1521
http://web.javajazzfestival.com/2010/sched_festival_2010.php?action=sat
たったこれだけの出番のためにエリックはインドネシアまで行くのか?
まさしく仕事というよりは、バカンスも兼ねているのでしょう。
また海外でのジャズフェスの参加は他のアーティスト達との交友の場にもなる。

せっかくアジアにまで足を延ばすなら、
途中降機して日本でもついでにライブをしてくれると嬉しんだけど。

03/5-7/10 - Jakarta, Indonesia Java Jazz Festival
http://www.javajazzfestival.com/

Eric Benet at Java Jazz Festival 2005

「スペンサー」シリーズのロバート・B・パーカー氏、ハードボイルドに死す

2010-01-22 10:54:30 | 私の日々
タイトルそのままの見出しを見つけてクリックすると下記の記事をみつけた。

1月21日10時50分配信 産経新聞
<死去の17日も、いつも通りに妻と朝食をとっていた。元気そうな様子だったという。
米マサチューセッツ州ケンブリッジの自宅。妻はジョギングに出かけ、1時間後に自宅に戻ったとき、
ロバート・B・パーカー氏はすでに亡くなっていた。
77歳だった。死因は不明。関係者らは突然の死に、一様に驚いている。

パーカー氏はマサチューセッツ州スプリングフィールド生まれ。
ノースイースタン大学で教(きよう)鞭(べん)をとるかたわら、
私立探偵スペンサーを主人公にした「ゴッドウルフの行方」で1973年にデビューした。
76年に発表した同シリーズの「約束の地」で米国推理作家クラブ最優秀長編賞を受賞し、
「米国のハードボイルド小説の復活に貢献した」と評された。

世界的な人気を集めた「スペンサー」シリーズは80年代に、米俳優ロバート・ユーリックが主演し、
テレビドラマ化された。
同シリーズは、従来の米国のハードボイルド作品と異なり、多様な人種や、同性愛者らが登場し、
幅広い読者層を開拓したと指摘される。

主人公のスペンサーは「美食家」「野球好き」「朝鮮戦争への従軍経験」など、
パーカー氏との共通点が多く、筆者自身がモデルともいわれた。

レイモンド・チャンドラーやフィリップ・マーローを称賛し、
自身、彼らの遺稿の完成や続編に挑戦したこともあった。
しかし、スペンサーと恋人スーザン、あるいはスペンサーと相棒ホークの洒脱な会話は、
パーカー氏以外に書き続けられる作家はいないだろう。>
(これ、そのままコピペしたのですが、今、良く読んでみると、
チャンドラーとマーローが2人の作家のように書かれてますね。
レイモンド・チャンドラーの小説の主人公がフィリップ・マーローです、念のため)

スペンサーシリーズのファンになったのは、80年代前半だった。
その後、新作の発売を楽しみにしてきた。
チャンドラーの未完の作品を完成させた書き下ろしや続編、その他の作品も読んだ。

確か87年だったと思うが、新作の発売と共に来日。
紀伊国屋ホールで講演会というかパネルディスカッションのようなインタビューがあり、これにも参加した。
ロバート・B・パーカーは集まったファンの多さに壇上でまずびっくり、喜んでいた。
また自分の話した言葉が同時通訳のイヤホーンを通し、一テンポ遅れて、
ジョークに聴衆が反応しているのを面白そうにして笑った。

ずっと翻訳を担当されてきた菊池光氏も客席から挨拶。
パーカーのような作家との出会いがあり、翻訳し続けることのできる幸運を心から感謝した。
外国書籍において翻訳者の貢献度は大きい。
パーカーにとっても菊池光との出会いは幸運だったのでは。

ファンの質問コーナーになると、マニアックな質問が飛び交った。
どの本の何ページに書かれていることは、どういう意味なのかとか、
登場人物で最近の著書に出てこない人物は今、何をどこでしているのか(設定なのか)

私は自分がファンであり作品を続けて読んでいると外国語であっても作者の語る言葉が簡潔に理解できる、
その時、そのことにも感動した。
ずっと読み続けてきた、読み返しても来た、原書にもトライしてみた(挫折したが)
私にとって作家の生の声を聴ける一時はまさにハイライトだった。

この頃は、人気月刊誌などでもパーカーは取り上げられていた。
ところが、ボストンから来たアメリカ人と話す機会があり、彼が近くの大学で職員をしていたにも係らず、
全く、スペンサーシリーズを知らないことに驚いた。
これは日本だけのブームだったのだろうか。

ハードボイルドの探偵なのに、朝、出かける前にベッドメークをしてこなかったことを気にしたり
(そのままにして出かけると帰ってきた時、嫌な気分になるそうだ)
車や料理を愛し、筋トレに励みつつも、
ホルスターの拳銃がジャケットのシルエットに出る影響を気にしたりする。
スペンサー自身ももちろんだが、出てくる人物たちのキャラクターが興味深く魅力的だった。

ある時からスペンサーシリーズ、私にとって輝きが失せてしまった。
スペンサーの恋人のスーザン、彼女の何もかもを、我儘を受け入れていくスペンサーの姿に、
かつて『ユダの山羊』の中で、
「その女がどういう女かということではなくて、自分がどういう人間かが問題なんだ。」
と言ったスペンサーの拘りが失われてしまったように感じた。
その後、スペンサーは作品中で変化を遂げたのだろうか。
そろそろ、またその後の作品を読み返してみたいと思っていたところだった。

エリックべネイ、Newアルバムへ

2010-01-21 09:49:31 | エリックベネイの日々&KyteVideo
エリック・べネイ、5作目のアルバム、ミルウォーキー分のレコーディングはほぼ終了。
編集の段階に入っている。
CDジャケット用の写真は、録音終了後に撮るものとばかり思っていた。
最近、あるアーティストのCD発売に向けてのプロセスを知る機会があったが、
スティール写真の撮影は、CDのコンセプトや内容が決まった時点、録音より2カ月も前だった。
このペースで進めば、ケビンの言った発売は4月という言葉も実現しそうだ。
エリックは「春」と言っていましたが。



ミルウォーキーでレコーディングの合間に談笑するエリックべネイ。
隣にいるのは、ジョージ・ナッシュのように見える。
今回のアルバムのプロデュースに従兄のGeorge Nash.Jr.参加したようだ。
"Love&Life"の時と違い新しいアルバムに含まれる曲については明らかにされていない。

さて、エリックのかぶっているお帽子、そしてサングラス。
みなさんは、エリックがどこで、いつこれを買ったか、ご存知ですよね?
ダークパープルのタートルネックのセーターと良く似合ってます。
原宿、竹下通りから歩けば、お財布、サングラス、帽子を買ったお店があるはず。
kyte videoを振り返りながら、エリックの歩いた道を辿ってみたいのですが、中々、行けません。
行かれた方は、ぜひレポートしてくださいね!

MLK DAY

2010-01-20 00:01:34 | 私の日々
"IT'S MLK DAY. REMEMBER HIM. CELEBRATE HIS LOVE AND CONTRIBUTIONS. "
facebookのこの書き込みを最初に見た時に、MLK Dayって何かと思った。
彼女のプロフィール写真はマーティン・ルーサー・キングに変えられている。
そうだ、アメリカは昨日、キング牧師の生誕記念の日だった。
1987年のちょうど今頃、サンフランシスコの街を歩いていて、そこら中に、
「祝、キング牧師誕生」の文字や、ポスターを見かけた。
その時に思ったことは、率直に言えば、「日本では命日を大切にする習慣があるけれど、
アメリカは生まれた日なんだ。」くらいの印象だった。

昨年の今頃、オバマ大統領の就任式があった。
そのイナギュレーション、就任式の演説を聴くために会場へと向かうタクシーに乗ったエリックべネイ、
アフリカ系の運転手に「こんな日が来ると君は思っていた?」と尋ねている。
そして、「亡くなったお父さんにこの日を見せたかった。
キング牧師も天国でどんなにか喜んでいるだろう。」と話した。

その後、渋滞に巻き込まれて車は進まず、エリックは歩くことにする。
ゲートが開くのを待つ間、多くの人と喜びを共にする。
中には、「あなた、エリック・べネイに似ているわね?」と聞いてくる人もいて、
「今日、何度も間違えられたんだ。彼は僕よりもずっと背が低いよ。」なんて言っている。

あれから、一年。

アメリカンダンスアイドル シーズン4 トップ8

2010-01-19 00:06:58 | アメリカンダンスアイドル
トップ8のゲスト審査員はコリオグラファー、トニー・バジル。

今回はまた、新しいペアで2つのダンス、そしてソロのダンスも。

1組目、ウィリアムとコートニー。
ジャン・マーク&フランスの振り付けでサンバ。
腰の振り方が特徴だそう。
曲は、Che'Nelle "I Fell In Love With The DJ"
2人の相性も良く、一人一人も率なくブラジルの情熱溢れるサンバダンサーを演じた。

ソロの1人目はコンフォート。
男子に交じってヒップホップを子供の頃から踊っていて、その後ダンススクールに行き、
バレエやジャズダンスを学んだ。
Simian Mobile Disco "I Got This Down"

2組目はトゥイッチとケイティ。
ミアの振り付けでコンテ。
大道具にドアを使い、その両側から、強烈なキャラの女の子と彼女を拒む男を演じた。
引き込まれる演技。
曲は、Duffy "Mercy"
エキセントリックな女にてこずるトゥイッチの姿、観ていて笑える。

2人目のソロはウィリアム。
ウィルがダンスに興味を持ったきっかけは映画の「ダーティーダンシング」だったそうだ。
ヒップホップ、タップ、体操、その後、ダンス教室でデビー・アレンにスカウトされ、
彼女に師事を受ける。
James Brown "Get Up Otta That Thing"
ジェームズ・ブラウンに変装して、登場。
JBの味を生かしつつ、ファンキーなウィルのダンスに会場は沸き、スタンディングオベーション。

3組目はマークとコンフォート。
タバサ&ナポレオンの振り付けでヒップホップ。
Fergie "Party People"
教室で居残りさせられた悪ガキ達のふざけている様子のダンス。
この2人の相性も最高。ヒップホップ専門のコンフォートを柔軟性のあるマークが
しっかりと受けて立っている。
観ていて飽きない楽しいダンス。

ソロの3人目はケイティ。
タップやバレエを今までやってきたそうだ。
曲は、セリーヌ・ディオン「テーキング チャンス」
振付師のいないソロのダンス、それぞれ今の自分の気持ち、自分の意外な一面とか、
訴えてきている。

4組目、ジョシュアとチェルシー。
シーズン2のファイナリスト、デミトリの振り付けでアルゼンチンタンゴ。
場末のクラブでの男女の出会いを描いた。
A Los Amigos "Forever Tango"
ジョシュアの役の入り込み方にはいつも感心させられる。
この2人も息がぴったり合っていて、ホットなダンスを見せた。

ソロの4人目はマーク。
ハワイで育ち、「オペラ座の怪人」を観て、舞台芸術専門学校に入学したそうだ。
そこで、唯一の男子生徒。

5組目はコートニーとウィル。
タバサ&ナポレオンの振り付けでスローなヒップホップ。
亡くなった恋人がゴーストになって彼女に寄り添う物語。
Alicia Keys "Like You Never See Me Again"
この2人もまた、相性も演技も抜群。
ウィルは今シーズン中、最も才能あるダンサーだ。
そして相手の女性も輝かせることができる。

ソロの5人目はチェルシー。
9歳から社交ダンスをずっとやってきた。そしてこの日は彼女の19才の誕生日。

2ラウンド目。

6組目、ケイティとトゥイッチ。
タイスのブロードウェイ。
近所の男の子に思いを寄せる女の子の物語。
Bubbling Brown Sugar "Sweet Georgia"
思いっきり弾けるパーフォーマンス。
「トゥイッチのダンスはリアリティーがある。その点でブロードウェイダンサーを上回るかも。」

ソロの6人目はジョシュア。
小学校三年の時、授業中に踊っていて、担任の教師からダンスオーディションに推薦された。
今の自分が在るのは、その先生のお陰と。
曲は、"Shawty Get loose" Lil Mama Ft. T Pain&Chris Brown

7人目、コートニー。
三才から踊っていた。「ダンサーをやれる期間は短い。だからこそ挑戦してみたかった。」
"Where I Stood" Wissy Higgins
それぞれ、自分の今の気持ちをソロにぶつけている。

8人目、トゥイッチ。
高校三年からダンスを始めて、大学でも専攻。
韓国に9ヶ月間ダンス教師として滞在したこともあるそうだ。
Kay L "G6 T Work"
大柄なトゥイッチのソロは華やかに見応えがある。
シーズン3で日本出身のホクに破れてトップ20に入れず、
それから一年間ヒップホップ以外のダンスの技術を磨き再挑戦、ここまで来た。

8組目、チェルシーとジョシュア。
ドリアナ・サンチェスの振り付けでディスコ。
Gloria Estefan "Ever Lasting Love"
前半、ジョシュアの動きが演技ではない部分で止まってしまいがち。
リフトの連発。緊張感のせいだろうか。
しかし、大きな技がいくつも決まり、審査員には絶賛される。
チェルシーも相手を信じて、高いリフトを堂々と迷いもなくこなしたこと誉められた。

結果発表。
1/10の夜に見損ねて、後日の楽しみにとっておいたところ、
「アメリカンダンスアイドル ウィル 落選理由」
という検索を掛けた方が私のブログにヒットしたらしく、朝パソコンを開くと、
このブログのアクセス解析、検索語句に・・・

ウィルが落選してしまったのか~。
優勝候補とさえ思っていたのに。

オープニングは、Common "Universal Mind Control"
チャック・マクドナルドの初振付。

ワースト4、コンフォート、ウィル、コートニー、トゥイッチのソロダンス。
コンフォート、Mims "Like This"
ウィル、Goapele "Closer"
コートニー、Kreesha Turner "Passion"
トゥイッチ、Kool & The Gang "Hollywood Swinging"

LLクールJのパーフォーマンス、"Baby"

女性の落選は、コンフォート。
一度、落選した後、ジェシカの棄権で復活してここまでやってきた。
男性は、ウィル。
ナーバスになっていたトゥイッチと較べると落ち着いた様子で受け止めていた。
「必死で練習に励めば、誰でもこの番組に出ることは可能だ。
そして海に終わりがないように、ずっと泳ぎ続けるんだ。
こんな機会を与えられたことに、感謝している。
トップ6のみんな、頑張って。応援している!」
ウィルが笑顔で話すほどに観ているこちらは涙腺に来てしまう。

『アメリカンアイドル』の投票者は9750万人に対し『アメリカンダンスアイドル』は4000万だそうだ。
この番組がダンスのコンペティションでありながら、ダンサーの人気投票。
投票するのは10代前後が多い。
そういう意味でウィルはテクニックはあってもこの年代にアピールする力が弱かったのか。
アフリカ系3人の中での人気度がジョシュアやトゥイッチに較べると低かったのだろうか。

ウィルとコンフォートがハグ。
そこにトゥイッチとジョシュアが加わる。
遠慮がちに近づいたマークもトゥイッチが肩に手を掛ける。
全員が一つの輪になる。

シーズン3から通して観て感じること。
『アメリカンアイドル』とは違い『アメリカンダンスアイドル』、
ダンサー達は深い絆で結ばれている。

エリック・べネイファンサイト

2010-01-18 07:49:17 | エリックベネイの日々&KyteVideo
エリックべネイ、facebookに公式ファンサイトを作った。
今までの個人のサイトと違い、リクエスト後すぐにメンバーになれます。
新しく作ったこのサイト、たぶんNewアルバムに向けての意気込み充分と受け取れます。
エリックの撮ったヴィデオや現在の状況も更新されると思いますので、
ぜひ、ファンサイトにご参加ください。
http://www.facebook.com/pages/Eric-Benet-Official-Fan-Page/258234768003
携帯の方も機種によってはアクセスできますよ。
エリック・べネイとケビン、CDのレコーディングをしていたミルウォーキーを発ち、
今は、LAに戻っています。

1月20日が『大寒』と言われ、一年で最も寒い日とされていた。
アメリカ各地でも今は、雪が積もっているとか、雪掻きをしていると話題になる。
日本の寒さは、まだ始まってもいない。ここのところ季節のずれを感じるから、
いよいよこれからが、冬将軍の到来だ。
Wayman Tisdaleのアルバムの中でエリック・ベネイ、"Sweet Dreams"を歌っているが、
この曲は私の中では真冬の雰囲気。雪の中の暖炉の暖かさを感じる。

ロマンティックな曲をエリックの歌声が彩る。
エリックベネイ、アルバム外のこういう曲もたまには聴きたい。
ジャズアーティストたちとのコラボ、今年も期待したいところだが、
それよりもまず、春のNewアルバム発売へと向け、頑張って欲しい。

Wayman Tisdale - Sweet Dreams

イタリア人と歌舞伎町!?

2010-01-17 10:19:36 | 私の日々
ベルギーに住む友人が東京に出張でやってきた。
新宿で待ち合わせて夕食をどこかで食べようということになる。

待ち合わせの時間に友人は仕事の同僚のイタリアからの人達を連れてきた。
日本語も英語も話さない。片言のフランス語も試したが通じなかった。
いったい、どうやって一緒に夕食をするんだろう?

歩いているうちに人込みの中、旧コマ劇場の付近の広場まで行ってしまう。
何が食べたいかという友人の質問に「ふぐ!」「神戸牛!」「寿司!」
大騒ぎになり収集がつかない。
その瞬間、私は叫んでいた。「シレンチョ!!!」
大好きな映画、『ニューシネマパラダイス』で鬼女教師が小学生のトト達を、
叱るのによく叫んでいた。たぶん、「静かにしなさい!」という言葉なのだろう。

ほんとにみんな、黙ってしまった。
すると、主人がすかさず、「ラ ピアッツァ ミーア!」
これも、また『ニューシネマパラダイス』の中で、
広場に住み着いているホームレスのような男性が、
繰り返し唱える「ここは俺の広場だ!」という台詞。

ふと上を見上げると「しゃぶしゃぶ、ちり鍋、寿司、懐石」と書かれた日本料理店が二階にある。
「プレゴー!」とそこを指し、みんなで進んだ。
ジローラモさんがこんな事を時々、言っていたので記憶に残ってしまった言葉。

人数に見合った個室があるという。
準備が整うまでしばらく待たされた。

個室は、和室なので、畳。
皆、靴を脱ぐのに苦労していた。
けっこうお洒落な靴を履いている人が多い。
メニューは何でもありの日本料理屋。
それぞれ好きな物を頼む。
サッカーファンの主人とイタリアの人達は、選手やチームの名前、
いつの試合は良かった、みたいな単語と日付だけで盛り上がっている。

よく見ると、みんな疲れきっている。
慣れない土地に故郷から研修でやってきて、
そして残してきた家族や家が恋しくなる頃なのかと思う。

お会計、一人一人の懐具合もあるだろうと値段を心配したのだが、
かなり良心的、リーズナブルだった。

食事の後、外に出るとお腹が落ち着いたのか、
みんな、新宿の街の様子を楽しんでいる。
大きな電光掲示板、そして雑踏、呼び込みの人達。
こういうのは日本独特、東京の景色なのだろうか。

「デザートが食べたい。」と言われて捜したが、
こんな時間はアイスクリームショップもケーキの食べられるような店も
空いてないし、存在していなかった。
デザート、私の知る限りの欧米の人にとっては、食事の後、欠かせない。

残念ながら、甘いものは我慢してもらい、解散。
会った時は、表情の読めなかった一人一人。
一緒に食事をして、言葉は通じなかったけれど、笑顔や素顔が出てきて、
それぞれの人柄が感じられた。
休前日の新宿駅東口から歌舞伎町は、大勢の人で賑わっていた。