Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

欧州音楽紀行「パリそしてワルシャワ」を観て

2015-03-27 00:00:01 | ピアニスト 金子三勇士
(画像はすべて金子三勇士のツイッターより:
https://twitter.com/miyujik/with_replies

ショパンの生涯を辿る旅、最初に金子三勇士が訪れるのは、
パリにあるショパンが埋葬された墓地。
ここには多くの歴史上の人物や作家、音楽家が眠る。
以前に三枝成彰氏が講演の中でこの墓地についてお話をされていた。
地図を片手に観光客で賑わうという場所、
椿姫のモデルになった女性の墓には管理する人が業者に委託しているのか、
常に美しく花が添えられるそうだ。
死後もこのように扱われる人もいれば全く過去の栄光からは程遠い、
粗末な墓所もあるという。

ショパンの墓地はきちんと整えられ華やかさがある。
三勇士は献花、祈りを捧げる。
まずこの姿にぐっときた。
ここに演奏者としての正しいあり方をみた。
その作曲家の曲を生涯掛けて遺志を伝えるべく演奏させて頂きますと墓参し、
ご挨拶することでショパンと三勇士の絆が更に深いものになったと確信する。


39歳で亡くなったショパン、19歳まで過ごしたポーランドへと画面は変わる。
音楽に満たされた街、ショパンがいかに市民に愛されているか、
一つのベンチが紹介される。
ボタンを押すとそこからショパンの曲が流れ始める。


ワルシャワからショパンの生家へ。
そこはショパンの家を囲む形で公園が形作られ、
日曜日の午後には部屋の中で行われる演奏を外から人々が鑑賞する、
というコンサートが行われている。
三勇士は日本から来たピアニストとして紹介され演奏が始まる。
勢いの良い「英雄:ポロネーズ」から始まり、しっとりとしたノクターンへと。

集う観客の中には感極まり涙を拭う聴衆もいる。

演奏を終え、金子三勇士の表情は嬉々としている。
現地でショパンをこよなく愛する聴衆の前で演奏することができ、
観客からも確かな評価を得た喜びが伝わってくる。

その後、ショパン博物館では最新技術でショパンの足跡を辿る展示が紹介される。
ショパンのデスマスク、毛髪、死に関する部分では、その生々しさに息をのむ。
そこにショパンの存在がすぐ近くに感じられ胸に迫るものがある。

ショパンの最後はポーランドから看病のためにパリへと渡った姉が看取り、
本人の遺志でその心臓はポーランドへと持ち帰られ、
教会の柱に祀られているという逸話は知っていた。
その教会にも足を運ぶ三勇士。
柱と聞いて想像していたのとは違い、教会内にある霊廟のような佇まい。
そこでもショパンの息吹、郷愁の念が手に取るように感じられてくる。
金子三勇士が偉大な音楽家に対しての畏敬の念を持って、
一つ一つのゆかりの場所を巡ることで私達もそこに想いを重ねることができる。

ワルシャワの公園でもコンサートが開かれ、その日は日本のピアニストが演奏している。
市民たちの音楽への篤い気持ちを画面から察することができる。


ワルシャワ市内、ショパンが常連として通ったレストランと料理が紹介される。
青豆のスープ、キノコのクリームソテー、外はカリッと中はジューシーな鴨のグリル、
などショパンの愛した料理に舌鼓を打つ三勇士。
この辺り、ほとんど料理の紹介番組のようで、
ピアニストがこれだけ美味しそうにレポートしていることが微笑ましい。


チェリストの松本エルとの公園での対談。
それぞれが自分にとってのショパンを語る。
それまでロマンティック、甘美、女性的なイメージで捉えていたショパン、
三勇士はこの旅をしたことで改めてショパンの男性的な面を識ったと話す。


二人が話しているベンチではリスが後ろを通るのが映る。
のどかなヨーロッパの公園、夏が終わり、秋の気配がする爽やかな時期。

公園内の宮殿にての二人のデュオ。
金子三勇士、ソロとは違う姿を観ることができる。
自分の演奏は抑えて、チェリストの様子を確かめながら、
相手を立てつつ支える。
私はこういう時に彼が見せる表情が好きだ。


場面はパリへと戻り、ショパンの葬儀が行われたマドレーヌ教会、
また今は宝飾店となっているが最後にショパンが住んだ家、
パリの時代にショパンやジョルジュ・サンド、そこにリストなども加わり、
演奏や宴が行われたサロンへと導かれる。

そこのピアノで演奏する三勇士。
彼にとっては当たり前かもしれないが、暗譜でさりげなく、
その場に相応しい曲を演奏できるというのはいつも驚かされる。


通して観てショパンに対しての認識を深めると共に、
ピアノ演奏はもちろんのこと、金子三勇士の人柄、
正しく美しい日本語を彼が使うことも素晴らしく、
偉大な音楽家に対して敬虔な気持ちで接している姿勢も清らかで、
観ていて心が洗われるようだった。

映画「ショパン 愛と哀しみの旋律」
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/e/23c99ba427df9344bb0ebe5c0b5fd6e9

欧州音楽紀行「Paris そしてWarsaw」

2015-03-25 11:46:39 | ピアニスト 金子三勇士
トップの画像はポーランドにてピアノ演奏をする金子三勇士。

本日22時から一時間枠、BSフジの番組「欧州音楽紀行」、
「ピアノの詩人ショパンを巡る旅 パリそしてワルシャワ」
が放映される。
金子三勇士がナビゲーターとピアノ演奏を務める。
昨年の晩夏に撮影され、パリのショパンの墓参に始まり、
ポーランド、ショパンの生家にて地元の市民に囲まれる中、
ピアノ演奏も行った。

病篤くなったショパン、故郷から看病のためにパリに出向いた姉が看取り、
その心臓は本人の遺志により姉によってポーランドに持ち帰られ、
今はワルシャワの教会に祀られている。

活動の舞台はフランスにあったが、心は常にポーランドと共にあった
ショパンの生涯を金子三勇士と共に追体験する。
ピアニストとして作曲家ショパンを三勇士がどのように捉え、
パリでワルシャワで何を感じ取ったか、それも見所。

お時間のある方はぜひご覧下さいませ。
ない方は録画で。

画像はフランス、ショパンの墓地で祈りを捧げる金子三勇士


以下はBSフジの番組紹介説明:
ヨーロッパを代表する音楽の都と偉大なる音楽家のゆかりの地を巡り、
その街の魅力に迫る。
「劇場(ホール)」「博物館」「世界遺産」「観光スポット」を訪ね、
クラシック音楽を語る上で外せない、
偉大なる音楽家に想いを馳せ名曲と共に巡る1時間。
ナビゲーターはハンガリーで6歳から英才教育を受け世界が注目するピアニスト金子三勇士(24歳)。
今回はクラシック界で日本人に最も人気のあるショパンの軌跡をたどる旅に出る。
パリに眠るショパンの墓から故郷のワルシャワへ・・・
三勇士がショパンの生家でコンサートを行ない、ショパンに想いを寄せます。
その他にもショパン行きつけのレストランや
博物館・市民憩いのワジェンキ公園などのゆかりの場所をめぐる。

Eric Benet 三女Amoura Lunaの写真を公開

2015-03-24 16:34:43 | エリックベネイの日々&KyteVideo
「もうAmoura Lunaは8ヶ月になった。時間が経つのは早いね。」
とエリック・べネイはマニュエラとの間の第2子、
アモーラ・ルナの写真を公開した。

早速いろいろなコメントが付いているが「マニュエラにそっくり。」
とあるのを見て、確かにそうだけれど、
これってエリックに少し失礼ではないかと。
「お父さんとお母さん、二人の姉、それぞれに似てるわ!」
と家族全員に気を使ったコメントもあって微笑ましい。

それにしてもエリックはこんなに小さな子のお父さんもやってるんだな、
と改めて認識する。

最近のスナップとして「Runyon Canyonにて義弟と」とこの写真。

このRunyon canyonという場所、今までも娘のインディアと山頂で寛ぐ動画、
などを見てきている。
眺めが良くてちょっとしたハイキングコースになっているLA郊外のスポット。
運動にもなるし景色も楽しめるしエリックにとってお気に入りの場所のようだ。
そこに義弟、マニュエラの弟が訪ねてきたので案内したようだが、
カナダ人ではあるがエジプト、モロッコ、イタリアの血を引くテストリーニ家、
マニュエラの弟もかなり強面で迫力があり、
この写真ではエリックも雰囲気を合わせているのが笑える。

さてライヴ活動としては4月3日にLAダウンタウンのコンガルーム、
Ceelo Green, Goapelle, Bozeman(Empire)などとライヴを行う予定。


これは今年になって定番化することが決定し、
毎月、第一金曜日は"Eric Benet & Friends"としてエリックと親しいアーティスト達の
定例コンサートが続く。
娘のインディアも参加するからぜひ、来てほしいとエリックはSNSを通じて呼びかけている。

アメリカン・アイドル シーズン14 TOP16→TOP12

2015-03-23 15:26:26 | アメリカンアイドル
男女トップ16から一気に4人振り落とされトップ12が選ばれる。
男女5名ずつは視聴者の投票、残りの6人の中からは、
審査員が二人を選ぶ。
コンテスタント達が歌うのは地方オーディションの際に歌った曲。
今回、これを少なからず疑問に感じた。
同じ歌をFinalとかでアレンジを変えてならともかく、
この段階でもう一度歌わせる意味とは何だろう。
番組の進行上の問題だろうか。
名前を呼ばれる順は投票結果の順位とは無関係。

トップバッターはサリナ・ジョイ・クロウ
"Love Runs Out" OneRepublic
会場が盛り上がるノリの良いヒット曲で口火を切ったかと思いきや、
最初から音を外す。テンポもずれている。
審査員達も顔をしかめている。他の候補者たちも複雑な表情。
終盤になってやっと建て直したが、やはり一番目として、
いきなり歌うのは音を取るのが難しいことなのかもしれない。

2番目、レイヴォン・オウエン
"Wide Awake" Katy Perry
この人のパーフォーマンスは安定している。
その中できちんと盛り上がる瞬間も作っている。
ファルセットが持ち味。
人柄も好感が持てる。
エリック・べネイファンの私としては応援したいものを備えている。

3番目、ダニエル・シーヴィ
"Straight Up" Paula Abdul
かつて審査員をしていたポーラ・アブデュルの曲。
自分の曲をこんな少年が歌っている、ポーラが聞いたら喜ぶだろうなと思う。
カメラ目線やステージでのアピアランスが格段に進歩している。
ハリーから「他のコンテスタントと比べると若く、
未経験ゆえに物足りなく思える。」と厳しい批評があるが、
15歳、完璧だったら反対に不気味だ、未熟なところも含めて、
頑張っている様子が年相応で魅力がある。

4番目、マディー・ウォーカー
"Suitcase" Gwen Sebastian
審査員がトップ24の段階で迷って救い上げた彼女。
それだけテレビに映える、カメラの前で輝けるものを持っているのだろう。
「考えながら歌っている」とジェニファーとハリー。
曲に集中できてない心の内がパーフォーマンスに出てしまう。

5番目、ティアナ・ジョーンズ
"Wings" Little Mix
彼女はやはりドレスよりもパンツスーツが良く似合う。
歌は全くぶれない。周りをハッピーにするオーラがたっぷりだ。

6番目、ニック
"In Your Eyes" Peter Gabriel
考えてみるとダニエルの約2倍の年齢。
熟練したパーフォーマンス、安心して見てられる。
しかし、何かインパクトが弱い。
年齢的に自分を知っているだけに、
優勝はあり得ないと思っている自信のなさのようなものが
演技に出てしまうのだろうか。

7番目、JAX
"I Want To Hold Your Hand" The Beatles
ピアノの弾き語りから始まり、マイクをハンドに替えてステージを周りながら、
歌の佳境に入る。いつもながらセンスのある彼女らしいアレンジ。
光るものを持っている人だ。

8番目、カシム・ミドルトン
"Sir Duke" Stevie Wonder
ビート・ボックスや数々のひねりを加えながら曲を独自にアレンジしているが、
ここのところ、毎回サプライズをもたらせていた彼のパーフォーマンス、
残念なことに陰りが見え始めてしまった。
ぜひ挽回してほしい。

9番目、クラーク
"It's a Man's, Man's, Man's World" James Brown
停滞気味だったクラーク、本来の実力を魅せつける。
余りに曲に集中し、その世界に入り込むと、
そこからすぐにもどってこれなくなることが歌手も演奏者もある。
今回の彼の歌い終わった瞬間がまさにそんな感じだった。
それだけ素晴らしい感情移入と集中力だった。
この人は優勝する気で勝負している。
先日、地方予選の録画を観返してみたら、
キースとジェニファーは彼に"YES"と言ったのに、
意外にもハリーが"NO"だった。
ここまで実力がある、成長するとはハリーにも見抜けなかったのか。

10番目、ジョーイ・クック
"King of Spain" The Tallest Man On Earth
誰にもマネできない世界を彼女は作り出している。
会場の女子から一際高い声援が。女の子にとても人気があるようだ。

審査員が選んだ一人目はクエンティン。
"Royals" Lorde
この人はファッションの含めてオリジナリティーが光る。
もちろん歌の実力も伴っている。

二人目はアダナ・デュルゥ。
"You and I" Lady Gaga
最後に選ばれた喜びが画面を通して突き抜けてくる。
歌も動きも抜群に魅力的。

残った4人の中にアダムがいる。
基本はロック、オールマイティーに歌をこなす人。
今後のパーフォーマンスも観てみたかっただけに残念な結果。
本人も落胆の色を隠せない。

Verdict Will Kill Artists' Creativity

2015-03-22 19:51:43 | Weblog
ロビン・シックの「ブラード・ラインズ」"Blurred Lines"
マーヴィン・ゲイの"Got to Giive It Up"の盗作であるとして、
マーヴィンの家族が訴えを起こし、これが勝訴し、
ロビンとファレル・ウィリアムズ側が730万ドルを支払う、
という判決が出たのが3月10日。

これに対しファレルは昨日、Financial Timesのインタビューに応じた。
「創作するという作業はそれがファッションであり、デザインや音楽でも、
インスピレーションを受けて、作り出すもの。
例えば部屋の中にある物を見渡してもすべてが何かや誰かから、
インスパイヤーされて作られているはず。
この判決を肯定してしまってはエンターテイメント・ビジネスは、
もはや何も創造しえない。」と答えている。

この件に関して様々なアーティストがコメントしているが、
我らがエリック・べネイはかなりな拘りを示して、
既に何度か自分の意見を投稿している。

エリックは全面的にファレルとロビンを支持している。
エリックの意見では曲は歌詞とメロディーで作り上げるもの、
それが違っている以上、コピーでは有り得ない、
その曲の持つ「グルーヴ感」というのは、真似しようもなく、
"Blurred Lines"におけるそれはファレル達の独自に作り出したもの、
また業界の歴史を振り返ってみれば、
70年代には類似している曲が多くあったこと、それに続くディスコ時代でも、
その傾向は続いたのだから今更、このような判決が出るのは不服としている。
「この裁判が勝訴するのなら、スモーキー・ロビンソンはマーヴィン・ゲイを、
"Ain't That Peculiar"が"Goin' to a go-go"のコピーだって訴えるべきだよ。」

エリックべネイも"Love & Life"の"You're the Only One"に始まり、
次作"Lost in Time"では70年代をテーマにしているので、
シンガー&ソングライターの立場としては譲れない。

エリック・べネイ、更に"Got to Give It Up"の共同制作者、
ジャック・アシュフォードがこの判決に納得できないとして、
コピーでは有り得ないとする見解を紹介している。
それはやはりエリックと同様に「グルーヴは曲自体のもの」という意見だった。

一方、一昨年までナイル・ロジャース&CHICのキーボード奏者をしていたセラン、
彼がマーヴィン側が正しいと投稿していたのは意外だった。

アメリカン・アイドル シーズン14 男性TOP8

2015-03-15 19:44:22 | アメリカンアイドル
タイムリーな画像を検索するとアメリカで既に出ている結果発表を
みつけてしまう可能性大なので、いつもながら同じ画像で失礼されていただく。

会場はデトロイト、今回はモータウン特集、
それぞれがどんな曲を聴かせてくれるのか、思いっきりテンションが上がる。
いきなりアレサ・フランクリンが登場、グロリア・ゲイナーの"I Will Survive"
「何が何でも生き残る」というこの曲、『アメリカンアイドル』の候補者たちのために
カヴァーしたのかと思いきや、アレサのNEWアルバムに収録されているとのこと。
アレサの存在感は絶大だ。
ちょっとした音程のずれなんてもう関係ない。
この番組にアレサが登場したのはシーズン12のファイナルで中継で繋がった形での参加、
生出演は今回が初めてではないだろうか。
客席、審査員、候補者たちも盛り上がっている。

今までの進行と異なり、今回は男性TOP12の中から選ばれたTOP8のみが
歌を披露する形になる。
指名される順は投票結果の順位とは無関係。

トップバッターはダニエル・シーヴィ―。
マーヴィン・ゲイの"How Sweet It Is To Be Loved By You"
セクシーなマーヴィンの曲を15歳の少年が情感を込めて歌う。
大人の真似なのでなく、年齢にふさわしいキュートさが炸裂する。
余裕さえ感じられるパーフォーマンス。
一番先に選ばれた嬉しさがにじみ出る。
審査員からはキーを高くした方が合っていたのではという意見。

二番目はマーク・アンドリュー。
この人はカントリーの歌い手かと思っていたら、
テンプテーションズ"Papa Was A Rolling Stone"
R&Bもしっかりと行けるところを見せる。
スムースでノリの良いステージだったが、
軽く歌ってしまった感が否めない。
ジェニファーからも「心に響くものがない」と指摘される。

3番目はレイヴォン。
テンプテーションズ"My Girl"
ギターソロと彼の歌から始まり、"I guess you say"の歌詞の部分から、
バンドが加わる。
誰もが知る曲を当たり前に歌わず、キレの良いファルセットの連発に、
エリック・べネイファンの私としてはとろける。
原曲の良さはそのままに自分の魅力をたっぷりメロディーに乗せた。
ハリーから「非の打ちどころがない。外見も歌もハッピーでスイート。
でも知らない面も見てみたいね。」とコメント。

4番目はアダム。
ロックのイメージの彼がJackson5"I Want You Back"
名曲を自分の曲にとアレンジしているが、これが全く嫌みがない。
大物の風格を見せる。
ライアンから「君がタキシードを着るとは。」と驚かれて、
「だってモータウンだよ。カッコよく決めなくちゃ。」

5番、クラーク。
Smokey Robinson & the Miracles"The Track of My Tears"
スモーキーの持ち味があってこそのこの曲、
クラークは原曲の良さも自分の個性も光らせることができなかった。
モータウンの特集なのにグルーヴ感が出てこない。
今回は前の4人の出来が良いだけにクラークが霞んでしまった。

6番、ニック。
「父からモータウンの曲は聴かされてきた。その発祥の地で歌えるとは。」
と感激を語る。
Stevie Wonder"Signed, Sealed, Delivered"(I'm Yours)
彼の弾くギターと歌に始まり、バンドがかぶさる。
こんなに難しい曲をいとも簡単に歌いこなしてみせる、
この人の底力を知る。
ステージのアピアランスも光る。
「もっと笑顔が見たかった。」というハリーに、
ジェニファーは「彼は笑顔なのよ。」
キースは「ギターなしで動きを見せた方が良かったのでは」とアドバイス。

7番目はカシム。
ドレッドヘアにスーツ。叔父がいつも衣装を作ってくれると紹介する。
Stevie Wonder"I Wish"
歌もダンスもダントツに一人抜きに出ている。
もうファイナルを彩るコンテスタントのよう。
明らかに別格の才能を見せつける。
もっとずっと見ていたいと思わせるパーフォーマンス。
よっぽどの失敗、あるいは他の人が急成長しない限り、
この人の優勝は堅く思えてきた。
歌いながらバックコーラスの女性の手を何気なく取ったり、
自分の世界を構築しながらも観客ともしっかりコネクト。
会場の一体感を作り上げている。
終わった後もしばらく静止したまま。
そして動くやいなや、バンドのメンバーを振り返り、
リッキー・マイナーに感謝の挨拶をしている。
ステージマナーも好感度が高い。

最後の一人はクエンティン。
Stevie Wonder"Master Blaster"
シーズン11でディアンドレもこの曲を歌ったが、
中々うま味を出すのが難しい曲だ。
ハリーから「最後まで結果発表を待たされて集中力が切れたのでは」
とフォローがある。

トップ8に入れなかった4人、やはり個性の面で選ばれた人よりも弱かった、
あるいは似たタイプがいてその人が自分よりも優れていた、という結果だろうか。
今回、せっかくのモータウン特集なのにスティーヴィーの曲に集中、
テンプテーションズも2曲ありで、もっとバラエティーに富んでいればと思う。
勝ち進めなかった4人がどんな曲を用意していたのか聴いてみたかった。

マエストロ小林研一郎 ピアニスト金子三勇士に出逢う古都ブダペスト5日間

2015-03-12 17:01:22 | ピアニスト 金子三勇士
金子三勇士君を応援する上でやはり彼のバックグラウンドを知る意味でも、
彼の育った国ハンガリー、
音楽の勉強にいそしんだ街ブダペストはぜひ訪れてみたい。

また以前にハンガリーでのコンサートを録音したものを聴かせていただき、
日本とは違う聴衆の反応、興味深く拝聴した。
ハンガリーのジプシー音楽や民謡など人々に溶け込んでいる様子も体感してみたい。

以前からご本人との間で三勇士君の演奏を聴くコンサートと、
三勇士君の案内でブダペストを巡るようなツアー、
どこかの旅行社が企画してくれないだろうかと話題にしていた。

今回、三勇士君の所属するプロダクション、ジャパン・アーツと
近畿日本ツーリストの尽力により、ようやくそのツアーが実現となる。
ブダペストの大規模なホールにてピアノ、金子三勇士、
指揮、小林研一郎が地元のオーケストラと共にコラボレートする
「チャイコフスキーピアノ協奏曲 第一番」を良席にて鑑賞し、
翌日は三勇士君の案内でブダペストのおすすめスポットを巡り、
夕食会には本人も参加する。

指揮者の小林研一郎氏はハンガリーでは日本以上に知名度が高い。
ハンガリーで最も有名な日本人であると聞く。

多くの方が参加できるようにと期間と費用を抑えるために
5日間というツアーのスケジュールが完成した。
ゴールデンウィークの終わりの時期、
ブダペストの街も暖かく日本からの観光客を迎えてくれるはずだ。

期間は5月6日~10日
詳細と申し込みは下記のリンクから:
http://entame.knt.co.jp/2015/miyujikaneko/

#Selma2015

2015-03-10 13:18:34 | エリックベネイの日々&KyteVideo
1965年3月7日、アラバマ州セルマにて黒人の選挙権など正しい待遇を求めて、
抗議するデモが橋を渡り州都モンゴメリーへと向かうべく出発しようとした時、
州兵から阻止され、多くの負傷者が出て"Bladdy Sunday"と呼ばれる悲劇を生んだ。
その後、キング牧師が政府にこの行進の正当性を求め認可を受け、
改めてキング牧師夫妻を先頭に3月21日に行われた。
最初は3000人程だった行進がモンゴメリーに着く頃には2万人に達したとされる。

この日から50周年の今年、オバマ大統領夫妻を先頭に招かれた著名人が続き、
後から一般人の行進が行われた。
実際に歩くと数日かかる距離、エリック・べネイもキング牧師のTシャツを着て参加し、
橋を渡った後は用意されたバスでモンゴメリーまで移動した。


隣の席には何とビル・ウィザース、業界の先達を前に謙虚な表情のエリックべネイ。


もちろんアフリカ系アメリカ人だけでなく、その他この行動に賛同する人々、
セレブリティー、アーティストも参加している。
終わった後にデイブ・コズも交えて寛ぐ写真がある。


祈念式典のセレモニーでエリックはクリセット・ミシェルと共に、
ダニー・ハサウェイの曲を歌った。
このような機会に声が掛かり、パーフォーマンスできるのはたいへん名誉なこと。

オバマ大統領は演説の中でキング牧師や多くの先達の命懸けの努力により、
今のアフリカ系アメリカ人の地位が確立されたこと、
自分たちはそれを更に推し進めて未来へと繋げていく使命があると語っている。

エリック・べネイは音楽の業界においても
ビル・ウィザースのようなアーティストが道を拓いたことで、
後に続くことができたという感激をコメントしている。

アメリカン・アイドル シーズン14 男性・TOP12

2015-03-09 22:19:09 | アメリカンアイドル
TOP24、男性12人のパーフォーマンスから始まる。
会場はハリウッドからデトロイトのコンサートホールへ。
マイナス17度の寒さの中、会場は満席で熱気に包まれている。
判定の結果は男女24人から16人、それぞれ8人ずつに絞られる。
つまりこの12人の中から4名が脱落することになる。
今回からは視聴者に投票が委ねられる。
一人20回まで投票できるそうだ。

トップバッターはアダム。21歳のトーイデザイナー。
"I Wanna Rock" Twisted Sister
トップを飾るのに相応しい迫力のパーフォーマンスで観客をウォームアップする。
映画『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックと姿が重なる。
自分のスタイルを貫く潔さに審査員も笑顔。
観客の声援を浴び、本人も楽しんでいるのが伝わってくる。
声量もたっぷりだ。

ナッシュビルで農業に従事するマイケル。
"How Am I Supposed to Live without You" Michael Bolton
普段は農作物を育てている朴訥な青年が満場の観客を前に、
甘く切ないバラードを歌い上げる。
心が洗われるようなパーフォーマンスだ。

セイヴィオン、22歳の学生。
昨年は脱落、今回は屈辱を晴らすべく悩んだ末の応募。
昨年はドレッドヘアだったのが今回はキャップとメガネがトレードマーク。
ギターを手に歌うが、スタンドマイクをハンドに変えて最前列と握手するために
歩み出した辺りから歌のインパクトが弱くなる。
必要以上の動きは歌唱力を返って不安定にしてしまう。
曲も何となく彼の魅力を表現できてないようで、
ここぞという時にもう少しキメ曲で勝負できなかったのかと残念。

ここまで観て、今回からコンテスタント達がイヤホーンを付けているのに気付く。
前回まではしていなかったのが、今回から大きな会場に移ったゆえだろうか。
イヤホーンは使い慣れないと調子を崩すことになる。

ミネアポリスで造園業を営むマーク、29歳。
The Weight "The Band
安定したギターの弾き語りにキースも楽しそうに一緒に口遊んでいる。
「君の声はいいし、バンドなしでも行けるよ。」と。
選曲がぴったりだったと審査員達からも高評化。
アメリカには根強いカントリーファンがいるだけに勝ち残る可能性は高い。

トレヴァー、17歳の学生。
"Best I Ever Had" Gavin Begraw
彼もまたギターを手に歌う。
若者の元気いっぱいのパーフォーマンスだが、
音程は思いっ切り外れていて、曲が進むにつれて更に悪化する。
しかし結果はともかく最後までエネルギー溢れるパーフォーマンスを通したことを、
審査員達は評価。

ストリート・シンガーのクラーク、22歳。
前回はピアノの弾き語りでの"Georgia"に圧倒されたが、
今回はPercy Sledge "When a Man Loves a Woman"
第一声からこう来たか、と思わせる期待通りの歌に観客も審査員も魅了される。
さまざまなテクニックを使い分け歌を作り上げつつ、
曲のエッセンスもストレートに伝える。
歌を知り尽くし、自分のものにできるまさに円熟した歌い手。
キースはスタンディング、ジェニファーも「鳥肌が立った」と讃える。
優勝候補の一押しと言える。

レイヴォン、23歳、ウェディングシンガーやクラブで歌って生計を立ててきた。
"Jealous" Nick Jonas
笑顔あふれるパーフォーマンスだったが、前回ほどの魅力は発揮できない。
ジェニファーからもっと悪っぽく、曲のコンセプトに相応しく表現するべきでは、
とアドバイスがある。
確かに何かスパイスが欠けているような結果になってしまった。

今回の最年少、15歳のダニエル・シーヴィ。
"I'm Yours" Jason Mraz
今回からスタイリストが入ったのだろうか。
普通の少年ぽさが良かったのに髪型から作り込まれて、
いかにもアイドル風にされてしまったことで返ってこの業界では平凡に見えてしまう。
マンドリンを手に歌うが、審査員から曲全体を歌いきれてないと批評が。

ライリー、18歳、学生。
キースの大ファンで共演したこともあるそうだ。
"Home Boy" Eric Church
エレキギターを手に歌う姿が板について決まっている。

ニューオリンズ出身のクエンティン、ショップで働く21歳。
"I Put a Spell on You" Screamin' Jay Hawkins
毎回趣向を凝らした衣装で楽しませてくれる。
ここまでステージに溶け込み、違う面を表現するためには多くの想像力を伴うはず。
「まだデビューもしてないのにグラミーのパーフォーマンスみたいだった。」
とキース。
それだけ大がかりでゴージャスな雰囲気があったということだ。

ニック、歌をずっと職業としてきた28歳。
番組が続く中に29歳となり、最後のチャンスに掛けている。
"Thinking Out Lord" Ed Sheeran
熟練した歌を聴かせるが、緊張からだろうか、なぜか十分に力を出し切っていない、
そんな印象がぬぐえない。

カシム・ミドルトン、ブルックリンの19歳の学生。
"Uptown Funk" Mark Ronson & Bruno Mars
思わず立ち上がって踊りだしたくなるようなパーフォーマンスに会場もスタンディング。
今、人気の曲の良さは残したまま、自分らしくアレンジ。
観客と審査員達を多いに沸かせた。
観客としっかりコネクトして、完璧に自分のステージにしている。
大舞台にもひるまないカリスマ性を見せた。
この人も一押しと言える。
客席には彼に声援を送る家族の姿がある。
音楽一家で育った。
この日、最もステージを支配したのは彼だった。

アメリカンアイドル・シーズン14 TOP24

2015-03-07 14:15:10 | アメリカンアイドル
アメリカンアイドル シーズン14、トップ24が先週決定した。
男女12人ずつ、今日から女性、男性と分けたバトルが始まる。

トップ24を決める際に使われた会場はLAのHouse of Blues。
ライヴ会場さながらのパーフォーマンス。
選ばれた24人の歌のみをまとめた映像を教えていただいた。

通して観て思わず唸る。
今年のトップ24は素晴らしい。
たいへんな緊張感の伴う状況であるにもかかわらず、
選ばれたコンテスタント達は楽しげに歌って魅せる。
だからこそ、トップ24になったのかもしれないけれど。
House of Bluesで観客を前に歌うことができるというまたとない機会、
それぞれが喜びを全面に出し切った。

House of Blues Showcase - Top 24 FULL Performances: Just Singing! - American Idol 2015


一人一人、アレンジを聴かせ、自分の長所のある限りを、
思いっ切り表現しているが、後は何曲、これが続けられるか。
また今後与えられていく課題をどうこなしていくか。

これから先となるといつも思うのは、
最初は個性のある人が勝ち残っていき、次は癖の強い人が落ちて行き、
最後は次にもう一度歌うのを聴きたい人を一人選ぶとしたら、
と究極の選択肢が付きつけられる。

オールラウンドに巧い人、アメリカンアイドル向きの人という観点ではなく、
あくまでも自分の好みから気になったコンテスタントをピックアップする。
視覚に頼らないためにも映像を観ず、声だけでも聴いてみた。

No.1のマイケル・シメオンの癖のある声に惹きつけられる、
ロックも歌えるNo.3のアダムもいい。
No.5のクラーク・ベッカムの歌う"Georgia"には心が揺さぶられた。
続くNo.6 Adama Duruのジェームズ・ブラウン"It's Man's World"
これもブルージーに自分の歌にしていた。
No.7 Daniel Seavey、15歳の少年なのに堂々たるステージマナー、
声も音域を使い分けるし、音程も安定している。
そしてアイドル性がある。
No.9 レイヴォン・オーウェン、エリック・べネイファンという立場の私としては、
次回にどんな曲を聴かせてくれるか楽しみな存在。
No.10 Tyanna Jones、女の子なのにスーツで出てきてビヨンセのアップテンポな曲を、
豪快にかつ繊細に歌ってみせた。
これからも応援したいという要素を充分に備えた人。

この他にも個性溢れる魅力たっぷりなパーフォーマンスが続く。
No.14 Jaxは父親想いの少女、父はニューヨークの消防士で911の際に
負傷して以来退職した、叔父は亡くなったというドラマが紹介されるが、
それだけでなく自身のスター性が輝く。
No.19のニックは彼女と挑戦して彼のみがここまで勝ち残ることができた。
アンディー・ガルシアに似た男っぷりだけでなく歌唱力も光る。
No.21、Qaasim、あなたは一体何者?と思わせるだけのダントツの個性派。
自分の選んだスタイルに徹しきることができるのもそれに相応しい実力があるから。

この映像から引き続き、かつての準優秀賞者、アダムが審査員として加わった
NYCのオーディションの映像を観てしまったが、ニューヨークから多くの才能ある
コンテスタントが勝ち進んだことを見直した。
またアダムがかつて候補者だった自分を思い出すシーンは感慨深い。

1. Michael Simeon“Classic” by MKTO
2. Loren Lott“My Heart Will Go On” by Celine Dion
3. Adam Ezegalian “Here I Go Again” by Whitesnake
4. Lovey James“Wings” by Little Mix
5. Clark Beckham“Georgia” by Ray Charles
6. Adanna Duru “It’s a Man’s Man’s Man’s World” by James Brown
7. Daniel Seavey“Straight Up” by Paula Abdul
8. Maddy Walker“Big Girls Don’t Cry” by Fergie
9. Rayvon Owen“Lay Me Down” by Sam Smith
10. Tyanna Jones“Love On Top” by Beyonce
11. Mark Andrew“Take Me To Church” by Hozier
12. Shannon Berthiaume "Piece of My Heart” by Janis Joplin
13. Quentin Alexander“Youth" by Foxes
14. Jax“You & I” by Lady Gaga
15. Savion Wright“I Don’t Trust Myself (with loving you)” by John Mayer
16. Joey Cook Sweet Pea” by Amos Lee
17. Trevor Douglas “Burnin Love” by Elvis Presley
18. Katherine Winston "Rhiannon" by Fleetwood Mac
19. Nick Fradiani “Drops of Jupiter” by Train
20. Alexis Gomez“Better Dig Two” by Band Perry
21. Qaasim Middleton “Satisfaction” by Allen Stone
22. Sarina-Joi Crowe “Big White Room” by Jesse J
23. Riley Bria "Love this Pain” by Lady Antebellum
24. Shi Scott“Higher Ground” by Stevie Wonder

Memphis, LA, San Diego

2015-03-01 13:46:13 | エリックベネイの日々&KyteVideo
メンフィス、Al GreenのRoyal Studioで
レコーディングを行ったEric Benet。

ロイヤル・スタジオでは手厚いおもてなし、
ソウルフードの差し入れも受けたようで、
「アル・グリーンはこういう物を食べてるからこそ、
あのソウルフルな曲を生み出してるんだね。」とトップの画像。
内容はベイクド・サーモン、ミックスベジタブル&レッドビーンズ入りライス、
それとコーンブレッドでしょうか。

次の画像はホームメード・バーボン・ピーカンのパイ。
満面の笑顔で口に運ぶ動画まであった。
そしてキャプションが大人げなくて笑える。
「ブルーノ・マースがここでレコーディングした時は、
レモン・パウンドケーキしか出してもらえなかった。
僕の場合はレモン・パウンドケーキ、プラス、ピーカンパイだからね!
最後の一切れを食べるラッキーな僕。」と下記の画像。


その後、LAのスタジオへと移動したエリック。
更にさっぱりと髪を短く整えてもらっている。
3rdアルバム"Hurricane"の頃を思い出す。
しかしお髭に白い物が目立つようになったなぁと。
もちろんそれも素敵ですが。


最後はデビッド・フォスターとサンディエゴでピアノを前にした写真。
デビッドとコラボレートしたのは2005年発売の"Hurricane"中の"The Last Time"以来。
二人で新しい曲を作ってくれるのではとNEWアルバムへの期待も膨らむ。