Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

アメリカン・アイドル シーズン14 TOP7→6

2015-04-26 17:00:48 | アメリカンアイドル
トップ7ともなると全員が顔付きが引き締まり、全身から輝きを放っている。
ここまで来たら、優勝も夢ではないと思うコンテスタント、
反対に優勝は狙えなくてもその瞬間にすべてを賭け、自分自身に正直に、
悔いなく燃焼しようとするコンテスタント。
番組を通して歌手としてばかりか人間的にも大きく成長、
開花を遂げた人達。
今回は通して観て、なぜこの番組に惹かれて10年観続けているのか、
この番組の原点に返って良さを見直した気がする。

"#save 〇〇"というツイートを読んでしまったのと、
前回脱落したカシムのお母さんが意味深なツイートを
あるコンテスタントの名を上げてしていたので、
その人が今回落選するのかと思い込んでしまったが、
それはこれから起こるドラマについての序章に過ぎなかった。

今回のテーマは「アメリカの名曲」 "American Classics"
視聴者からのリクエストが多かった曲から、
一人2曲づつのパーフォーマンスになる。

ライアン・シークレスト、この番組の司会を14年していることになるが、
いつも若々しく元気一杯で全く年を取ったという様子が見受けられない。
しかし今回は最後まで観て少し声が掠れていることに気づく。
またいつもより更にハイテンションに思えたのは、案外体調が悪かったのかもしれない。
人気番組の司会を続け、休むことも許されない状況に長く身を置いてきたライアン。

審査員のハリー・コニックJr.、今日はベージュのスーツにグレイのシャツ、
黒のニット・タイでダンティーに決めている。
この番組の中ではユーモラスな面が強調されているが、
アメリカの映画やドラマの中で彼が演じる役はクールなハンサムガイが多い。

ジェニファー・ロペス、この日はゴールドのグラデーションの入ったスパンコール、
白い縦のストライプがアクセント、
ロングスリーブのミニドレスが彼女のブロンドの髪にマッチしている。
時としてドレスコードがR指定気味と感じることもあるが、
今回は番組に相応しいアウトフィット。

キース・アーバンはハリーの顔がプリントされたTシャツ。
キースもニコール・キットマンの夫としてアカデミー賞やグラミー賞で見る時と、
この番組での姿はかなりギャップがあり興味深い。

前置きがだいぶ長くなったが、トップバッターはティアナ。
白いブラウスに同色のタイ、黒の縁取りがアクセント。
黒のタキシードパンツが良く似合っている。
番組のメンター、スコットからラジオの収録の際に積極的に振る舞わなかったこと、
この業界でやっていくためには常に積極的に人に自分を印象付けるようにしないと、
とアドバイスされる。
それがスターというものではと優しく諭される。
シャイなところがティアナの可愛らしさでもあるとは思うが、
スコットの説はもっともだ。
今シーズンのメンターを担当したスコット、
一人一人のコンテスタントに対して、
愛情を注ぎ、全員と信頼関係を築き、
親身になってアドバイスしている姿も観ていて気持ちが良い。

Frankie Lymon & The Teenagers"Why Do Fools Fall in Love"
私はこの曲をダイアナ・ロスのヴァージョンでしか知らなかったが、
今回、ハリーの指摘で初めてオリジナルのフランキーの歌う白黒の映像を観た。
残念ながらティアナ、この曲の持つ躍動感を表現できなかったようだ。
また曲の中で盛り上がる場面も作れなかった。
ティアナに合っている曲だったはずだけに力が発揮できずに残念。
今日は2曲を歌う日、二つの曲をマスターしきれなかった結果だろうか。

クラーク、今まで服装や見かけについて考え直すように言われてきたが、
今回は黒のパンツ、白のシャツに黒いタイで決めてきた。
スコットのインタビュー場面で「最初ははるかかなたに思えたこと、
『優勝』がここまで来ると手が届きそうに思えてきた。
持てる力をすべて出し切って優勝を狙いたい。」と宣言。

Stevie Wonder"Superstition"
多くの人が歌うスティーヴィーの名曲、クラークのアレンジはスキャットから始まる。
クラーク、最初は観客に背を向ける形で歌い出すが、
いきなりこのメロディーで音を取るのは至難の技だったはずだ。
ホーンがバックバンドがクラークの歌を固める。
最後もスキャットで締める。
鳴り止まない拍手、審査員からも絶賛される。
前回にギターは余り向かないと言われながらもギターをまた敢えて用いたこと、
反対にその頑固さが称賛される。
この日はそれぞれが家族の繋がりについても語る日。
クラークのギターはお父さんが若き日に愛用したブランド、
フェンダー社のストラトキャスター(Stratocaster)タイプを使ったそうで、
客席の父とギターを弾く若い頃の父の写真がアップになる。

JAX、スコットのインタビューの中で「聴く人に何かを感じてもらいたい。
笑顔であったり涙であったり、愛情だけでなく、ある時は嫌悪感であったとしても。」
その言葉に良く言ったという表情のスコット。
スターであるためには好いてくれる人だけでなく嫌われることもある。
その現実を受け止めながら強気の姿勢を忘れないようにとアドバイス。
Janis Joplin"Piece of My Heart"
ジャニスの雰囲気を掴みながら今時の若者らしさも表現。
ハリーから「このアレンジはジャニスとアーマ・フランクリンの中間だね。」
ハリーは自分の分野だけでなく、ほんとうに音楽の知識が豊富で、
番組に備えて予習もしているのに感心させられる。

ニック、初めて優勝を目指すと宣言する。
ここの所、観客からも審査員からも高い評価を受け、
自信が漲ってきている。
優勝も狙えるはずという欲が出てきている。
Tom Petty & the Heartbreakers"American Girl"
力強く歌い切り、観客の歓声が止まない。

クエンティン、スコットに「敵は?」と聞かれ、「自分自身」と答える。
「不安を乗り越えることだね?」とスコットは受け止めていたが、
この後に起きることから、「敵は自分自身。」という言葉を、
目の当りにすることになる。
この後の言動から彼に対しての評価、好き、嫌い、認めるか、叩くか、
と二分されることになってしまう。
しかしそういう意味で先ほどのJAXとスコットの会話、
嫌われるとしても人の心に残るかということ、
ティアナとの対話、スターは常に人に印象付けることが大切、
というすべてを備えるアクシデントを起こしてしまったことは、
この日の番組を面白くすると同時に意義深いものにした。

Lenny Kravitz"Are You Gonna Go My Way"
今までMaxwell等に近いイメージだったクエンティン、
バンドとのビートの効いたセッションを見せる。
今回、2曲歌うことで普段一曲で勝負するのだったら、
ドラマチックな曲を選ぶ、自分の本領発揮の選曲になるのに、
二曲歌うのなら思い切って違う面も見せてくるコンテスタント達。
クエンティンのパーフォーマンスも中々良かった。
バンドの勢いに押されていたというハリーに、
バンドと張り合わずに自然体で良かったとキース。

歌い終わった後、不機嫌な様子のクエンティンに「何を考えてるんだ?」
とライアン。
「最低だ(sucks)」と答えるクエンティン。
「最高のボーカリストと自分にとってのベストフレンドがボトムだなんて。」
ボトム2のジョーイとレイヴォンが映る。
顔をくしゃくしゃにして感動を表しているジョーイと
びっくりして表情を殺すレイヴォン。
そんなことを言ってはいけないと言外に諭すライアンと握手するクエンティン。

しかしハリーが「何だ、今のは?」
「オンエア、それともコマーシャル中?」と尋ねるハリー。
エア中だとライアンが答えると「君のために番組はたくさんのお金を使い、
才能を磨き投資している。
番組を侮辱するのなら家に帰ればいい。」
戻り掛けたクエンティンはハリーの前に進む。
「番組を侮辱したんじゃない。二人の脱落に対してがっかりしたんだ。」
ライアンが二人の間に入りまとめる。
それでもFから始まる罵り言葉を使ったわけではないから、
全くキレて自分を失ったわけではないはずのクエンティン。
率直な気持ちを電波に乗せてしまった。

ジョーイ「風変わりな私はトップ12でも注目されていなかった。
それでも今、ここにいる。」
スコット「君には誰にも真似できない芸術性がある。」
Frank Sinatra"My Funny Valentine"
誰もが知るスタンダードなジャズのナンバー。
パープルの髪をストレートなボブにして、黒のロングドレス、
シルバーのネックレスとベルトがアクセント。
アイメークはほんの少しのラメを効かせて、
パープルなリップがアクセント。
声の美しさ、特徴を生かしオーソドックスに歌い上げた。
コンテスタントの席では一人残ったレイヴォン、
これから自分の生き残りを賭けてのパーフォーマンスをする前なのに、
スタンディング、笑顔で拍手している。

ハリーにとっては十八番の分野、
「審査員じゃなかったら君を指導できるんだけど。
今の歌を更に良くする15の方法を僕は知っているよ。」
キース「得意分野でないジャンルに挑戦する君の姿勢が好きだ。」
ジェニファー「声は合っていたけれど心に響くものがなかった。」
確かにその通り、違う面を見せてくれたが感動がなかった。

レイヴォン、スコットから「ここのところ、ボトムに選ばれているけれど、
良く乗り切っているね。
その経験を生かすように。後半からではなく序盤から力を出し切れ。」
とアドバイス。
「ボトムに選ばれても、この場に居られることの幸せを噛みしめている。
ここからいろいろ学び、自分自身の成長の糧にしたいと思っている。
この経験が今後の自分の生涯を通して役に立つものになるはず。」
この人は変わった。
最初の好青年のイメージからメンターのボーイ・ジョージに楯突くかと思えば、
謙虚になり自分と向き合い、二度とない瞬間を楽しもうと取り組んでいる。

The Doobie Brothers"Long Train Runnin"
今シーズンはカントリーシンガーはいないし、
私の好きなジャンルの曲が連発になり、笑いが止らない状態。
レイヴォン、アップテンポの踊れる曲もちゃんと歌えることを証明した。
ダンスもしっかりきめている。
2曲歌うのならこういう曲もあり、一曲だけなら得意のバラードで攻めたい、
という彼の気持ちが良く分かった。
ジェニファーから「個性を出しつつ成長している。
ボトム2から二度も這い上がった姿は素晴らしい。」
ハリーから「ボトム2に続けて三度も入ってしまったのに、
逆境の中でエレガントさと品格を保っている。
そこが君の強さだよ。」と。

二曲目のトップはクラーク。
スコットとの対話、今回は全員が家族について語る。
「僕の両親は僕が自分を信じられない10歳の時から、
僕の才能を信じてくれた。もし優勝したら『言った通りだろう』
と喜んでくれるはず。」心なしかクラークの目が潤んでいる。

先ほどの服装に黒いジャケット着用でピアノの前に座る。
Frank Sinatra"Moon River"
ピアノに向かいながらもカメラ目線を投げかける。
乙女心に訴える夢心地にさせる歌詞を一つ一つと大切に扱いながら、
観客へと伝える。
フランク・シナトラ、アンディ―・ウィリアムズが歌うこの曲、
そして映画「ティファニーで朝食を」のテーマソング、
NYCのアパートメントの外階段でギターを手に物憂げに、
この曲を歌うオードリー・ヘップバーンの姿も浮かんでくる。

もう内に向かうばかりのアーティストではなく、
エンターテイナーの域に達した。
マイケル・ブーブレのようなスタイルも彼には不可能ではない。

ティアナ、「他の兄弟もいるのに母は私のために、
今回付いて来てくれて、ずっと応援してくれている。」と兄弟と母に感謝。
Creedence Clearwater Revival"Proud Mary"
ゴールドのトップとパンツ、黒のショートジャケットがお洒落。
聴き慣れたヴァージョンはティナ・ターナーだが、
ティアナが選んだのはCCR。
後半からぐっと盛り上がり、本領発揮。

ニック、家族を語る場面で父の話になる。
「父はずっと音楽をやってきた。
勝ち進む僕を見ながら感極まる姿に最初は驚いたりもしたが、
『自分が頑張ってきたことがお前の今に繋がってるんだな』
という一言にぐっと来た。」と涙ぐむ。
Billy Joel"Only the Good Die Young"
初めてニックの歌に素直に感動できた。
椅子に座って歌い始め、最後は立ち上がり、
観客へと向かって来るが、これは予定外だったそうだ。
アレンジはボーカルコーチとニックが相談して作り上げたという。
主観と客観から最も彼に相応しいアレンジが出来上がった。

クエンティン、子供の頃の写真にニューオリンズのビーズを掛けたものがある。
音楽の街で育ったクエンティン。
お母さんはずっと自分の歌のファンだったと話す。
Simon & Garfunkel"The Sound of Silence"
映画「卒業」のテーマの懐かしい名曲を今風のアレンジにして、
クエンティンらしい盛り上がる場所も作っている。

ジェニファー「さっきの発言にはびっくりした。
あなたは優しい人で今日は感情が高ぶっているのかもしれないけれど、
抑えるのがプロとしての在り方。」と。
ハリー「歌詞は深められていたが、いつも言っているように音程を保つように。」
先ほどの発言についてクエンティンは謝罪する。
「誰も侮辱する気などなかった。」
音楽が彼の言葉をかき消そうになり、ライアンは音を静止するようにと合図する。
「ハリーを殴るのかと思って止める覚悟だったんだ。」というライアンに、
「まさか、とんでもない。」とクエンティン。

いかなるアドリブにも対応するライアンの大物振りがうかがえる。
客席のスコットが微笑む姿が映る。
休憩時間中にクエンティンに謝るようにと話し、
彼もそれを素直に受け入れたのかと思う。
しかし彼が一番侮辱してしまったのは、
熱心に真剣に投票する視聴者になってしまったのではないかと危惧する。
また本人がライアンに尋ねられて一曲目の方が、二曲目よりも巧く歌えた、
と答えた言葉の裏には発言が呼んだ波紋に動揺し、
本来は完璧にこなす予定だった二曲目に
その影響が出てしまったからではないのだろうか。

JAX「お父さんは911で負傷し消防士を退職した。
力強いけれど、繊細な部分も持っているのが私と共通している。
それを大切に歌に表現していきたい。」
Michael jackson"Beat It"
一気に曲に入り込んだジャックスの集中力に感心する。
誰もが好きで知っていて歌いこなすのが難しいマイケルの曲。
一曲目から静電気で髪が逆立っているジャックス。
ジェニファーが静電気防止のために使っているというヘアケア製品、
そしてウェットティッシュが運ばれてくる。
ヘアスプレーをライアンにかけるジャックス。
ライアンはティッシュのボトルをハリーに投げ、受け止めるハリー。
今度はハリーが投げ返したロールをジャンプして受け止めるライアン。
やはり今日はライアン、アドリブも連発で凄いテンションに入っている。

レイヴォン「自分の経験を歌に込めていきたい。」
スコットから意味を突っ込まれて「心の葛藤、母子家庭で育ったこととか。」
と答える。
「お父さんとは連絡を取っているの?」との質問に、
「父は傍にはいてくれなかったけれど、僕を誇りに思ってくれていて、
息子として認めてくれているんだ。」と答えたが、
この時のレイヴォンの表情に言葉とは裏腹な真実が画面から浮かび上がる。

Willie Nelson"Always on My Mind"
三回目に崖っぷちに追い込まれたレイヴォン。
複雑な環境に育ちながら、
心にそれを秘めてきたレイヴォンの苦悩が伝わってきて、
胸を突かれる。
実は我らがエリック・べネイもこの曲をカヴァーしているが、
エリックには申し訳ないが、レイヴォンの方が巧かった。
心の内のすべてをさらけ出し歌うレイヴォンの姿には涙が出た。

「一緒にはいられなかったけれど、いつも君は僕の心の中に居たよ。」
という歌詞が先ほどのレイヴォンの父親のエピソードから繋がり、
心に突き刺さる。
今回、父との絆を語るコンテスタントが多い中、
自分の父にもそうあって欲しかったと願うレイヴォンの気持ちが痛い程、
胸に響いてくる。

ニックも感動で涙を拭っている、キースも下を向いてしまう。
声の美しさばかりか、感情をストレートに出したレイヴォンに、
ハリー「君はバラードのシンガーで良いんだって思った。
感情さえ込めることができれば、それでいいんだ。
人柄も音楽のスタイルも申し分ない。」

ジョーイ、お母さんがR&Bからロックまで幅広い音楽の趣味を持っていた
ことに影響された、
おじいちゃんは今でも私のことをカントリー・シンガーだと思っている、
と笑わせる。
Jefferson Airplane"Somebody to Love"
声に表情にジョーイらしい魅力が溢れるステージ。

さて、二人のツイッター投票対決が始まる。
投票にあてられた時間は5分。
ジョーイは初めてだけどこれを三回目に経験するレイヴォン。
その間、ずっとステージに立ち、待ち続ける人にとって、
いったいどんなに長い5分間だろうかと思う。
「二人とも笑顔だけど、どうやって過ごすか、
レイヴォンはジョーイにアドバイスしたの?」と聞くライアン。
「深呼吸、リラックス、長い5分だけど必ず乗り切れるよ、と伝えたんだ。」
とレイヴォン。

接戦で52%で勝者が決まったとの解説に、
思わず修羅場を乗り越えてきたレイヴォンに声援を送りたくなる。
結果を聞き、ジョーイを抱きしめるレイヴォン。

審査員達からここまで来た人は実力があり、毎回が楽しみだった、
皆、これをバネに強くなり、業界でも人生においても、
必ず成功するはずだと。

トップ6が決まった。


アメリカン・アイドル シーズン14 TOP8→7

2015-04-24 21:55:56 | アメリカンアイドル
いつも日本の10日程前に出てしまうアメリカの結果発表から、
必死で目を背けつつ、この時期を迎えている。
しかしながら、ツイートやFBのコメントで思いがけず、
結果を目にしてしまうことになる。

今回は来日していたカシムの父親宛にしたツイートを、
カシムのママがリツイートしてくれて、
その後、カシム・ママをフォローしたことで今回ばかりか、
次回の結果まで知ってしまうことになってしまった。
次回に関しては他にもフォローしているアメリカ人が、
ハッシュタグを付けて"#Save 〇〇"とまでツイートしていたから、
これは間違いなく、このコンテスタントが落ちたのだとわかり残念。

明日、落選する人のことは日本ではまだ放映されていないので
胸にしまっておきます。

今回のパーフォーマンスで抜きに出ていたのはダントツにクラーク。
Edd Sheeran"Make It Rain"
ジェイソン・デルーロが彼を指導するが、
歌い始めたクラークに「君はスピリチュアルか?」とすぐにつっこむジェイソン。
FOXジャパンの字幕はいつも冴えていると思うが、
この部分「君は信心深いか?」
頷くクラークに「だったら一人で自分のために祈るのではなく、
伝道師(preacher)になれ。
自分の感じたことを人と分け合う、人に伝えるんだ。」
この言葉がクラークのお腹にストンと落ちていく。
教会でずっと歌ってきたクラーク。
今までの内省的な自分の世界に入って行くパーフォーマンスから、
大きな転換期となった。

アメリカでのカントリーの分野については知識がないが、
ゴスペルばかりかR&Bやブルースにおいても神の存在が根底にある。
その辺で日本との差を感じることもあるが、
強い信仰を持った人同士はちょっとしたキーワードで、
お互いに深く分かり合う、気持ちが通じる瞬間というのがあるようだ。

"Make It Rain"、アメリカでテレビドラマの主題歌として昨年にヒットした曲、
更に遡った原曲があるようだが歌詞は違っている。
エド・シーランのヴァージョンの歌詞を深めてみた。

「父の犯した罪が自分の肩に伸し掛かる
母の痛みが自分を束縛する
種が発芽するのには水が必要だ
土の中で熱くなるばかり
渇きは深い
雨よ、降ってくれ
すべてを洗い流す雨よ」
クラークは今までは技法とかに走り過ぎだったが、
今回は完璧に自分の想いを曲に乗せて人々の共感を呼んだ。
今の段階ではこの人の優勝する姿が浮かんでくる。
また本人も勝ち抜く気合いが充分にある。

これに比べてしまうと少女のウキウキ感を歌ったニック、
ちょっと甘かった印象がぬぐえない。

さて最後はボトム2に選ばれたカシムとレイヴォンのツイッター対決。
レイヴォンは中々破れなかった自分のパターンから脱して、
力を出し切った。
一方、カシムは今までの彼自身のパーフォーマンスをしのぐ出来栄えとは言えない。

outkast"Hey Ya!"
カシムの左手にはバックコーラス三人。
かつてダニー・ハサウェイの娘でレイラ・ハサウェイの妹、
ケニア・ハサウェイがこの中にいたが今でも彼女は歌っているのだろうか。

右手には私の大好きなアーティスト、ニック・ウェスト、
バンド・リーダーのリッキー・マイナーと共にいるが、
ベースを本当に弾いているのではなくてあて弾きっぽいのと、
ニックが番組中で紹介されなかったのがちょっと残念。
それでもパーフォーマンス中にニックとカシムがアイコンタクトする瞬間がある。
カシムは"I Wish"を歌った時もバックコーラスの女性の手を取り、
そのことで彼女にもスポットライトがあたった。
カシムの自然に身に付いたこういう心遣いはたまらない。
客席にはお母さんと弟、父はこの時は仕事で日本にいた。
カシム、ここのところ、不振だったせいか、
あきらめモード、強気が見えてこない。
一方、前回に続いてボトムに入ったレイヴォン、
腹を据えていたのかもしれない。

ここで落ちても11人に入ったコンテスタントはツアーがあるかと思うが、
今回は余りツアーのプロモーションがないので大丈夫なのかと心配になる。

エリックべネイ、春のライヴではサプライズ満載

2015-04-20 13:41:38 | エリック・ベネイライブ(日本以外)
三月からライヴ活動を盛んに行っていたエリック・べネイ、
youtubeをチェックしてみると普段のライヴでは見ることのできない
お宝映像が満載だった。

まずコメディエンヌのLuenell、数年前にEric Benet"Chocolate Legs"
ライブでエリックが歌うシーンに乱入し、
エリックの体に脚を巻きつけ(まさにチョコレート・レッグ)
そしてエリックも彼女の体に脚を回し、笑いを取った。
今回はトム・ジョイナーのクルーズでのライヴ、
巨体をエリックの上に乗せ、さすがのエリックも苦しそう。
最後は爆笑の中に退場しているが。

Luenell Straddles Eric Benet During Concert


また3月のLA、コンガルームでのEric Benet & Friends、
ここではステージにシャンテ・ムーアを上げ、
"Spend My Life"を歌わせているが、
歌詞を知らないシャンテのためにエリックは度々、耳打ちをして教えている。
しかし、やはりシャンテはトップクラスの歌手だけあって、
歌詞を知らなくてもそれなりに雰囲気に合わせて歌を彩り、
二人はしっかりとしたケミストリーを作り出している。


ここにいたかったなぁと思わせるのは今月初めのコンガルームでの映像。
客席にいたデビッド・フォスターをステージに上げたことは知っていた。
たぶん、エリックが良くやるデビッドフォスターの楽曲のスニペット、
"Through the Fire""After the Love Has Gone"などを歌ったのかと思っていた。

画像は荒いが、何とエリックが歌ったのはデビッドの作品の中でも、
シェリル・リン"Got to Be Real"
そこからピーター・セテラ、シカゴの曲、"Hard to Say I'm Sorry"
"You're the Inspiration"などへと飛び、最後は"Through the Fire"へと着地。
Eric Benet, David Foster, Chris Spencer Live At Conga Room L.A.


エリックべネイ、20代前半の頃にアメリカ全土のクラブを回りながら、
全米トップ40の中の曲を各地で歌ってきた。
毎回、新しい曲をマスターすること、その土地ごとの客層などを読むこと、
などとてもたいへんだったが、良い勉強になった、
まるで音楽を学ぶ学校に行っていたような数年間だったと話しているが、
その言葉通り、どんな曲にも対応できる。

ステージに既に上がっているゲスト達、会場の観客達は一斉にコーラス、
自然に沸いたコーラスなのにいつのまにかパートが分かれていて、
美しいハーモニーが出来上がっている。

4月のエリック・べネイ

2015-04-18 12:43:36 | エリックベネイの日々&KyteVideo
Eric Benet、もうこれで何回目になるだろうか、
Tom Joyner(アメリカの司会者、ラジオのパーソナリティー)が主催する
トム・ジョイナー・クルーズに参加している。
過去にもデイブ・コズが主催するジャズ・クルーズとか、
度々、ショウボートには乗っているが、
今回はかつてないほどに楽しそうだ。

妻のマニュエラを同伴した時などは船室で過ごすことも多く、
食事と自分のショウ、カリブ海で船が泊まる港から上陸した海岸、
そんな写真しか見たことがなかった。

今回は船内のカジノで、バーで、他のアーティストのショウで、
弾ける写真が満載。
他のアーティスト達とも積極的に交流したようで、
さまざまな写真や動画をアップしている。



ケーマン諸島の海は美しく、ジャマイカの食べ物や風物も興味深い。
そして「ビーガン(エリックは妻のマニュエラと共にビーガン、
べジタリアンの中でも更に厳しい決まりがある)としては、
落ち込むけれど、このチキンを食べずにいられる?」みたいなコメントと共に、
本場のジャークチキンを目の前で焼く専門店に行き、注文する様子もある。
「これって違法になる?」と確認しながら普段は飲まないビールを停泊地から、
観光地へと向かう車中でラッパ飲みする動画もある。



エリックのレーベルに所属するカルヴィン・リチャードソン、
その他、ケニー・ラティモアやメアリー・メアリーとの2ショット、
またジャクソンズのショウを楽しむ様子も見れる。



私もこの手のクルーズ、一度どんなものかとシュミレーション(例によって・笑)
してみたことがある。
まず船の旅の予約は締切が早く、キャンセルポリシーも厳しい。
一般の旅よりもいろいろと縛りがかかるということだ。
その上、乗船地まで日本から向かうためには前日に港のある町まで行き、
一泊する必要がある。
出航を逃したらもともこもないから慎重にならざるを得ない。
停泊する場所、その国と日本との国交関係からビザが必要になる場合もある。

アーティストは自分のショウのある日だけ停泊地から船に乗ってくるのかと思ったら、
ずっとクルーズ船に同乗する。
調べてみれば周遊するのは僻地、そんなところから船に乗って来ようもない。

それぞれの船会社によってその会社の所有するプライベートビーチを利用する。
観光も各地でできるが参加しても良し、港から個人行動をする場合は、
出航までに戻って来なかったら置いていかれるそうだ。
後は自力で次の停泊地まで追いかけるしかない。



先に食事をするグループと先にライヴを観るグループ、
乗客は2班に分けられて行動する。
乗船すると最初に避難訓練が行われる。
のんびりしているようで、けっこう慌ただしそうな印象を受けたが、
今回は何だかとってもゆったり、羽を伸ばして楽しんでいる様子が、
写真から伝わってくる。



その後、ワシントンDCでライヴを行ったエリック、
LAの自宅に帰って出迎えてくれた娘達の姿に癒されたようだ。

9か月になったマニュエラとの間の次女、アモーラ・ルナ


我こそはと思わん方、ぜひこの難易度の高いミュージック・クルーズの旅、
挑戦して体験談を聞かせて下さい。

Qaasimのパパは来日していた!

2015-04-14 18:52:01 | アメリカンアイドル
アメリカン・アイドル シーズン14もいよいよTOP8、佳境へと入った。
コンテスタントのカシム・ミドルトン、客席には彼を見守る家族達がいつもいる。
そのお母さんはかつてミスコンの女王、お父さんは歌手、
カシムは弟と一緒にいつも音楽に満ちた環境で育ったと番組中でも紹介されていた。

客席から応援するお父さん、素敵な人だなぁといつも見ていたら、
何とこういう方だったんですね。
シンガー、ソングライター、ダンサー、ラッパーでストンプ出身
Keith “Wildchild” Middleton

私が応援するギタリスト マサ・小浜さん、
いつものマサさんのバンド・メンバーと共に
4月11日(土)赤坂クローフィッシュにてクローズド/イベント出演のため、
Keith Middletonは来日していた。
知人で居合わせた方が数名いらして、
キースの歌とダンス、トークを楽しまれたと伺った。

KeithのPVも初めて見たが、
Qaasimの多芸で様々なテクニック、
歌やその技法、ダンスやパーフォーマンスの見せ方、
これだけの音楽一家に育ったからこそだと再認識する。

アメアイでカシムを見ている方はこの映像を観ると、
父の姿の中にカシムを、父からの影響をみることができると思う。
カシム自身も弟も出演している。
Keith WildChild Middleton - FeelsGood


反対に父であるKeithを知っている方は、Qaasimの映像に父を見るのでは。
Qaasim Middleton - Uptown Funk (Live)


Keith “Wildchild” Middleton


Kaleb James (Keys, Vocal)
Masa Kohama (Guitar)
Jay Stixx (Drums)
Sokusai Takahiro (Bass)

National Sibling Day(兄弟の日)

2015-04-12 10:49:17 | エリックベネイの日々&KyteVideo
始まりは2005年のmyspaceだった。
その後、2009年にネットで繋がっていた友人の多くがfacebookに移行し、
振り返ってみれば今年でFB歴6年になる。
その間、アメリカの時候の挨拶や行事に対しての捉え方、
少なからず変化しているのを感じた。

例えば5月末の月曜日のMemorial Day、
本来なら戦没者を慰霊する日だが、日本のお盆と同様に休日化していて、
気候の良くなってくる時期、皆で集まってバーベキューをしたりとか、
そんな写真が多かった。
ところがここ数年、戦没者、国のために命を捧げてくれた人に感謝するという
投稿がぐっと増えた。

またクリスマス時期、"Merry Christmas"という書き込みはほとんどなくなり、
圧倒的に"Happy Holidays"
これはキリスト教以外のいろいろな信仰を持つ人に配慮して変化していった、
と聞いている。
それも数年前はどちらかと言えば"Happy Holiday Season"
だったのがここ数年は"Happy Holidays"が一般的になった。

ヴァレンタインもしかりで、かつては"Happy Valentine's"
「何で"Day"を付けないの?」とネイティヴの人に質問し、
「これが慣用句なのよ。」と教えられたのは数えてみれば30年程前(笑)
しばらくはそれで通っていたが、こちらもここ数年は"Happy Valentine's Day"
となっている。
皆さん、もう既にご存知かと思いますが、念のため、
男性に女性がチョコレートをプレゼントするのは日本だけの習慣。
アメリカでは男女問わず、愛する人同士がお互いに相手に気持ちを表す特別な日。

さてアメリカ時間の4月10日。
今年は"Sibling Day"として兄弟、姉妹とのグループ写真を投稿した人が、
今までになく多かった。
見ていて、親しくしていた人にこんな兄弟がいたのかとか、
男兄弟の中に女の子一人だったのが意外だったり、
兄弟同士がとても似ていたり。
知らない一面やその人の子供時代を想像させる楽しい写真で、
フィードが一杯になった。

"Sibling"、聞き慣れない言葉かと思うが、兄弟、姉妹をさす。
英語、フランス語でも日本語の姉、妹、兄、弟に匹敵する一語で表す言葉がなく、
「兄弟」「姉妹」という単語になってしまうのに、
更にそれを総まとめにしたような単語が"siblings"
母の日、父の日と同様に普段中々集まれない、
感謝を口にできない兄弟、姉妹へと気持ちを表す日。

Eric Benetはこの日にトップの画像、
20代初めにデュオとして組んで歌っていた姉Lisaとの写真を投稿した。
そして子供の頃の5人兄弟全員の写真も。


左からエリック、リサ、オードリー、スティーヴン、ジェニファー。
ジョーダン家の面々(エリックの本名はEric Benet Jordan)
ジェニファーがエリック・べネイの娘、インディアとよく似ている。
エリックは5人兄弟の末っ子。

エリックの姉リサはもう一枚の最近の写真もアップしている。
そこには左端にミシェルが加わっている。
ミシェルはエリック達にとって異母兄弟にあたる。
死期の近づいたエリックの父がミシェルの存在を明かし、
高校でも顔見知りだっただけにエリックはとても驚いたそうだ。
その後、エリックの家族はミシェルを受け入れ、
特に最近は親しく交流するようになり、家族写真にミシェルの姿が写るようになった。
エリックの兄弟、姉妹達の暖かい気持ちが写真を通して伝わってくる。

Workin on gettin my beard crispy

2015-04-11 09:17:28 | エリックベネイの日々&KyteVideo
「髭をさっぱり整えて、これから仕事だ」とエリック・べネイ、
日本時間の午前8時前にトップの画像をアップした。
LAは昼下がりの時間帯。
これからスタジオでレコーディングだろうか。

東京は昨夜から雨が降り続いているだけに、
ロサンジェルスのカラッとした気候、
爽快な気分で仕事へと向かうエリックの姿に励まされる。

いっそ髭を全部剃ってしまったら更にさっぱりするのでは、
なんて思ったりするが、エリックの肌はつやつやとして若々しい。
NEWアルバム、そこからのシングルカット、プロモーションビデオ、
新作の公開が待たれる。

ニック・ウェスト、アメリカンアイドルに出演

2015-04-09 17:42:31 | アメリカンアイドル
私が応援するアーティスト、今シーズンはナイル・ロジャースに続き、
ニック・ウェストもアメリカンアイドルに昨夜、出演したと教えていただいた。
早速、ニック宛に「日本では10日前後で観れるのよ。楽しみだわ!」
とツイートするとすぐにリツイートしてくれている。

ニック・ウェスト、去年の初来日、ブルーノートでのライヴを観た。
私はカッコ可愛い女性が大好きなので、いっぺんでファンになってしまった。
来日前後からツイートに対してきちんとお返事やリツイートも返してくれる。
ライヴをしている時と日常のギャップにも惹かれる。
昨年の来日は東京が大雪で交通機関がストップした時期だった。
ライヴ終了後に「またぜひ来てね!」と伝えると、
「今度は暖かい時にね。」とウィンク。

「ニック・ウェストの日々」
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/e/f199ba09a0176528e6a6783aacb758f0

「Nik West 2/12 2nd @Blue Note Tokyo」
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/e/ea86bf4bcf241c616074279eea72dd65

ニック・ウェストとして独立したパーフォーマンスをするのか、
それともシーズン12でオリアンティーが出演した時のように、
ゲストとしてコンテスタントのバッグで演奏するのか?
いずれにせよ、楽しみ。
日本での放映はおそらく4月18日。

Eric Benet & Friends @CongaRoom in LA

2015-04-07 20:07:16 | エリック・ベネイライブ(日本以外)
4月3日(金)、LAのConga Roomにて行われた"Eric Benet & Friends"
予告されていた出演者の他に飛び入りのゲストもステージに上がり、
楽しいショウとなったようだ。
この企画はシリーズ化されて、今後毎月第一金曜日は、
"Eric Benet & Friends"として毎月続けられることになった。

「自分が住んでいるLA、地元のライブハウスでこんな企画が実現できることを、
ほんとうに嬉しく思っているんだ。」とエリックべネイ。


この日のショウで口火を切ったのは、Chris Spencer、
コメディアンでテレビドラマ"Real Husbands of Hollywood"のプロデューサー。

その後、エリック・べネイは自分の代表曲を何曲か歌い、
そこにAngie Fisherを迎え、彼女は"IRS"をパーフォームする。
人気テレビドラマ"Empire"の出演者、V Bozemanが登場した後、
Eric Benetが立ち上げたレーベル"Jordan House Records"に所属するGoapele、
ステージで彼女は自らのデュエット曲"My Love"をエリックとデュエットする。

CeeLo Greenが何曲か歌った後、
エリックは客席からデビッド・フォスターを壇上へと招く。

デビッドのキーボードでDavid Fosterのヒットメドレー、
スニペットをエリックは聴かせる。
最後はやはり観客として来ていたLalah Hathawayをエリックはステージに上げた。

そしてラッパーのYoYoも。

This is R&B より:
http://www.thisisrnb.com/2015/04/thisisrnb-nights-eric-benet-friends-live-at-the-congra-room-l-a-starring-ceelo-goapele-v-bozeman-angie-fisher-lalah-hathaway/

2005年前後、仕事がなかった数年間、
LAは家賃も高いし、ミルウォーキーに帰ろうかと思っていると話したエリック。
こうしてずっと住み続けることで人脈を広げたり、ドラマやインタビュー、
いろいろな仕事も受けることができた。
このようなライヴショウを行うことができたのはそういう努力の積み重ねの結果。

それにしても羨ましい。
もともと予定されていた出演者の他にこれだけ豪華なゲストがサプライズで登場するとは。
一方、次作のアルバムへの準備も順調に進んでいるエリック・べネイ。
プロモーションビデオの撮影も始まっている。
来月には最初のシングルカットが公表される予定。

アメリカンアイドル シーズン14 TOP11→TOP9

2015-04-06 23:48:00 | アメリカンアイドル
前回は私の大好きなアーティストで来日時にはブルーノートへと日参する
ナイル・ロジャースがゲストでメンター。
「ミュージシャンは人を楽しませるのが好きだ。
もちろん自分もそういうタイプ。」
ナイルは著書、Nile Rodgers"Le Freak"の中で、
「マドンナは見せ掛けだけで内容がない」と言った相手に対して、
「この業界は表面に見える部分が内容そのものだ。」と言い返す会話が出てくる。
言葉通りに人々を喜ばせる曲作りにナイル・ロジャースは徹してきた。

Nile Rodgers "Le Freak" Part.2
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20120306

前回はナイルとトップ11の"Get Lucky"のパーフォーマンスから始まり、
最後はボトムに入ってしまったカシムの起死回生を賭けた白熱のパーフォーマンス、
ビートルズ"Come Together"
審査員から見事にワイルド・カード、投票で落選した候補者を救い上げる権利、
が行使され、まさにカシムにとって"Get Lucky"、幸運を掴む結果となった。
前回のカシムの落選が抑えられたことで今回は二人が落ちることになる。

今回のテーマはエイティーズ、80年代。
ゲストのデビッド・ハッセルホフの80年代メドレーから始まる。
シーズン5、テーラーの優勝が決まった時に、
観客席で涙を流すデビッド・ハッセルホフの姿が大写しになった。
次のシーズンの候補者で応募の動機を聞かれた時に、
「デビッド・ハッセルホフを泣かせてみたい。」と言った人がいた。
80年代にテレビシリーズ『ナイトライダー』で一躍有名になったデビッド、
まさに80年代のイメージ、"Fun"と"Cool"、楽しさとカッコ良さのシンボル、
として紹介される。

今回のメンターはボーイ・ジョージ。
トップ11全員でジョージのヒットメドレーを歌う。

今シーズンでは投票数の多い、少ないは無関係、順不同の紹介。
トップ9として最初に名前を呼ばれたのはダニエル・シーヴィ。
ホール&オーツ"You Make My Dreams"

なぜかいつも審査員に叩かれるダニエル、
歌のコーチを担当するスコットはそれを心配してジョージに伝える。
ジョージから「君の声を僕はいいと思うよ。
批判されるのは辛いがリラックスして。」と指導。
私も彼の声が好きだ。
レッスンを受けた後のダニエル「最高のアドバイスを受けた。」

伸び伸びと歌えたと思うが、
キースから「カメラ映りがいい。人から好かれるものを持っている。
でもぎこちない。」
ライアンに「好きなことは何?」と聞かれて、
"Make people happy"「人を喜ばせること」
もうほんとうに可愛い。

ハリーから「振り付けが不自然だ。わざとらしい。
いろいろ言われると思うが自由に弾けろ。」と。
振り付けはコリオグラファーが決めているはず。
15歳のダニエルはそれに逆らいようもない。
こうやってハリーが言ってくれたことで次からはダニエル、
裏方からの納得できない申し出に対してはっきりNOと言える。

次はクエンティン。
フィル・コリンズ"In The Air Tonight"
この人はだんだんと迫力が増している。
原曲の雰囲気に忠実な世界を表現し、後半はアレンジで、
クエンティンの魅力満載のステージを見せた。
服装から立ち居振る舞い、すべてがドラマチックな物語となる。

ジョーイ、シンディ―・ローパー"Girls Just Want To Have Fun"
7色に輝くミニのドレスで登場し、最初は良かったものの、
出だしだけで進むにつれて勢いを失う。
いつもの彼女の独特の個性が表現されないまま終わってしまった。
キースの「家でテレビを見ている家内と娘はきっと一緒に踊ってるよ。」
には会場が沸く。
何しろキース・アーバンの奥様はニコール・キットマンなのだから。

ティアナ・ジョーンズ、ホイットニー・ヒューストン"I Wanna Dance With Somebody"
スパンコールの入ったスタジアムジャンパーにジーンズ、スニーカー。
髪にはブルーのリボンのカチューシャ。
いつもこの人を見ているとマイケル・ジャクソンの若い頃、
10代前半の頃を重ねてしまう。
それだけニュートラルな魅力で周りを楽しくさせる。

ジャックス、ボン・ジョビ"You Give Love A Bad Name"
この時代のパンクな雰囲気を上手に表現した。
バンドの音に声とピアノの演奏がかき消されてしまったことを審査員達が指摘。
リハーサルの時にこれは調整するべきとアドバイス。
これも審査員が言ってくれることでコンテスタント達が委縮しないで、
バンドに、番組側に要求を伝えやすくなったと思う。

ニック、マイケル・ジャクソン"Man In The Mirror"
もっと自信を持って、観客とのコネクトも大切、
とボーイ・ジョージからアドバイス。
ニックの曲に向けた真摯な想いが伝わってくる。
初めてこの人のパーフォーマンスが心に響いてきた。
歌詞の中、ブリッジ、サビの部分の"Change"、これは彼が自分と対話しているよう。
「鏡の中の自分に、自分を変えようと呼びかける」という歌詞、
まさに今の彼にぴったりな曲だった。

ハリー・コニック・ジュニアが"fantastic voice"と言ったと、
ジェニファー・ロペスが大喜び。
ずっと彼のことを「セクシー」"hot"とか
「魅力的」"attractive"とジェニファーは応援していた。
ハリーは「君の魅力は優しさ(sweetness)と謙虚さ(humility)だ。」
確かに自分を知っていて中々自信を持てないのだけど、
メンターやコーチ、審査員達、
観客や視聴者に応えようと自分を変えようとするニック、
挑戦する姿は美しいと思う。

クラーク、The Police"Every Breath You Take"
ボーイ・ジョージから「後半の高音が苦しげ、半音下げたら?」
と言われて試してみせる。
FかGか、どちらの音階を取るかは自分で決めるようにと言われ、
クラークはリハーサルで結局、自分が最初に選んだ高いキーに戻す。
バンドなしで彼のピアノと歌のみのパーフォーマンス。
音色を自分の好みに声をマッチさせることが功をなした。
優しい旋律にジェニファーから"mesmerizing"「夢みるよう」
"goosy"「鳥肌が立つ」と絶賛される。

カシム、前回の生き残りを賭けたパーフォーマンスの最後の部分が映し出される。
歌い終わってマイクを落とすカシム。
スローモーションでまたその姿が再生される。
「このマイクは高いんだよ。」「番組の制作者から弁償するように請求が来るかも」
「どうしてこんなことをしたんだ?」とライアンに言われて、
「何かが憑依してしまったんだ。会場の熱気、皆のエネルギーが僕にさせたこと。」
場内は爆笑となる。

Robert Palmer"Adictted Love"
「また観客とコネクトして盛り上がるチャンスを掴んで欲しい。」
と歌唱指導のスコットから。
ボーイ・ジョージも彼には演技性だけでなく、歌唱力もあると認める。
"Story teller"、歌詞の意味を伝える語り手としても才能がある、
そして"Fighter"、あなたは戦いに挑む勇気のある人だからと、
ジェニファーも励ます。
実際、その通りになった。
派手なパーフォーマンスではなかったが、しっかりと心に届く歌を聴かせる。
客席ではいつも祈るような表情で母と父と弟が見守っている。

最後に残ったのはレイヴォン、マディ、アダナ。
選ばれたのはレイヴォンだった。
Tears of Fears"Everybody Wants to Rule the World"
ボーイ・ジョージ、スコットの二人から「ハッとさせるものがない」
「殻を破るんだ」「冒険をしろ」と言われるが、
「自分は自分のスタイルでやってきてここまで来たんだから、
自分のやり方で通す。」とコメントしてしまう。
まさに歌のタイトル通り、自分のルールで仕切ってしまう。

いつもと同じくそつなく歌ってみせるが、
ジェニファーからも「せっかく指導を受けているのに心を開かないのでは。
失敗と挑戦を繰り返して人は成長するはず。」と言われてしまう。
確かに彼のコメントはボーイ・ジョージに対しても失礼だった。
ジェニファーがきちんと言ってくれて良かったと思う。
視聴者、投票する人は彼の態度をどう捉えるのだろうか。
アメリカと日本では考え方が異なるかもしれないが。

シーズン5でクイーンがメンター、共演もした時に、
「アレンジを変えろ」といって怒らせたコンテスタントがいて、
その時の審査員、ポーラ・アブデュルが「原作者に対して失礼。」
と諌めたことを思い出した。

今までも大切な分岐点で指導者と意見を分かつコンテスタントがいた。
意見を聞いて落ちて行った人も見た。
しかし本気でこの業界でやっていくことを視野に入れていたら、
大物に楯突いたら将来にも関わるかもしれない。
この段階まで来て落選しても拾ってくれる人がいて成功している人もいるのだから。
それでも自分を貫く潔さも必要かと思うが、
サラッとかわして自分を通したクラークは大人だった。

アメリカンアイドル シーズン14 TOP12→TOP11

2015-04-01 19:23:00 | アメリカンアイドル
今回のテーマは"Party"
皆が楽しく盛り上がれる曲。

最初に選ばれたのはレイヴォン・オーウェン。
ハリーから「往年のモータウンのシンガーのようだ。」
コーチのスコットからは「まだまだもっと磨きを掛けないと。」
"Burn" Ellie Goulding
レイヴォンは巧いし、そつなくこなすが、確かにガツンと来る、
鳥肌の立つようなパーフォーマンスには至らない。
「ファルセットを武器にしていつも同じような盛り上げ方をする」とハリー。
個人的には好みだがカリスマ性には欠けているのかもしれない。

2番目、マディー・ウォーカー。
"She's Country" Jason Aldean
カントリーをロック風に歌う。
トップ24から漏れるはずが審査員達が救い上げた彼女。
好き嫌いの分かれるところだがカントリーのディーヴァ的な雰囲気、
を備えているのかと思う。
マディーは体調不良とのことで歌い終わってから会場を後にする。

3番目、ジョーイ・クック。
"Fancy" Iggy Azalea
この人はだんだんと自分のスタイルというのを確立して、
明らかに存在感を高めてきている。
自分でアレンジして1930年代の雰囲気を曲に表現しているそうだ。

4番目、クラーク。
"Taking It To The Streets" The Doobie Brothers
ピアノの弾き語りで大好きなヒット曲を情感豊かに歌い上げてくれた。
ピアノを弾きながらも客席、カメラへと視線を向ける。
ここの所、絶好調のクラークの姿を観れるのは嬉しい。

5番目、ジャックス。
"Blank Space" Taylor Sweift
彼女にはスター性がある。
これからも勝ち残っていくはず、外見も歌唱力も充分にある。

6番目、カシム・ミドルトン。
"Jet" Paul McCartney & Wings
カシムは他の人のパーフォーマンスの時もスタンディング、
選ばれた人の喜びにはいつも共感を示している。
アーティスト、パーフォーマーとしては秀逸だが、
歌唱力に欠けるという指摘を受け、
また他のコンテスタントが楽器を多用することに影響されたのか、
今回のギターを弾きながらのポールの曲への挑戦だが、
カシムの良い所が全く出てこないし、原曲の持ち味も消してしまった。
カシム、次回はぜひ挽回してほしい。

7番目、アダナ・ドュリュ
"Run Away baby" Bruno Mars
ステージの動きが映えて、美しい人だ。
パーティーにぴったりの曲。

8番目、ティアナ・ジョーンズ。
"Tightrope" Janelle Monae
ポップとゴスペルの融合をさせたいというティアナ。
彼女にはドレスよりもボーイッシュな服がとても似合う。
天性の伸びやかな歌声は会場の観客もテレビの前の視聴者も、
ぐっと惹きつけた。
この日、一番のパーフォーマンス。
圧倒的な才能を見せつける。
回数を重ねて自信がついてきている様子もわかる。

9番目、ダニエル・シーヴィ。
可愛いだけでなく、これからは歌唱力も鍛えて行かないととスコット。
"Happy" Parrell
良くぞ、皆が好きな曲、この時期にタイムリーな曲に挑戦してくれた。
実際、彼は周りをハッピーにする才能がある。
細かい所は許せてしまう好感度を持った人。

10番目、クエンティン・アレキサンダー。
"Rolling in the Deep" Adele
故郷のニューオリンズのパーティーの雰囲気を出してみたかったとクエンティン。
出だしは心配したが、多少の音程のずれなどは気にならなくなる、
心地良く心に響く歌声。
この人も回を重ねるごとに魅力が増してきている。

11番目、最後はニック。
"Wake Me Up" Aloe Blacc
最後に呼ばれた緊張感と動揺が歌に出るが、
それはそれで悲しい曲に合っていた。

トップ11が決まる。
残されたサリナ・ジョイ。
"Neon Lights" Demi Lovato
審査員からのワイルドカードの適用はなく番組を去る。