Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち

2013-11-27 22:46:59 | 私の日々
原題は"20 Feet From Stardom"
「バックボーカルからリードボーカルはほんの数歩ほどの距離だ。」
というブルース・スプリングスティーンの語りから映画は始まっていく。
しかしそこに行きつくためには才能や歌の巧さだけでなく、運や時期、
本人がどうしてもそうなりたいという強い意志、精神性が必要だと繋がっていく。

この映画にミュージカル「コーラスライン」、
あるいはモータウンのバックバンドを務めたファンクブラザースの伝記映画、
"Standing In the Shadows of Motown"のようなドキュメンタリーを想像していた。

アメリカのオーディション番組「アメリカンアイドル」をずっと観てきて、
バックボーカルの経験がある人がオーディションに登場した時、
拍手喝采となり審査員からも称賛される。
しかし余りに存在を消すことに慣れ過ぎて、自己主張する、
自分を出していくことから離れた部分で仕事を重ねて来たゆえに、
その人たちがトップ12、10に残る確率はほとんどない。
またエリックべネイという一人のアーティストをずっと見守ってきて、
ツアーにバックボーカルとして彼が選ぶ相手は、
一度組むと長く続く米国内、海外遠征ツアー、
歌の巧さや観客を惹きつける魅力のあるタイプよりも
周りの人と上手くやっていける協調性のあるタイプなので、
そういうバックボーカリスト達についての映画かと思っていた。

この映画で焦点となるのはバックボーカリストでもトップに上り詰めた人達の物語だ。
名前は出なくてもその人の声でその曲が売れた、
そういう歴史を持ったアーティスト、
ソロとしてデビューしたこともありながら、それが成り立たなかった、
一度脚光を浴びながらその後、またバックに戻っている、
あるいは今は違う仕事をしているというアーティスト達。

映画ではバックボーカリスト達の歴史から紹介されていく。
最初は上品で綺麗な白人の女性が、無難にリードボーカルを盛り上げていた。

そこから黒人のダイナミックな女性が強烈なインパクトを残す歌や動き、
メインになるアーティストにとってなくてはならない存在へと
バックコーラスのあり方が変化していく。

エリックべネイがマライア・キャリーと共演した映画「グリッター」は、
外見的に華のある女性が口パクで歌い、
実際は歌の巧いバックコーラスの女性の声が、
映像でもレコードでも使われるというストーリーから始まっていくが、
自分が歌っているのに名前と顔は別の人、
こういうことが実際に多々あったというエピソードがこの作品中に紹介されている。

あるいは名前の売れてない女性の歌った曲を有名な歌手が取ってしまうという、
「ドリームガールズ」の中にもある逸話。
こういったことを生で経験してきたバックシンガーたち。
その悔しさ、曲が売れるほどに募るやりきれない想い、
もちろんファンクブラザーズのドキュメンタリーでも彼らは同じ状況を語っていた。

そしてイギリスのハードロック系のアーティスト達がアフリカ系アメリカ人の女性により、
ステージを彩ろうとした時代があった。
この時代は彼女たちの声の素晴らしさと共に個性的な魅力にスポットが当てられる。

しかし現在はバックコーラスの存在は再び廃れつつあり、
レコーディングでは自分の声を重ねたりする手法が多用され、
(デュエットとして名前のある人を指名することはあっても)
名もないバックコーラスを敢えてレコーディングには使わないのが、
主流となってしまったという業界の状況が紹介されていく。

マイケル・ジャクソンの最後のツアーでマイケルのデュエット相手に決まりながら、
マイケルの死によってそれが叶わずに終わったが、
逆に追悼式で歌ったことで脚光を浴びたジュディス・ヒル。
ミック・ジャガーとツアーしたメリー・クレイトン。
グラミーを取りながらもバックシンガーであることを選ぶリサ・フィッシャー。
バックボーカリストの中でもソロでコンサートが成り立つ存在であるダーレン・ラヴ。

ダーレン・ラヴがメインを取り、ジュディス、リサがバックを歌うシーン、
それぞれの想いや生き方が交差する形で映画は終盤へと向かっていく。
若手のジュディスばかりか、年を重ねても外見も声も美しいディーバ達。
彼女たちがアレサ・フランクリンやチャカ・カーンにはなれなかった理由、
を考えさせられる。

「永遠のモータウン」"Standing in the Shadows of Motown"
ファンクブラザーズのドキュメンタリーの中には、
目頭を押さえるシーンがいくつもあった。
「バックコーラスの歌姫たち」の中に、
泣けるシーンがなかった意味を私は計りかねている。

メインとしてトップに上り詰め、
その位置を維持し続けているアーティスト達の凄さというものがこの映画を通して、
逆に浮かび上がってくる。

それでも今まで誰が歌っているとも考えたことのなかった曲のバックボーカリストの声、
急に気になってきた。
「人々が口遊むのはメインの部分ではなく、サビを歌うバックコーラスの部分。」
という言葉が残る。

ルーサー・ヴァンドロスがバックコーラスの女性たちを指導する場面がいい。
バックコーラスたちが集まり自分の仕事で印象深い旋律を歌うシーン、
数々の名曲が彼女たちの存在により作られてきたことがわかるこの部分、
もっとずっと観ていたいという気持ちにさせられる。

公開は12/14よりBunkamura ル・シネマにて。

Eric Benet came to my town?

2013-11-26 10:37:43 | 私の日々
(注:トップの画像は本文とは全く関係ありません。)

CさんがFBのTLにエリックべネイの写真とサインが飾られたソウルバーの画像をアップした。
あるイベントでたまたま訪れた店内にエリックのサイン入りの色紙をみつけたのかと思った。
まずびっくりしたのがその店が私の住む町の最寄りの駅付近であるということ。
最初はライヴに行った店主がサインを貰い写真と共に店に飾ってあるのかと解釈したが、
それだけでも充分なサプライズだった。

その後、Cさんからもう一枚の写真を良く見るようにとメールが来る。
何気なく撮影したような店内の写真。
その下の部分に小さく"Reserved for Eric Benet"と札が張られている。
ほんとうにエリック・べネイが好きなマスターの店なんだなと感激していたら、
追ってメールをいただく。

なんとエリック・べネイ、推定1999年の来日時、この店に来店していた。
私の住む町の近くまでエリックがやってきたことがあると知り、飛び上がるほど驚く。
そこでエリックは何を飲み食べ、どんな会話をしどのように過ごしたのか?
興味は尽きない。

その店は知る人ぞ知る業界の関係者の御用達のバーらしい。
今年中に何とかその店に伺い、マスターから直にその時の話を聞きつつ、
エリックの座ったテーブルで美味しいカクテルなどいただいてみたいと思っている。

Cross Road

2013-11-23 12:25:15 | 私の日々



音楽好きの方なら一つの曲を聴くためにyoutube動画を開き、
そこから次々と違う方向へと観たい曲が広がって行き、
あっという間に時間は経ち、気付いたら全く最初とは異なる次元の曲へと導かれていた、
そんな経験はおありですよね?

一昨日の私のきっかけは来日中のポール・マッカートニーのセットリストだった。
セットリスト、連日行った方の書き込みを読むと日によって少し変えているが、
差し替えているのはヒット曲のようだ。

71歳にして数日連続するライヴで37、8曲も歌ったという驚きと共に、
知人でとても行きたがっていた人、在日外国人で日本語は読めないので、
いろいろな情報は母国語のネットで入ってくるとしても、
セットリストまでは知らないのではと思い、メールすることにする。

「レノンよりもマッカートニーの方が好みだけれど、
ビートルズの一番好きな曲は"I Am the Walrus"
思い出深い曲は"Because"、最初に聴いた曲は"All You Need Is Love"」
どうやらセットリストの中に、最も自分の聴きたい曲はなかったようだ。

さて"Because"はアビーロードの中に入っているクラシック調の曲。
もちろん"All You Need Is Love"は知名度の高い曲、
しかし私はマジカルミステリーツアーの収録曲"I Am the Walrus"
を知らなかった。

早速youtubeで検索してみると、この曲の持ち味から思い出したのは、
60年代のロック、プログレッシブ・ロックとか、クリーム、ピンクフロイドの曲。
そしてそこからCreamの曲へと検索を掛け始める。
それらの曲をオンタイムで聴いていた私は中学2.3年だったと思う。

そこで見つけたのがこの映像、"Cross Road"
5月初めにマサ小浜さんの弾くこの曲をブルースアレイで聴いている。
Masa Kohamaのライヴ「マサ小浜 スペシャル」「マサ小浜 13日の金曜日」
「マサズ ラウンジ」に行くようになってから、
ソウル、R&Bのジャンルばかりか、生で聴くこの系統の曲に再び惹きつけられている。
もちろんマサ小浜さんの演奏が素晴らしく、バックアップするアーティスト達も
トップクラスであるからに他ならない。

"I Am the Walrus"からまさしくcross road してこの映像に行きついてしまった。

金子三勇士 チャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番

2013-11-21 10:13:18 | ピアニスト 金子三勇士
2009年の1月早々、金子三勇士は8月の演奏会で「チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番」
を演奏するソリストに選ばれた喜びを語ってくれた。
感激の余り、地下鉄に乗りながらも譜面に没頭し架空の鍵盤に向けて、
指を動かしている自分に気づいたという話も笑いを交えながら聞かせてくれた。

2009年の8月11・12日、国際フォーラムにて、三枝成彰の司会、小林研一郎指揮、
新日本フィルの演奏で行われた演奏会、両日共に鑑賞した。

2009年 8/13のブログ
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20090813

またこの日の演奏会の様子はインタビュー映像も含めて翌月にテレビ放映される。

2009年9/7のブログ
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20090907

この時はまだ日本においてはオーケストラとの共演の経験も少なく、
10代だった金子三勇士がとうとうこのような場にふさわしいピアニストに選ばれた、
という感慨深さと共に演奏がうまく行くかとハラハラするような想いで見守っていた。
その後、放映された映像もyoutubeにアップ、何度も聴き、観返したこの日の演奏。

2012年の初春ではウクライナ管弦楽団と共に再び「チャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番」
演奏する機会が巡ってくる。
ロシアのオーケストラをバックに奏でるこの曲は更に民族色濃いものとなった。

2012年2/8のブログ
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20120208

私にとって思い入れの深いこの曲、アルバムが完成するのを心待ちにしていたが、
とうとうCD化され本人から仕上がったアルバムを受け取った。

子供の頃から慣れ親しんできた曲、遂に金子三勇士の演奏でCDを聴くことになる、
そしてあの10代最後に彼が弾いた日からどれだけ成長したかに感無量となる。
それでも明らかに演奏の中にずっと聴き続けてきたことでわかる三勇士のスタイル、
というものを自分が感じ取っていることに驚く。

ダイナミックさ、繊細さ、正確さ、すべてが年齢と経験を重ねパワーアップしている。
スタジオレコーディングでありながらたいへんな臨場感を感じ、
ライナーノーツを読んだところ、
ロンドンフィルとの限られた時間の中で、初日はピアノの状態に納得できず、
本人自らロンドンのスタインウェイ本社に出向き、新たなピアノの選定、
手配をして翌日、改めて録音を行ったとある。

製作のスタッフを含め、アルバム完成までに関わった一人一人、
ピアニストの努力も含めて多くの方達の熱い想いが込められていることが、
演奏から伝わってくる。

ピアニストとしてのみならず、人間的にも更なる輝きを放つ金子三勇士の姿、
演奏する様子がこのレコーディングからくっきりと浮かび上がってくる。

Xファクター シーズン3 トップ13

2013-11-18 17:47:31 | Weblog
今回はモータウン特集。往年のファンとしては期待感が深まる。
今回からは一般視聴者の投票が始まる。

前回決まったファイナリスト達、
女性:ライオン、カヤ、エローナ
男性:カルロス、ティム、カリート
25歳以上:ジェフ、リリー、レイチェル
グループ:レストレス・ロード、アレックス&シエラ、スウィート・サスペンス
このメンバーに加え、前回脱落したジョシュ・リーバイが呼び戻されることに。

オープニングは女性達のジャクソン5の"ABC"に始まり、男性の"I'll Be There"
とモータウンのメドレーが続いていく。

ケリーがモータウンの特徴として「デトロイトの一軒家で次々と名曲が生み出されていった。」
と解説をするが、それに加えたいのは現在の機械的なサウンドと違い、
バンドがセッションしながらの生の音作りを原点としたということだ。

ジョッシュ・リーバイ、15歳。
ジャクソン5"Who's Lovin' You"
パウリナの熱心な指導を受けるが、トップバッター、そして前回脱落したということもあり、
出だしは緊張感が取れない。
しかし審査員達からは概ね好評。若さとアイドル性を感じる。

サイモンを除く女性審査員達はそれぞれモータウンの雰囲気たっぷりの装い。
ケリーはピンクのオーガンジーに刺繍とスパンコールの入ったドレスが良く似合っている。
パウリナはラメ感のあるゴールドのドレス。
デミは黒いドレスに髪をアップにしゴールドとホワイトのアイメイク、
シックなイメージで作り上げたはずが普段の可愛らしさが損なわれている。

レイチェル、25歳、ナッシュビルのバーテンダー。
"This Old Heart Of Mine"
カントリーが得意の彼女らしさを曲に添えてアレンジをした。
今回の仕上がりはともかく歌と美貌で将来有望かとみたが、
無難に終わっていてファンをがっつり掴むだけの魅力は充分あっただろうか。

カルロス、高校生がよりによってマーヴィン・ゲイ"What's Going On"
を選曲した。
かつてコットンクラブにファンクブラザーズ(モータウンのバックバンド)
が出演した時にこの曲が生まれたエピソードを聞かせてくれたが、
突然に閃いたマーヴィンの呼び出しに休暇中だったメンバー達が集められ、
一気に作り上げたそうだ。
ベトナム戦争下でアメリカの将来を案じた反戦、平和への賛歌。
この曲は安易に手を付けて欲しくなかった。
マーヴィンは淡々と歌っているが、そこに込められた意味は深い。
難病と戦いながら歌に意欲的なカルロスは応援したいものを持つ少年だけに、
表面的な歌に終わってしまったのは残念だ。
メッセージ性のある曲にまで昇華されていない。

レストレス・ロード、それぞれが田舎町で育ったカントリーボーイ達。
コモドアーズ"Easy"
ライオネル・リーチーの名曲をかなり端折り、サビの部分を先に持ってきている。
これは歌に関係ないから仕方がないが、聴かせどころのギターのソロの部分も消去、
曲のメインとなる旋律のみになっているのは時間の都合もあるかと思うが、
この曲のファンとしては不完全燃焼。
それでもソロのパートの音程を外したもののハーモニーとしては美しい仕上がりに。

エローナ、17歳、大学へと資格試験の勉強を続けながら歌も頑張っている。
フィリピンから移住してきて養ってくれた両親への感謝の念も深い。
シュープリームス"Baby Love"
そつなく歌えていたが、ダイアナ・ロスの長所を抜かれたような印象が否めない。
元気溌剌だが、曲の魅力が削がれてしまった。

ジェフ・グード、37歳のシングルファザー。
ライオネル・リッチー"Say You, Say Me"
ロック専門の彼が曲の持ち味を生かしつつ自分らしさも出し切った。
ピッタリの選曲、声の伸びも良く、音程のブレもない。
ようやく待っていた歌を聴かせてくれた。

アレックス&シエラ、フロリダから生まれた最強のカップルがずっと勝ち抜いてきている。
"Grapevine"「悲しい噂」
モータウンの中でもポップス寄りの新しい曲ではなく、
オーセンティックな曲に挑戦してくれたことが嬉しい。
特にアレックスのソロの部分は曲のエッセンスを捉えていて、
アレックスのこの曲への情熱が伝わってくる。
シエラの愛らしさが曲に優しい味わいを添える。
この二人は観ているだけでも周りを和ませるオーラがある。
ジェフに続いて最高のパーフォーマンスを二人は聴かせた。

カヤ、16歳。
テンプテーションズ"My Girl"
この時代の雰囲気も出しながら、歌い上げる部分を強調し、彼女の実力を見せつけた。
歌の才能が断トツに光る。優勝候補と思わせる。
ジェフ、アレックス&シエラ、カヤと秀逸なパーフォーマンスが続く。

カリート・オリヴェーロ、イリノイ出身の24歳。
アップテンポの曲をバラードにする不安を語る。
シュープリームス"Stop In The Name Of Love"
原曲を基に自分らしさを全面に出してきているが、不思議なことに全く違和感がない。
原曲のファンから聴いても申し分ない出来栄え。

リリー・マクラウド、54歳。
前回にわざとらしい演出をするなとサイモンに言われたため、
ジーンズとタンクトップで歌いたいと希望するが、
ケリーの説得でゴールドのドレスで歌うことに。
スティーヴィー・ワンダー"All Is Fair In Love"
外見は美しく完璧にこの時代そのものを模っている。
オーソドックスな曲を忠実に歌っているが、
欠点がない代わりに斬新さも特筆すべき点もないまま終わってしまった。
同世代として応援したい彼女だけにサプライズがないのが残念。

今回大半の人に言えることだが、ブリッジの部分を排し、
メインになる旋律のみを生かしている。
時間が限られているゆえ仕方がないこととは思うが、
聴いている側としては梯子を途中で外された印象になる。

スイート・サスペンス
"You Keep Me Hanging On"
楽しいパーフォーマンスに仕上がっていたが、なぜかこの日の中で最も未熟に感じた。
それでも審査員達に好評なのは、業界的に売れ筋の魅力を彼女達が備えているのだろうか。

ライオン・ペイジ、フロリダ出身の13歳。
私にとって3本の指に入る名曲、"Ain't No Mountain High Enough"
マーヴィン・ゲイとタミー・テレル、あるいはダイアナ・ロスのヴァージョンがあるが、
ライオンはそのどちらにも寄らず自分の世界を作り上げた。
手の不自由さをものともしない強くて努力家の彼女らしい。
しかしエンディングのアレンジに疑問が残る。

ティム、24歳。
オーディションではマイクが震えて落ちそうになっていた青年が堂々と、
マイケル・ジャクソン"I'll Be There"
マイケルの歌は難しいがティムは原曲の美しさを大切に自分のスタイルを貫く。
この人も応援したいと思うものを持った人。
前回、サイモンに「葬儀屋のスタッフみたいだ。」と言われたことを気にしていたが、
今回は「ダニー・オズモンドみたいにファンとそうでない人が分かれるタイプ。
ジョシュ・グローバンのようなスタイルを目標にしろ。」とあくまでも優しいサイモン。
サイモンのコメントを集中して聞くためにイヤホーンを外すティム。
自分の才能を見せるチャンスを生かし切った。

この翌日、結果発表という予定が、一般投票に不手際があったとのこと、
急遽、一人一曲ずつ新たな曲に挑戦することに番組の内容が変更される。

地下鉄のエリックべネイ

2013-11-15 10:37:32 | エリックベネイの日々&KyteVideo
Eric Benet、"SUBSTARS"という番組のホストをすることになった。

「サブスター」とは。
ニューヨーク、シカゴ、シアトル、ロサンジェルスなどの地下鉄の構内、
車内で歌って日銭を稼いでいるアーティストをスカウトし、
その人たちにコンペティションをさせるという内容。

「Xファクター」「アメリカンアイドル」「ザ ヴォイス」
等は観てきたが、このエリックが登場する新しいオーディション番組、
いったいどんな風になるのやら、想像もつかない。
「ライアン・シークレストのような司会者、サイモンのような皮肉屋、
派手な仕掛けもなくシンプルな歌そのものを競うスタイルになる。」
とエリックはPVの映像中で話している。

http://www.kickstarter.com/projects/2089038829/sub-stars-a-new-music-competition-show-fueled-by-t?ref=live

プロモーションヴィデオを見ると、地下鉄に乗りそこで歌っているアーティスト、
近くで見て番組に参加しないかと声を掛けるエリックの様子、
またアドリブでその歌をバックアップ、一緒に歌うエリック・べネイの映像もある。




Nile Rodgers & CHIC 11/10 2nd @ Blue Note Tokyo

2013-11-12 17:45:48 | NILE RODGERS & the CHIC organization
画像はセカンドに登場するなりナイル・ロジャースがカメラで私達、
観客を撮影したもの。
一昨日の興奮と熱狂、ナイルの優しさが写真から伝わってくる。
最初はツイッター、次にはFBにもナイルがアップしたのでここにも公開させて頂きます。

毎回、聴きたいと思った曲を違う展開で繰り広げてくれるCHICのライヴ。
日曜日ということなのか、あるいはショウがこなれてきてのか、
ぐっとくだけて、掛け声が多く掛かる。
場内に英語堪能な方、英語が母国語の方が数人いたこと、
ライヴの楽しみ方をよく心得ている方が多かったという感じ。

セランが婚約したという告知をナイルはライヴ中に行った。
歓声に涙ぐみつつ笑顔で応えるセラン。
ファンの代表からブーケのプレゼント。
婚約者はフィリピンの女性。
最後の"Good Times"の時にはステージに一緒に登場。
ショウが終わった後も彼女を案内してきて
自分の仕事していたキーボードを見せている様子が微笑ましい。
"Congrats!"「おめでとう!」と次々に声が上がる。

ラルフのことをナイルが「日本の『最高!』じゃなくてアメリカの『サイコ』だからね。」
と紹介する。アメリカの『サイコ』とはご存知かと思いますが、
"Psycho"、ヒッチコックの映画のタイトルにもなっていますが、
かなり危ない人のことですね。
日本に仕事で来ると演奏や演技の終わりに「サイコー!」と掛け声が掛かり、
驚いたという話を聞いたことが。
「彼は朝、鏡を見ると自分を『デビッド・ボウイ』だって思うんだ。」
とまたナイルはお約束のジョークを。

最後の"Get Lucky"は演奏のみで観客への振りはなし。
ギターを持ちつつ退場、最後はギターを弾きながら楽屋へと。
前回のブログで「ぜひ、覚えて!」と書いてしまってすみませんでした。
この日のセットリストには"Soup for One"がなかった。

今回もステージに上げていただきましたが、
ステージに乗ってみるとアーティスト達の真剣さ、
それを支えるスタッフ達の必死の様子がわかる。
フォラミも自分のダンスと歌を続けながら、
ステージに上がってきた人達の様子にも目を配っている。

男性の方達の意見を聞くと、人柄的にはフォラミ、でも歌と魅力はキム。
しかしフォラミは美貌も歌も確実にレベルアップしている。

ナイルとジェリーのセッションがぐっと深まっている。
近くで観る機会を二度得て、ギターやベースを一日2回のショウで連続して弾き続ける、
そのたいへんさを垣間見た。

早い順番を取って下さったAちゃん、Mr.Y、J.Iさん、Yukaさん、
ほんとうにありがとうございました!

そして先ほどフォラミがこんなツイートを日本語で。
「私たちは、日本に残された2番組を持っている。
私は最後のショーが終わったときに悲しいことするつもりです。」
その意味を図りかねて心配な気持ちでいる。

JOE 11/8 2nd @Billboard Tokyo

2013-11-10 10:04:15 | その他のライブ
初めてのJOEのライヴ。
Eric BenetファンでかつJOEのファンでもあるJ.Iさんから、
「一度、どんな感じだか観てみたら?」とお誘いをいただく。

いったい私がジョーについて何を語れるというのだろう?
コアなファン達、他のライヴは一切観ずにJOEだけのために、
遠くから飛びっきりのお洒落をして駆けつける長年のファン達がいる。

総勢7名での鑑賞。
Kちゃん、電話を2時間余り2台の携帯から70回近く掛け続けて予約を取ってくれた。
その他にもエリックのライヴでもお会いした方達もいらしている。

黒のタキシードパンツ、ピカピカのエナメルの靴、白いシャツにボウタイ、
ブルーの光沢のあるジャケットでJOEはステージへと現れた。
いきなり場内は総立ち。

その後、アコースティックのギターを持ったJOEが椅子に座ると、
観客達も座り、じっと聴き入る。

ファンに対する徹底したサービス、握手やハグ、
時折見せるはにかんだような笑顔、圧倒的なフェロモンを出す独特の腰振り、
少しづつジャケット、タイを取り、シャツのボタンを緩めて行く様子。
(かつてはエリックもこれをやってくれたものだが)

そしてぶれない歌の巧さ。
ショウを満足げにファンと共に楽しんでいる余裕。

女性はジョーと二人きりのヴァレンタイン、あるいはバースデイのような装い、
男性もそれなりにドレスアップしている。
この辺はエリックべネイファンとしても見習いたい。
ファンの人達が曲をほとんど覚えていて、微笑みながら一緒に歌いつつ、
JOEが歌う姿を見守っている様子もとても良いと思った。

Nile Rodgers & CHIC 11/7 2nd @Blue Note Tokyo

2013-11-08 10:57:20 | NILE RODGERS & the CHIC organization
トップの画像はキーボードのRichard Hiltonが観客の様子をFBにアップしたもの。
chanparaさん、フランス人の友人のNさん、私の名前をメンバーと共にタグ付してくれていた。
いつも心遣いが優しいリチャード。今回は愛妻を帯同していて今日がお誕生日。

昨年年末以来のナイル・ロジャース&シックのライヴ。
2011年の震災直後から同じメンバーで来てくれているだけに、
ナイルを始めクルー達、ベースのジェリー、キーボードのセランとリッチー、
ボーカルのキム、フォラミ、ドラムスのラルフなどへの親しみは増すばかり。
ずっと同じメンバーでツアーもしているので曲の完成度も更に深まっていると
昨日感じた。
海外諸国では数千人が埋まるコンサート会場でパーフォームしているのに、
日本でブルーノートで観られることはほんとうに"Get Lucky"(今回の新曲)の心境。

当日、朝からFolamiは日本語で「『良い時間』を過ごす準備はできてますか?」
「『私達は家族』です」などCHICの曲のタイトルをツイートしてくれていて、
感激する。
私も「朝から激しく雨が降っているけれど、東京にナイルやフォラミがいると思うと、
心の中は陽が射している」とフォラミ宛てにツイート。
夜からのライヴへと気持ちは盛り上がる。

8時過ぎにブルーノートに着くと外で煙草を吸っているSさん、Aさんとお会いする。
ロビーではフランス人の友人達が既に整理券を持って待っていた。
2011年のCHICのライヴで知り合い親しくなったNさん、今はシンガポールに住んでいるが、
この日のライヴのために東京までやってきた。
在日フランス人の友人達を誘って総勢8人での鑑賞だそうだ。

この日からブルーノートでは新しいバーコーナー"Bar BACKYARD"がロビーの奥にオープン。
早速、入ってみるがまだ木の香りもするほど出来立てのお洒落な空間。
壁面のタイルにはアーティストの肖像画。
テーブル席とカウンターがあり、また整理番号は備え付けの画面に表示され、
呼び出しに遅れることないように配慮されている。

1stから観ていたchanparaさん、Sakiちゃんとロビーで待ち合わせ。
二人の上気した表情から1stがどれだけ素晴らしかったかが想像できる。

お二人が早い順番を取って下さったお陰で席は正面最前列のステージに向かい右。
ちょうどナイルとフォラミとの間になる。
開始時間が近づいてくるとワクワク感から凄いテンションに。

お約束の"Hangin"で全員がステージへとやってくる。
ほぼノンストップ、時々Nile RodgersのMCが入る。
Everybody Dance
Dance Dance Dance
I Want Your Love
I'm Coming Out-Upside Down
Greatest Dancer-We are Family
Soup for One-Lady
Lost in MUsic
Notorious
Chic Cheer
My Forbidden Lover
Le Freak

ナイルも時々順番を忘れるらしく、セットリストを確認しながらプレイしている。
途中で「ギターをずっとノンストップで弾いたからチューニングが必要になった。
ちょと時間が欲しい。その間、バンドのメンバーは曲を演奏しているから、
皆も歌っていて。」

セットリストになかったのに後半でいきなりドラムスのラルフに、
"Let's Dance"の歌と演奏を振ってきた。
「僕には双子の兄弟がいてね。デビッド・ボウイというんだけれどね。
これから彼の曲を歌うからね。」とお決まりのジョーク。

この日のセカンド、何度もナイルとジェリーの演奏が炸裂する、
フォラミとキムのコンビも呼吸が完璧にマッチしている。
1stにはなかったそうだが、私の大好きな曲"Soup for One"がセカンドには含まれていた。
"Notorious"も昨年聴いた時よりもぐっとインパクトが強くなっている。

演奏の内容とは外れるが、今回、衣装にぴったりの化粧ポーチのようなもの、
白でそれぞれ違うデザインのものをフォラミとキムはステージに持ってきていた。
そこでちょっとした合間に後ろを向いてリップグロスを塗ったり、
ティッシュを出したり、ファンを出して扇いだり。
キムとフォラミの衣装はすべてコーディネートされているといつも感心するが、
きっと「ステージに小物を持って行けるバッグが欲しい」とどちらかが言い、
デザイナーが作ったんだなとニンマリ。

アンコールの"Good Times"では私もフォラミに手を取られ、
ステージに上げていただく。大勢の人達がステージへと登壇してくる。
凄い人数と熱気。
席は別だったがフランス人の友人たちとステージで一緒に踊れたのは嬉しかった。
しかしこの間、数人のナイルの後方の女性たちが手を伸ばし、
演奏中のナイルの髪を手に取ったり、触ったりひっぱったりを何度も。
これはちょっと良くないと思いましたよ。
何しろ、演奏している最中だし、勝手に人の体を触るのはどうかなと。
演奏以外の状況で本人と向き合った時に断ってから触らせていただきましょうね。



皆がステージを降りた後、最後は"Get Lucky"になる。
youtube動画のイギリスのライヴを観ると最後にナイルがステージを去ろうとした時に、
観客の皆がコーラスを始める様子がアップされている。
感極まったナイル、ステージから離れずにこれを涙ぐみながら見ていた姿に、
私も映像を観ながら泣けた。
それなのに今回最後にこの歌を振られて客席から返せなかったのが、
他の曲は全部歌えるだけに、ナイルにちょっと申し訳なかった。

ナイル・ロジャース、一人で最後までステージに残り、
今回はギターでこの曲を弾きながら楽屋へと引き上げていく。
これからNile Rodgers & CHICを観に行く方、
ぜひ"Get Lucky"を覚えて一緒に歌ってくださいね。
ナイルはちょと風邪気味だそうなので、これから行く方達が歌ってくれたら、
きっと風邪なんて吹き飛んでしまうはず。

これ、先ほど日本語でツイートしたら早速ナイルがリツイートしてくれてましたから、
皆さん、マジで取り組んで下さい!(笑)

AさんがベースのJerry Barnesが若かりし頃、妹と組んで出したCD数枚を持ってきていて、
ライヴ終了後にそれを見せると、ジェリーはほんとうに嬉しそうに周りの人にまで、
アルバムを見せて説明していた。
中々聴き応えがありそうなので私も購入してみるつもり。

早くから順番を取って下さったchanparaさん、sakiちゃん、
ほんとうにありがとうございました。


Eric Benet New Interview part.2

2013-11-04 19:56:01 | エリック・ベネイ関連インタビュー
フランスで行われたインタビューのパート2。
3rdアルバム"Hurricane"がアメリカ以外の国で人気が高いこと、
また2002年に完成しながら発売に至らなかったアルバム"Better & Better"について、
踏み込んだ質問をしている。
男性、女性、それぞれ5人のアーティストの中から共演したい人を選ばせたり、
フランス的な想像力と細かいポイントをついたインタビューで興味深い。




Eric Benet「今年の終わりにはスタジオで新しいアルバムの制作に入るつもりだ。
そして自分のレーベル"Jordan House Records"と契約したアーティスト達、
彼らのCDもリリースするつもりでいる。」

Brandyのファンがあなたに彼女の曲を作って欲しいとツイートしていますが?
「Brandy、いいね。とても才能があるアーティストでおまけに彼女とはまだ仕事したことがない。
僕の方はいつでもOKだよ。」

Brandyのどの曲が好きですか?
「"Baby, baby, baby, don't you know that you're so fine..."("Baby"を歌うエリック)
ああいう初期の彼女の曲が好みだね。」

自分にとって深い影響のあったアーティストを上げてくれますか?
「スティーリー・ダン、スティーヴィー・ワンダー、ジノ・バネリ、
アース・ウィンド&ファイアー、子供の頃からずっと聴いてきたアーティスト達。」

私があなたのアルバムで最も好きなのは"Hurricane"です。
洗練されていてセクシーで憂いがありながら、同時に希望も感じることができる。
自分ではこのアルバムをどう思いますか?
「アルバムの特徴を良くつかんで表現してくれたね。
自分自身の当時の内面を表現したアルバム。
今までの自分のヒット曲、ラジオで流れているような曲とは、
一線を画するような曲を作ってみたかった。
意外なことにアメリカ以外の国でこのアルバムは認められた。
イギリス、フランス、日本などだ。
国外のファンの方が商業的な曲よりも内面が豊かな曲を評価してくれていて、
このことにとても感謝している。」

2002年にあなたのアルバム"Better & Better"は完成したのに発売されなかった。
これは何が起きたのですか?
「メジャーなレーベルに身を置くアーティストにとっては起こり得るできごと。
レコードレーベルが発売しないと決定すれば不可抗力になる。
自分でも自信作でアルバム全体としても一つ一つの曲に対しても愛着があっただけに、
このことは痛恨の極みだった。
でももう済んだことだ。
だからこそ、自分のレーベルを起ち上げた。
そうすれば、自分の好きな曲で皆も受け入れてくれる曲を思う存分作れるからね。」

あなたにとって敵にあたる人にアルバムを与えるとしたらそれは何でしょう?
「個人的に僕を敵視する人はいないと思っているけれど、
愛や思いやりがない、心が空虚な人がいるとしたら、
お奨めなのはスティーヴィーの『トーキングブックアルバム』だね。」

砂漠にひとりで行くのなら誰のどのアルバムを持って行きますか?
「ひとつを選ぶのは難しいね。う~ん、だったらいくつかを上げよう。
ジノ・バネリ"Brother to Brother"、Donald Fagen"Nightfly"
ボビー・コードウェル"Carry On"、スティーリー・ダン"Aja"、
こんな感じかな?」

音楽史において自分で年代を選ぶとしたら、どの時代にいたかったですか?
「1974,5年、その辺りかな?
R&B、ソウルミュージックの黄金期だからね。」

あなたにとって夢のコラボレーションとは?
「スティーヴィー・ワンダー、アレサ・フランクリン、アル・グリーン、
ジノ・バネリ、ドナルド・フェイゲン、EW&F。」

次の5人の男性の中でどの人に一番共感できます?
R Kelly, Neyo, Maxwell, Babyface, Justin Timberlake。
「Maxwellだね。」

それでは次の女性5人の中では?
Mary J Blige, Beyonce, Brandy, Eyrkah Badu, Rihanna。
「Erykahだ。」

では最後に言いたいことは?
「インタビュー、ありがとう。
そして僕の曲をいつも聴いてくれている皆、ありがとう。
ツイッター、ぜひフォローしてね。https://twitter.com/ebenet
そして僕のウェブサイト、http://www.ericbenet.net/もよろしく。」