Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

金子三勇士、キシュマロシ村へ凱旋公演

2015-05-19 21:43:36 | ピアニスト 金子三勇士
アメリカのオーディション番組「アメリカンアイドル」では、
候補者が最後の4人に絞られ、その4人が各自生まれ故郷へと
凱旋公演を行う"Home Coming"の様子が週末に放映された。

ちょうど時同じくしてピアニスト・金子三勇士、
6歳から13歳まで祖父母と共に暮らしたハンガリーのキシュマロシ村へと向かった。
ハンガリーの首都ブダペストや地方都市でコンサートツアーを行っていた金子三勇士、
子供時代を過ごしたキシュマロシ村でのコンサートは、
ことさら感慨深いものになったようだ。

雪が深く、まず出掛ける前に雪かきをするのに数時間かかったこと、
近隣に子供がいないので動物が遊び相手だったこと、
当時は救急車を呼んだとしても到着まで数時間掛かるような田舎だった、
月に一度、街に降りて行き、高崎に住む母親に電話するのを楽しみにしていた、
日本から来た少年を給食のおばさん達が可愛がり、
ハンガリー独特の美味しい料理をたくさん大盛りにして食べさせてくれたこと、
リスト音楽院に入学してからも、
初めはお祖父様が車で往復何時間もかけて送迎していたが、
その時間を練習に充てるべく、13歳からはブダペストで一人暮らしが始まった、
そんな話を折に触れ思い出深く聞かせてくれていた。

キシュマロシ村、まず三勇士の公演のためにポスターが作られ、
村に一つしかない公会堂にはグランドピアノがレンタルされる。
そこに集まった人々の前で三勇士は演奏し、村長から名誉村民賞が授与される。

子供時代に一緒に過ごした友人は、その頃の写真を持ってやってきていた。

三勇士の母校の小学生達はピアノの近くに寄り、周りやピアノの下で生演奏を体感する。
その小学校には金子三勇士の写真が廊下に卒業生として飾られているそうだ。
写真でしか見たことのなかったピアニストの演奏を直に聴くまたとない機会。


感極まり涙する三勇士の写真は地方紙の紙面を飾った。
現地での熱気が伝わってくる。


金子三勇士、プラハを案内する番組の放映が既に予定されている。
5月24日(日)BSフジ  20:00〜20:55 
欧州音楽紀行第2弾「〜偉大なる音楽家が愛した歴史と芸術の都・プラハ〜」

キシュマロシ村在住のライターによる金子三勇士のインタビュー(2011年3月)
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/e/63aea5eca7f0511d8de7163916bd35e4

欧州音楽紀行「パリそしてワルシャワ」を観て

2015-03-27 00:00:01 | ピアニスト 金子三勇士
(画像はすべて金子三勇士のツイッターより:
https://twitter.com/miyujik/with_replies

ショパンの生涯を辿る旅、最初に金子三勇士が訪れるのは、
パリにあるショパンが埋葬された墓地。
ここには多くの歴史上の人物や作家、音楽家が眠る。
以前に三枝成彰氏が講演の中でこの墓地についてお話をされていた。
地図を片手に観光客で賑わうという場所、
椿姫のモデルになった女性の墓には管理する人が業者に委託しているのか、
常に美しく花が添えられるそうだ。
死後もこのように扱われる人もいれば全く過去の栄光からは程遠い、
粗末な墓所もあるという。

ショパンの墓地はきちんと整えられ華やかさがある。
三勇士は献花、祈りを捧げる。
まずこの姿にぐっときた。
ここに演奏者としての正しいあり方をみた。
その作曲家の曲を生涯掛けて遺志を伝えるべく演奏させて頂きますと墓参し、
ご挨拶することでショパンと三勇士の絆が更に深いものになったと確信する。


39歳で亡くなったショパン、19歳まで過ごしたポーランドへと画面は変わる。
音楽に満たされた街、ショパンがいかに市民に愛されているか、
一つのベンチが紹介される。
ボタンを押すとそこからショパンの曲が流れ始める。


ワルシャワからショパンの生家へ。
そこはショパンの家を囲む形で公園が形作られ、
日曜日の午後には部屋の中で行われる演奏を外から人々が鑑賞する、
というコンサートが行われている。
三勇士は日本から来たピアニストとして紹介され演奏が始まる。
勢いの良い「英雄:ポロネーズ」から始まり、しっとりとしたノクターンへと。

集う観客の中には感極まり涙を拭う聴衆もいる。

演奏を終え、金子三勇士の表情は嬉々としている。
現地でショパンをこよなく愛する聴衆の前で演奏することができ、
観客からも確かな評価を得た喜びが伝わってくる。

その後、ショパン博物館では最新技術でショパンの足跡を辿る展示が紹介される。
ショパンのデスマスク、毛髪、死に関する部分では、その生々しさに息をのむ。
そこにショパンの存在がすぐ近くに感じられ胸に迫るものがある。

ショパンの最後はポーランドから看病のためにパリへと渡った姉が看取り、
本人の遺志でその心臓はポーランドへと持ち帰られ、
教会の柱に祀られているという逸話は知っていた。
その教会にも足を運ぶ三勇士。
柱と聞いて想像していたのとは違い、教会内にある霊廟のような佇まい。
そこでもショパンの息吹、郷愁の念が手に取るように感じられてくる。
金子三勇士が偉大な音楽家に対しての畏敬の念を持って、
一つ一つのゆかりの場所を巡ることで私達もそこに想いを重ねることができる。

ワルシャワの公園でもコンサートが開かれ、その日は日本のピアニストが演奏している。
市民たちの音楽への篤い気持ちを画面から察することができる。


ワルシャワ市内、ショパンが常連として通ったレストランと料理が紹介される。
青豆のスープ、キノコのクリームソテー、外はカリッと中はジューシーな鴨のグリル、
などショパンの愛した料理に舌鼓を打つ三勇士。
この辺り、ほとんど料理の紹介番組のようで、
ピアニストがこれだけ美味しそうにレポートしていることが微笑ましい。


チェリストの松本エルとの公園での対談。
それぞれが自分にとってのショパンを語る。
それまでロマンティック、甘美、女性的なイメージで捉えていたショパン、
三勇士はこの旅をしたことで改めてショパンの男性的な面を識ったと話す。


二人が話しているベンチではリスが後ろを通るのが映る。
のどかなヨーロッパの公園、夏が終わり、秋の気配がする爽やかな時期。

公園内の宮殿にての二人のデュオ。
金子三勇士、ソロとは違う姿を観ることができる。
自分の演奏は抑えて、チェリストの様子を確かめながら、
相手を立てつつ支える。
私はこういう時に彼が見せる表情が好きだ。


場面はパリへと戻り、ショパンの葬儀が行われたマドレーヌ教会、
また今は宝飾店となっているが最後にショパンが住んだ家、
パリの時代にショパンやジョルジュ・サンド、そこにリストなども加わり、
演奏や宴が行われたサロンへと導かれる。

そこのピアノで演奏する三勇士。
彼にとっては当たり前かもしれないが、暗譜でさりげなく、
その場に相応しい曲を演奏できるというのはいつも驚かされる。


通して観てショパンに対しての認識を深めると共に、
ピアノ演奏はもちろんのこと、金子三勇士の人柄、
正しく美しい日本語を彼が使うことも素晴らしく、
偉大な音楽家に対して敬虔な気持ちで接している姿勢も清らかで、
観ていて心が洗われるようだった。

映画「ショパン 愛と哀しみの旋律」
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/e/23c99ba427df9344bb0ebe5c0b5fd6e9

欧州音楽紀行「Paris そしてWarsaw」

2015-03-25 11:46:39 | ピアニスト 金子三勇士
トップの画像はポーランドにてピアノ演奏をする金子三勇士。

本日22時から一時間枠、BSフジの番組「欧州音楽紀行」、
「ピアノの詩人ショパンを巡る旅 パリそしてワルシャワ」
が放映される。
金子三勇士がナビゲーターとピアノ演奏を務める。
昨年の晩夏に撮影され、パリのショパンの墓参に始まり、
ポーランド、ショパンの生家にて地元の市民に囲まれる中、
ピアノ演奏も行った。

病篤くなったショパン、故郷から看病のためにパリに出向いた姉が看取り、
その心臓は本人の遺志により姉によってポーランドに持ち帰られ、
今はワルシャワの教会に祀られている。

活動の舞台はフランスにあったが、心は常にポーランドと共にあった
ショパンの生涯を金子三勇士と共に追体験する。
ピアニストとして作曲家ショパンを三勇士がどのように捉え、
パリでワルシャワで何を感じ取ったか、それも見所。

お時間のある方はぜひご覧下さいませ。
ない方は録画で。

画像はフランス、ショパンの墓地で祈りを捧げる金子三勇士


以下はBSフジの番組紹介説明:
ヨーロッパを代表する音楽の都と偉大なる音楽家のゆかりの地を巡り、
その街の魅力に迫る。
「劇場(ホール)」「博物館」「世界遺産」「観光スポット」を訪ね、
クラシック音楽を語る上で外せない、
偉大なる音楽家に想いを馳せ名曲と共に巡る1時間。
ナビゲーターはハンガリーで6歳から英才教育を受け世界が注目するピアニスト金子三勇士(24歳)。
今回はクラシック界で日本人に最も人気のあるショパンの軌跡をたどる旅に出る。
パリに眠るショパンの墓から故郷のワルシャワへ・・・
三勇士がショパンの生家でコンサートを行ない、ショパンに想いを寄せます。
その他にもショパン行きつけのレストランや
博物館・市民憩いのワジェンキ公園などのゆかりの場所をめぐる。

マエストロ小林研一郎 ピアニスト金子三勇士に出逢う古都ブダペスト5日間

2015-03-12 17:01:22 | ピアニスト 金子三勇士
金子三勇士君を応援する上でやはり彼のバックグラウンドを知る意味でも、
彼の育った国ハンガリー、
音楽の勉強にいそしんだ街ブダペストはぜひ訪れてみたい。

また以前にハンガリーでのコンサートを録音したものを聴かせていただき、
日本とは違う聴衆の反応、興味深く拝聴した。
ハンガリーのジプシー音楽や民謡など人々に溶け込んでいる様子も体感してみたい。

以前からご本人との間で三勇士君の演奏を聴くコンサートと、
三勇士君の案内でブダペストを巡るようなツアー、
どこかの旅行社が企画してくれないだろうかと話題にしていた。

今回、三勇士君の所属するプロダクション、ジャパン・アーツと
近畿日本ツーリストの尽力により、ようやくそのツアーが実現となる。
ブダペストの大規模なホールにてピアノ、金子三勇士、
指揮、小林研一郎が地元のオーケストラと共にコラボレートする
「チャイコフスキーピアノ協奏曲 第一番」を良席にて鑑賞し、
翌日は三勇士君の案内でブダペストのおすすめスポットを巡り、
夕食会には本人も参加する。

指揮者の小林研一郎氏はハンガリーでは日本以上に知名度が高い。
ハンガリーで最も有名な日本人であると聞く。

多くの方が参加できるようにと期間と費用を抑えるために
5日間というツアーのスケジュールが完成した。
ゴールデンウィークの終わりの時期、
ブダペストの街も暖かく日本からの観光客を迎えてくれるはずだ。

期間は5月6日~10日
詳細と申し込みは下記のリンクから:
http://entame.knt.co.jp/2015/miyujikaneko/

偶然の出会い

2014-10-25 00:00:32 | ピアニスト 金子三勇士
歩いてきて、靴屋のウィンドーの前でふと立ち止まると、
横に人の気配がする。
柔らかで優しげなオーラが漂っている。
振り向くとそこにピアニストはいた。

「後ろから見ていて、もしかしたらと思ったから。」と悪戯っぽく微笑んでいる。
偶然の出会いと久々の再会に嬉しさが全開となる。
「青森から帰ってきたの?」
「ちゃんとご飯、食べてた?」
もうりっぱな青年になっているのに、
いつまでも最初に会った時の痩せていた少年のイメージが抜けない。

偶然に会うのは思い返しても、知り合ってから8年の間に4回。
そしてその内の二回が今年。
6月に私は目の前をサングラスを掛けて早足で歩いて行く彼を見つけて、
やっとの思いで追いつき、声を掛けた。
今度は彼の方が私を見つけてくれた。

旅先で思わぬ素晴らしいピアノに出会ったこと、
以前にもそのピアノを弾いたことがあったが、
今回は会場の名前が違っていたので、
またそのピアノを弾く機会に恵まれたとは、
行くまで気づかなかったことなど話してくれた。
「だったらまた弾きに行かなくちゃね。」と言う私に、
にっこりと頷いてくれる。
「ところでAさんは元気なんですか?」と私の顔を覗き込む。
「元気よ。」と答えると安心した表情が返ってくる。
大人になったなぁとまぶしいばかりに見上げる。

別れ際に彼が広げた腕にフワッと私は体をゆだね私達は自然にハグした。
頭一つ上に彼の顔がある。
コンサートなどの晴れ舞台で会う時は私もヒールを履いているが、
この日はプールから出てきたばかりでスニーカー、
こんなに身長差があったんだと気づく。

寒い土地から戻ったばかり、たくさんの荷物を抱えている。
笑顔で手を振り別れるが、体付きもがっしりとして、
アーティストとしても人としてもりっぱに鍛え上げられていることが、
実感として胸に迫ってくる。

フランスに行く私の乗り換えを心配して、
シャルル・ドゴールでの乗り継ぎの仕方や待ち時間の過ごし方など、
度々メールでアドバイスをくれていた。
彼は小学生の時から一人で飛行機に乗り、日本とハンガリーを行き来してきた。
ピアノばかりか旅のスペシャリストでもある。

その日はプールで泳いでから、まっすぐ家には帰らずに、
近くで食事を取り、その後も周辺をのんびりと散策していた。
彼の方も新幹線で寝過ごしてしまい、終点の東京駅から戻ってきて、
その駅で降りたことを後程にツイートから知ることになる。
お互いの時間軸がぴったりと重なる、しかも最もふさわしいタイミングで。
そんなことが時の流れの中、
何かに導かれてふと起きるのかもしれないと今になって思い返している。

金子三勇士、コチシュ&ハンガリー国立フィル 6/23 @ サントリーホール

2014-06-24 20:44:02 | ピアニスト 金子三勇士
金子三勇士、ピアニストになるきっかけは幼き日に、
祖母がプレゼントしてくれたコチシュの子供のためのCD、
これを聴きこんだところからスタートしたと以前から聞いていた。

そのコチシュがハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団と共に来日、
サントリーホールで金子三勇士がソリストとして、
リスト:ピアノ協奏曲第1番を演奏することになる。
チケットを購入したのは今年初めだっただろうか。
席はステージに向かって右側のバルコニー席、壇上を見下ろす位置になる。

リストの作品のコチシュによる編曲版:ゲーテ記念祭の祝祭行進曲、
勢い良くスタートを切ったかと思うと、
ピアノが中央に置き換えられ、金子三勇士の登場。

リスト:ピアノ協奏曲第1番
この曲を金子三勇士の演奏、日本の一流の交響楽団、指揮者との共演、
同じホールで聴いたのは2011年。
とても同じ曲とは思えない。
日本の交響楽団や指揮者が良くないと言っているわけでない。
まったく別物ということだ。

トライアングルのキリッとした響き、
パーカッションの包み込むような豊かさ。
一体となる管弦楽の調べ。
そこに三勇士のピアノが見事に調和している。
曲の中に入り込み、リストの世界観を作り出す。
とにかく楽しげなグルーヴ感を醸し出している。

聴いていて心が落ち着いてくるような暖かみ、
勇壮な響き、自由さがある。
リズム感がハンガリー的とでも言うのだろうか。
ハンガリーの指揮者、フィルハーモニーとの競演により、
三勇士の中にあるハンガリーの血が踊る。
金子三勇士の今までに識ることなかった一面を観ることができ、
感無量となる。

前日のリハーサルの様子


金子三勇士のアンコール曲、リスト:愛の夢第3番にて前半が終了。
ピアノの響きは先ほどの躍動感とは打って変わり、
水面にさざ波が広がるように静かで清浄としている。
激しい演奏に耐えて付いてきてくれたピアノへの感謝と労わり、
この日に集まって賛辞と拍手で迎えてくれた観客へのプレゼント。

後半はブラームス:交響曲第1番
数えれば60人近いメンバー。
一人一人がハンガリーからやってきて時差ボケや体調不良を乗り越え、
女性はステージで着る衣装を吟味してこの日を迎えているとふと思い巡らす。
コチシュが全員に注ぐ緊張感の中に優しげな眼差しを感じ取る。

鳴り止まない拍手に思わず笑みがこぼれるメンバー達の様子が見える。
ブラームス:ハンガリー舞曲第1番
ブラームス:ハンガリー舞曲第10番
アンコール2曲、思いっきり民族色を出してくる。
コチシュのユーモラスな側面が見えてくる。

良い音楽を聴くと「楽しさ」を通り越して、
"Life is beautiful"
「生きているって素晴らしい」というところまで突入する時がある。
昨夜がまさにそういう感じだった。

何人かの偶然会った知人に軽く挨拶したのみで、帰宅するとまだ10時前。
時としてコンサートやライヴ、純粋に音楽を楽しむのではなく、
社交の場と化してしまうことがある。
音楽の余韻に浸りながら静かな夜を過ごせたこともまた嬉しかった。
ハンガリーで街に溢れる音楽を体感してみたい、
そんな気持ちにさせられるコンサートだった。

金子三勇士 4/20 @ ハーモニーホール座間

2014-04-21 19:24:54 | ピアニスト 金子三勇士
1年4ヶ月振りの金子三勇士のコンサート。
最近は地方の公演も多く、東京近郊では中々都合が合わず、
しばらく振りの鑑賞となる。

シャネルのピグマリオンに選ばれていた2009年代、
また2010年のトッパンホールでのデビューコンサート以来、
応援して下さっている方々が座間の近辺に住んでいられる。

今回のタイトルは「金子三勇士トーク&リサイタル・La Campanella」
一曲毎、数曲ごとに解説が入る。
これもシャネル時代を思い出させ懐かしい。
今回の選曲はリストをテーマにその年代、
また関連のある作曲家が中心。

ショパン:バラード第1番
ショパン:前奏曲「雨だれ」
ショパン:子犬のワルツ
ショパン:夜想曲第2番
ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番「悲愴」

リスト:ハンガリー狂詩曲第2番
リスト:コンソレーション第3番
リスト:ラ・カンパネラ
リスト:巡礼の年「ル・マル・デュ・ペイ」
リスト:愛の夢
リスト:スペイン狂詩曲

アンコール
ショパン:黒鍵

休憩後のリスト「ハンガリー狂詩曲」
一気に金子三勇士の超絶技巧が炸裂する。
前半と異なり後半では演奏の後のトークで息を弾ませている。
リストの曲の持つ激しさがそこからでも充分に察することができる。

「ラ・カンパネラ」、練習のための曲とされているが、
これを練習したからといって巧くなるわけではない、
巧くなければ弾けない曲、とのトークに会場から笑いが沸く。
「ル・マル・デュ・ペイ」は初めて聴く曲だったが、
「巡礼の年」はシリーズとしてこれからも演奏してほしいと思う。
「愛の夢」、金子三勇士のこの曲はいつも情感が豊かで、
聴いていて気持ちがほぐれてくるのがわかる。
重めの曲の後に三勇士も必ずこの曲を配している。
そこから一曲目よりも更なる高みへと導く「スペイン狂詩曲」

アンコールの「黒鍵」を聴いた時に同じショパンでも
前半よりもずっとピアノが暖まり、こなれてきているのを感じた。
ショパンがリストに献上したとされるこの曲、
「どう?」という気持ちが込められているのではと金子の解説が入る。
それはピアニスト自身の観客である私達への問いかけとも取れる。

地方巡業やコンサートを毎週のように重ねてきた金子三勇士。
曲の所要時間、前半だけでなく二部もあること、トーンの低い曲、長い曲の後には、
楽しい曲、お待ちかねの曲を用意していることなどをさりげなく会話に混ぜる。
高校生の頃から応援してきた私としては、彼が大人になり、
多くの経験を重ねて成長したことに感嘆するばかりで、
あらためて、時の流れを感じた。

今後の近隣でのコンサート予定
5月17日(土)16:00 相模原市民会館ホール
6月23日(月) 19:00 サントリーホール
7月5日(土) 15:00 秦野市文化会館小ホール
7月6日(日) 15:00 相模湖交流センター 多目的ホール
7月12日(土) 14:00 サンシティーホール

金子三勇士 Roland US版CMに出演

2014-02-12 11:08:01 | ピアニスト 金子三勇士
Roland Home Piano Series - Artist Impressions


金子三勇士、ローランドのCMに出演するのはこれが3回目だろうか。
初回はDavid Benoit、George Duke等と共に演奏を聴かせたが、
今回は初めて本人のコメントも入る。
そして今回のヴァージョンにはJudith Hillの姿も。

本人のツイートによると「この動画の2分2秒から演奏しています曲は、
バルトーク:チェルゲーの踊りです。
チェルゲーはタンバリンのようなハンガリーの民族楽器で、
それを使った民族音楽と踊りをイメージした作品です。」

映像中の本人のコメントにもあるが、消音にして夜間もヘッドホーンをつけて、
演奏することができる。
リビングルームにあるスタインウェイは日中、
自室にはあるローランドは夜になってからの練習用と使い分けている。
またピアニストは夜中であっても演奏が気になってくることがある、
そういう時に近所や家族に気兼ねせず音を確かめることができる、
これはとてもありがたいことと話していた。

金子三勇士、国内での演奏会が週1回のペースで続いている。
その中でも最も大きなイベントは、6/23(月)6/26(木)サントリーホールにての
ハンガリー国立フィルハーモニー管弦楽団、指揮ソルタン・コチシュとの共演。
ハンガリーで育ち、音楽教育を受けた金子三勇士がハンガリートップクラスの
交響楽団、指揮者と共にステージに登る。
またコチシュは三勇士にとって幼い頃からアルバムを聴き込んできた指揮者。
日本で実現するハンガリー三者のコラボレーションに期待が膨らむ。
https://www.japanarts.co.jp/concert/concert_detail.php?id=200&lang=1

スケールの大きなコンサートも良いが、金子三勇士を身近に感じたい方にはこちらもお進め。
4/20(日)3時より座間にての演奏&トークショウ
http://magcul.net/event/harmony-hall-zama-20140420/

最後はおまけです。
マネージャーのK氏が送って下さった題して「三勇士とお弁当」
ツアー先できちんとした食事ができているかと心配する私のツイートを見て、
過去にアップして下さったものです。


金子三勇士 チャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番

2013-11-21 10:13:18 | ピアニスト 金子三勇士
2009年の1月早々、金子三勇士は8月の演奏会で「チャイコフスキーピアノ協奏曲第1番」
を演奏するソリストに選ばれた喜びを語ってくれた。
感激の余り、地下鉄に乗りながらも譜面に没頭し架空の鍵盤に向けて、
指を動かしている自分に気づいたという話も笑いを交えながら聞かせてくれた。

2009年の8月11・12日、国際フォーラムにて、三枝成彰の司会、小林研一郎指揮、
新日本フィルの演奏で行われた演奏会、両日共に鑑賞した。

2009年 8/13のブログ
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20090813

またこの日の演奏会の様子はインタビュー映像も含めて翌月にテレビ放映される。

2009年9/7のブログ
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20090907

この時はまだ日本においてはオーケストラとの共演の経験も少なく、
10代だった金子三勇士がとうとうこのような場にふさわしいピアニストに選ばれた、
という感慨深さと共に演奏がうまく行くかとハラハラするような想いで見守っていた。
その後、放映された映像もyoutubeにアップ、何度も聴き、観返したこの日の演奏。

2012年の初春ではウクライナ管弦楽団と共に再び「チャイコフスキー・ピアノ協奏曲第1番」
演奏する機会が巡ってくる。
ロシアのオーケストラをバックに奏でるこの曲は更に民族色濃いものとなった。

2012年2/8のブログ
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20120208

私にとって思い入れの深いこの曲、アルバムが完成するのを心待ちにしていたが、
とうとうCD化され本人から仕上がったアルバムを受け取った。

子供の頃から慣れ親しんできた曲、遂に金子三勇士の演奏でCDを聴くことになる、
そしてあの10代最後に彼が弾いた日からどれだけ成長したかに感無量となる。
それでも明らかに演奏の中にずっと聴き続けてきたことでわかる三勇士のスタイル、
というものを自分が感じ取っていることに驚く。

ダイナミックさ、繊細さ、正確さ、すべてが年齢と経験を重ねパワーアップしている。
スタジオレコーディングでありながらたいへんな臨場感を感じ、
ライナーノーツを読んだところ、
ロンドンフィルとの限られた時間の中で、初日はピアノの状態に納得できず、
本人自らロンドンのスタインウェイ本社に出向き、新たなピアノの選定、
手配をして翌日、改めて録音を行ったとある。

製作のスタッフを含め、アルバム完成までに関わった一人一人、
ピアニストの努力も含めて多くの方達の熱い想いが込められていることが、
演奏から伝わってくる。

ピアニストとしてのみならず、人間的にも更なる輝きを放つ金子三勇士の姿、
演奏する様子がこのレコーディングからくっきりと浮かび上がってくる。

ハバロフスクの金子三勇士

2012-12-26 09:28:02 | ピアニスト 金子三勇士
金子三勇士、リサイタルのために20日にロシア、ハバロフスクへと発った。
気温が最高が-17度、最低が-27度。
東京も寒くなってきたものの想像を絶する寒さだ。
しかしながら雪国ハンガリーで育ったせいか、画像中の金子三勇士、
寒さを楽しんでいるかに見える。

ハバロフスク、日本から最も近いヨーロッパ。
成田から約3時間のフライトとのこと。
ハバロフスクの風景、建築物、インテリア、料理、
フェイスブックにアップロードしているのを見たが、
こんな近くに全く文化の違う都市があったとは。
それでもコンサートホールではスタインウェイのピアノがきちんと用意されていた。

ホテルの中は暖かそう。


金子三勇士の出演するカウントダウンのジルベスターコンサートが近づいてきている。
22時から渋谷東急文化村オーチャードホールにて、
第一部ではラフマニノフ:ピアノ協奏曲、第二部ではリスト:ラカンパネラを演奏予定。
テレビ東京でも放映があるが、コンサート途中からの中継になるようだ。

既に地下鉄の中吊りにジルベスターの広告が出ている。

金子三勇士 ピアノリサイタル 12/5@浜離宮朝日ホール

2012-12-06 00:33:30 | ピアニスト 金子三勇士
浜離宮朝日ホール、開館20周年記念イベントとして金子三勇士、
二台のスタインウェイDタイプ、1957年製のウォールナット木目、2001年の黒塗り、
を使い分け、演奏曲目はすべてピアノソナタという今回のリサイタル。
ソナタはバルトーク、ベートーヴェン、シューベルト。

一曲目はバルトークのピアノソナタ。
今年の三月末に埼玉県内のコンサートホールで初めて披露したが、
その時よりも勢いが増し、ずっとこなれた印象で、
観客の気持ちを一気に惹きつける。

二曲目、ベートーヴェン ピアノソナタ 第8番ハ短調「悲愴」
一曲目共々、先月発売された2ndアルバムに収録されている。
この曲はこここのところ、ほぼ毎回リサイタルで演奏するのを聴いてきているが、
やはり第2楽章の優しさにはうっとりと聴き入る。
金子三勇士、既に自分の曲として独自の世界観を作り上げている。

休憩の後、ピアノは木製のウォールナット素材に変わる。
シューベルト、ピアノソナタ 第21番変ロ長調。
先ほどのクリアな音質とは異なり、柔らかみのある音から滑り出していく。
金子三勇士、ここのところ、この曲の練習、曲の解釈にずっと取り組んできて、
この日が初めての観客の前での演奏となる。
第一楽章にある旋律にクリスマスのメロディーが含まれる。
この楽章の演奏を終えた後、少しの間三勇士は目頭をぬぐっていた。
汗ではない、演奏しながら泣いてしまったのだ。

第二楽章、第三楽章と進むうちにピアノの響きが変わってくる。
激しい部分、軽快な曲調の部分でそこは著しく感じられた。
弾きこむことで演奏者とピアノが一体となり音が変化していくこと、
ピアノにも血が通ってくる。

演奏を終えて金子三勇士、
「ヨーロッパのクリスマスは日本とはまた少し違い、
寂しいような印象もある。
それを演奏しながら思い出してしまって・・・」
と言葉に詰まり涙。

「この雰囲気の後に次のアンコールというのも何なのですが。」
との言葉に三勇士の気持ちを思いしんみりした会場からは暖かい笑い声がこぼれる。
選んだ曲はバッハ・フランス組曲よりサラバンド。
ピアノの音と演奏者、観客の気持ちにこの曲はぴったりと重なった。

ヨーロッパのクリスマスはかつての日本のお正月のようなイメージ。
お店は締まり、家族や親類の集まりが中心。
そしてハンガリーの冬は寒さが厳しく日照時間も短い。
金子三勇士のクリスマスの物悲しい印象とは、
家族と離れて一人ピアノの練習のためにブタペストに滞在した学生時代、
そんな思い出から来るのだろうか。
それでもその時の辛さこそが、
彼をこの日にこれだけ観客を感動させるピアニストへと導いたに違いない。

MIYUJI 2012

2012-11-12 18:10:22 | ピアニスト 金子三勇士
11/21発売予定の金子三勇士の2ndアルバム"MIYUJI 2012"
既にアマゾン、タワーレコード等で予約が始まっている。
一足先に受け取ったアルバムを週末にじっくりと聴いた。

1stアルバムがエッジが効いた新進ピアニストというイメージであったのなら、
2ndアルバムはもう既にクラシック界では第一線の旬なピアニストとなった
今の金子三勇士の「らしさ」がストレートに表現されている。

ベートーヴェン:ピアノソナタ第8番ハ短調作品13「悲愴」
バルトーク:セーケイ人たちとの夕べ
      ルーマニア民族舞曲
      オスティナート(ミクロコスモスより)
      ピアノソナタ
J.Sバッハ:フランス組曲第5番

ボーナストラック
バルトーク:子供のために

ベートーヴェン、バッハ、バルトーク。
クラシック音楽の3Bと言えば最後はバルトークではなくてブラームスだそうだが、
金子にとっての3Bはバルトークだそうだ。
金子のコンサートに足を運んだことのある方なら、このCDに収められた3大作曲家の曲、
お馴染みに違いない。

昨年、家人が大病をした折に病院に通いながら、
次回の金子のCDはぜひ「癒し」につながるものであってほしいと願ってきた。
最初のベートーヴェンを聴きながらそれが実現したと思うと大きな喜びに包まれた。

バロック音楽、バッハも金子三勇士には良く似合う。
ピアノのない時代の曲、ピアニストの品格と才能があってこそ、彩ることができる。

ボーナストラックのバルトーク:「子供のために」
まだ幼稚園にも入らぬ頃、ハンガリーの祖母からプレゼントされたコチシュのこの曲のアルバム、
それを聴いたことがピアノの道に進むきっかけになったという。
その曲を本人がとうとう自分の演奏でCDに収めることができた。
バルトーク、日本ではどうしても知名度が低い。
日本で人気がある作曲家の演奏と共にハンガリーで愛される作曲家の曲を、
紹介していくことも金子三勇士のこれからの使命だと私は思っている。


金子三勇士・としま区民芸術祭@東京芸術劇場 9/16

2012-10-20 09:02:04 | ピアニスト 金子三勇士
画像はハンガリーに里帰りした際に友人と街角で談笑する金子三勇士。

9/16、金子三勇士「題名のない音楽会」での出光音楽賞受賞コンサート、
リスト・ピアノ協奏曲第1番、第4楽章の放映を観終った後、
その日の午後の予定がなくなったこともあり、
金子三勇士がゲストで出演する豊島区民芸術祭、豊島区管弦楽団演奏会、
日曜に電話が通じるだろうかと思いつつ、連絡してみる。

東京芸術劇場にて開演1時間前より、当日券が出るとのこと。
早速向かうことに。
家から湘南新宿ラインで池袋は一本。
30分弱で着く予定が、駅に着くなり信号点検のため電車は不通とのこと。
他の経路で行くことも考えたが30分以内に復旧と聞いたので、
そのまま駅で待つ。
開演30分前には何とかコンサートホールに着くことができた。

当日券は¥800。
左右と中央、3ブロックに分けられているが、ステージに向かい右側前方に空席が目立つ。
視界音響共に良い中央付近を中心に席は埋まり、
前方ではピアニストの指が見える位置左側がふさがっている。
受付の人に勧められてC列右から3番目を選ぶ。

ほどなく開演となり、金子三勇士がステージに登場。
挨拶したところまでは見えたが、ピアノに座ると、
私の位置から見えるのは三勇士の前頭部と足元のみ。
同じ列の私の左側、ほとんどが空いているので真ん中付近まで、そっと移動。
それでも視界に変化はない。

吉村隆・大河ドラマ『平清盛』組曲
組曲の中にピアノはないが、ドラマ中に挿入される曲の中に、
左手のピアニストとして知られる館野泉氏の演奏されたテーマがあるそうだ。
今回は特別に金子三勇士のためにピアノの部分が編曲で加えられたのこと。
荘厳で大河ドラマに相応しいスケールの大きい曲。
金子三勇士、左手のみの演奏。
そして待機時間が長い。
しかし、頭のてっぺんの髪の毛がちょっと、そして靴しか見れないのは、
残念なものがある。
本人に連絡すればアーティスト枠のチケットとかを調達して貰えたかと思うが、
本番前に煩わせたくないのと、あえて自分自身でできる範囲で応援したいというのが、
私のスタンス。
またそのプロセスを楽しんでもいるつもりだ。

最初の曲が終わり、幕間に入場してくる人たちがいる。
その隙に席を立ち、周りの様子を見ると、右ブロック中央付近に空席が一列あるので、
そこに移動する。

ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調
このピアノ協奏曲の特徴としてオーケストラの演奏からピアノへと導かれるのではなく、
いきなりピアノから始まっていく。
先ほどの席とは違い視界も音響も抜群だ。
思い切って移動して良かったと胸を撫で下ろす。
第三楽章のフィナーレではオーケストラと共にピアノがグルーヴ感たっぷりに
軽快なメロディーを奏でる。
爽快な印象を残してエンディングを迎えた。

この曲の公開初演は1808年、ウィーンにて交響曲「運命」と「田園」と共に、
上演されたそうだが、この二つの交響曲に挟まれて演奏されたピアノ協奏曲、
として歴史に残る作品といえる。

演奏をホワイエで待ちながら、年配の女性がご一緒しているお友達に、
金子三勇士についてレクチャーしているのが聞こえてきた。
「6歳でね、一人でハンガリーに行ったのよ。
もちろんおじいさんやおばあさんがいたとしても凄いことよ。
それも天才だからこそだと思うの。」

演奏終了後、後ろの席の老婦人が「NHKで聴いた時も良かったけれど、
やっぱり生は素晴らしいわ。」と繰り返しているのが聴こえてきた。
金子三勇士、着実にファンが定着してきている様子に聞き耳を立てながら、
思わず顔が綻ぶ。
この日の演奏と共に満たされた気持ちで家路についた。

金子三勇士・9/16「題名のない音楽会」に出演

2012-09-17 00:00:09 | ピアニスト 金子三勇士
8/23に東京オペラシティーコンサートホールで行われた出光音楽賞、
授賞式と受賞者コンサート。
当日には会場の四方隅々、ステージ上などいくつものカメラが備え付けられていた。
カメラマン達がカメラの前でスタンバイしながらインカムで連絡を取り合っている。

8/23、ガラコンサートについてのブログ
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20120825

当日はマリンバの塚越、休憩後に金子のピアノ、そして萩原のピアノ、
という順番だったが、テレビ放映では金子、塚越、萩原という順になった。

金子三勇士の略歴と共に子供の頃からの写真が紹介される。
リストが手が大きかったという説からアナウンサーの女性と手の大きさを較べる。


この写真で見ると金子の手がかなり大きく映っている。
ショパンの手は小さく、リストは大きいという言い伝えがあり、
実際それぞれの手形も生家やゆかりのある観光地では売られていると聞くが、
リストの手の大きさについては定かではない。
金子三勇士も手が極端に大きいとは思えない。
いったいどこからあのような演奏が生まれるのか、手の掌の筋肉や大きさ、
なども重要ではという話題になる。

リスト・ピアノ協奏曲第1番
コンサートで演奏した全曲の中からテレビ放映では第4楽章のみ。
しかしこの最後の楽章には楽曲全体のパッセージが含まれ、
フィナーレはダイナミックで華やか。
リストの世界、金子三勇士のエッセンスがここに詰まっている。

実際に行った演奏会の映像を観てみると、
コンサートでは見えなかった豊かな表情や指使いがクローズアップされてくる。
リストの超絶技巧曲、視覚では捉えられないほどのスピードで手が動く。
演奏の後半からの自信に溢れながら、オーケストラと指揮者を信頼して、
アイコンタクトする様子。
終わった後のとびっきりの笑顔。

コンサート、生で観るのももちろんだが、
優れた映像には肉眼では気付けなかったものが現われる。
もちろんたくさんのカメラで撮られた映像を
いかに編集したかによるところも大きいはずだ。

第2回 あの人気CMソングの秘密とは?!「奇跡の3分間クラシック」

2012-09-15 00:57:21 | ピアニスト 金子三勇士
第2回 あの人気CMソングの秘密とは?!「奇跡の3分間クラシック」


金子三勇士、リスト「ハンガリー狂詩曲第2番」、ベートーベン・ピアノソナタ「悲愴」
2つの曲を日本語、英語、ハンガリー語の3つのヴァージョンで解説している。
演奏ももちろん素晴らしいが、それぞれの言語を話す時の声や表情の変化、
初秋へと向けてアウトフィットも決めているところが心憎いばかり。
いつも思うことだが、彼の作り出す最初の一音、ここへの感情の乗せ方の心配り、
最後の余韻を残して終えるところ、この映像で観るとくっきりと浮き出てくる。

三勇士君、楽しく拝見いたしました。
これをぜひ、シリーズ化してくださいね。

金子三勇士、8/23の出光音楽賞で演奏したリスト・ピアノ協奏曲第1番、
9/16(日)テレビ朝日系「題名のない音楽会」にて朝9時より放映される。