Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

エリック・べネイ6thアルバム「ザ ワン」本日発売

2012-04-25 09:44:12 | エリックべネイ、2012年5月来日
予約したEric Benetの新譜、昨日の夕方にはタワーレコードに入荷
とのことだったので、夜8時頃だろうか、取に行ってきた。
渋谷駅に着くと雨が降っている。
一瞬迷ったがタワレコまでダッシュ。

4階のソウルコーナー、"The One"が目立つ位置に平積みになっている。
前作のアルバム、"Lost In Time"もある。
その他にアルファベット別のセクションにもこのアルバムは置いてある。
予約したアルバム、カウンターに行き尋ねると、
レジの後ろのボックスに予約者名毎にタグされてまとめられている。
この箱の人が皆、エリックべネイの新譜を予約したんだなと思いニンマリ。

目の前に積まれた"The One"には「イベント参加特典商品」とあるので、
お店の人に予約した人以外にもまだサイン会参加券入りのCDが買えるのかと確認。
まだの方のためにツイート。
係りの人によると用意された参加券は約100枚程とのことでした。

外に出ると雨は止んでいる。
ゆっくり歩くとタワーレコード、駅から思ったほど近くない。
行きは雨の中、アルバムのことで頭が一杯でこの道を走ったんだな、
と思うと笑える。
この年になってこんなにほしいもの、
楽しみに思えることがあるのはありがたいことだ。

先週はナイル・ロジャースのライヴで救われたものの、
私にとっては厳しい一週間だった。
それでも雨上がりの渋谷への道をエリックの新譜を抱え歩いていると、
口角が上がり、顔が綻んでくるのを抑えられない。

そのまま恵比寿のソウルバー「ブラウンシュガー」にアルバムを持ち込み、
開店直後でまだ私達だけだったので早速掛けてもらう。

このアルバムからのセカンドシングルとなった"Harriett Jones"
YouTubeの映像で聴くよりもずっとアップテンポなビートの効いた曲に仕上がっている。
この曲は今回の来日で歌うのではないだろうか?

続く"News For You"もアース ウィンド&ファイヤーを彷彿させるイントロから始まり、
前のアルバムからのテーマ、70年代を感じさせる。

そして昨年の9月にシングルカットされた"Real Love"
エリックがマニュエラと結婚し変わらぬ愛、育む愛の尊さを歌った曲。
メロディーと歌詞の美しさ、昨年から聴き込んだだけに心に沁みる。

"Readbone Girl"はリル・ウェインがフィーチャー。
いつものエリックべネイとは違った雰囲気が引き出されている。

"Muzik"はとうとう実現したエリックの娘インディアとのデュエット。
前作までインディアは「フ~」とか「ハハ~ハ~」というバックコーラスのみだったが、
今回はしっかりと歌っている。なかなか巧い、良い感じだ。

"Lay It Down"
エリックの言っていた「カントリー調の曲もある」とはこのことだろうか。

"Here In My Arms"
エリックの妻、マニュエラが作詞してエリックがメロディーを付けた
昨年に誕生した娘ルチア・ベラへの子守唄。
最初エリックが「子守唄」をマニュエラと作ったと聞いた時、
エリックの歌う子守歌って?と思ったが、
大人も癒されるしっとりとした美しい曲。

レゲエ風の曲もあると聞いていたが、それは"I Hope It's You"

自身のレーベルを起ち上げ、ワーナーを離れたエリックべネイ
(日本のみ、引き続きワーナーが販売元)
「好きなように作った。レゲエ風もカントリー風もあり」
と答えるのを聴いた時に、いったいどんなアルバムになるかと少し心配もしたが、
「それでも全体を聴くと凝縮された統一感がある。」
とのエリックの言葉通りだった。
前作に引き続き、70年代テイストがテーマでまとめられる中、
所々、新しいフレーヴァーが添えられている。
エリックべネイの今の心境が込められた上質で旬なアルバム。
エリックの愛と優しさが詰まっている。

アルバムは"Here In My Arms"で終わっているが、
その後に国内盤ボーナストラックが付く。

"Come Home To Me"
これは私も初めて聴く曲だ。
ジュール・アングレイとのデュエット。
これこそカントリー風だ。

"Touching Again"
アメリカのコアなファンの間で人気があり私も持っていたが、
ずっと未発売だったとてもセクシーな曲。
とうとうこのアルバムの日本盤に入った。

"That's My Lady"
これもアメリカのファンから分けてもらって持っていた好きな曲。
ラテン風のロマンティックな歌。

さて、ざっと駆け足で手に入れたアルバムを聴いてみた。

国内盤のボーナストラックはいつも嬉しいが、
アルバム自体がボートラの前で一つの完結した形になっていること、
聴く方もその辺りをご了解の上で鑑賞して下さい。

日本国内盤は本日の発売となるが、アメリカは5月初めの予定が、
6/5発売と延期された。
あちらの販売元はEMIなので、そういった関係だろうか。
しかし今回、日本では発売日にリリースされた。
4作目までは大幅に遅れることが多かっただけに、
この予定通りは嬉しい。
ライヴでは新しいアルバムからどの曲を歌うのだろうか。
これからしっかりと聞きこなして5月の来日へと備えたい。

「ブラウンシュガー」でかけてもらっていると、
後から入ってきた方が「これっていつのエリックべネイ?」
声を聴くだけでエリックとわかるとは凄い方だ。
「明日発売のです」と答えると早速アマゾンで予約購入されてました。

アメリカンアイドル シーズン11 トップ8→7

2012-04-24 07:39:32 | アメリカンアイドル
トップ8、今回のテーマは80年代の曲。
ゲスト・メンターはノー・ダウトのグウェン・ステファニーとトニー・カナル。

デアンドレ、デバージュ"I Like It"
この人はこういう路線がほんとうに似合っている。
客席に座りながら歌い始める。
立ち上がり、周りと握手しながらステージへと。
途中でこの番組のプロデューサーで「アメリカンダンスアイドル」の審査員も務める
ナイジェルとハイタッチ。
手が届かない観客にもデアンドレの方から手を伸ばす。
ファルセットの部分は磨きがかかってきているが、地声の部分が少々不安定だ。
全体を通して歌いこなせていない印象が拭えない。
それでも魅力たっぷりのステージだった。
トップバッターの心境を聞かれて「キメないと忘れられてしまう。」

エリーズ、最初の予定だった"Hallelujah"から
フォーリナーの"I Want To Know What Love Is"
黒のロングスカート、ワンショルダーのシックな白のブラウス。
最後はクアイヤーが登場。
最初に音を外してしまいそれを最後まで引きずってしまったようだ。
リハーサルでは良さそうだったが、本番では声も良く出ていないようだった。

コルトンとスカイラーのデュエットで"Islsnd In The Storm"
カントリー専門のスカイラーがリード気味、しかし二人の息はぴったり合っている。

フィリップ、ジェネシス"That's All"
ずっと好調だったフィリップがここに来て苦戦しているように見える。
歌う声が伸びやかではなく、苦しげに聴こえた。
しかし義理の兄をギターに迎えて二人での演奏。
兄弟愛の深さに観客を感動させていた。

デアンドレとホリーのデュエット、ポインター・シスターズ"I'm So Excited"
二人とも楽しそうにパンチの効いた歌を聴かせた。
しかしながらデアンドレのちょっとした仕草がエリック・べネイにほんとうに似ている。
観客を取り込むところ、デュエットで見つめ合う様子、私はそこにエリックを見た。

ジョシュア、"If You Don't Know Me By Now"
グエンからテクニックが際立ちすぎると、かえって鼻につくこともあると指摘される。
確かに最近、そう思っていた。
最初にクワイヤーの歌から始まり、ジョシュアの登場。
先週と同じような黒地のジャケットにゴールドのドット。
ドレスアップしている。
アドバイスに従って、あえて抑え目に間を取ったことで、
ハイライト部分が引き立つ。
彼は優勝を狙える人だ。

ジェシカ、ホイットニー・ヒューストン"How Will I Know"
を歌い喝采を浴びる。
ずっとドレッシーだったのが、今回は高校生らしいジャケットにTシャツ、
黒のパンツ。
バンドとのコンビネーションがいい。
まだ高校生なのに舞台に上がると大人のエンターテイナー顔負けだ。

エリーズとフィリップのデュエットで、
トム・ペティー&スティーヴィー・ニックス、"Stop Dragging Mr Heart Around"

ホリー、映画「フラッシュダンス」のテーマ曲"What A Feeling"
この映画はテーマソングと共に当時、たいへん話題になった。
しかしヒロインの鉄鋼の溶接をしたりして働きながら
ダンサーを目指すタフな女の子のイメージと、
ホリーがどうしても結びつかなかった。

ジョシュアとジェシカのデュエット、
アレサ・フランクリンとジョージ・マイケル"I Knew You Were Waiting For Me"
ジェシカはゴールドのトップの黒のロングドレス、ジョシュアは白い光沢のあるスーツ。
R&Bテイストたっぷりだ。
二人とも10代とは思えない。今回のデュエットの中では断トツだ。

コルトン、シンディー・ローパー"Time After Time"
審査員には好評だったが、アレンジで原曲の美しさが消えてしまったように思えた。
声が演奏とところどころ、マッチしていない。

スカイラー、最初、やはり映画のテーマソング"9 To 5"を歌おうとしたが、
迷った末、"Wind Beneath My Wing"
アップテンポでわかせる曲よりも、じっくりと聴かせるこの曲にしたのは正解だ。
感情が迸る。彼女の雰囲気に合っていて自信に溢れていた。

全体的に余り出来栄えが芳しくないと思うのは、
私が80年代の曲に思い入れがあるのに対して候補者たちにとっては、
馴染みのある曲がなかったからだろうか。

結果発表。
デアンドレがワーストに選ばれてしまった。
優勝、あるいはトップ3は難しいかと思っていたが、
この段階でワーストに選ばれたのは心外だった。

生き残りを賭けて選んだ曲はスティーヴィー・ワンダー"Master Blaster"
なぜスタンディングオベーションを受けて絶賛されたエリック・べネイ"Sometime I Cry"
ではなく、余り高い評価を受けなかったこの曲を選んだのだろう。

残念ながらワイルドカード、審査員が落選を救う権利を行使するカードは使われなかった。
デアンドレの今までを振り返る映像が映る。
エリックべネイが番組に応援に来た映像もある。
デアンドレ、まだまだ磨けば光るものを持っている。
これからも経験を積んで自信を付け、
ぜひ、スケールの大きなアーティストへと成長して欲しい。

Nile Rodgers and CHIC 4/18 2nd - 4/21 2nd 2012

2012-04-23 14:14:55 | NILE RODGERS & the CHIC organization
ナイル・ロジャース・ウィークが終わった。
爛漫に花を咲かせたかと思うと、一気に散っていった今年の桜のように、
今回は短い滞在、4日間で去って行った。
それでも年越しのライヴ、12/28~1/2に掛けての来日があるという
嬉しいニュースを残して。

ナイルロジャースに関してはコアなファンがたくさんいらっしゃるので、
詳しい内容はその方達に委ね、私の個人的な感想のみとします。

18日のセカンド、ナイルはバンドのメンバーよりも先に一人で、
ステージへと向かう。
ちょうどナイルの通る位置にいたので、夫と共に挨拶&ハグ。
壇上ではナイルが今日が自分にとって特別な日、
パートナーだったバーナード・エドワーズの命日であること、
だからバンドの皆よりも先にこうやってステージ上で、
そのことを話したかったんだよと。
シックのライヴに初めての人はどれくらいいるかと挙手させる。
手を上げなかった、上げるのをためらった人がいたとしても、
相当なと言うか、ほとんどがリピーターに間違いない。

昨年のようにメンバー達が"Hanging"で登場。
そこからはCHICのヒットメドレーがテンポよく続く。
今年は今までにはなかった"Notorious"もセットリストに加わった。

途中でヴォーカルのキンバリーとフォラミが退場した後、
なかなか戻ってこない。
後で聞いたことによるとキンバリーの衣装が壊れてきてしまい、
修復できそうになかったために1stで着た衣装に二人で着替えて、
戻って来たそうだ。

その間、残ったメンバー達はアース ウィンド&ファイアーの"Sun Goddess"
を演奏し始める。
続いて、なんと同じくEarth Wind & Fire"Fantasy"が始まる。
しかし誰もフィリップ・ベイリーのファルセットのパートが歌いこなせずにいると、
いつの間にか戻ってきたキンバリーとフォラミが二人で最後の部分で加わり、
歌い切った。

その後、サイン会、サイン会終了後、一人づつの記念撮影ありとのことだったが、
時間も遅かったので諦めようかと思い、階上へ上がると、
既にサイン会は始まっていた。
ナイルの著書"Le Freak"にサインを貰いつつ、読んだ感動を話すと、
「良くわかってくれたね、ありがとう。キスしてもいい?」
頬にキスしてくれました。
写真撮影は残念だけど諦めて帰宅。

3日後の土曜、最終日のセカンド。

日本に来てから毎日2時間しか寝ていない、
というナイルのツイートを読み、体調が心配だった。

整理券を取るためにブルーノートの前に行くと、
既に1stが始まっているようで周囲に人はいない。

ブルーノートのスタッフが入り口付近の歩道、隣の店の前に至るまで、
黙々と箒と塵取りで掃除をしている。
この辺りは喫煙場所、煙草の灰が散る。
周りに人がいない時に、こうやってきれいにしてくれていることを知った。

この日は最終日ということもあり、たいへんな混雑。
Mr.Yが作ってくれたお揃いのTシャツを着る仲間たちがたくさん。
今年は昨年にも増して、Tシャツの色、ロゴの色、
いろいろなヴァリエーションに富んでいる。
席はキャッシャー前のカウンターとなる。

この席、終了間際には飲み物も片付けられ、
椅子も撤去せれてしまうものの視界、音響共に中々良かった。

観客や店内の様子もよく見えるが、ブルーノートのスタッフ達が、
飲み物など混雑した店内でぶつからないように注意深く持ち運ぶ様子、
会場の状況に問題ないか巡回してくれていることがよくわかった。

Nile Rodgers、初めて見た赤いスーツを着ている。
思わず「ナイル、赤もとっても素敵!」と言わずにはいられない。
メンバーは白がテーマカラーだが、フォラミとキンバリーは、豹柄+赤。
アーティストの通り道なので全員に挨拶ができた。

さてこの日のメインイベントはギターコンテスト。
以前は毎回だったのが、昨年から映像による予選後、
決勝が一度だけ行われる。

候補者たちは5人。
最後に拍手で優勝者が決まる。
ナイルは気が向くと演奏に加わったり、加勢したり。
ナイルが演奏に入ると空気感がガラッと変わる。
あのキレ味のある独特のカッティング、澄んだ音色がさすがだ。
3番目の男性がテクニック的には勝っていたようだが、
2番目の札幌から来た男性がキャラクター的に人気大で優勝。
ステージに上がった時もアーティスト皆に頭を下げてから、
謙虚に演奏を始め、ナイルと一緒にギターを弾く時もとっても嬉しそう。
優勝が決まると泣き崩れているのをナイルが優しく祝福している。

最後はバンドのメンバーが"Hangin'"で退場した後、
一人残ったナイルのギターソロが炸裂した。
こういう終わり方もいい。
退場する時も前を通ってくれたので「ハグしてもいいですか?」
と聞くとにっこり"Yes"と答えてくれた。
疲れているはずなのに、どこまでも優しい。

最後のサイン会はたいへんな行列だ。
この日は時間に余裕があったのでさばけるまでしばらく待った。
ベースのジェリーが、私の友人のフランス人家族が来ていて、
前夜会ったよ、と話しかけて来てくれた。
彼女たちは最終日2ndに来るつもりでいて満席で諦めたと伝える。
ジェリーは今回の来日では洋服や靴、気に入ったのを見つけて、
ショッピングも楽しんだと早速買った靴を今日履いていると見せてくれる。
フォラミもステージ衣装とはガラッと違えた私服姿が可愛い。
いつもお洒落で素敵だ。

列が少なくなってきたので同じTシャツの仲間たちでナイルと一緒に撮影となる。
翌日、アメリカへと旅立ったナイル、この写真を早速自身のページへと載せてくれた。

昨年は日本も非常時、ナイルロジャースも術後で体調が心配された。
今年、ナイルが少しふっくらとした姿で戻ってきてくれたのは、
ほんとうに嬉しかった。


エリックべネイ、新宿にてインストア・イベント

2012-04-21 07:26:57 | エリックべネイ、2012年5月来日
5月16日(水)17日(木)とブルーノート東京にてライヴを行うEric Benet、
前日5月15日(火)21:00~タワーレコード新宿店にてインストア・イベント、
トーク&サイン会を行うことになった。

タワーレコード渋谷店、新宿店にてエリック・べネイの新譜"The One"の購入、
予約を行うとサイン会参加券が貰える。
サイン会参加券は数に限りがあるが、イベント観覧は入場フリーとのこと。
場所は7階のイベントスペース。

トーク&サイン会だけでも充分だが、マイクを持ったら歌ってしまうのでは?
昨夜遅くにタワーレコードは11時まで連絡可と教えていただき、
私もぎりぎり電話予約をしました。

昨夜の様子ではまだ残りの参加券もあります。
今日ならまだ間に合うはず。
東京近郊の方、ぜひ、ご参加を。
ライヴに先駆けてエリックに会えます!
飛びっきりのお話も聞けるかも。

詳細は下記へ:
http://wmg.jp/artist/ericbenet/news_40201.html?cid=fb_wmnews


1996年4月18日、そして「We Are Family」へと

2012-04-18 00:27:05 | NILE RODGERS & the CHIC organization
1996年の4月、日本はまさに桜の季節だった。
春の暖かな陽気の中、まだ残っている美しい桜の時期に自分が間に合ったこと、
"Sakura"は短い期間しか花が咲かず、日本人にとって神聖な意味を持つ、
とナイル・ロジャースは綴っている。

武道館でのコンサートとJTの企画で2時間枠のテレビ番組の収録があること、
ナイルは浮き立つような気分で親しいアーティスト、このコンサートに相応しい人達、
へと声を掛けてメンバーを集めた。
そして新しいCHICのメンバー編成もした。
もちろん昔ながらのパートナー、バーナード・エドワーズも一緒だ。
このことがこれからの新しいCHICへの最初のステップとなる予感もしていた。
今までにない素晴らしい演奏ができるという実感もあった。

事態が悪くなったのはその24時間後だった。
「少し横になりたい。点滴とかできるかな?元気になれるように。」
とバーナードが言った。
プロモーターとエージェントに話すと医師が呼ばれる。
「コンサートはキャンセルして直ちに入院してください。」
と告げられ、ナイルもコンサートを延期して日を改めるようにプロモーターと話す。
しかしバーナードは譲らなかった。「医者と話したい。」
バーナードはコンサートは行うこと、終わり次第病院へ行くと医者を説得し、
点滴を打ってもらった。

プロモーターも延期しても問題ないと言ってはくれたものの、
バーナードが「ここまでわざわざやってきて、寝てろって言うのか?」
"The show must go on"と譲らなかった。

コンサートはダンサーも含め、優秀なアーティストも備え、
舞台装置も完璧なものになる。
普段は感情的にならないバーナードも始まる前に既に感極まり涙していた。

曲の途中でバーナードとアイコンタクトしようとすると彼は舞台にいない。
どうしたのかと思いつつ演奏を続け、もう一度探すとバーナードはステージにいた。

休憩の時にバーナードから「実は気絶してしまったんだ。
そして一旦、舞台の袖に運ばれて、名前を呼ばれて意識を取り戻したから、
また演奏に戻ったんだ。」

その時に自分はただ話を聞いていた。
バーナードの口から具合が悪いとか、弱音は一つも出なかった。
「さあ、残りのショウをがっつり行こうぜ!」と言われて、
「もちろんさ!」とナイルロジャースは答えた。

後半もバーナードはエネルギーに溢れていて、
輝くばかりの演奏を聴かせた。
会場は満員、テレビのカメラも何台も置かれ、
観客もアーティストも何もかも素晴らしかった。

コンサートは3時間に及んだ。
ホテルへ戻った時に病院へ向かうようにバーナードへ言ったが、
「今は疲れているから、ただ部屋で眠りたい。」
ナイルは食事に出かける時にもう一度バーナードへ電話する。
何かいるものはないのかという質問に「大丈夫だ。横になりたいだけだ。」
とバーナードは答える。

その晩、眠っていたナイルは突然、衝撃を感じて飛び起きる。
時間は1:33だった。
地震かと思ったナイルは一緒に休んでいたパートナーの女性を起こす。
彼女は違うと思うと言ったが、テレビで情報を確認した。
どこにも地震があったというニュースは流れていなかった。

翌朝「バーナードさんのお部屋にモーニングコールを掛けているのですが、
応答がありません。」とフロントから電話があり、
「すぐ近くの部屋だから僕が起こしに行くよ。」とナイルはバーナードの部屋へ向かう。
応答がないので、ハウスキーパーに部屋を開けてもらう。

そこでナイルがみつけたのは、ソファーで横になってつけたままのテレビの前にいる
変わり果てたバーナードの姿だった。
ソックスに凝固した血液の塊がある。
ナイルは駆け寄り、起こそうとする。
しかしバーナードの頬に触るとコーヒーテーブルのように冷たかった。
何が起きたかと理解したナイルは取り乱し泣き崩れる。
ハウスキーパーはなすすべもなく、警察が呼ばれた。
混乱した気持ちの中にもナイルの心の中で「ずっとバーナードの世話になってきた。
今度は自分がその恩を返す番だ。」という覚悟のようなものが定まってきていた。

その時期、当時アメリカ大統領だったビル・クリントンが来日していた。
時が重なったこともあり、事態は複雑になった。
また日本ではエバーミング(遺体の防腐処理)などをしないために、
どのようにしてバーナードの家族へ遺体を渡せるかなどナイルは悩む。

検死が終わり、鑑識から報告が上がってくる。
死亡推定時刻は午前1時から2時と言われて、
ナイルは「地震のあった頃なのか?」と尋ねる。
英語の堪能な刑事に1:33の出来事を話した。
刑事は言った「日本は地震が多いので、小さな地震も細かく観測されています。
その時間には地震はありませんでした。
それはきっとお友達があなたに別れを告げにやって来たのです。」

警察署からホテルへと戻るために駐車場にいた時だった。
刑事がナイルのところへやって来る。
「お友達のところに行ってあげて下さい。」意味が分からないナイルは聞き返す。
「こちらに来て、お友達に会ってあげて下さい。
そして好きなだけ一緒にいてあげて下さい。」

小さな部屋へと案内されるとそこには祭壇が作られていた。
棺に入ったバーナードの様子をガラス越しに見ると、白い着物を着せられていた。
最も悲しかった日、その終焉は荘厳なまでに美しかった。

エピローグ:"We Are Family"

バーナードの死から14年が過ぎた。
いつも彼が一緒にいてくれると感じながら時は過ぎていった。
彼の死は受け入れるすべもなかったけれど、ただひたすら前進あるのみだった。
このような悲劇的な出来事はまた酒へと走らせてしまうというのが通念だ。
しかし、むしろ自分は反対に、バーナードの死を通して、
自分はしっかりしなければいけない、決して飲んではいけないと決意は固かった。

ずっと忙しかった。
貧しいところからスタートして、不自由しない生活ができるまでになった。
自分にとって「生きている」という実感は、音楽抜きには考えられない。

2001年9月11日、シアトルからニューヨークへと嵐の中、ナイルは飛行機で帰宅した。
家に戻ると彼女のナンシーが「たいへんなことが起きている。」とテレビを指した。
犠牲者の中にずっとナイルのポートレイトを撮ってきてくれた親しいカメラウーマンがいた。
ナイルの電話は鳴り続ける。
「"We Are Family"を使ってアメリカ全土を癒してほしい。」と依頼があるが、
あれはシスタースレッジに書いた曲だし、
その時点では自分の中では全くそんな気持ちにはなれなかった。

ダイアナ・ロスを始め、パティー・ラベル、ルーサー・バンドロス、
クイーン・ラティファ、ポインター・シスターズ、そしてシスタースレッジ自身、
多くのアーティスト、俳優、女優からも支持を受け、
"We Are Family"のレコーディングがニューヨークで始まった。
ただアーティストが集まるだけではなく、
愛と平和への願いが込められた作品にしたかった。

引き続きLAでもレコーディングが行われることになり、
飛行機に乗るとその日のクルーたちは皆、
あの嵐の日にナイルが乗った9/11の飛行機の時のメンバーだった。
彼らからあの日以来、初めてのフライトだと聞き、ナイルはそれぞれとハグした。

レコーディングの様子はスパイク・リーが監督したメイキングフィルムに収められた。
その他に子供たちだけのヴァージョンもコマーシャル映像監督に依頼して作成した。
この作品は2002年のサンダンス映画祭でスタンディングオベーションを受けた。
子供たちのヴァージョンも子供番組の三大ネットワークで放映される。

そこから"We Are Family Foundation"がスタートした。
最初は小さなプロジェクトだったが徐々に大きくなり、
アフリカ、中央アメリカ、ネパールなどに学校を17校立ち上げた。
今後も生活物資、基本的に安全な環境、教育環境の充実へと貢献していくつもりだ。

"We Are Family"をSister Sledgeのために作曲した時、
この曲が自分にとってこんなに大きな意味を成す結果になるとは想像もしなかった。
このプロジェクトのお祝いの会を開催した翌週、
自分はローマのコンサートへと旅立つ予定だった。
イタリアへと向かわなければならない日、主治医からナイルは告げられる。
癌がみつかったから治療を優先して欲しいと。
自分にはしなければならない仕事があるとナイルはドクターに話す。

ナイルには94年から座右の銘としているGrim Reaperの言葉がある。
Yesterday's history,
tomorrow's mystery,
today's gift,
that's why they call it the present.

人生は与えれた贈り物だ。感謝で受け止めないと。
「毎日を今日が最後だと思って生きよう」という言葉もスローガンにしている。
だからローマへと向かい、素晴らしいライヴをやってきた。

家に戻った日は空に雲一つない11月の初めて霜が降りた日だった。
寒くてひやっとする空気は身が引き締まる思いでむしろ心地良い。

これから感謝祭を家族で祝うためにラスヴェガスへと向かう。
義父のボビーがいなくなって寂しくなったけれど、家族の集まりは欠かせない。
一時期、家族と離れたこともあったが、こういう時間を大切に思っている。
今年は自分の癌の告知もあり、母に心配を掛けたくないので、
この家族の集まりを中止しようかとさえ思った。
しかしそんなことは問題ではないという結論に達するかもしれないと思い直して、
今年も祝うことにした。

明日は感謝祭だ。

***********************

2001年に9月11日を経験した後、感謝祭で家族で集まることにしたというプロローグから始まり、
翌日の感謝祭を祝うという2010年で"Le Freak"は終わっている。

今日はBernard Edwardsの命日。
そして今日から4日間、ブルーノート東京で8つのショウをNile Rodgersが行う。

Nile Rodgers "Le Freak" part.1 http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20111207

Nile Rodgers "Le Freak" part.2 http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20120306

Nile Rodgers "Le Freak" part.3 http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20120417

Nile Rodgers-Le Freak part.3

2012-04-17 21:28:15 | NILE RODGERS & the CHIC organization
明日からナイル・ロジャース&CHICのライヴがブルーノート東京で始まる。
明日はナイルのパートナー、バーナードが1996年に武道館のライヴを終えた後、
未明にホテルの部屋で亡くなった命日。
多くの本物のナイルファンがこの日をめがけてやってくる。
大切なパートナーを亡くしたナイルが
その後も彼の命日に掛けて来日してくれる感謝の気持ちを表したいから。

そして最終日のセカンドではYouTubeで応募して選考に通った有志達が、
ナイルのギターという賞品を賭けて演奏を競い合うギターコンテストがある。

メンバーが昨年度とほぼ同じというのも感慨深い。
あの余震が続き、次々とアーティストの来日がキャンセルになる中、来てくれた人達。
ナイル達は既に東京へ到着し、明日のライヴへと準備が始まっているだろうか。

ナイルの来日までに彼の著書"Le Freak"を読み終えて、
サインを貰う予定で本の内容や感想もこのブログで紹介してきた。
ライヴの前に駆け足で最後の3章を紹介したい。

チャプター13を開くとそこには死神のような黒いマントを着た男の写真がある。
1982年からナイルは周囲の人の死に度々直面することになる。
ドラッグが原因の人もいれば、病気で亡くなる人、不慮の事故に合う人。

CHICのトランぺッターに始まり、一緒に仕事をしてきた多くのアーティストが
亡くなっていく。
死神が自分に近づいてきていると最初は考えもしなかったが、
衝撃的だったのは、1990年のStevie Ray Vaghanだった。
コンサートの後、急いで帰らなければならなかったスティーヴィーに
エリック・クラプトンは自分がチャーターしたヘリの座席を譲った。
ヘリコプターは墜落し、全員が帰らぬ人となった。

その半年後、ナイルは夜明かしのパーティーからアパートメントに戻る。
新しく買ったポルシェをパーキングに停め、ドアマンに挨拶をし、
エレベーターへと向かった。
28階に住んでいたナイルはどういうわけか14階のボタンを押す。
エレベーターの中でナイルは心臓発作を起こす。
14階のドアが開いた時にナイルはロビーへと倒れ込んだ。
そこにはたまたま掃除夫がいて、彼の通報で救急隊が到着。
ナイルは病院のERへと運ばれた。
一度、心停止状態に至ったが奇跡的に心臓の鼓動は甦る。
後に担当医からいかにナイルが危ない状態だったかを聞かされる。
28階で倒れても誰も見つけてくれなかったはず。
なぜ14階を押したのか自分でも分からないとナイルは綴る。

しかし恥ずかしいことにこれでも自分は懲りてなかった、
と告白している。
その後もドラッグ、飲酒が止められずにホノルルからLAのフライトでも、
意識を失い、着陸後病院へと搬送された。
その都度、後悔しながらも薬と酒を断つには至らなかったのだ。

94年の夏にナイルは久しぶりにマドンナと偶然クラブで出会い、
その週末に開かれる彼女のバースデイパーティーへと誘われた。

マイアミに滞在していたナイルは知り合いのアーティストのショウを観に行き、
誘われてステージへと上がる。
翌日、その時の録音を聞かされたナイルが愕然とする。
完璧に自分は正気を失っている、そういう状態でプレイをしていた、
ということを初めて自覚した。

それだけではなかった。
ドラッグはナイルを経済的にも脅かしていることを管財人から告げられる。

マドンナの大切なパーティーの前に腹ごしらえに入った日本料理屋で
ナイルは完璧に出来上がってしまった。
その後行ったマドンナのパーティーで、
数々の失態を演じたらしいが自分では記憶がないそうだ。
マドンナは寛大にも許してくれたが、
ナイルは未だにその日の自分を許せそうにもないと書いている。

とうとうナイルが観念したのは次に続く出来事だった。
マフィアに追われていて脅迫するメッセージが、
留守電に入っていると思い込み、コネというコネを使った結果、
日本刀とピストルをホテルに届けさせた。
そのメッセージが幻聴だと気付き、目の前にある武器を見たナイルは戦慄した。
幻聴があるなら、幻覚でホテルのメイドやスタッフをこの武器を使って傷つけてしまう、
そんなことも起こったかもしれないと。

意を決したナイルはリハビリ施設の門を叩く。
そして退院後もそこで学んだ通りにドラッグや飲酒する環境から
自分を守る生活を8ヶ月続けた。

ドラッグも飲酒も一時的に止めることはできてもそれを継続するのは難しい。
それを成し遂げることができたのは、あの日に聴いた録音の自分の演奏のひどさ、
音楽ができなくなるのは自分にとって仕事も人生も失うに等しいと思ったからだ。

14章は1996年の4月18日へと向かっていく。

この年にナイルはマイケル・ジャクソンに請われて一度会って、
仕事の話をしたらしい。
様々な事情で傷ついていたマイケルとまだドラッグや飲酒に対して警戒心があったナイル。
二人は会見の中で気持ちの通じる瞬間もあったそうだ。
ところがナイルの言葉を誤解してしまったマイケルの表情は急に硬くなり、
最後はハグではなく、握手で別れた。
マイケルの手、繊細なはずの彼の手の感触が意外にごつかったとナイルは締め括っている。

アメリカンアイドル シーズン11 トップ9結果発表

2012-04-16 16:55:27 | アメリカンアイドル
トップ9、前回候補者達がパーフォームした曲を歌っている憧れのスター達から、
一人一人へ向けてのツイートをライアンが読み上げる。
ジョニー・ラングからフィリップへ、キャリー・アンダーウッドからホリー、
ライフハウスからコルトンへ、そしてマライア・キャリーからジョシュアへ。
それぞれ自分へのツイートを満足げに聞いている。

ライアンが言った。
「聞いてくれ、デアンドレ。君へのツイートはない。
でもこっちの方がもっといいんじゃないかな?
さあ、エリック・べネイへ挨拶しよう!」

驚きで呆然とするデアンドレ。
駆け寄り「良くやった!」と握手から抱きしめるエリックべネイ。
正面を向き、客席へもVサインを送るエリック。
デアンドレの隣に座るとエリーズが差し出した手に握手。

ライアンから「デアンドレはどうだった?」と聞かれ、
「素晴らしかったよ。」そしてアイドル全員へと顔を向けて、
「みんな、よく頑張っている。それぞれが良かったよ。」
デアンドレへと目線を移し、「君の声は個性的だ。
曲はまるで君のために作られたようにぴったり合っていた。」

デアンドレ、エリックの前でソワソワしたり、
じっと見たかと思うと、目を合わせることができずに反らしたり。
離れていくエリックのこともずっと目で追っている。
アイドルたちから「良かったねー」と声を掛けられたり、肩を叩かれたり。

この後のコマーシャルブレークの間のことをヒジュンがインタビューで、
「デアンドレは背中を丸めて膝を抱え、そこに顔を埋めながら、
『信じられない!』といった様子で頭を振り続けていた」

なぜEric Benetのゲスト出演が実現したのか。
「憧れのスター」として取り上げられた9人に候補者宛てのツイートをするように、
番組側が頼んだ。
エリックもデアンドレ宛てに「君を誇りに思った。投票するからね。」
とツイートしている。
そしてLAに住むエリックはデアンドレに会ってみたいと思って、
番組に申し入れたのだと思う。
そこから話が進んだのでは?

この番組は世界へと向けて発信されている。
この映像をきっかけにエリックを知る人、
また普段ライヴが行われない地域にいるファンもエリックの姿を観ることができる。

早速、エリックべネイ宛てに「日本のテレビで観たわよ。
デアンドレや他の候補者を励ましている様子、最高だった!」とツイートすると、
エリックべネイばかりかデアンドレのファンサイトまでリツイートしてくれた。

いよいよボトム3の発表になる。
ホリー、フィリップス、エリーズの中からはホリー。
コルトン、ジョシュア、ヒジュンの中からはヒジュン。
セーフになったジョシュアがボトム3に選ばれてしまったヒジュンではなく、
ボトム3のチェアに座っているホリーをハグしに行く。
合格者の席へと戻っていくすれ違いざまにヒジュンと肩がぶつかるが、
挨拶の言葉も何らかの気持ちを表す態度も見られない。

スカイラー、デアンドレ、ジェシカの番になると、
客席から真剣な眼差しでデアンドレを見守っているエリックべネイが映った。
このチームからのワーストはスカイラー。

最下位に選ばれてしまったのはヒジュンだった。
歌う曲はと聞かれて、動揺したのか「先週」と「昨日」を言い違える。
ライアンが歌う曲は何なのかと確認すると"A Song For You"

レオン・ラッセルの原曲をカーペンターズを始め多くのアーティストがカバーしているが、
ヒジュンの歌うのはダニー・ハサウェイのバージョン。

「今まで多くの人の前で歌ってきたけれど、
今は二人きりで君の前で歌っている。
But we're alone now, and I'm singing this song to you.
Remember, 僕が愛しているのはきみだってことを。
いつも優しくは、なかったかもしれないけれどね。
僕がいなくなったとしても、こういう一時があったことを覚えていてね。」

歌詞が心に突き刺さる。
務めて明るくふるまい、客席へと手を振って、「みんな、ありがとう。」
と歌い終えた。
ジェニファーが涙目になっている。
スティーヴンがワイルドカード、一度だけ審査員が使う脱落者を使う権利、
今回はその適用に当たらないと発表する。

ヒジュンもワイルドカードで救われると期待してはいなかったようで、
これが自分の最後の歌になると覚悟して歌っているように思えた。

アジア系としてここまで来た人は彼が初めてだ。
発音などのギャップもあり、間違いを指摘されたりしながらも、
ここまでやってきた。
その健闘を称えたい。

アメリカンアイドル シーズン11 トップ9

2012-04-15 13:23:03 | アメリカンアイドル
今回のテーマは「憧れのスター」、最も尊敬するアーティストの曲。
トップ9がそれぞれ自分にとってのアイドルの曲を歌う。
自分が目標とするアーティストの曲、普段から歌いこんできた曲を披露するだけに、
全員がレベルの高い素晴らしいパーフォーマンスを聴かせた。
ゲストメンターはスティーヴィー・ニックス。

トミー・ヒルフィンガーが引き続き服装の指導。
一過性の流行を取り入れるのではなく、
スターとして相応しい自分のファッションのスタイルを作り上げる、
という指導を受ける。

一人ずつのパーフォーマンスの他に3人一組でメドレーを歌う。
自分の本番で手一杯でここの部分が不十分な人がいる。
観客はこれも観て、投票するわけだからここも決して気を抜いてはいけない。

コルトン、ライフハウス"Everything"
前回、スタイリストに髪型をけなされたが、スティーヴィーは「自分のスタイルを大切に」
と励ましてくれる。
コルトンにとってこの曲は「讃美歌」に等しいそうだ。
「君は僕のすべて。君さえいてくれれば何もいらない。」と気持ちを込めて歌い上げる。
ステージの上に曲の世界観を表現した。
「しっかり感情移入をしつつ、それに走らず抑制を効かせたのが良かった。」とジェニファー。
真摯な姿に心を打たれる。
スター性が光っている。
客席ではコルトンの祖父が泣いている。
それを見るコルトンも涙。
応援したくなるものを持った人だ。

スカイラー、ミランダ・ランバート"Gunpowder & Lead"
男勝りの彼女らしい力強い曲。
カントリーは曲の歌詞をしっかり伝えないと、
と番組中で度々、言われるのを聞いてきた。
今回もスティヴィーから「聴く人に物語を語るように。」と言われる。
堂々としたステージ。
「南部の町の雰囲気が出ていた。」とランディー。
音域の広さも見せた。

フィリップとコルトン、エリーズでスティーヴィーの曲のメドレー。
三人とも手堅くまとめた。

ヒジュン、ダニー・ハサウェイ"A Song For You"
前回にふざけてばかりいると叱責されたヒジュン。
今回はまるで別人だった。
「今までプライドから自分の繊細さを隠していた。
それをさらけ出すんだ。」とジミー。

今年初めにダニーの娘、レイラ・ハサウェイのライヴでこの曲を聴いた。
アメアイでもシーズン5でエリオット・ヤミンが歌っている。
「大勢の人たちの前でずっと歌ってきた。
君にいつも優しくはなかったかもしれないけれど、
ほんとうに愛しているのは君のこと。
この歌は君のために歌っているんだよ。」
歌詞の内容が今のヒジュンと重なる。
観客や音楽をなめていたわけではない、という気持ちが伝わってくる。

テクニックの使い分けが完璧だ。
粗削りなところからは彼の気持ちがストレートに響いてくる。
この人はこんなに巧かったのかと驚く。
声が掠れたり、音程がずれたところもあったが、
欠点があったとしてもそれを越えるだけの深み、
歌の本質が表現されている。
こういうことがあるのがこの番組の醍醐味だ。

ホリー、キャリー・アンダーウッド"Jesus, Take The Wheel"
シーズン4の優勝者、キャリー・アンダーウッドのヒット曲。
この曲は演歌に近い歌詞だ。
カントリーソングの王道を行く曲。
リハーサルの時は良かったが、本番ではテレビの画面からは、
語りかける部分が伝わってこない。

デアンドレ、エリック・べネイ"Sometimes I Cry"
私のブログにアメアイの検索から飛んできて読んでいる方はご存じないかもしれないが、
このブログのタイトルは"Me & Mr. Eric Benet"「私とエリック・べネイ」
自称「エリックべネイ研究家」、エリックべネイを愛してやまない1ファンを自負する。
その私にとってこれは待ちに待った瞬間だった。
大好きなアーティストの曲が大好きな番組中で取り上げられる。
ずっといつかこんな日が来るかと待ち望んでいた。
とうとうエリックの歌がアメアイに登場する日がやってきた。
デアンドレが「エリックべネイは純粋なR&Bシンガーだ。
まさに僕が目標としている人。」と言うのを聞いただけで感無量。

"Sometimes I Cry"
40歳を過ぎたエリックが「今までの失恋した心の痛みの集大成を歌った」
と言っている曲。

「2年前に別れた恋人を今も忘れられない、
幸せでいてくれればと願う気持ちと恋しさが交差する。
今は自分の生活を立て直し、新しい恋人もいるけれど、
まだ彼女のことを引きずっている、
それでも今は元気な振りをしよう、ほんとうに心の平安が訪れる日まで。」
という内容の歌詞。

17歳が大人の恋の苦さや切なさを想像して、
その境地を歌おうとしたこと、エリックの曲の中でも、
難易度の高い曲にチャレンジしたことにひたすら感動してしまった。
スティーヴィーから「たくさんの難しいテクニックが散りばめられている。
それに捉われすぎると曲の美しさを失ってしまう。
ゆっくりと時間をかけて。カメラの向こうに視聴者がいる。
カメラに対して愛する人を見るような気持ちで見つめて。」とアドバイス。
デアンドレも「観る人とのコネクトを大切に歌いたい。」

持ち時間が限られていることもあり、アレンジで1節目から4節目へと飛ぶ。
デアンドレ、エリックべネイのファンであるということが良く分かる。
息継ぎや歌い方、立ち居振る舞い、そこに私はミニ・エリック・べネイを見た。
ところがデアンドレはエリックの物真似に留まらず、自分の色にも染めて、
彼独自の味わいも添えている。

カメラ目線も完璧だ。
ファルセットも申し分ない。
ランディ「エリックべネイみたいな偉大なR&Bシンガーを目指せ。」
ランディーの口からエリックを称賛する言葉が出たのにも感激。
デアンドレ、歌い終わった後もしばらく曲の世界から戻ってこない。
それだけ深く感情移入していたのだ。

ジェシカ、ビヨンセ"Sweet Dreams"
7歳からビヨンセのファンで良く真似をしていたそうだ。
しかし歌が精一杯、ダンスはとても真似できないとあきらめたらしい。
この曲がずっと好きで子供の頃から歌ってきたことが見て取れる。
彼女は若いのに既に自分の見せ方知っていて、技術もたくさん備えている。

マイケル・ジャクソンのトリビュートをヒジュン、デアンドレ、ジョシュア。
三人のハモリ、ダンスもそろっていない部分があった。
まだソロを終えていないジョシュアが一番、勢いがあった。

フィリップ、ジョニー・ラング"Still Raining"
この人はステージを自分のものにしてしまう。
アマチュアに見えないカリスマがある。
スティーヴンに「何かが乗り移ったみたいだ」と言わせた。

ディオンヌ・ウォーウィックやシーズン6の優勝者ジョーダン・スパークスが、
会場に来ている。

ジョシュア、マライア・キャリー"Without You"
すっかりドレスアップした姿が板についてジェームズ・イングラムを思わせる。
しかし光沢のある白地に黒のチェイン柄のジャケット、
曲の持ち味を消してしまう派手さではないだろうか。
感情が溢れて涙になるが、もう少し抑えても良かったかと思う。
これだけ出来の良い人が続いた後に最後の方になって歌うと、
どうしても力みが入ってしまうのかもしれない。
「自分の人生で辛かったことを思い出して歌った。
それで誰かの役に立てればと思って。」とコメント。

ホリー、スカイラー、ジェシカでマドンナの曲のメドレー。

エリーズ、レッド・ツェッペリン"Whole Lotta Love"
リハーサルではスティーヴィーの曲"Dream"をしっかりと一緒に歌っている。
今回、誰も挑戦していない分野、ハードロックの世界に観客をいざない、
どっぷりと入り込ませた。
自信を持って歌う姿には説得力があり、彼女の新たな一面を見せた。

今回は全員が自分の限界に挑戦して、追い込まれた結果、
殻を破った人が何人も出た。
回を重ねる内にどこまで成長したか、真剣に勝負を掛けてきて、
それが成功したかどうかに勝敗が掛かっている。

新しいEricBenetTシャツが発売に

2012-04-14 11:51:27 | エリックべネイ、2012年5月来日
アメリカのファンクラブの代表から新しいエリックべネイTシャツ、
22パターンの候補から販売してほしいと思う柄を選択して欲しいと
連絡があったのは先月。

4つのパターンのTシャツがネットで買えるようにアップロードされた。
前回は男女共有だったのに今回の4枚はガールズのみ。
ピンク、ブルー、ホワイト、そして体にフィットするタイプ以外に、
ルーズなビッグサイズも一枚。

見て気に入って注文しようとしたら日本への出荷が不可能だったりして、
がっかりした経験はありませんか?
このTシャツは取り寄せ可能ですが、送料がTシャツ以上に掛かってしまうのが、
ちょっと残念。

エリック・べネイの来日まで後一ケ月余り。
お友達とまとめて注文して送料は頭割り、
Tシャツを取り寄せて、ライヴの日はこれを着て鑑賞、
というのはどうでしょう?

http://www.controlindustry.com/shop/a-d/eric-benet

アメリカンアイドル シーズン11 10→9

2012-04-13 07:53:47 | アメリカンアイドル
今回のテーマはビリー・ジョエル。
ゲストメンターはディディ。
スタイリストにもトミー・ヒルフィンガーが加わる。

デアンドレ、"Only The Good Die Young"
17歳という年齢にふさわしい曲を選び、元気良くオープニングを飾ったが、
曲の味わい、そしてデアンドレの良さも出ていなかったように思えた。

エリカ、「ニューヨーク賛歌」
曲も彼女にぴったり合っているし、感情移入、テクニックも完璧だ。
アレンジを控えて抑え気味に歌うように指導された。
衣装も髪型もイメージチェンジ、今までの普通っぽい外見から、
黒髪に変えてエッジを効かせた。
「今シーズンのトップクラス。」とランディーに言わせる。

ジョシュア、"She's Got Away"
ゴスペル、ソウルミュージックが専門のジョシュア。
リハーサル中からポップミュージックには感情移入できないと悩む。
結果的に曲と余りコネクトできなかったようだ。
衣装はアドバイスに従って黒のスーツに黒のアクセントのあるタイ、
良く似合っていた。

スカイラー、"Shameless"
カントリースターらしい風格を増すようにとスタイリストからアドバイス。
出だしは不安定、途中で立て直すかと思えたが、盛り上がりのないまま終わる。
それでもこの人はカントリー専門と決めているので、すでに強い味方、
固定ファンがついているようだ。

エリーズ、"Viennna"
誰も知らない曲は不利とジミーに言われるが、一度ジミーのアドバイスに従って、
不本意な結果に至っているだけに譲らない。
ディディは味方になってくれる。
衣装のアドバイスはジャニス・ジョプリン風のベルボトムジーンズにショートジャケット、
と言われるが、こちらにも従わず女らしいドレスを選ぶ。
ここまで来ると、アドバイスを受けても最終決定をするのは自分だ。
観客はスタンディングオベーション、審査員にも好評だった。

フィリップス、"Moving Out"
番組が進むうちにスター性が抜きに出て来ている。
スタイリストからは服装がカリスマを感じられないとアドバイスされるが、
自分の普段着、自分らしくいられるグレーの重ね着で通した。
ギターを持たずに歌うようにとも言われたが、これも従わず、
ギターを持って歌い通す。
彼にとってギターはこの曲には欠かせないものだったようだ。
結果は観客からも審査員からも支持された。
この段階においては優勝候補に思える。

ホリー、"Honesty"
オフの顔は可愛らしいのに歌っている時は老けて見える。
衣装に問題があるのではという意見も出て、今回は若さのある光物系のパンツスーツ。
しかし挫折や物事がうまくいかないことへの怒りを歌う曲、
彼女の持ち味と違いすぎる。
普通に話している時に感じる魅力が歌う時には消えてしまうといつも感じる。

ヒジュン、"My Life"
ステージを動きすぎたことで歌の状態が不安定に。
余りにコメディアン的な表現の仕方にスティーヴンは不快さを隠せない。
ランディーは「それでも楽しませてくれた。」とフォロー。

ジェシカ・サンチェス"Everybody Has A Dream"
メンター達から「歌に真実味が感じられない。」とリハーサルで言われる。
テクニックに捉われすぎると歌のリアリティーが薄れてしまうと。
衣装もアドバイスに従って選んだものが彼女にとても良く似合っていた。
小柄な人はミニかロングがいい、ミディー寸が一番相応しくないと教えられる。
歌も助言を生かして格段とレベルアップする。
人の意見に耳を傾け、吸収して成長できるのも才能の一つだ。
夢を追うという歌詞の内容も彼女の今にぴったりとジェニファー。

コルトン、"Piano Man"
原曲の良さを生かしながら、自分の色に染めた。
豊かな才能を感じさせる。
「服装は誰が見本?」と聞かれて「誰の真似もしたくない。」
と毅然と答えた。

しかしどうして誰も"Just The Way You Are"を歌わなかったのだろう?
取り合いになってもおかしくないと思ったが。
聴いてみたかっただけに残念。

結果発表。
落選はエリカ。
巧い人なのにいかんせん人気度が弱かった。
また番組で先に歌った方が印象が薄くなって不利とも言われるが、
そんなことも影響したのだろうか。
基準は来週もこの人の歌が聴きたいか、どうか。
そういう意味では視聴者の共感を得るのには足りなかったのかもしれない。

Eric Benet - HARRIETT JONES [Official Lyric Video]

2012-04-12 12:34:04 | エリックべネイ、2012年5月来日
Eric Benet, Newアルバム"The One"からのセカンドシングル"Harriett Jones"
映像が先ほどから公開されている。
実は既に日本のラジオでも流れていて先週S氏から車の運転中に聴いたと
連絡を貰った。

どんな曲なのかと楽しみにしていたら、今朝ほどからYouTube映像でも、
公式歌詞付映像が公開された。
まさに70年代風、エリックべネイの後ろに三人ぐらいの男性コーラスがいて、
スローな振りを付けながら歌っている雰囲気がしてくる。
それでいてエリックの言うとおり、70年代を懐古するのに留まらず、
新しさも感じさせる曲だ。
今回の来日で歌うのだろうか。
アルバム全体を早く聴いてみたい。

アメリカのファン達が聴くよりも早く、S氏がラジオで聴いていたとは。
やはり国内盤"The One"のアメリカに先駆けての日本先行発売、
予定通り発売日にリリースとはいかずとも(もちろん4/25に発売して欲しいが)
エリックべネイの5月の来日までには間に合う気がしてきた。

Eric Ben醇Pt - HARRIETT JONES [Official Lyric Video]

Eric Benet、Ledisiと全米ツアーへ

2012-04-09 11:53:07 | エリックベネイの日々&KyteVideo
6/24~8/5、エリックべネイとレディシの全米ツアーが始まる。
ツアータイトルはB.G.T.Y(Be Good To Yourself)
ペンシルバニアからスタートして、最後はアトランタ。

ツアーで二人一緒だとデュエットが期待できるかと予想してしまうが、
アメリカでの今までのツアーでは、それぞれツアーバスを用意、
自分の出番が終わり次第、次の目的地へと移動が多い。

日本でもライヴハウスの共演だと一緒に歌うのに対し、
大きな会場、ジャズフェスなどでは個人のパーフォーマンスのみがほとんど。
自分のお目当てのアーティストのみで帰ってしまう人もいるが、
最後に全員、あるいは親しいアーティスト同士だと飛び入り参加があったりするから、
決して侮れない。

Eric Benet、5/16,5/17の来日の後は韓国で5/19,5/20とコンサート。
19日はソウルジャズフェスティバルへの出演。
同日にEarth Wind & Fire、Ledisiも参加する。
このフェスティヴバル翌日にはGeorge Benson、Al Di Meolaなども出演。
こちらの方は案外、エリックべネイのステージにレディシが飛び入り、
あるいはアース ウィンド&ファイアーにエリックとレディシが登場、
などというサプライズがあるかもしれない。
http://ticket.yes24.com/Home/Perf/PerfDetailInfo.aspx?IdPerf=11811

Eric Benet、NewCDとTrayvonトリビュートソングについて

2012-04-07 17:31:19 | エリック・ベネイ関連インタビュー
エリック・べネイ、新しいアルバム、
トレイヴォン・マーティンへのトリビュートソングについて語った
BET最新のインタビュー記事を訳してみた。

Eric Benet Talks New LP and Trayvon Martin Tribute Song
by Akex Gale 4/2
http://www.bet.com/news/music/2012/04/02/eric-benet-talks-new-album-working-with-lil-wayne-and-more.html?utm_medium=email&utm_campaign=Final+Daily+Newsletter+Redesign&utm_source=Sailthru&utm_term=BET+Daily+News+Blast&cid=sailthru

生き馬の目を抜くエンターテイメントビジネスにおいて、
YouTubeではスターが生まれ、ツイッターやSNSが次々と新しい情報を発信する。
長くこの業界に居続けることは奇跡に近くなってきた。
15分さえ名声を継続するのが困難な今、15年間続けるなどとても不可能に思える。
しかしエリックべネイはこれを成し遂げている。

発売間近のアルバム"The One"、彼にとっては7枚目となり(ソロとしては6枚目)
20年近く波乱万丈な音楽業界で偉業を刻み続けている。
その上、16年間所属したワーナーから離れ、今回のアルバムは昨年設立された
べネイ自身のレーベル、ジョーダンハウスレコードからとなる。
2010年の"Lost In Time"から沈黙を守っていたべネイ、
その間にレーベルを起ち上げ、二人目の娘、ルチア・ベラも誕生していた。

"The One"の前評判は高く、ファーストシングルの"Real Love"、
そしてそのプロモーションヴィデオも曲と同様に感動的だ。
チャカ・カーンが呼びかけたTrayvon Martinへのオールスター・トリビュートにも
べネイは参加している。
ニューアルバムではリル・ウェインとのコラボソングもある。
BET com.はエリックべネイの近況に踏み込んだインタビューを行った。

BET「"Real Love"はドラムマシンやオートチューンを使わない
クラシックな手法のR&Bですが、なぜそれに拘ったのでしょう?」
EB:最近のR&Bやポップミュージックを聴く時に、欠けていると感じるのは、
音楽の真実味。
チャカ・カーンやアース ウィンド&ファイアー、ダニー・ハサウェイ以来、
そういう曲が少なくなってしまった。
"Real Love"、そしてアルバム全体に必要なのは、
人工的ではないミュージシャンの息遣いが感じられるものだ思った。

「なぜタイトルを"The One"としたのでしょう?」
自分のレーベルを持ち、自分の曲をリリースするというのは、
長年願い夢見てきたことの「一つ」だった。
自分の創造性においてもヴォーカルや音楽面においても、
今でなければ、この計画は達成できないと思った。
僕のファンだったら当然好きな曲もあり、CDも買ったことがあるかもしれない。
しかしそうでない人にも気に留めてもらえる「一つ」であって欲しい、
そんな気持ちを込めた。

レゲエ、カントリーやクラシックな曲を前からやってみたかった。
今回のアルバムにはすべてが入っている。
アルバムの知名度を上げるためにあちこちへとキャンペーンにも行くつもりだけれど、
大切なことは人々にこのアルバムを貫いている僕の愛を感じてもらうことだ。
好きなように作ったけれども、通して聴いてみると、
僕が愛について感じていることすべてが一体となって凝縮されている。

ワーナーにいた時は、アルバムは自分の思い通りに作って良いと言われても、
結局は誰かの一存で状況が変わってしまったりした。
今回はそんな心配は無用だった。

「それがワーナーを離れた理由ですか?」
他のレーベルでも同じだと思うが、ワーナーでは数年ごとに、
エクゼクティヴが変わる。
そして人事異動やアーティストの契約の見直しがある。
新しいスタッフ達がやってくることになる。
16年間、契約が打ち切りにならなかったことに感謝しているが、
この約3年サイクルで状況が変わってしまうこと、
その都度「エリックべネイはどうしようか?どんな奴で何をやってるんだ?」
この繰り返しになる。
数年ごとに自分の音楽性や投資価値があるかが評価に懸けられることに懐疑的になった。
もちろん、独立を認めてくれたこと、好意的に受け入れてくれたことに感謝している。

今はすべての責任が自分にある、資金繰りもしなければならないし、
たくさんのチャレンジもあるけれど、僕はこれを良しとしている。
誰かの支配下にあることと較べたら、今のあり方を喜んで受け入れるつもりだ。

「"The One"の中にLil Wayneとの曲があることに驚かされますが、
これはどのようにして実現したのでしょうか?」
これを言ったら皆はがっかりするかもしれないな。
マイアミに飛んで彼と一緒に一杯やりながら、楽しく曲を作った、
なんて受ける話をできれば良いんだけれど、実は会ってさえいないんだ。

彼が僕の曲を好きだと聞いていたので、彼が望むかどうかわからなかったし、
自分でも実現すると思わなかったけれど、メールを送ってみた。
返事がなかったのでもう一度、数日後に送った。
それでも応答がないと思ってたら「今晩、改めてメールをする。」と返事が来た。
そして彼から詩が送られてきたのだけれど、これは素晴らしかったよ。
いつか一緒に仕事したい思っていて、とうとう実現した。
アルバム中の曲のコレボレーションとしては娘のインディアと組んだものにも注目して欲しい。
彼女は今20歳で優秀なシンガー、ソングライターだよ。

「最近、チャカ・カーン、ケニー・ラティモア、ケリー・プライス、
Xファクターのステイシー・フランシス、俳優のテリー・クルーズ、
アンジェラ・バセット等とトレイヴォン・マーティンのトリビュートとして、
チャカ・カーンの"Super Life"をリレコードしましたね?」
参加して欲しいと声を掛けられた時には光栄だと思ったよ。
こんなに悲惨な事件があり、そのことに抗議するために憎しみや怒りではなく、
愛を持って制する、そのためには喜んで自分の声を使って欲しいと、
参加した皆、同じ気持ちのはずだ。

「移り変わりの激しいこの業界で長く活動してこられた理由は何だと思います?」
ずっと前に一つ決めたことがある。
ソロで活動する前に僕と姉のリサは一枚のアルバムを出している。
1992年にEMIから姉弟デュオとしてデビューした。
努力もしてきたし、創造性もたくさんつぎ込んだものの、
僕達の契約は打ち切られた。
その時のアルバムは僕たちの願ったようなものではなかった。
自分たちが創作したいと思うものとはかけ離れた作品になってしまった。
その時に僕は決めたんだ。
もし、次に他のレーベルと契約してアルバムを出すような機会が巡ってきたら、
自分がアーティストとしてどうあるべきかということをまず大切にする、
そのためにはそれが叶うように、本来の自分の音楽への情熱が表現されるために、
立ち向かおうと。

その気持ちで最初のソロアルバムを"True To Myself"と名付けた。
それ以来、レーベルの思い付きに振り回されることなくやってきた。

いつもスタジオに入る時、音楽に向ける純粋な気持ち、
自分本来の創作意欲を奮い立たせる。
ラジオのヒット曲やホットなプロデューサーは誰か、
どんなドラムサウンドやキーボードが新しいか、
ではなくてね。

僕が初めてアース ウィンド&ファイアーやスティーヴィー・ワンダー、
スティーリー・ダンやクイーンを聴いた時、
あの時の感動を僕も音楽を通して聴く人に与えたいと思っている。

江上料理学院 お花見会「花よりだんご 2012」

2012-04-06 18:12:12 | 私の日々
この会に初めて呼んでいただいたのはいつだっただろう。
15年前くらい?
大好きなイベントで毎年お誘いいただくのにもかかわらず、
その後出席したのは2~3回?
4月の初め、慌ただしかったり、
季節の変わり目、自分は元気でも身内が体調を崩していたり。
昨年は震災の後でもあり、開催はなかった。

何がそんなに楽しみなのかと言えば、
江上料理学院で各講座を受け持つ講師の先生方が、
それぞれのブースにおいて自分の作った得意料理で持て成す、
お金を出して買える食べ物、外食で味わえる食事とは違い、
家庭料理の最高峰みたいな料理が並んでいる。

昨日も久々に伺ってみて、
薄味、自然な味、素材が生きている、
食べて美味しいだけでなく、後味の良さ。
丁寧に健康も考えて作られた料理だということがわかる。

一周するとオードブルからデザートまでコースで頂ける。
アルコールはメーカー提供、
食材も各産地からのスポンサーが自信を持って送り出した物。
お洒落で使い勝手の良い鍋やブレンダーなど
制作にあたっての道具類も展示されている。

江上栄子先生、桜の柄のお着物が素敵。
お変わりなくお元気で美しい。
息子さんは下の弟の同級生。
お嬢さんは私と同世代。
ということは栄子先生は実家の母と同じくらい?
あらためて年齢を想像してみるとびっくりする。

かつてこの周辺の住民だったこともあり、
土手公園、千鳥ヶ淵、靖国神社、北の丸公園、
桜の時期の市ヶ谷、飯田橋付近にはノスタルジックな思い出がある。
級友と寄り道をしながらお花見をしたり、
家族で夕食の後に夜桜を見に行ったりした。
この地域を離れてから、お花見とは余り縁がなくなった気がする。

この日も今年の桜は遅いので、一面の満開となる。
総武線、四ツ谷、市ヶ谷、飯田橋と土手公園の桜が車窓からも見頃だ。
車内で眠っている人、携帯に夢中の人たちに思わず、
「顔を上げて見てごらんなさい。」と言いたい気持ちになった。

Eric Benet 6thアルバム「The One」詳細決定

2012-04-04 13:29:06 | エリックべネイ、2012年5月来日
昨日、エリックべネイ、Newアルバム"The One"からの"Real Love"に続くシングルが、
"Harriett Jones"になったと発表される。

そして本日、Eric Benet オフィシャルサイトにも、アルバムカヴァーになる画像、
曲目のリストが公開された。
アメリカの発売日はやはり6/5とされているが、
日本盤の4/25、ワーナージャパンが予定通りに発売してくれることを願うのみ。

デュエットはLil Wayne、Shaggy、そしてエリックの娘のIndia。
"Here In My Arms"はエリックが曲を作り、妻のマニュエラが詩を書いた
二人の生まれたばかりの娘、Luciaへの子守唄。

US盤が12曲の対し今のところ掲載されている日本盤のリストは15曲。
ファンの間では人気がありながら今までアルバム未収録だった曲"Touching Again"
も国内盤予定曲には含まれている。

1. Harriett Jones
2. News For You
3. Real Love
4. Runnin’
5. Red Bone Girl featuring Lil Wayne
6. Waitin’
7. Hope That It’s You featuring Shaggy
8. Gonna Be My Girl
9. Come Together
10. Muzik featuring India Benét
11. Lay It Down
12. Here In My Arms (Lucia’s Lullaby)