Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

山下朝史出版記念パーティー、金子三勇士ゲストで演奏

2011-07-31 13:43:04 | ピアニスト 金子三勇士
今年の初め、パリの郊外にある山下農園にお年始に伺うことになり、
この時に山下さんから頼まれた日本産のサツマイモ二種、エレファントニンニク、
そして築地市場で用意したお年賀と一緒に私が持っていったもの、
それは昨年秋に発売された金子三勇士君のCD「Miyuji Plays Liszt」だった。
http://www.amazon.co.jp/Miyuji-plays-Liszt-%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88-%E3%83%94%E3%82%A2%E3%83%8E%E6%9B%B2%E9%9B%86/dp/B0040PBUVY/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1312090783&sr=8-1

その後、山下さんはパリの契約レストランへと配達する時、
遠くの学校に通うお嬢さんの送り迎えの際に、このCDをずっと聴き込んだそうだ。
真冬のフランスの地方都市の風景と"Miyuji Plays Liszt"はぴったりはまった。

今年の2月、山下さんが来日された際に金子三勇士君の鎌倉でのコンサートにお誘いした。
羽田から夜中に出る飛行機で帰国される当日であったのに、山下さんはいらして下さった。
以前にも一時帰国した友人を三勇士君のコンサートに誘ったことがあったが、
海外に住む人の日本滞在中は公私ともにスケジュールが詰まっていて中々難しい。
しかし山下さんは場所が鎌倉であるに係わらず、私達に同行して下さった。

山下さんが本の執筆中と聞いてはいたが、それがこの度、出版される運びとなった。
「パリで生まれた世界一おいしい日本野菜」山下朝史 主婦と生活社
http://h210133109045.mediagalaxy.ne.jp/books/00004854.html
その出版記念パーティーが昨夜、駒場ルヴェ ソン ヴェール 
http://www.leversonverre-tokyo.com/restaurant_komaba/index.html
で行なわれた。
前日の夜、広島でコンサートがある三勇士君も当日広島から駆け付けてくれて、
お祝いに何曲か演奏することになったと聞いていた。

ルヴェソンヴェール、駒場の東大構内にある。
東大の正門から入るとそこからもうフランスの雰囲気になってきた。
緑に囲まれた一軒家のレストラン。

山下さんは奥様やお嬢さんと一緒に出迎えて下さった。
日焼けしたお顔に白いスーツが良く似合う。
金子三勇士君はご家族と早めにいらして、すでに現場のピアノでのリハーサルを済ませていた。

そこのレストランのビュッフェも美味しく、随所に山下さんがフランスから持参されたカブ、
京人参、茄子、トマト、きゅうりが使われている。
塩釜で蒸し焼きにしたカブは絶品だった。

三勇士君が司会者に促されて前へと呼ばれる。
事前にその日に演奏する曲を聞きかけて「やっぱりサプライズにしたいから言わないで!」
と静止した私。
「既に選んだ曲もあるけれど、今日のこれからの雰囲気と流れに合わせて、
用意してきた曲の中から選曲中です。」とのことだった。

三勇士君が一曲目に選んだ曲はショパン・ポロネーズ「英雄」
「これはショパンがナポレオンをイメージした曲と伝えられています。
それなら僕は農業の英雄である山下さんに捧げます。」

二曲目はショパン・夜想曲第2番。
「さきほど山下さんの芸術的とも言える素晴らしいカブをいただきました。
そしてイメージした曲がこれです。
夜も更けて来ましたことですし。」

最後の曲は山下さんのお嬢さんのリクエストでリスト・ハンガリー狂詩曲第2番。



先日、オペラシティーで金子三勇士君の演奏を聴いてからまだ一週間。
コンサートとは全く違ったパーティーに集まった人達の前でのぐっとアットホームな演奏。
最初にショパンで惹きつけられ、リストでは周りも息を飲む演奏を聴かせた。
最前列で見ていたが、ピアノに踊る指、また演奏のパーフォーマンスが更にドラマチックに感じられる。
サロンコンサートで三勇士君の臨場感ある演奏を堪能した。

最後は山下さんのお嬢さんから花束贈呈があり、三勇士君の頬にキス。
CDを聴きながら「ピアノの上手なお兄さんに会いたい」と言っていた彼女の念願が叶った。
山下さんも「7/23のコンサートに間に合わなかったので、どうしても聴きたくて、
今日、呼んじゃった。」(笑)

観客も気持ちを一つにしてじっくりと演奏を聴いて下さっているのが良くわかる。
こういう空気は演奏者にも伝わる。
三勇士君も広島の後で疲れも出ているはずだが、それを感じさせない熱い演奏を聴かせてくれた。

美味しい料理と美しいピアノ演奏で室内の雰囲気はぐっと華やぐ。
山下さんのご本にサインを頂く列の隣に三勇士君のCDへサインをお願いする方達が集まる。
フランスから帰国していてこの会に出席した方も多く、
最後は"Au revoir!" "A bientot!"と挨拶が飛び交った。

今日はじっくり山下さんのご本を読ませて頂きます。
三勇士君も最近はファンも増えて有名人。
なかなかツーショットの機会もなくなったので、この日は記念に一枚一緒に撮らせて頂きました。

真夏の夜は更けて・・・

2011-07-30 10:21:38 | 私の日々
画像は四谷のソウルバー「音色」のHPより。

コットンクラブ、サム・ムーアのライブ、6時開場の30分前、
5時半を目指して出掛けていく。
Tokiaビルの入り口からコットンへと向かうエスカレーターに乗る。
真ん中付近にいる男性の後ろ姿、どうもSさんに見える。
間違ったら恥ずかしいのでそのまま声を掛けずにいる。
一番上付近にいた男性が振り返り「お~!」
それはウチの夫だった。
そして真ん中はやはりSさん。

3人で開場までしばし並ぶことになる。
たぶん次回ここに来るのは9月のエリックべネイの来日。
開場まで外で並ぶスタイルのコットン。
いったいエリックの時には何時頃に来たら良いのか想像もつかない。
一番前に並んでいる人に「いつから並んでいるのですか?」
と思わず聞きたくなる。

最前列、ステージに向かって左端の席、5人分を押さえる。
Sさんが「ちょっと買い物に行ってくる。」と出掛けて行って
買って来てくれたのは「スーパー・ウコンドリンク」
「今日はたくさん飲むからこれを先に飲んでおくといいよ。
ノーマルじゃなくてスーパーにした。」
早速頂きました。

ほどなくchanparaさんもやってくる。
4人でまずはビールで乾杯。
「初めて観たコンサート」の話になる。

Sさんはセルジオ・メンデス、chanparaさんはスティービー・ワンダー。
それぞれ中学に入ったばかり、一人で出掛けていったそうだ。
理由としては同じ趣味を持ち、
コンサートの代金をお小遣いを貯めて行くような志の少年が身近にいなかったからだ。

私は千代田区に住んでいて学校も九段、その上武道館は習い事でも通っていたので、
土地勘もあり家から簡単に行けたが、遠くから少年達が武道館目指してやってきた冒険談、
聞いているだけでその日の気持ちが手に取るように分かりワクワクした。

開演少し前にAさんがやってくる。
その時点でテーブルには全員でビールを飲んだ後に取った
ワインの空のボトルが2本とウコンドリンクの缶。
Aさんから車で来たと聞き、またコットンは駐車券が出るというは初耳だった。
ビルボードは地下の駐車場が便利だがこういうサービスはない。
ブルーノートでは向かい側のコインパーキングを利用している。
当然Aさんはジンジャーエール。

サム・ムーアのライブ終了後、Sさんが以前から気になるソウルバーが四谷にある、
行ってみないかという話になる。
Aさんの車とタクシーに分かれて四谷を目指す。
「ソウルバー音色」

自家製で栽培しているミント入りのモヒートを注文。
ミントとライムをしっかり潰してからキンキンに冷えたラムを注いでくれる。
シンプルなインテリアのスタイリッシュなお店。
店内の音楽と共に目の前のスクリーンに掛かっている曲のジャケットの映像が出る。

"Betcha By Golly, Wow"が流れ始めたので、
「あれ、これ最近ライブで聴いたのは何だったっけ?」と独り言。
周囲から「フィリップ・ウ―のバースデイコンサートでしょ?」
そうでした。あの時、ブレンダ・ボーンが歌ったのでした。
考えてみたら、このメンバー、全員CHIC、ナイル・ロジャースからずっと来ている。

4月の来日ではそれぞれ3回~5回の鑑賞。
そして一日だけの夢の公演だった5/29は全員通し。
その後のフィリップ・ウ―で再会し、シェリル・リンへと。
「529は素晴らしいライブで良い思い出になったけど、さすがに翌日まで疲れが残ってしまって。」
と話すと、周りからも「翌日どころか2,3日疲れが取れなかったよ。」などと。

次回のライブはお二人はブッチ―・コリンズ。
その後はエリックべネイにそれぞれ数回いらして下さるとのこと。
Sさんはそれまでエリックを知らなかったのが、ラジオから流れる"Sometimes I Cry"を聴き、
タイトルとエリックの名前を書き留めたという。
Aさんから突然「あれっ、『エリックべネイ研究家』ってもしかして?」
「はい、私です。」(笑)
chanparaさんもアメリカンアイドルの検索からこのブログを見つけて下さり、
エリックのCDをお買い上げ、4月のライブも予約して下さっていたとのこと。
こうやって縁あって知り合った方、お二人が私のブログを読んで下さっていたとは光栄の至りの夜でした。

Sam Moore 7/26 @Cotton Club Tokyo

2011-07-28 17:02:20 | その他のライブ
サム・ムーア、2006年のブルーノート東京のライブ、たいへんな評判を呼んだ。
2007年にサムは再度来日する。
ライブには行けなかったが(その翌月に来日するエリックのライブ全日鑑賞のためにライブ観戦を控えていた)
BSで二週に渡ってこの時のライブの様子、サムムーアのインタビューなどが放映された。
このライブがテレビで観ていても素晴らしく、次回は絶対に生でと思っていた。
夫がこのテレビの映像をYouTubeにアップロードしている。今は亡き清志郎さんも飛び入りで参加。

2008年、続けて三度目の来日をしたサム・ムーア、
東京ジャズフェスティバル、国際フォーラムでの単体のライブ、
そして最終日に他のアーティストと共演する映像がある。
一人でクラブほどのキャパで自分のペースで歌うのが、最もサムらしい感じがする。
最終日の共演映像では居心地が悪そうに見えた。

その後、和田アキ子がニューヨークのアポロシアターで初公演をする番組でも
ゲストでやってきたサムの姿を観た。
本番前にナーバスになる和田アキ子にリハーサルで歌い過ぎだと叱るサム。
横から奥さんのジョイスが「自分だって本番前によく具合が悪くなったりしているくせに。」
この夫婦の掛け合いがまた面白かった。

2006年度版の"Sam Moore Overnight Sensational"
ライナーノーツを読み返してみると、ウィノア・ジャド、ファンテージア、ビリー・プレストン、
ボン・ジョヴィ、スティーブ・ウィンウッド、スティング、シーラE、
マライア・キャリー、エリック・クラプトンなどの錚々たるゲストを迎えたアルバムだ。

ようやく巡り巡ってサム・ムーアのライブを観る機会が今年の夏にやって来た。
最初は二人で予約を入れていたが、前の週にシェリル・リンでご一緒した方々の全員参加となる。
この日はコットンクラブでの1ショウ。
翌日からのブルーノートでは2ショウになる。

久々の大所帯のバンド。
ホーン4人、バックコーラス3人、ギター、ベース、キーボード、ドラムス。
そしてジョイスもステージ端に控える。

2曲のインストが続いた後、"Hold On I'm Coming"でサムは登場。
ステージへと向かう通路の最前列を押さえていたのでスタンディングで迎える。
サムに挨拶をすることができた。
多くがスタンディングになった会場、サムは手で座るようにと合図。
「みんなの気持ちはわかった。ありがとう。でも座ってゆっくり寛いで聴いてくれ。」
言葉にしないが、そんな気持ちが伝わってくる。
"Don't Play That Song"

"I Can't Stand The Rain"を歌う前に、サムはマイクに向かわず、
ステージの上でしばらく呪文のように歌詞を唱えている。
"I can't stand the rain against my window bringing back sweet memories..."
リズムを取りながら呟いているサム、まるで心の中に浮かんでくる想いを言葉にしているようだ。
「雨が我慢できない、過去の思い出が呼び起こされるから。」と失恋の辛さを歌うこの曲。
雨を歌うサムの曲はもう一曲あった。"Blane It On The Rain"
「自分を責めてはいけない。何かのせいにすればいい。悪いのはきっと雨のせいさ。」

いったいサムはいくつなんだろうとふと思う。
76歳位のはずだ。
それなのに歌っている時は全く年齢を感じさせない。
この時、私の脳裏を過ったことは「エリックも後、30年は歌える。」

ジョイスはサムがひとしきり歌い終わるとステージにやってきて、
脱いだジャケットを預かり、汗を拭くタオルを渡す。
良いタイミングで出てきてくれてさすがだなと思っていると、
横で居眠りしている瞬間もあり、それをサムが見つけて「全くなぁ・・・寝ちゃっているよ。」
なんてぶつぶつ文句を言っているのも笑える。
後でステージに上がったジョイス「さっき私の悪口言ってたのちゃんと聞いてたわよ。」

"I Thank You"では客席からみんなのコーラスが返ってきてご満悦。
"Together We Are Strong"も合唱になる。
そして"Soul Man"ではオールスタンディングになる。

続く"Dance To The Music"、更に観客をヒートアップさせる。
途中、リフでシャフトのテーマが入る。

最後は「日本ではこれを必ず歌わないとね。」と"You Are So Beautiful"
浮き沈みの激しいこの業界で夫婦二人三脚で長年やってきたサムとジョイス。
この曲はずっと連れ添ってきたジョイスに捧げる歌に聴こえた。

この曲をアンコールとしてサムは楽屋へと引き上げていく。
ジョイスがタオルとジャケットを持って一緒に帰って行く。
来た時とは違い、歌い終わったサムはとても疲れているように見えた。

サムムーア、同時代のアーティストで今は他界した人も多い。
引退している人もたくさんいることだろう。
不遇の時代もあったサム、遠い日本にも多くのファンがいて、
こうして今も連日のショウを盛り上げている。

忌野清志郎 with Sam Moore at Blue Note Tokyo in 2007


Sam Moore(vo)
Callaway(vo)
Naomi Margolin(vo)
Tabitha Fair(vo)
Larry Etkin(tp)
William Harris(sax)
Kiyoshi Ohno(sax)
Taisei Aoki(tb)
James Dower(key)
Mark Newman(g,vo)
Ivan Bodley(b)
Omar Martinez(ds,per,vo)

Eric Benet -Trinity Goodheart

2011-07-26 09:56:22 | エリックベネイの日々&KyteVideo
http://elev8.com/elev8-original/orethawinston/eric-benet-trinity-goodheart/
このリンク先、皆さんジャンプしてご覧になれますでしょうか?
全米で8/20にペイテレビで放映予定のエリックべネイ出演映画"Trinity Goodheart"の予告編です。
既にマイアミで開かれた"Black Film Festival"では招待客、関係者へのプレミアが行なわれました。

予告編を観て:
まずエリックべネイの名前がクレジットで主役とも言える子役のエリカより先に出てくる。
この映画に使われている曲がEric Benet"Hurricane"
「ハリケーン」の曲をバックにシングルファザーの役を真剣に演じるエリックの姿を見ていたら、
何だかウルウルしてきてしまいました。

今まで映画「グリッター」ではエリックは地のままのシンガーソングライター役。
その他、テレビ映画でもいくつか映像がありますが、ゲスト出演だったり、サプライズ出演で、
大きな役ではなかった。

予告編中で娘と二人でテーブルに向かう父親姿のエリック、
娘のために真剣に悩んだり諭したりする様子を見ていると、
これがエリックの実生活に繋がります。

母親と生き別れになり父親と暮らす少女がスピリチュアルな体験を通し、
母を探す旅に出る物語と聞いてはいましたが、
予告編を見て改めて知ったのは、エリック演じる父親はその妻、そして自分の実の両親、
妻の両親とも親交が途絶えている、全く娘と二人だけで生活していて、
娘の旅を通してそれぞれの両親とも和解する、
そんな物語のようです。

エリックが最も辛かった時期にその心象を歌にした「ハリケーン」
日本や韓国では人気がある曲ですが、アメリカで歌うことはまずなく、
またこのアルバム自体も今までのエリックの作品とは余りにかけ離れているゆえ、
評価が分かれました。
本人もまだこの時期のことを振り返る気持ちになれないと封印している曲"Hurricane"
映画のエリックの苦悩に満ちた表情と曲が重なり、
またこの曲をライブで聴いてみたいと思いました。
2005年にブルーノート東京でエリックが"Hurricane"を歌った時に涙したことが蘇ります。
またライブで歌って欲しいですね。
そしてこの映画も日本でも何とか観る方法があると良いのですが。

金子三勇士 アフタヌーンコンサート 7/23 オペラシティー

2011-07-24 18:05:09 | ピアニスト 金子三勇士
「東京オペラシティーアフタヌーンコンサートシリーズ 金子三勇士ピアノリサイタル」とあるが、
それは正式のプロデビューコンサートでもある。

昨年、10/30ハロウィーンに行なわれたデビューコンサート、
あの時は客席数450余りのトッパンホールだった。
今回のオペラシティーホール、その4倍近い1600席の大ホール。
今までもオーケストラとの共演では、このホールでの昨年4月のショパンピアノ協奏曲、
また一昨年、5000席規模の東京国際フォーラムでチャイコフスキーピアノ協奏曲第一番、
などの経験を積んできてはいるが、今回は初めてソロとしてこのレベルのホール。

客席は埋まるのだろうか、またアマチュアからプロとなって約1年半余り。
プロの演奏家として相応しい演奏でなければならない。
曲目数も多い、演奏会場の規模も大きい、いろいろな意味での緊張感を前日から感じていた。
私でさえそうなのだから、本人の心境はいかばかりかと思う。

オペラシティーホール、木調のピラミッド型の天井高のある会場。
会場は三層式になっている。
ステージの前面、左右にも2階席がある。
自然木が使われていることで音の響きに独特のものがある。
柔らかいというよりも硬質なイメージ。
ステージ前後左右、すべての客席が観客で埋め尽くされている。

出だしはリスト・ハンガリー狂詩曲第12番。
この曲は非売品のデビュー前の金子三勇士、16才の時に録音されたCDに収められている。
先日のホテルオークラ音楽賞授賞式でもこの曲を聴いたが、
厚いカーペットで覆われていたホテルのロビーに対し、木調のこのホールでは音が木霊するように響く。

続くバルトーク・セーケイ人達との夕べ、6つのルーマニア民族舞曲。
計算され尽くした中に自信を持って間が取られている。
何回か聴いてきているが、その都度、ハンガリーの村の祭りにタイムスリップしたような感覚を覚える。
とてもビジュアル的なイメージが広がる曲だ。
祭りを楽しむ村人の大人達、子供や動物、草原の緑までが舞台から香り立つ。

ベートーヴェン・ピアノソナタ 第8番 「悲愴」
この曲を聴くのは今年の2月、鎌倉でのコンサート以来。
真冬と真夏と2度に渡って聴くことができたが、
湿度の高いこの日、音の反響が大きいこのホールに合わせて、
ピアノの質感はあくまでもドライに整えられている。

ショパン・夜想曲第2番変ホ長調。
ピアニストの腕と品格ゆえにこの曲の甘さがロマンティックに表現される。
ショパン・ポロネーズ第6番「英雄」
金子三勇士の弾くこの曲を幾度となく聴いてきたが、昨日は勢いのある演奏、
ピアノ、音響共にすべてが完璧だった。

休憩後の第二部は、リスト・ラ・カンパネラから始まった。
音の洪水、色鮮やかにさえ感じられる和音が演奏会場に立ち昇って行く。
私の前にはハンガリー人と思われるご夫婦が座られていたが、この曲で二人はお互い頷き合っていた。
この曲は鐘の音を表現した曲で内容がないなどという説明もあるが、
これだけで充分に説得力を持って人の気持ちを癒すだけの美しさがある。

リスト・愛の夢。
いったい金子三勇士はこの曲を何度弾いてきたのだろうか。
演奏回数だけでなく、はたして何歳くらいから練習を重ねてきたのだろう。
その時々で彼の胸中によぎるものは何だったのだろう。
音楽や家族への愛であったり、故郷や恋人、友人や恩師、尊敬する作曲家。
彼の心の中が愛で満たされている時も失なったと感じた時もこの曲を弾き続けてきたはずだ。
この曲は彼にとって今まで慣れ親しんで弾き続けてきた曲でもあり、
これからも彼のテーマソングであり続ける曲なのだろう。
金子三勇士の奏でるこの曲を聴く時、何ともいえぬ安心感で胸が一杯になる。
昨日も全く非の打ち所のない演奏を聴かせてくれた。

リスト・ピアノソナタ。
始まる前に金子三勇士はピアノに向かい祈りともいえる沈黙の時間がある。
曲へとしばらく感情移入して演奏を始める。
ピアノの調律はすべて最後の30分に及ぶこの大曲へと向けられてきたと気づいた。
この曲の持つ哲学性、神秘的な曲のメッセージ性、
人の一生の喜びや悲しみ、怖れや安らぎ、すべてが表現されている。
ピアノから手を離した後も室内に鳴り響く残響。
この瞬間にはいつも鳥肌が立つ。
全身全霊を込め細部まで神経が行き届いた演奏を聴かせる。
消え入るような一音、金子三勇士の入魂の最後の音をかき消した拍手があった。
客席のその辺りの位置から別の曲の時も1テンポ早く拍手が起きていた。
こればかりは個人的に残念な出来事だったが、いたしかたない。

鳴りやまぬ拍手にステージに挨拶に戻る金子三勇士。
その都度、前後左右すべての席、上階へも丁寧に挨拶していく。
続く拍手にまたステージに戻った金子三勇士。
手にはマイクがある。
リスト生誕200年ということでリストの曲、リストの尊敬していたベートーヴェン、
親しかったショパン、リストの後に続く作曲家であるバルトークの曲を選曲したと話す。
その後は「こんなに大勢の人が来てくれて・・・・僕、感激しちゃって。」
言葉にならない。
いつもステージ上で敬語を使ってきた三勇士が初めて口語で話し言葉に詰まるのを聞いた。
隣席の年配の女性がハンカチを取り出して涙を拭いている。

アンコールはショパン・夜想曲(遺作)
優しい調べが演奏者とその日の観客の気持ちにぴったりと添う。
続く拍手に戻ってきた金子三勇士、
「それでは短い曲を。」とバッハ・Praeludium。
凛とした美しい調べが会場を包む。
まだ続いている拍手に出てきた金子三勇士、恒例のピアノの蓋を閉じる儀式を終えて、
舞台袖へと戻って行ったのだった。

エリックべネイに会うまで

2011-07-23 07:38:36 | エリックべネイ、2011年来日へ
いよいよ夏服の季節となった。
腕や肌を出す服装、薄着になって改めて思うのは自分の体型の変化だ。
エリック・べネイの来日も9月に決まったことだし、
着ていく洋服の予定を立てようと昨年度のお気に入りに腕を通してみる。

なんとスカートは入らない。
ワンピースも腰から下がきつくてはちきれそう。
ど、どうしてこんなことに・・・体重自体も2~3キロ増えているとはいえ、
ウエスト周りから下に向かって、しっかりと贅肉がついている。二の腕も。
かろうじて着られる服も着てみると昨年とは何だか見た目、形が違う。
年齢と重力あるいは引力には逆らえない。

このままで終わりたくないと頭を抱えた私は、
取敢えずダイエットと思い立ち、自分の食生活を見直してみる。
炭水化物、ご飯が大好き、夜にたくさん食べる、夏に向かいビール、
その他糖分やカロリーの高い飲み物も量が増えている。
思い立ったその日、水分は水のみ、夕食は野菜と豆腐で済ませた。
これを三日も続けたら少しは変化が出るだろうかと期待しながら。

その日の晩のことでした。これ名前書いちゃっていいのかな?
個人的に頂いたメールなので仮にXさんとしましょう。
Xさんはエリックのライブを3回予約したそうだ。
そしてお友達と3人でエリックに会うまでに一つの取り組みを決めたそうだ。
それは何と「腹筋」だった・・・
私はそれを聞いて目から鱗、私も歌や曲だけではなく、
エリックの来日までなにかに取り組まないと。
腹筋が楽しくできるエリックの曲のお薦めなんてあるかな?
その人の腹筋をするペースにもよると思うけれど"Spiritual Thang"なんてどうでしょう?

その後、私は自分の基本、「ビリーズブートキャンプ」の腹筋編を引っ張り出してきた。
30分余りに腹筋をいろいろなやり方で指導してくれている。
友人に「ラテンコアリズム」も貸してもらったが、やはりビリー隊長の叱咤激励は私に一番効く。

さて今日もまた、エリックファンの方からメールを頂きました。
お名前を出していいのかな。
Jさんとしましょう。
エリックのライブ、6回予約したそうです。
そしてやはり、体型がしばらくエリックの来日がない間にふくよかになられたとのこと、
エリックに会うまでにダイエットに取り組む固い決意が書かれていました。
皆さん、考えることは同じですね。

エリックの歌の予習、復習と共に
適切な運動と食事による健康管理をしっかりしてライブ当日に臨めるようにしましょう!
もちろんふっくらされているのが魅力的な方もたくさんいらっしゃいます。
それぞれの理想体重、自分に似合った体型は違います。
暑い日が続きますので、無理のない範囲での健康的な生活を心掛けて下さい。
エリックの来日まで、それぞれの理想体型を取り戻しつつ、
当日はお気に入りのお洋服がビシッと決まり、
整理券確保から最前列オールスタンディングで歌って踊れるだけの体力をつけて、
ライブ初日を迎えたいと思います。

Cheryl Lynn @Billboard Tokyo 7/20 2nd

2011-07-21 19:07:08 | その他のライブ
ここ数年、毎年来ているシェリル・リン。
一度は行ってみたいと思っていたが中々チャンスがなかった。
Cheryl Lynnというとやはりイメージが強いのが"Got To Be Real"

最近観たシェリルの映像はエリック・べネイが登場する2009年度の「デビッド・フォスター&フレンズ」
最後に全員で出てきてシェリルがマイクを持ち"Got To Be Real"を歌う。
エリックはシェリルの後に付いてきたので、優しいシェリルからマイクを渡され、
この曲を引き継いで歌っていた。
DVDではなくWOWOWでテレビ放映された映像ではエリックの歌う"Chocolate Legs"がカットされていたが、
当然、最後に全員で歌って踊るシーンはテレビでも放映される。
シェリルの隣でエリックはしっかり映っていた。

ナイル・ロジャースのライブで知り合い、先日のフィリップ・ウ―のお誕生日ライブでもお会いしたSさん、
既にビルボードの整理番号2番を取ってあるけど、とのお誘い。
chanparaさんと夫と3人で参加することに。
台風の最中、天気が心配される夜。
夫は数年前にレイ・パーカーJrのコットンクラブのライブの時に買い、サインを貰ったTシャツを着用。
chanparaさんはシェリルとレイのCDを数枚用意、Sさんはシェリルのサイン入りのTシャツ着用。
Sさんもシェリルのレコードを数枚用意、Sさんのお友達のAさんもやってくる。

私たち以外は既に昨年や一昨年のシェリル・リンのショウを経験済み。
また皆さん、とてもお詳しいので今回のライブ・リキャップ、私ごときには語れません。
ただそこで起きた出来事や雰囲気をお伝えしたい思います。

夫の着ていたTシャツにはレイがサインする前に一緒にいたドラムスが
一番良い場所に大きくサインをしてしまった。
その横に小さな文字でレイのサインが書かれていて、実はこれが不満だった。
ところがchanparaさんやSさんはそれを見るなり「わっ、Bのサインじゃない!」
それが象形文字のような筆記体にも関らず二人とも判読してしまった。
ここでこの日、ご一緒するメンバーは私のような素人には立ち打ちできないツワモノ達だと思い知る。

中央の最前列、テーブル二つに分かれて座る。
それぞれ持ってきたCDやレコードをテーブルに広げてアーティストに見えるようにアレンジ。
これはブルーノートでやると必ず注意する人が飛んでくる。
全然OKのビルボード、このおおらかさが好きだ。

おもむろにバックコーラス4人とバンドのクルーたちが登場。
レイは夫のTシャツに気づき目で挨拶。
演奏が始まると私たちは5人でスタンディング。
そこにシェリル・リン、エスコートの男性に誘導されながら、
私達の二つのテーブルの真ん中に作られたステージ中央のステップから壇上へ。
シェリルの声の美しさ、突き抜けるようなトーンでも決してシャウトにならず、
絶えず暖かさや明るさがある。
ポジティブな人柄の良さがそのまま歌になっているという感じだ。

「みんな、たいへんだったわね。
私はスリ―イレブン(3/11)の時はほんとうにびっくりした。
テレビで映像を観て、私の第二の故郷である日本がとんでもないことになってしまったと思って。
その中で印象的だったのはみんなの冷静さよ。
パニックにもならずに落ち着いて対処していたでしょ。
素晴らしいことだと思ったわ。
こういう時期、日本のライブをキャンセルするアーティストもいたけど、
私はそんなこと、考えもしなかった。
だってここは私の古里でもあるんですもの。」
教会でシスターから感動のスピーチを聴いているようだ。
みんな、黙って頷いている。

ずっとアップテンポの曲が続いた後はぐっと聴かせるスローなヴァージョン。
そしてバックコーラスの男性をルーサーに仕立ててデュエットで"If The World Were Mine"
二人で見つめ合い向かい合って歌う。
体格も良く人のいいおばちゃま風のシェリルもこの時ばかりは10代の乙女に見えてくる。
それだけ気持ちが入って歌の中の女性になり切っている。
今は亡きLutherと一緒に歌った懐かしい時代を思い返すようなシェリルの遠くを見る眼差し。

chanparaさんのCDの中で自分ではなくレイの物を取り上げ「ほら、あなたのよ。」
夫を指して「あなたのTシャツ着ている人もいるわよ。」とレイを立てている。
レイはCDを自分の顔の横に持って来て「俺変わったかな?これは25才~27才(日本語で)くらい。」
レイの「ゴーストバスタード」が始まる。

レイ・パーカーJr、chanparaさんと夫が自分のファンなんだとわかっているので、
二人の前に来ては、乗り出して目で合図しながらギターのソロを聴かせる。

意外に若者達がたくさん来ている。
ライブで同世代や年上の人を見掛けるのも親近感があるが、シェリル世代から程遠い若い人達が、
こうやって来ている姿を見ると嬉しくなる。

シェリルは最初から迫力があったが歌っている内にどんどんノッテくるのがわかる。
踊り方も激しくなってくるが、滴る汗を拭きもせず夢中で楽しそうに歌ってくれる。

用意されたカップとグラスがある。
先日、ステージで正面を向いたまま、一曲ごとにペットボトルの水を煽り、
曲の合間でも演奏の部分の時に水を飲む若手の女性歌手がいた。
シェリルはそっと後ろを向いてほとんど観客が気づかないほどの隙にカップに口をつける。
エリックべネイが水を飲むところを見たのも私は一度しかない。
こういうささやかな仕草にプロの心意気や美学というものを感じる。

みんなに一節ずつ歌わせる。
うちのグループは全員最初からスタンディング、メンバー達とのアイコンタクトもビシバシ。
私以外の人はみんな、マイクに向かって歌いましたよ。
それぞれ味がある喉をきかせてました!
一番上手だったAさん、何と予想して練習しておいたそうだ。
最前列に座ることが多いから、どういう場合でもマイクを向けられた時に備えて準備ができているとか。

お約束の"Shake It Up Tonight""In The Night"、そしてアンコールは"Got To Be Real"
客席を通りながらシェリルは歌い続けるが私の隣や前を通過していく時、その生声に圧倒される。
聴き惚れて拍手も忘れたほどだ。

シェリルが退場した後、レイ・パーカーJr、
夫に別れの挨拶をしに来てくれてギターのピックを託してくれる。

終了後サイン会が始まったが、いつのまにか長蛇の列。
シェリルはまだ出てこないし、最後尾に並ぶと自分の番まで30分は掛かりそう。
平日でもあり翌日のこともあるので、諦めて帰ることに。

家に帰り顔を洗って鏡を見ると出掛ける前とは違い、
口角が上がり、顔面全体がリフトアップしている。
良いライブを観ることはどんなフェイシャルケアよりも効果的だと実感。

シェリルリン、そして同行した男性4人の気持ちの熱さにあてられた夜でした。

シェリル・リン/Cheryl Lynn(Vocals
レイ・パーカーJr./Ray Parker Jr.(Guitar)
ドン・ワイアット/Donn Wyatt(Keyboards)
ドナルド・ミッチェル/Donald Mitchell(Background Vocals)
シャロン・ウォレス/Sharon Wallace(Background Vocals)
ティア・ウォレス/Tia Wallace(Background Vocals)
ヴィアライン・ベアード/Vearline Beard(Background Vocals)
ジェローン・ハワード/Jerone Howard(Keyboards)
アル・ターナー/Al Turner(Bass)
ロン・オーティス Ron Otis(Drums)

エリックべネイ インタビュー 7/17

2011-07-20 10:10:16 | エリック・ベネイライブ(日本以外)
http://www.eurweb.com/?p=119449
エリック・べネイ、San DimasのBonelli Regional Parkにてのライブの後のインタビュー。

さっきスティービーも一緒に歌ったけど、
今日のライブは素晴らしかったね!
エリック「最高だったよ。娘のインディアも飛び入りで一緒に参加できたし。」

出演映画"Trinity Goodheart"がまもなく公開されるけど、
自分の中でEric Benetは俳優というイメージがないんだけど?
「僕だってそうだったよ。
ただ今回、この脚本を渡された時にとても共感できるものがあったんだ。
母親と生き分かれになった女の子が父親と二人で暮らしている。
そしてあるスピリチュアルな体験から母親を探し家族を一つにまとめるという使命を受ける。
心を打つ素晴らしい作品だ。」

これからも俳優をする?
「今回、初めてアクティングコーチにもつき演技のレッスンを受けた。
やりがいも感じた。
これからもまた良い作品と出合えればその時は考えるよ。」

「音楽ももちろん、"Lost In Time"の次のアルバムに取り掛かっている。
僕も年取ってきたからね。2~3年があっという間だよ。
急がないと(笑)」

インタビュー中、インディアもいるようで相槌を打っているのが聴こえる。
インディアも一緒だったとは気づかなかった。
スティービーと歌った映像、ステージマネージャーのビジュー、
付き人のケビン、その場にいた観客の撮った映像と3つを今一度観る。
エリックの後ろにいるのはいつものバックシンガー、リー・ラベルにも見えるが、
これはもしかしてインディア?
いや、やはりこの女性はリー・ラベルですね。

スティービーとエリックの掛け合いが楽しい。
スーパースティションをエリックが歌い、スティービーにマイクを渡そうとすると、
スティービーも持っていて歌い始める。
サビをスティービーがエリックに歌わせようとするとエリックは会場へとマイクを向け、
観客達が"Superstition!"と歌っている。

スティービーがエリックの曲、"Georgy Porgy"を歌い出したのは、
全くサプライズだったようで、最初、エリックはスティービーのアドリブに合わせている。
それから"Georgy Porgy"のメロディーをスティービーが歌いだした時のエリックの喜びようといったら。
スティービーは歌詞がおぼろげなので替え唄にして、
「何だかよくわかんないけど、最高のシンガーで大好きなエリックべネイと一緒に歌っていて、
とっても楽しいよ。」

エリックはスティービーが歌いやすいようにバックアップして、
ところどころ、体に触れたりしてサポートしている。
歌い終わった後もスティービーのマイクをすぐに預かり方向を誘導している。
別の映像ではスティービーを連れてステージへと出てくる姿もある。

エリックが以前のインタビューで音楽をやっていて最高だった瞬間の一つとして、
スティービーのラジオ番組によばれて二人で一緒に"You & I"を歌った事を話していた。
このジャズフェスのサプライズもエリックにとって思い出に残る一コマになったに違いない。
スティービーもエリックが"Love & Life"をリリースした後のインタビューでは、
「最近のお気に入りの曲はエリックべネイの"Chocolate Legs"」と話していた。

スティービーがジャズフェスで飛び入りで歌うことなど稀のようで、
私がfacebookに載せたエリックとのデュエット映像、アメリカのアーティストが早速リポストしていた。

JazzFestWest 2011

2011-07-18 14:49:33 | エリック・ベネイライブ(日本以外)
エリック・べネイ、7/16.17とカリフォルニア、
San DimasのBonelli Regional Parkでのジャズフェスに出演している。

Youtubeにアップロードされた動画。
屋外ライブ、エリック・べネイはスティービー・ワンダーと登場。
エリックはスティービーの"Superstition"を歌っている。
スティービーも隣で一緒に口ずさむ。
マイクを渡されたスティービーは"Superstition"から
Eric Benet"Georgy Porgy"を歌い始める。

スティービーのことが大好きなエリックが大喜びしているのが、
手に取るようにわかる。
スティービーも折に触れエリックを可愛がってくれている。
最後の"Georgy Porgy Pudding Pie Kiss The Girls And Made Them Cry"
は会場の大合唱となる。

観客が前に出ないようにとガードしていたセキュリティーも、
ステージを背に一緒に踊っている。
エリックはスティービーが退場するために手を貸して、
一緒にステージから去っていく。

エリックにとっても最高の瞬間、
スティービーも楽しかったからこそ、一緒にこんなに歌ったくれたのに違いない。

JazzFestWest 2011

N'dambi - The Sunshine

2011-07-16 11:17:55 | その他のライブ
昨年の8月に初めてN'dambiのライブに行った。
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20100823
それは昨年度、私が観たライブの中でベスト1になった。

"Sunshine"を歌う前にN'dambiはこんなことを喋った。
「最初のころ、持ち歌が少なくてこればかり歌っていた。
ある時、一人の男性から『とても辛い時期があった。その時、この曲をずっと聴いていた。
そのお陰で乗り切ることができた。この曲に救われた』
そういわれたことはとても嬉しかった。
歌を作って歌っていて良かったと思えるのはそんな時。」

思いつめて悩んでいた人がある音楽を聴き、また頑張ってみよう、生きてみようと思う、
苦しんでいた人が一つの曲で救われる、そんなことがあるはずだ。
そしてそういう出来事の積み重ねがその曲に更に厚みを添えていく。

"The Sunshine"ばかり歌っていた頃のN'dambi、アーティストとして辛い時期だったのかもしれない。
「差してくる陽の光を信じよう。ひとすじの光があれば生きていける。」
そんな気持ちを込めて歌ったのだろうか。
N'dambiの心の叫びがこもった歌だから、それを聴く人の胸を打つものがある。

"Insecurity"を歌う前にエンダンビはこんな話をした。
「私は音楽がやりたくてダラスからLAへと出てきた。
そしてそれが思い通りにならない時に周りの友人から『もっと堅実な仕事をすれば?
将来のことも考えて。』と言われたの。
でも私は今日を精一杯生きたい。この日が自分にとっての最後の日だと思って毎日を過ごしたい、
そう思って今日までやってきた。」
安全な道ではなくたとえ困難であってももほんとうに自分のやりたい道をあえて選んで生きてきた、
エンダンビの歌の心意気が伝わってくる。

音楽に国境はない。
歌詞のすべてを理解することはできなかったけれど、
あの日聴いたこの曲が忘れられない。

N'dambi - The Sunshine. (Live @ Busboys N Poets Washington, DC)

エリックべネイ、出演映画-Trinity Goodheart

2011-07-15 11:16:39 | エリックベネイの日々&KyteVideo
Eric Benet"Hurricane"の曲をバックにエリックが初めて主役級の役を務めた映画、
"TRINITY GOODHEART"のプロモーション映像が流れる。
映像自体のページがみつからず、リンク先を貼るが、これで皆さんに観ていただけるだろうか。
http://www.facebook.com/home.php#!/video/video.php?v=10150706996935615&oid=196272110384149&comments

さてこの動画を観て思ったのは、エリックの演技が上達している。
いい感じに影のある父親役がはまっている。
今まではテレビ映画のゲスト出演、あるいは映画「グリッター」で主役のマライア・キャリーから
憧れられる業界のスターシンガー役。
私はエリックが出ていれば何でも嬉しいのだけれど、深みのある役どころは今までに観たことがなかった。
エリック自身も演技は歌ほど自分に向いていないと言っていたが、
今回の映画の仕事を引き受けたのはシングルファザーという役に自分を投影できる、
感情移入できる部分があったからだろう。

この映画はアメリカのペイテレビ用の作品で8月20日からアメリカで公開される。
日本で何とか観る方法があるとよいのだけれど。
時々、スカパーで「日本未公開作品」とか「アメリカテレビ映画」などが放映されるが、
その枠に入ってくれれば。

映画のプレミアは7月初めにマイアミで行われこれにエリックは娘役の子役と共に出席している。
もちろん婚約者のマニュエラも同行していた。

Eric Benet - Never Want To Live Without You @Essence

2011-07-14 11:03:28 | エリックべネイ、2011年来日へ
nkmrakikoさんが7/2のエッセンスミュージックフェスティバルで撮ってきてくれた
エリック・べネイ"Never Want To Live Without You"の映像。

"Sometimes I Cry"を歌った後のエリックべネイ、
「"Lost In Time"からのもう一つのシングル、皆知っている?」
場内では同意の歓声。
「僕は本物のR&B、自分が聴きながら育ったような曲、
そういうR&Bを作りたかったんだ。
だって最近の曲ときたら・・・もう歌えないし、楽器も弾けない輩には、
スタジオ入りして欲しくないよ。
これから聴かせる曲はちゃんと歌って演奏して作った曲。
心の中の真実が込められた歌だ。
それは、その曲のタイトルは・・・」

ここで少し間が入る。
エリックはよく自分の曲のタイトルを言おうとして、
ちょっと沈黙する瞬間がある。

「僕の最初のアルバムの曲は・・」と言い黙っていると、
周りが"True To Myself"
ラジオ出演でパーソナリティーが"Hurricane"の最初の曲"Be Myself Again"
を"Me Myself Again"とずっと間違えて話していて、
エリックも"Me Myself Again"と言い続けていた。
要するに、話や歌詞の中に入り込んでいると正確なタイトルを失念するようだ。

で少し間があって(もしかするとわざと気を持たせたのかもしれないが)
「"Never Want To Live Without You"」

場内は観客でびっしりだ。
曲のイントロが始まるとしょっぱなから観客はエリックと一緒に歌っている。
"I'm known to have a heart that love could'nt find I used to,
Come and go no thought of what I left behind but now,
Somehow I've grown to see the world through brand new eyes,
A better world that you've shown to me"

最初の一節だけでも皆さんもぜひ!
このブログ、読んで下さっている方はエリックのライブに行っても、
最前列を取るような方ばかりでしょう。
日本のファンがこの曲の出だしを一緒に歌ったらエリック喜ぶだろうなぁ。

そしてお約束のここは外せませんよ。
これはライブに来る前に予習してお友達やご家族がご一緒の方は、
ライブの待ち時間にみなさんで音合わせをして下さい。
"So I never wanna live without you babe,
I'm never gonna live to doubt you no I,
Never wanna live without you babe,
Never wannna live,
Cause you're the biggest part of my life"
ここ、5行目はともかくとして最初の4行はばっちり決めたいですね。

私はまたライブに向けて突っ走りみなさんに多くのことを、
要求し始めているでしょうか。
しかし観て下さい、このエッセンスの盛り上がり。
日本もまた負けていないことを最初の名古屋、
次はコットンクラブ東京、モーションブルー横浜、ブルーノート東京と
エリックべネイに伝えたいと思いませんか?

nkmrakikoさん、素敵な映像をどうもありがとうございました!

Eric Benet - "Never Want To Live Without You" @Essence Music Festival 2011

ナイル・ロジャース&CHIC ブルーノートライブ、WOWOWにて放映

2011-07-12 18:46:37 | NILE RODGERS & the CHIC organization
昨夜、というか本日未明、1時半から3時にWOWOWで
4/18にブルーノート東京で撮影されたCHICの映像が放映された。
録画予約してあったので最初はオンタイムで観るつもりではなかった。

家に帰ってきたのは10時半頃。
テレビでWOWOWをつけていると12時からジョン・レジェンド、その後はCHIC、
とコマーシャルをやっている。

もう勢いでそのまま観ることに。
ジョン・レジェンド、通して観るのは初めて。
部分的な映像で観るのとは違い、
曲ごとに表情が変わり、ピアノも弾くのでステージにメリハリがある。
けっこうジョンの曲の中に好きな曲があったんだなと思いながら観ているが、
だんだん眠くなってきた。
後もう少しでNile Rodgers、頑張って起きてなくちゃと、夫が冷蔵庫に隠し持っていた
ハーゲンダッツの新作をみつけて食べながら待つことしばし。

Nile Rodgers and CHIC organization、4/18 1stの映像が程なく始まる。
この日はナイルのパートナー、バーナードの命日。
最前列にはお馴染みの知っているファン達が見える。
この日、私たちはセカンドを観ていた。

先ほどの眠気は吹き飛んだ。
あの日の感動が蘇る。
キンバリーの"Sukiyaki"「上を向いて歩こう」から"I Want Your Love"へと続くところ、
"Soup For One"も"Chic Chears""Thinking Of You"も何もかも懐かしい。
"Up Side Down"は恥ずかしながら夜中に一人で立ち上がって、
キンバリーとフォラミの振りに合わせて、踊ってしまった。

"Dance Dance Dance"では皆で一緒に鼻を抑えて"Yowsah, yowsah, yowsah!"
"We Are Family"や"Le Freak"、"Let's Dance"でも座っていられない。
時間が時間なのでボリュームを抑えて観ていたが、
後日改めて音量を上げて観直したい。
メンバー達、それぞれの良さが満遍なく撮れていて、編集もしっかりした
良い映像だった。

ライブを観た時と同じで興奮さめやらず終わった後もすぐには眠れない。
ナイル・ロジャースが懐かしくなり、「今、テレビの前で25:30~27:00まで歌って踊っていた。
それはあなたのせいよ!I miss you! また早く日本に戻ってきてね!」とツイートする。

一昨日も睡眠時間が少なかったのに、昨日もこんな状態で今朝はもう朦朧としていた。
「ありがとう。僕とシック、そして(亡くなった)バーナードから。」
とナイルの私宛のツイートを発見。
私だけでなく、他の起きて観ていた日本のファン達、それぞれをナイルは労ってくれていた。
ナイルってほんとうにいい人だ。
また、あの時のメンバーで来日してくれる日が待ち遠しい。
Nile Rodgers, thanks for "Good Times"!!!

Eric Benet @ American Black Film Festival

2011-07-10 08:07:43 | エリックベネイの日々&KyteVideo
エリック・べネイ、7/6からマイアミで開催されているブラック・フィルム・フェスティバルに、
婚約者のマニュエラと一緒に参加している。
現地では映画の上映と出演者たちと一緒のディナークルーズが開かれたようだ。

一昨日の映画のプレミアに出席したインタビュー映像。
この作品はテレビ映画でアメリカでの放映は8/20となる。
画像は作品中、エリックの娘として登場するエリカ・グルックと。

エリック、なぜこの『ブラックフィルムフェスティバル』に来ているの?
「それは僕がブラックだから(笑)
そしてフィルムにでているから(笑)
"Trinity Goodheart"という映画に出演していて、明日そのプレミアがある。
初めてリードアクターを演じて、その作品が上映されることにワクワクしているよ。
内容は女の子が生まれた時から行方のわからない自分の母親を探す旅に出る、
12歳の独特の個性を持つ少女が家族の絆を取り戻そうとするハートウォーミングストーリー。
僕はその父親役。」

役を演じるのと歌うのではだいぶ違う?
「曲を作る時には歌の中に入り込む。歌う時にも歌詞に感情移入する。
そういう意味では似ていると思うよ。」

エリックはこの作品のために演技のレッスンも新たに受け、
初めての主役級の役に全力で取り組んだようだ。

もう一つ、共演した子役エリカと二人のショットがある。

エリックの実の娘インディアと一緒に写真に納まっているような父と子の写真に見える。
ラジオパーソナリティーのトム・ジョイナー「インディアが娘役をやれば良かったのに。」
という質問にエリックは「インディアはもう19才だからこの役には大き過ぎるよ。」
と吹き出していた。
この作品、日本でも観るチャンスがあれば良いが。

Kevin Hart & Eric Benet @ American Black Film Festival

ノック ノック、フーズ ゼア?

2011-07-08 22:23:53 | エリックベネイの曲
しばらく会ってない友人、どうしているかなと気になっていたら、
以心伝心、昨夜遅くと言うか今日の未明にメールが来る。
エリックべネイのCDを最近、毎日聴いていると言う。
私が以前に渡した物と書いてあったので「"Love&Life"?」と尋ねると返事が来た。
「ノック、ノック、フーズ ゼア」って歌っている曲が入っていると。

はい、もちろんその曲知っていますよ。
でもエリックの1stアルバム"True To Myself"、
2ndアルバム"A Day In The Life"のどっちに入っていたのか、
そして曲のタイトルも思い出せない。
曲の歌詞の通り、まさに夜中に部屋をノックされて「えっ何?」

ブログの肩書に「エリックべネイ研究家」と名乗っているのに情けない。
最近、ライブでエリックが歌う曲に焦点を当てていてアルバム内の地味な曲、
まして初期のアルバムの中の曲の印象が飛んでいた。

慌てて二つのアルバムのタイトルを辿ってみる。
はい、わかりました。
"Loving Your Best Friend"でした。
「君がノックしているのに僕がドアを開けないのは、僕が必要な時に君がいなかったから.
今は君の友達を愛するようになってしまった」

日本語にするとそんな歌詞だが、"Knock Knock Knock Who's There Who's There..."
英語の歌詞とメロディー、リズムが独特で耳に残る。
この曲のyoutube、映像で捜しても出てこない。
似たようなタイトルでどちらかと言うと人気があり、
印象が深いのは"More Than Just A Girl Friend"
こちらは1stアルバムに収録されていて動画もある。

人それぞれに好きな曲があるのは当然。
また自分自身でもその時の心境で好みの曲は変わる。
もちろんずっと好きな定番もあるが。

明日からエリックべネイの来日公演、
コットンクラブ東京とモーションブルー横浜の予約が始まる。