Me & Mr. Eric Benet

私とエリック・ベネイ

アメリカン・アイドル シーズン14 TOP4→3

2015-05-22 00:04:33 | アメリカンアイドル
今まではTOP3に与えられる特権だった「アメリカン・アイドル」における一大イベント、
"Home Coming"、凱旋ツアーが今回からはTOP4から行われた。
それまで番組の収録に缶詰になっていたコンテスタント達が、
プレイベートジェットで故郷に帰り、リムジンが迎え、
家族の友人の待つ家に帰宅、その後、地元でパレードとコンサートをする。
今までのコンテスタントの中で「優勝したい」ではなく
「凱旋ツアー」を志望動機としていた人もいるほどだ。

里帰りをした後は皆、表情が明らかに違ってくる。
出発点に戻ることで自分の環境の変化を実感し、
地元の期待を背負っていることを自覚する。

今回の課題は三曲。
ボーカルコーチのスコットの選んだ曲、故郷を想う曲、審査員の選んだ曲。

レイヴォン、ジェイソン・デルーロ"Want to Want Me"
旬の曲がレイヴォンにぴったりフィットする。
赤のジップジャケットとTシャツ、黒のパンツにハット。
目の輝きが違う。観客ともしっかりコネクト。
この日の番組のスタートに相応しいパーフォーマンス。
私はだんだんこの人とエリック・べネイの若かりし頃が重なってきている。
レイヴォンのツイッター、エリックもフォローしていることに先日気づいた。
ハリーからも「君のアップテンポな曲の中でベスト。」と褒められる。

クラーク、U2"Beautiful Day"
しっとりとしたジャズも行けるし、R&Bしかり、そしてロックも充分に歌える。
声量は豊か、いろいろな技術も備えているけれど、
弱音の時に音がいつも不安定に感じる。
前回の件で視聴者にどう受け止められたのか、本人も不安が残っているのでは。
たくさん撮っているはずの映像の中であえて反抗的な部分が強調されてしまったこと、
番組に対してもわだかまりが彼の中であるのかもしれない。
どことなく今までの優勝する気迫、オーラが薄れてきている。

ニック、ブルース・スプリングスティーン"Because the Night"
ギターを手に歌う姿、外見が明らかに変わってきている。
シェイプアップされて自信が漲っている。

ジャックス、The Who"My Generation"
この人のハスキーな声とロックののり方が好きだ。
名曲を自分の曲にしている。

里帰りの様子、一番先はニック。
コネティカットへとプライベート・ジェットで向かう。
街を挙げての応援の様子に「自分のためではない、
応援してくれる人のために優勝したい。」
Andy Grammer"Back Home"
もうアメリカでは結果は出ているはずだが、
もしかして優勝はこの人かと思わせる人気ぶり。

クラーク、テネシーのナッシュビルへと向かう。
コンサートはクラークが在学していたリー大学の聖歌隊と共演。
「僕には夢がある。一生音楽を続けたい、これからも応援してほしい。」
オーティス・レディング"The dock of the bay"

レイヴォンの故郷はバージニア、リッチモンド。
ニュースに出演して司会者も巻き込んで歌ってしまう。
出迎えた母、姉、甥と共にリムジンに乗り、母校へと向かう。
歓迎を受けて、弾けて無邪気に踊っているレイヴォン。
「人を元気付けて笑顔の輪を広げたい。」
雨の中をパレード、リッチモンド市長、シーズン5のトップ3だった
エリオット・ヤミンに迎えられる。
エリオットは度々来日もしていて、
2009年のビルボードライヴ東京のコンサートには私も行っているが、
日本での人気の高さに驚いた。
レイヴォン、地元のコンサートでは母に捧げる曲として、
"Believe"を歌う。
テレビでレイヴォンが歌った時は客席から気丈に声援を送っていたお母さん、
地元では感極まり泣き崩れている。
車の中で喜びを語る母の言葉に素直に頷くレイヴォン、
幼い甥とふざけるレイヴォン、家族と一緒の姿に彼の優しさが出ている。
スティーヴィー・ワンダー"As"
とても良いアレンジだったが、最後のサビの部分が省略となり、
私の中ではもっとしっかり聴きたかったという心残りが。

ジャックスはニュージャージー、やはり地元での人気は凄い。
ニックのコネティカットと共にNYCで仕事している人の中には、
ニュージャージーから通う人も多い。
東京においてのそれぞれ埼玉、千葉といったところだろうか。
Evanescence"My Inmortal"
ピアノの前でドレス姿で歌うが、謙虚さと自信が溢れている。

審査員が選んだ曲のトップはクラーク。
Weekend"Earned It"
最近は盛り上げ方のパターンが定型化していると思っていたクラーク、
停滞している状態からやっと本来の調子を取り戻した。

レイヴォン、Joe Cocker"You Are So Beautiful"
"You are so beautiful to me"という歌詞、要するに「大好きだよ」
愛の中にはいろいろな要素がある。
その切なさだったり、慈しみ、愛することの喜びだったり、
様々な感情が凝縮されていてレイヴォンの曲の深め方、
技法、表現力共に最高だと思ったのだが、ジェニファーは「変化に乏しい」
かつて妻を亡くして数か月後に友人の勧めでアメリカンアイドルに応募した
ダニー・ゴーキー、TOP5で番組を去る時にこの曲を歌っている。
それはもう明らかに亡くなった妻を想って歌っていることが、
手に取るようにわかり観客達は涙したことを思い出す。

ジャックス、Paramore"Miseny Business"
ラフな服装で雰囲気を変えているが、最初の二曲には及ばない出来栄え。
やはり三曲歌うのはたいへんだ。

ニック、エドウィン・マッケイン"I'll Be"
全く知らない曲だっただけにまるで本人のアルバムのための曲のよう。

結果発表、ニックとクラークが決まり、残るレイヴォンとジャックス。
レイヴォンは脱落が決まった時にジャックスの健闘を讃え、
一方ジャックスはレイヴォンの手を挙げて「彼に拍手を!」
ジャックス、ほんとうに優しい。
この番組は勝ち進む内に人柄も磨かれていくようだ。

レイヴォンはステージから降りてお母さんの元へ駆け付ける。
スコットがハグしようとするがハーフハグに留め、
一目散に母親のところに行き、がっつりハグ。
最後まで私の期待に応える姿を見せてくれたレイヴォン。
選曲も好みの曲ばかりだったので次回からが寂しくなる。

ところで、今回の凱旋ツアー、
里帰り映像、今まではもらい泣きするシーンが必ずあったのに、
今回は一度も涙を誘われる場面がなかった。
3人から4人になったことでドキュメンタリー部分が浅くなったからなのか。

今週の土日でトップ3から2、そしてファイナルへと続く。
ファイナルでは応援するアーティスト、ナイル・ロジャースが、
現在のCHICのメンバー達と出演したと聞くだけに楽しみ。

アメリカン・アイドル シーズン14 TOP5→4

2015-05-16 18:11:21 | アメリカンアイドル
今回のテーマは一曲目、審査員の故郷の歌、二曲目、自分の魂を込めた歌。
今までは里帰りの凱旋ツアーができるのは3人だったが、
今シーズンからは4人、したがって今回勝ち残った4人が地元へと帰り、
歓迎のシャワーを受けることができる。

クラーク、Stevie Wonder"Living for the City"
大好きな曲をクラークが歌うという期待を込めて見つめていたが、
グルーヴ感が全く出てこない。
後ろに控えるバックコーラスもバンドも最高なのに。
ピアノを一瞬弾くのが返って中途半端な印象に。
服装はボーカルコーチのスコットの抱えるスタッフからアドバイスを受け、
ダーク系のシャツとパンツも曲の雰囲気に良く似合っている。
ハリーはリズムのポケットがなかった、リズム感に奥行きを感じない、
とコメント。

ジャックス、Alicia Keys"Empire State of Mind"
ピアノを前に歌い始める。
ジャックス、凄く良くなっている。何かが変わった。
お父さん子の良い娘、というところから大人の女性、
人間的な彼女本来の魅力がぐっと前面に出てきた。
初めて彼女の歌に惹きつけられる。
体調が万全ではなかったようで声が掠れていたが、
アーティストの中にはこういう時に辛さをバネに
それを良いパーフォーマンスへと昇華できる人がいる。
それができたジャックス、本物であることを証明した。

ニック、Matchbox"Bright Lights"
今回トップ5全員はボーカルコーチ、スコットの本拠地であるナッシュビル、
プライベートジェットで案内される。
ニックをどう売り出すか、スタッフ達とミーティングする様子が映る。
「今までは小さなバーで自分で観客を集めるのに必死だったのに。」
と自分のために一流のメンバーが策を練ってくれることに感激している。
選んだ曲はニューヨーク賛歌、
自信が漲っていて、それが歌に表情にとにじみ出る。
本気で優勝を狙っていることがひしひしと伝わってくる。

ボトムはレイヴォンとティアナ。
結果はティアナの落選。
ティアナは純粋に歌うことの好きな素朴で良い子なのだと思う。
しかしアイドルとして勝ち進む内に歌以外の部分、
営業的なこと、歌手として売り出すためのコマーシャル的な部分、
自分をアピールしたり、期待された役割を演じたり。
だんだんと重荷になってしまったのではと思う。
客席からティアナのお母さんが娘の健闘を讃え拍手を送る姿が映る。

レイヴォン、レディ・アンテべラム"Need You Now"
女性が失恋の辛さと孤独感を切々と語る曲。
心の奥底から歌うレイヴォンの姿に涙が出た。
審査員からは大げさになりがちな曲、もっと押さえてこそ醍醐味が出ると。
しかしハリーは「誠実な若者が心を込めて歌うバラードほど素晴らしいものはない」
と絶賛。ハリーは一度認めると相手に一直線なのかと微笑ましい気持ちになる。
5回ボトムに入った人がここまで残っているのは番組史上初めての快挙。

クラーク、Josh Turner"Your Man"
ボーカルコーチ、メンターにも止められるが、
妥協してまで優勝したくないと自分の選曲を貫く。
今まで優等生で来たのに急にどうしてしまったのか。

以前、トップ5まで来たコンテスタントが選曲のたいへんさ、
著作権の許可が下りなかったり、アレンジが時間通りに収まらなかったりで、
決まるまでに5曲近く、変更を重ねたという苦労を語っていた。
自分を表現できる曲を次々と否定された結果、
もうこれしかないと意地になってしまったのだろうか。

この曲の渋さに惹かれ、ギターソロに芸術性を求めたのかと思うが、
観客の共感を得るパーフォーマンスとはとても思えず、
クラークの独りよがりのステージになってしまう。
次回のクラークの結果に暗雲が立ち込めてくる。

クラークは紹介されたリハーサル風景から自分を誤解しないで欲しい、
と話し始める。
今回はコンテスタント達が予定外のコメントを話す場面が多い。
これは対抗する番組"Voice"などの影響だろうか。

ジャックス、Christina Perri"Human"
今まで親子関係ばかり強調されてきたが、
父との絆ばかりでなく、もちろん恋愛も経験しているだろうし、
そういうジャックスの女性らしさが押し出されてきて、
この曲を歌うジャックスに親しみを感じた。
審査員から、全体を通して歌えてなくても、
人の心を打つ場面を一つでも作ることが大切だとのコメント。
確かに声が出ていなかったりする部分もあったが、
全部を完璧に歌い切れなくても、一瞬でも人を引き付けることができれば、
それはパーフォーマンスにマジックを掛けることになる。

スコットのスタジオにスティーヴン・タイラーが登場する。
感激するジャックス、ファイナルでの共演もその場で決まった。
スティーヴンの曲を本人と向き合って楽しそうにデュエットするジャックス。
こんな嬉しいサプライズが彼女を変えていったのかもしれない。

レイヴォン、ジャスティン・ビーバー"Believe"
母に捧げる、母との思い出を歌うレイヴォンにリハーサルから、
もうボーカルコーチもメンターも涙目になっている。
バラードだけではなく審査員達のアドバイスも聞き、
アップテンポの曲も歌ってきた。
そういうすべてのステージ経験が集大成となり、この曲へと繋がっている。
見ていてレイヴォンの強い想いに圧倒され涙。

客席の母親とレイヴォンはアイコンタクトしている。
お母さんも泣いてないでレイヴォンを見つめながら踊っているところがいい。
コンテスタント席ではクラークが両手を上げて讃える。
それが私には「負けたよ」と映った。

審査員達も三人とも感動を隠せない。
ハリー「この曲を作るのに15人程の人が関わっているはずだが、
全員が納得しているはずだ。」と称賛。
司会のライアンに促されて客席から母がレイヴォンのもとに駆けつける。
固く抱き合う二人。
ボトムからいつも這い上がってくるこの人の姿にはほんとうに励まされてきた。
今は優勝も夢ではない。

ニック、ラスカル・フラッツ"What Hurts the Most"
リハーサルではゲストメンターのジェイ・ディ、
自分の曲だけに思わずギターを取り伴奏。
スコットとジェイからギターは持たずボーカルに集中するようアドバイス。
どんどんシェイプアップされてきているニックだが、
どうしても力み過ぎている印象が拭えない。

TOP4が決まった。
イタリア系、アフリカ系、アングロサクソン系。
今晩放映される4人の里帰り映像、出身地、環境も違うだけに、
それぞれがどんな表情を見せてくれるかが楽しみ。

楽屋にて

2015-05-15 18:50:54 | アメリカンアイドル
イタリア・ミラノでライヴを行ったCHICのメンバー達、
次々とアメリカン・アイドル、フィナーレへ出演のため帰国、
とステータスを出している。

フィナーレでどのような形でCHICがパーフォームをするのか、
トップ11となのか、5となのか、あるいは一人のコンテスタントとなのか。
楽しみは尽きない。

一方、結果もメンバー達がツイートしている可能性が高いので、
10日遅れで日本の放映を見つつ、ワクワク、ドキドキで決勝を見守りたいので、
ツイッターに関しては封印している。

写真は「アメリカン・アイドル」フィナーレのステージの楽屋にて。
CHICのフォラミがこんなコメントを付けて写真を載せていた。
"Couldn't believe my eyes when I saw a #juicing station back stage!!!
How did they know I needed this in my life?!
#givinglife @americanidol 🍆🌽🍅🍏🍊🍋🍐ー 場所: The Dolby Theater - Hollywood!"

ご自由にジュース、スムージーをお作り下さい、
とマシーンと野菜、果物が用意されている。
健康志向のカリフォルニアらしい。
これにはフォラミも感動している。

アーティストの楽屋での食生活は意外に不自由がある。
親しくなるとそんな話も聞かせてくれるし、楽屋の様子を見る機会があるが、
例えばビルボード東京はビュッフェのコーナーを作り、
そこから摘まむようなスタイルだったし、
ブルーノート東京ではメニューの中からアーティストの好みを聞きつつ、
1stと2ndの合間に短時間で食べられるワンプレートの物。
それでもクリスマスなど特別な時期には、
メインのアーティストとクルー達に楽屋で特別ディナーを振る舞ってくれていた。

食事ができるライヴハウスではなく、コンサートホールの場合、
ツアー先、地方都市では現地の会場でお弁当が用意されているのが一般的だが、
都心の会場では反対にマネージメントが調達するものと解釈してか、
食事を当てにしていると準備されていなかったりする。

アーティストの中にはカフェインを控えている人も多い。
頭の中の演奏と手の動きが一致しなくなるからと話してくれた人がいる。
来日したアーティスト、緑茶にはカフェインが入ってないと思っていて、
暑さから冷やした緑茶を飲み過ぎ、
演奏中に手が震えてきてしまい、初めてのことだけに驚いた、
と言っていた人もいた。

全米を巡るツアー、エリックべネイは飛行機よりも
荷物を持っての移動、時間待ちの負担が少ないツアーバスを好むが、
本人が食材を調達してサンドイッチを作ったり、
ホットティーを自分で用意していた。

咳や風邪で熱があっても舞台には立てるが、
お腹にきてしまったらどうしようもないとのこと、
ステージ前にはカフェインばかりか生物、お腹が張る豆類も控える、
などそれぞれに工夫、苦労もある。
歌手の人に関してはとにかく良く水分を取って、
喉を常に潤すように気を配っている。
しかも温かい飲み物に拘っている人もいた。

フォラミも普段愛用している生ジュース、
楽屋でまさか飲めると思わなかっただけに嬉しくてこんな投稿をしたのかと。
それにしてもアメリカでの長寿番組、
国民的アイドルを生み出し続けた番組だけにさすがの心遣いと私も驚いた。

アメリカン・アイドル シーズン14 TOP6→5

2015-05-04 16:17:22 | アメリカンアイドル
今回のテーマは「アンセム」、応援歌、賛歌。

今シーズン、ツアーのアナウンスがないと思っていたら、
なんとトップ5のみのツアーになると知る。
ということは今回選ばれた5人のみのツアー。
トップ11から10はなくて9へと絞られたので、
おそらくこの11人全員のツアー、
プラス補欠要員が2人位の規模かと想像していたので、
番組がどんどんダウンサイズされてきているのがわかり、
来年の存続を案じて心配になる。

ジャックス、9・11から生還した消防士の父との深い絆を語る。
アメリカで消防士の存在は特別、ましてや9・11の後では更に神格化されている。
その時の怪我から引退した父、仲間や友人を亡くして自分を責めていた父にとって、
ジャックスの活躍は心の支えになっているという。
Jets"Are You Gonna Be My Girl"
ジャックスはステージ上での動きが自然で板についている。

右手のギターはバンドのリーダーのリッキ―・マイナー、
左手はオリアンティーのように見えたが特に紹介はない。
リッキー・マイナーはずっとこの番組のバックバンドを仕切り、
7年ほど前にハリウッドの音楽業界で仕事を続けて来た経験などを語る、
自叙伝を発表し、我らがエリック・べネイも出版記念パーティーに参加している。

一方、JAXはアメリカン・アイドル シーズン5のツアーを見ているそうだ。
お気に入りはキャサリン・マカフィーだったとのこと。
その時のジャックスは6歳?今、会場にいる6歳の子供の中から、
今後の優勝者が現れるかもしれない。

今回、席に座るコンテスタント達の表情は心なしか固い。
トップ5に入ってツアーに行けるかが掛かっているからだろうか。

ニック、Maron5"Harder to Breath"
この人はバンドを従えてのパーフォーマンスが良く似合う。
かつての優勝者、デビッド・クックのようにバンドを組んでのデビュー、
そんなことも想像する。
コンテスタントの席ではレイヴォンとクエンティンがスタンディングで歓声を送る。

クラーク、11歳で老人ホームに家族で歌いに行った時に、
人を歌で喜ばせることに感動を覚えたそうだ。
その後、大学時代にバンドを組んで歌っていた時に本気で歌手を目指そうと志した。
Beatles"Yesterday"
弦楽四重奏をバックに誰もが知る曲を美しさはそのままに、
胸がキュンとなるようなクラーク独自のアレンジも連発する。

感情移入し過ぎると歌い終わった時にすぐに現実に戻って来れなくなる、
ライヴでコンサートで何度か、アーティストがそうなる場面を見てきた。
歌手であり、演奏者であってもそれは同じ。
クラークもそれだけ深く集中して曲に入り込んでいる。
ドレッシーなスーツも良く似合っていて、この人はこういう線でも充分やっていける。
ただ一つ、残念だったのは最後の歌詞の"Yesterday"という部分、
弱音の優しさを大切にする予定が巧く音として乗らず、余韻を深められなかったこと。

ティアナ、大家族で育ちホームレスも経験したという。
Katy Perry"Party in the USA"
髪型をドレッド(ブレイズ)に変えてイメージチェンジ。
ショートパンツにバスケットシューズ、鮮やかなカーデガンが良く似合う。
元気一杯のの外見にもかかわらず、ここのところ以前の弾けるようなきらめきがない。
プレッシャーからだんだんと意気消沈してしまったのだろうか。
コンテスタントの席ではボトムに入ってしまったクエンティンとレイヴォン、
またしてもスタンディングで応援している姿が見える。

クエンティン、レイヴォンとしっかりハグしてからステージへ。
母と姉二人とニューオリンズの9区、治安の悪い地域で育った。
家族の強い絆を語る。姉二人もクエンティンのようにとってもお洒落。
Doors"Light My Fire"
昔のロックの名曲、音域が広く歌うのが難しい曲を自分の色に染めた。
プリンスのような雰囲気もありで、最後の音もしっかり決めた。
ステージの上で伸び伸びと振る舞っていて臆することもない。
コンテスタント席ではレイヴォンがただ一人、
クエンティンを見守りながら、笑顔で踊っている。

レイヴォン、教会でずっと歌ってきた、母と姉との三人家族、
自分を犠牲にして家族のために生きてきた母に優勝することで恩返ししたいと。
Sam Smith"I'm Not the Only One"

前回からもうまるで別人になっている。
自分の殻を破って心の内を歌に込めることで
人の気持ちを動かすことのできるシンガーへと進化している。
ライアンが彼のことを特別に気に入っている様子だ。
審査員達の評価もすっかり変わり、彼を絶賛している。

4回もボトムに選ばれながら、自分を失わずにコントロール、
努力と共にメンタルな面でも強さも見せる姿は多くの人の共感を呼ぶはず。
いまや番組を通して最も成長した人。
審査員のキースは歌の歌詞に掛けて「君は"The only one"になれるよ。」
レイヴォンの優勝も夢ではなくなってきた。

二周目、ニック、Rod Stewart"Maggie May"
バンドとのコンビネーションも呼吸がぴったり調和しているが、
やはりいつも強烈な印象を残すのに今一歩、何かが足りない。

ティアナ、Brayan Adams"Heaven"
シルバーに輝くロングドレスと同色のアイシャドー、
アップにしたヘアが可憐、いつもとは違う姿を見せる。
しかしもはや歌には輝きがなくなっている。
席に座っている時も笑顔が消えている。
今の状況が続くことで重圧に耐えかねている心の重さが歌にも出てきてしまう。

クラーク、ジャスティン・ビーバー"Boyfriend"
パーカッションを脇にギターソロで歌うが、原曲の良い所も消してしまい、
オリジナリティーも感じられず、
ここのところ、絶好調だったクラークらしくない。

ジャックス、Dido"White Flag"
シルバーのアクセントのある白いドレスで白いキーボードを前に歌う。
脇ではチェロがバックアップする。
この番組の求めるアイドルとしての資質を彼女は充分に備えている。
実は私は彼女の良さが余りわからない。
嫌いとか、良くないとは思わないけれど、特に気になる存在ではない、
そんな感じ。

クエンティン、Florence + the Machine"Shake it Out"
過去の失敗を悔やみつつ、でもそれが自分でもある、という歌詞。
先週の自分のしたことを歌っているようだ。
余りにタイムリー過ぎて番組の意向で無理に歌わされているのかと疑いたくなる。
"Shake it out, shake it out"のリフレイン、
「やってしまったことは気にしない」と自分に言い聞かせているようだ。
ハリーからの質問「今はオートチューンで音の外れた部分も直せるが、
自分の曲を出すとしたら、それを使うか?」に対して、
「いや、自分らしさはそのままに使うよ。」と答える。
これが前回の出来事を比喩してお互いに話しているのかと想像する。

レイヴォン、Fleetwood Mac"Go Your Own Way"
自分をさらけ出すことで観客の共感が得られることを知ったと話す。
スコットがライアンと共に解説する間、アップテンポな曲に備えて
レイヴォンがウォームアップしている姿が見える。
全体を通して良い感じで歌えているが、
このままでは高得点を得られる技に欠けるのではと思ったら、
最後のハイノート、シャウトが素晴らしかった。
クエンティンまで「最高だ!」"Give it up!"と叫んでいる。
歓声が鳴り止まない。
クエンティンを「"Give up!"(降参だ)って叫んでた?」
とからかうライアン。

ハリーから「デビューしてCD発売する際に
新鋭プロデューサーを付けたとする。
意見が自分と食い違った場合はどうする?」と質問がある。
「自分の信念を基本に相手の意見も取り入れる。」と答えるレイヴォン。
ボーイ・ジョージがメンターで出演した際にアドバイスを聞かなかった、
あの時の気持ちは今も変わらないのか、ハリーは確認したかったのだと思う。
今は違うという気持ちをレイヴォンは公言することができた。

この後、二人に対してのハッシュタグ、"#save 〇〇"
のツイート、得票数が多かった方がトップ5として決まる。
待っている間の二人の姿、並んでいるとほんとうにカッコイイ。
ツアーでこの二人が一緒に歌えたら素敵だったのにと残念。
レイヴォンからボトムに選ばれて歌う時の気持ちとして、
「脱落かどうかは考えない。全身全霊を掛けて歌に集中するのみ。」

発表が近づいた時にクエンティンは小声でレイヴォンに何か言っている。
聴き取ろうとして耳を寄せ、聞き返しているレイヴォンに
クエンティンが"Congratulations"と言うのが聞こえた。
その直後に発表があり、レイヴォンのトップ5入りが決まった。

最後まであきらめずに優勝までも今は視野に入れているレイヴォン、
ボトムに選ばれても必ず投票で勝ち抜いてきたことが、
視聴者への感謝や自分に対しての自信にも繋がってきた。

一方、クエンティンはどこかでこの番組に添うことを諦めてしまった、
それよりも自分らしくありたい、と思ってしまったのでは。

今回、6人の子供時代を振り返る映像を通して観たが、
どの人もどういう育ち方をしたにせよ、まじめな子供時代を過ごしてきた、
そんな姿が良く出ていた。


アメリカン・アイドル シーズン14 TOP7→6

2015-04-26 17:00:48 | アメリカンアイドル
トップ7ともなると全員が顔付きが引き締まり、全身から輝きを放っている。
ここまで来たら、優勝も夢ではないと思うコンテスタント、
反対に優勝は狙えなくてもその瞬間にすべてを賭け、自分自身に正直に、
悔いなく燃焼しようとするコンテスタント。
番組を通して歌手としてばかりか人間的にも大きく成長、
開花を遂げた人達。
今回は通して観て、なぜこの番組に惹かれて10年観続けているのか、
この番組の原点に返って良さを見直した気がする。

"#save 〇〇"というツイートを読んでしまったのと、
前回脱落したカシムのお母さんが意味深なツイートを
あるコンテスタントの名を上げてしていたので、
その人が今回落選するのかと思い込んでしまったが、
それはこれから起こるドラマについての序章に過ぎなかった。

今回のテーマは「アメリカの名曲」 "American Classics"
視聴者からのリクエストが多かった曲から、
一人2曲づつのパーフォーマンスになる。

ライアン・シークレスト、この番組の司会を14年していることになるが、
いつも若々しく元気一杯で全く年を取ったという様子が見受けられない。
しかし今回は最後まで観て少し声が掠れていることに気づく。
またいつもより更にハイテンションに思えたのは、案外体調が悪かったのかもしれない。
人気番組の司会を続け、休むことも許されない状況に長く身を置いてきたライアン。

審査員のハリー・コニックJr.、今日はベージュのスーツにグレイのシャツ、
黒のニット・タイでダンティーに決めている。
この番組の中ではユーモラスな面が強調されているが、
アメリカの映画やドラマの中で彼が演じる役はクールなハンサムガイが多い。

ジェニファー・ロペス、この日はゴールドのグラデーションの入ったスパンコール、
白い縦のストライプがアクセント、
ロングスリーブのミニドレスが彼女のブロンドの髪にマッチしている。
時としてドレスコードがR指定気味と感じることもあるが、
今回は番組に相応しいアウトフィット。

キース・アーバンはハリーの顔がプリントされたTシャツ。
キースもニコール・キットマンの夫としてアカデミー賞やグラミー賞で見る時と、
この番組での姿はかなりギャップがあり興味深い。

前置きがだいぶ長くなったが、トップバッターはティアナ。
白いブラウスに同色のタイ、黒の縁取りがアクセント。
黒のタキシードパンツが良く似合っている。
番組のメンター、スコットからラジオの収録の際に積極的に振る舞わなかったこと、
この業界でやっていくためには常に積極的に人に自分を印象付けるようにしないと、
とアドバイスされる。
それがスターというものではと優しく諭される。
シャイなところがティアナの可愛らしさでもあるとは思うが、
スコットの説はもっともだ。
今シーズンのメンターを担当したスコット、
一人一人のコンテスタントに対して、
愛情を注ぎ、全員と信頼関係を築き、
親身になってアドバイスしている姿も観ていて気持ちが良い。

Frankie Lymon & The Teenagers"Why Do Fools Fall in Love"
私はこの曲をダイアナ・ロスのヴァージョンでしか知らなかったが、
今回、ハリーの指摘で初めてオリジナルのフランキーの歌う白黒の映像を観た。
残念ながらティアナ、この曲の持つ躍動感を表現できなかったようだ。
また曲の中で盛り上がる場面も作れなかった。
ティアナに合っている曲だったはずだけに力が発揮できずに残念。
今日は2曲を歌う日、二つの曲をマスターしきれなかった結果だろうか。

クラーク、今まで服装や見かけについて考え直すように言われてきたが、
今回は黒のパンツ、白のシャツに黒いタイで決めてきた。
スコットのインタビュー場面で「最初ははるかかなたに思えたこと、
『優勝』がここまで来ると手が届きそうに思えてきた。
持てる力をすべて出し切って優勝を狙いたい。」と宣言。

Stevie Wonder"Superstition"
多くの人が歌うスティーヴィーの名曲、クラークのアレンジはスキャットから始まる。
クラーク、最初は観客に背を向ける形で歌い出すが、
いきなりこのメロディーで音を取るのは至難の技だったはずだ。
ホーンがバックバンドがクラークの歌を固める。
最後もスキャットで締める。
鳴り止まない拍手、審査員からも絶賛される。
前回にギターは余り向かないと言われながらもギターをまた敢えて用いたこと、
反対にその頑固さが称賛される。
この日はそれぞれが家族の繋がりについても語る日。
クラークのギターはお父さんが若き日に愛用したブランド、
フェンダー社のストラトキャスター(Stratocaster)タイプを使ったそうで、
客席の父とギターを弾く若い頃の父の写真がアップになる。

JAX、スコットのインタビューの中で「聴く人に何かを感じてもらいたい。
笑顔であったり涙であったり、愛情だけでなく、ある時は嫌悪感であったとしても。」
その言葉に良く言ったという表情のスコット。
スターであるためには好いてくれる人だけでなく嫌われることもある。
その現実を受け止めながら強気の姿勢を忘れないようにとアドバイス。
Janis Joplin"Piece of My Heart"
ジャニスの雰囲気を掴みながら今時の若者らしさも表現。
ハリーから「このアレンジはジャニスとアーマ・フランクリンの中間だね。」
ハリーは自分の分野だけでなく、ほんとうに音楽の知識が豊富で、
番組に備えて予習もしているのに感心させられる。

ニック、初めて優勝を目指すと宣言する。
ここの所、観客からも審査員からも高い評価を受け、
自信が漲ってきている。
優勝も狙えるはずという欲が出てきている。
Tom Petty & the Heartbreakers"American Girl"
力強く歌い切り、観客の歓声が止まない。

クエンティン、スコットに「敵は?」と聞かれ、「自分自身」と答える。
「不安を乗り越えることだね?」とスコットは受け止めていたが、
この後に起きることから、「敵は自分自身。」という言葉を、
目の当りにすることになる。
この後の言動から彼に対しての評価、好き、嫌い、認めるか、叩くか、
と二分されることになってしまう。
しかしそういう意味で先ほどのJAXとスコットの会話、
嫌われるとしても人の心に残るかということ、
ティアナとの対話、スターは常に人に印象付けることが大切、
というすべてを備えるアクシデントを起こしてしまったことは、
この日の番組を面白くすると同時に意義深いものにした。

Lenny Kravitz"Are You Gonna Go My Way"
今までMaxwell等に近いイメージだったクエンティン、
バンドとのビートの効いたセッションを見せる。
今回、2曲歌うことで普段一曲で勝負するのだったら、
ドラマチックな曲を選ぶ、自分の本領発揮の選曲になるのに、
二曲歌うのなら思い切って違う面も見せてくるコンテスタント達。
クエンティンのパーフォーマンスも中々良かった。
バンドの勢いに押されていたというハリーに、
バンドと張り合わずに自然体で良かったとキース。

歌い終わった後、不機嫌な様子のクエンティンに「何を考えてるんだ?」
とライアン。
「最低だ(sucks)」と答えるクエンティン。
「最高のボーカリストと自分にとってのベストフレンドがボトムだなんて。」
ボトム2のジョーイとレイヴォンが映る。
顔をくしゃくしゃにして感動を表しているジョーイと
びっくりして表情を殺すレイヴォン。
そんなことを言ってはいけないと言外に諭すライアンと握手するクエンティン。

しかしハリーが「何だ、今のは?」
「オンエア、それともコマーシャル中?」と尋ねるハリー。
エア中だとライアンが答えると「君のために番組はたくさんのお金を使い、
才能を磨き投資している。
番組を侮辱するのなら家に帰ればいい。」
戻り掛けたクエンティンはハリーの前に進む。
「番組を侮辱したんじゃない。二人の脱落に対してがっかりしたんだ。」
ライアンが二人の間に入りまとめる。
それでもFから始まる罵り言葉を使ったわけではないから、
全くキレて自分を失ったわけではないはずのクエンティン。
率直な気持ちを電波に乗せてしまった。

ジョーイ「風変わりな私はトップ12でも注目されていなかった。
それでも今、ここにいる。」
スコット「君には誰にも真似できない芸術性がある。」
Frank Sinatra"My Funny Valentine"
誰もが知るスタンダードなジャズのナンバー。
パープルの髪をストレートなボブにして、黒のロングドレス、
シルバーのネックレスとベルトがアクセント。
アイメークはほんの少しのラメを効かせて、
パープルなリップがアクセント。
声の美しさ、特徴を生かしオーソドックスに歌い上げた。
コンテスタントの席では一人残ったレイヴォン、
これから自分の生き残りを賭けてのパーフォーマンスをする前なのに、
スタンディング、笑顔で拍手している。

ハリーにとっては十八番の分野、
「審査員じゃなかったら君を指導できるんだけど。
今の歌を更に良くする15の方法を僕は知っているよ。」
キース「得意分野でないジャンルに挑戦する君の姿勢が好きだ。」
ジェニファー「声は合っていたけれど心に響くものがなかった。」
確かにその通り、違う面を見せてくれたが感動がなかった。

レイヴォン、スコットから「ここのところ、ボトムに選ばれているけれど、
良く乗り切っているね。
その経験を生かすように。後半からではなく序盤から力を出し切れ。」
とアドバイス。
「ボトムに選ばれても、この場に居られることの幸せを噛みしめている。
ここからいろいろ学び、自分自身の成長の糧にしたいと思っている。
この経験が今後の自分の生涯を通して役に立つものになるはず。」
この人は変わった。
最初の好青年のイメージからメンターのボーイ・ジョージに楯突くかと思えば、
謙虚になり自分と向き合い、二度とない瞬間を楽しもうと取り組んでいる。

The Doobie Brothers"Long Train Runnin"
今シーズンはカントリーシンガーはいないし、
私の好きなジャンルの曲が連発になり、笑いが止らない状態。
レイヴォン、アップテンポの踊れる曲もちゃんと歌えることを証明した。
ダンスもしっかりきめている。
2曲歌うのならこういう曲もあり、一曲だけなら得意のバラードで攻めたい、
という彼の気持ちが良く分かった。
ジェニファーから「個性を出しつつ成長している。
ボトム2から二度も這い上がった姿は素晴らしい。」
ハリーから「ボトム2に続けて三度も入ってしまったのに、
逆境の中でエレガントさと品格を保っている。
そこが君の強さだよ。」と。

二曲目のトップはクラーク。
スコットとの対話、今回は全員が家族について語る。
「僕の両親は僕が自分を信じられない10歳の時から、
僕の才能を信じてくれた。もし優勝したら『言った通りだろう』
と喜んでくれるはず。」心なしかクラークの目が潤んでいる。

先ほどの服装に黒いジャケット着用でピアノの前に座る。
Frank Sinatra"Moon River"
ピアノに向かいながらもカメラ目線を投げかける。
乙女心に訴える夢心地にさせる歌詞を一つ一つと大切に扱いながら、
観客へと伝える。
フランク・シナトラ、アンディ―・ウィリアムズが歌うこの曲、
そして映画「ティファニーで朝食を」のテーマソング、
NYCのアパートメントの外階段でギターを手に物憂げに、
この曲を歌うオードリー・ヘップバーンの姿も浮かんでくる。

もう内に向かうばかりのアーティストではなく、
エンターテイナーの域に達した。
マイケル・ブーブレのようなスタイルも彼には不可能ではない。

ティアナ、「他の兄弟もいるのに母は私のために、
今回付いて来てくれて、ずっと応援してくれている。」と兄弟と母に感謝。
Creedence Clearwater Revival"Proud Mary"
ゴールドのトップとパンツ、黒のショートジャケットがお洒落。
聴き慣れたヴァージョンはティナ・ターナーだが、
ティアナが選んだのはCCR。
後半からぐっと盛り上がり、本領発揮。

ニック、家族を語る場面で父の話になる。
「父はずっと音楽をやってきた。
勝ち進む僕を見ながら感極まる姿に最初は驚いたりもしたが、
『自分が頑張ってきたことがお前の今に繋がってるんだな』
という一言にぐっと来た。」と涙ぐむ。
Billy Joel"Only the Good Die Young"
初めてニックの歌に素直に感動できた。
椅子に座って歌い始め、最後は立ち上がり、
観客へと向かって来るが、これは予定外だったそうだ。
アレンジはボーカルコーチとニックが相談して作り上げたという。
主観と客観から最も彼に相応しいアレンジが出来上がった。

クエンティン、子供の頃の写真にニューオリンズのビーズを掛けたものがある。
音楽の街で育ったクエンティン。
お母さんはずっと自分の歌のファンだったと話す。
Simon & Garfunkel"The Sound of Silence"
映画「卒業」のテーマの懐かしい名曲を今風のアレンジにして、
クエンティンらしい盛り上がる場所も作っている。

ジェニファー「さっきの発言にはびっくりした。
あなたは優しい人で今日は感情が高ぶっているのかもしれないけれど、
抑えるのがプロとしての在り方。」と。
ハリー「歌詞は深められていたが、いつも言っているように音程を保つように。」
先ほどの発言についてクエンティンは謝罪する。
「誰も侮辱する気などなかった。」
音楽が彼の言葉をかき消そうになり、ライアンは音を静止するようにと合図する。
「ハリーを殴るのかと思って止める覚悟だったんだ。」というライアンに、
「まさか、とんでもない。」とクエンティン。

いかなるアドリブにも対応するライアンの大物振りがうかがえる。
客席のスコットが微笑む姿が映る。
休憩時間中にクエンティンに謝るようにと話し、
彼もそれを素直に受け入れたのかと思う。
しかし彼が一番侮辱してしまったのは、
熱心に真剣に投票する視聴者になってしまったのではないかと危惧する。
また本人がライアンに尋ねられて一曲目の方が、二曲目よりも巧く歌えた、
と答えた言葉の裏には発言が呼んだ波紋に動揺し、
本来は完璧にこなす予定だった二曲目に
その影響が出てしまったからではないのだろうか。

JAX「お父さんは911で負傷し消防士を退職した。
力強いけれど、繊細な部分も持っているのが私と共通している。
それを大切に歌に表現していきたい。」
Michael jackson"Beat It"
一気に曲に入り込んだジャックスの集中力に感心する。
誰もが好きで知っていて歌いこなすのが難しいマイケルの曲。
一曲目から静電気で髪が逆立っているジャックス。
ジェニファーが静電気防止のために使っているというヘアケア製品、
そしてウェットティッシュが運ばれてくる。
ヘアスプレーをライアンにかけるジャックス。
ライアンはティッシュのボトルをハリーに投げ、受け止めるハリー。
今度はハリーが投げ返したロールをジャンプして受け止めるライアン。
やはり今日はライアン、アドリブも連発で凄いテンションに入っている。

レイヴォン「自分の経験を歌に込めていきたい。」
スコットから意味を突っ込まれて「心の葛藤、母子家庭で育ったこととか。」
と答える。
「お父さんとは連絡を取っているの?」との質問に、
「父は傍にはいてくれなかったけれど、僕を誇りに思ってくれていて、
息子として認めてくれているんだ。」と答えたが、
この時のレイヴォンの表情に言葉とは裏腹な真実が画面から浮かび上がる。

Willie Nelson"Always on My Mind"
三回目に崖っぷちに追い込まれたレイヴォン。
複雑な環境に育ちながら、
心にそれを秘めてきたレイヴォンの苦悩が伝わってきて、
胸を突かれる。
実は我らがエリック・べネイもこの曲をカヴァーしているが、
エリックには申し訳ないが、レイヴォンの方が巧かった。
心の内のすべてをさらけ出し歌うレイヴォンの姿には涙が出た。

「一緒にはいられなかったけれど、いつも君は僕の心の中に居たよ。」
という歌詞が先ほどのレイヴォンの父親のエピソードから繋がり、
心に突き刺さる。
今回、父との絆を語るコンテスタントが多い中、
自分の父にもそうあって欲しかったと願うレイヴォンの気持ちが痛い程、
胸に響いてくる。

ニックも感動で涙を拭っている、キースも下を向いてしまう。
声の美しさばかりか、感情をストレートに出したレイヴォンに、
ハリー「君はバラードのシンガーで良いんだって思った。
感情さえ込めることができれば、それでいいんだ。
人柄も音楽のスタイルも申し分ない。」

ジョーイ、お母さんがR&Bからロックまで幅広い音楽の趣味を持っていた
ことに影響された、
おじいちゃんは今でも私のことをカントリー・シンガーだと思っている、
と笑わせる。
Jefferson Airplane"Somebody to Love"
声に表情にジョーイらしい魅力が溢れるステージ。

さて、二人のツイッター投票対決が始まる。
投票にあてられた時間は5分。
ジョーイは初めてだけどこれを三回目に経験するレイヴォン。
その間、ずっとステージに立ち、待ち続ける人にとって、
いったいどんなに長い5分間だろうかと思う。
「二人とも笑顔だけど、どうやって過ごすか、
レイヴォンはジョーイにアドバイスしたの?」と聞くライアン。
「深呼吸、リラックス、長い5分だけど必ず乗り切れるよ、と伝えたんだ。」
とレイヴォン。

接戦で52%で勝者が決まったとの解説に、
思わず修羅場を乗り越えてきたレイヴォンに声援を送りたくなる。
結果を聞き、ジョーイを抱きしめるレイヴォン。

審査員達からここまで来た人は実力があり、毎回が楽しみだった、
皆、これをバネに強くなり、業界でも人生においても、
必ず成功するはずだと。

トップ6が決まった。


アメリカン・アイドル シーズン14 TOP8→7

2015-04-24 21:55:56 | アメリカンアイドル
いつも日本の10日程前に出てしまうアメリカの結果発表から、
必死で目を背けつつ、この時期を迎えている。
しかしながら、ツイートやFBのコメントで思いがけず、
結果を目にしてしまうことになる。

今回は来日していたカシムの父親宛にしたツイートを、
カシムのママがリツイートしてくれて、
その後、カシム・ママをフォローしたことで今回ばかりか、
次回の結果まで知ってしまうことになってしまった。
次回に関しては他にもフォローしているアメリカ人が、
ハッシュタグを付けて"#Save 〇〇"とまでツイートしていたから、
これは間違いなく、このコンテスタントが落ちたのだとわかり残念。

明日、落選する人のことは日本ではまだ放映されていないので
胸にしまっておきます。

今回のパーフォーマンスで抜きに出ていたのはダントツにクラーク。
Edd Sheeran"Make It Rain"
ジェイソン・デルーロが彼を指導するが、
歌い始めたクラークに「君はスピリチュアルか?」とすぐにつっこむジェイソン。
FOXジャパンの字幕はいつも冴えていると思うが、
この部分「君は信心深いか?」
頷くクラークに「だったら一人で自分のために祈るのではなく、
伝道師(preacher)になれ。
自分の感じたことを人と分け合う、人に伝えるんだ。」
この言葉がクラークのお腹にストンと落ちていく。
教会でずっと歌ってきたクラーク。
今までの内省的な自分の世界に入って行くパーフォーマンスから、
大きな転換期となった。

アメリカでのカントリーの分野については知識がないが、
ゴスペルばかりかR&Bやブルースにおいても神の存在が根底にある。
その辺で日本との差を感じることもあるが、
強い信仰を持った人同士はちょっとしたキーワードで、
お互いに深く分かり合う、気持ちが通じる瞬間というのがあるようだ。

"Make It Rain"、アメリカでテレビドラマの主題歌として昨年にヒットした曲、
更に遡った原曲があるようだが歌詞は違っている。
エド・シーランのヴァージョンの歌詞を深めてみた。

「父の犯した罪が自分の肩に伸し掛かる
母の痛みが自分を束縛する
種が発芽するのには水が必要だ
土の中で熱くなるばかり
渇きは深い
雨よ、降ってくれ
すべてを洗い流す雨よ」
クラークは今までは技法とかに走り過ぎだったが、
今回は完璧に自分の想いを曲に乗せて人々の共感を呼んだ。
今の段階ではこの人の優勝する姿が浮かんでくる。
また本人も勝ち抜く気合いが充分にある。

これに比べてしまうと少女のウキウキ感を歌ったニック、
ちょっと甘かった印象がぬぐえない。

さて最後はボトム2に選ばれたカシムとレイヴォンのツイッター対決。
レイヴォンは中々破れなかった自分のパターンから脱して、
力を出し切った。
一方、カシムは今までの彼自身のパーフォーマンスをしのぐ出来栄えとは言えない。

outkast"Hey Ya!"
カシムの左手にはバックコーラス三人。
かつてダニー・ハサウェイの娘でレイラ・ハサウェイの妹、
ケニア・ハサウェイがこの中にいたが今でも彼女は歌っているのだろうか。

右手には私の大好きなアーティスト、ニック・ウェスト、
バンド・リーダーのリッキー・マイナーと共にいるが、
ベースを本当に弾いているのではなくてあて弾きっぽいのと、
ニックが番組中で紹介されなかったのがちょっと残念。
それでもパーフォーマンス中にニックとカシムがアイコンタクトする瞬間がある。
カシムは"I Wish"を歌った時もバックコーラスの女性の手を取り、
そのことで彼女にもスポットライトがあたった。
カシムの自然に身に付いたこういう心遣いはたまらない。
客席にはお母さんと弟、父はこの時は仕事で日本にいた。
カシム、ここのところ、不振だったせいか、
あきらめモード、強気が見えてこない。
一方、前回に続いてボトムに入ったレイヴォン、
腹を据えていたのかもしれない。

ここで落ちても11人に入ったコンテスタントはツアーがあるかと思うが、
今回は余りツアーのプロモーションがないので大丈夫なのかと心配になる。

Qaasimのパパは来日していた!

2015-04-14 18:52:01 | アメリカンアイドル
アメリカン・アイドル シーズン14もいよいよTOP8、佳境へと入った。
コンテスタントのカシム・ミドルトン、客席には彼を見守る家族達がいつもいる。
そのお母さんはかつてミスコンの女王、お父さんは歌手、
カシムは弟と一緒にいつも音楽に満ちた環境で育ったと番組中でも紹介されていた。

客席から応援するお父さん、素敵な人だなぁといつも見ていたら、
何とこういう方だったんですね。
シンガー、ソングライター、ダンサー、ラッパーでストンプ出身
Keith “Wildchild” Middleton

私が応援するギタリスト マサ・小浜さん、
いつものマサさんのバンド・メンバーと共に
4月11日(土)赤坂クローフィッシュにてクローズド/イベント出演のため、
Keith Middletonは来日していた。
知人で居合わせた方が数名いらして、
キースの歌とダンス、トークを楽しまれたと伺った。

KeithのPVも初めて見たが、
Qaasimの多芸で様々なテクニック、
歌やその技法、ダンスやパーフォーマンスの見せ方、
これだけの音楽一家に育ったからこそだと再認識する。

アメアイでカシムを見ている方はこの映像を観ると、
父の姿の中にカシムを、父からの影響をみることができると思う。
カシム自身も弟も出演している。
Keith WildChild Middleton - FeelsGood


反対に父であるKeithを知っている方は、Qaasimの映像に父を見るのでは。
Qaasim Middleton - Uptown Funk (Live)


Keith “Wildchild” Middleton


Kaleb James (Keys, Vocal)
Masa Kohama (Guitar)
Jay Stixx (Drums)
Sokusai Takahiro (Bass)

ニック・ウェスト、アメリカンアイドルに出演

2015-04-09 17:42:31 | アメリカンアイドル
私が応援するアーティスト、今シーズンはナイル・ロジャースに続き、
ニック・ウェストもアメリカンアイドルに昨夜、出演したと教えていただいた。
早速、ニック宛に「日本では10日前後で観れるのよ。楽しみだわ!」
とツイートするとすぐにリツイートしてくれている。

ニック・ウェスト、去年の初来日、ブルーノートでのライヴを観た。
私はカッコ可愛い女性が大好きなので、いっぺんでファンになってしまった。
来日前後からツイートに対してきちんとお返事やリツイートも返してくれる。
ライヴをしている時と日常のギャップにも惹かれる。
昨年の来日は東京が大雪で交通機関がストップした時期だった。
ライヴ終了後に「またぜひ来てね!」と伝えると、
「今度は暖かい時にね。」とウィンク。

「ニック・ウェストの日々」
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/e/f199ba09a0176528e6a6783aacb758f0

「Nik West 2/12 2nd @Blue Note Tokyo」
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/e/ea86bf4bcf241c616074279eea72dd65

ニック・ウェストとして独立したパーフォーマンスをするのか、
それともシーズン12でオリアンティーが出演した時のように、
ゲストとしてコンテスタントのバッグで演奏するのか?
いずれにせよ、楽しみ。
日本での放映はおそらく4月18日。

アメリカンアイドル シーズン14 TOP11→TOP9

2015-04-06 23:48:00 | アメリカンアイドル
前回は私の大好きなアーティストで来日時にはブルーノートへと日参する
ナイル・ロジャースがゲストでメンター。
「ミュージシャンは人を楽しませるのが好きだ。
もちろん自分もそういうタイプ。」
ナイルは著書、Nile Rodgers"Le Freak"の中で、
「マドンナは見せ掛けだけで内容がない」と言った相手に対して、
「この業界は表面に見える部分が内容そのものだ。」と言い返す会話が出てくる。
言葉通りに人々を喜ばせる曲作りにナイル・ロジャースは徹してきた。

Nile Rodgers "Le Freak" Part.2
http://blog.goo.ne.jp/ak-tebf/d/20120306

前回はナイルとトップ11の"Get Lucky"のパーフォーマンスから始まり、
最後はボトムに入ってしまったカシムの起死回生を賭けた白熱のパーフォーマンス、
ビートルズ"Come Together"
審査員から見事にワイルド・カード、投票で落選した候補者を救い上げる権利、
が行使され、まさにカシムにとって"Get Lucky"、幸運を掴む結果となった。
前回のカシムの落選が抑えられたことで今回は二人が落ちることになる。

今回のテーマはエイティーズ、80年代。
ゲストのデビッド・ハッセルホフの80年代メドレーから始まる。
シーズン5、テーラーの優勝が決まった時に、
観客席で涙を流すデビッド・ハッセルホフの姿が大写しになった。
次のシーズンの候補者で応募の動機を聞かれた時に、
「デビッド・ハッセルホフを泣かせてみたい。」と言った人がいた。
80年代にテレビシリーズ『ナイトライダー』で一躍有名になったデビッド、
まさに80年代のイメージ、"Fun"と"Cool"、楽しさとカッコ良さのシンボル、
として紹介される。

今回のメンターはボーイ・ジョージ。
トップ11全員でジョージのヒットメドレーを歌う。

今シーズンでは投票数の多い、少ないは無関係、順不同の紹介。
トップ9として最初に名前を呼ばれたのはダニエル・シーヴィ。
ホール&オーツ"You Make My Dreams"

なぜかいつも審査員に叩かれるダニエル、
歌のコーチを担当するスコットはそれを心配してジョージに伝える。
ジョージから「君の声を僕はいいと思うよ。
批判されるのは辛いがリラックスして。」と指導。
私も彼の声が好きだ。
レッスンを受けた後のダニエル「最高のアドバイスを受けた。」

伸び伸びと歌えたと思うが、
キースから「カメラ映りがいい。人から好かれるものを持っている。
でもぎこちない。」
ライアンに「好きなことは何?」と聞かれて、
"Make people happy"「人を喜ばせること」
もうほんとうに可愛い。

ハリーから「振り付けが不自然だ。わざとらしい。
いろいろ言われると思うが自由に弾けろ。」と。
振り付けはコリオグラファーが決めているはず。
15歳のダニエルはそれに逆らいようもない。
こうやってハリーが言ってくれたことで次からはダニエル、
裏方からの納得できない申し出に対してはっきりNOと言える。

次はクエンティン。
フィル・コリンズ"In The Air Tonight"
この人はだんだんと迫力が増している。
原曲の雰囲気に忠実な世界を表現し、後半はアレンジで、
クエンティンの魅力満載のステージを見せた。
服装から立ち居振る舞い、すべてがドラマチックな物語となる。

ジョーイ、シンディ―・ローパー"Girls Just Want To Have Fun"
7色に輝くミニのドレスで登場し、最初は良かったものの、
出だしだけで進むにつれて勢いを失う。
いつもの彼女の独特の個性が表現されないまま終わってしまった。
キースの「家でテレビを見ている家内と娘はきっと一緒に踊ってるよ。」
には会場が沸く。
何しろキース・アーバンの奥様はニコール・キットマンなのだから。

ティアナ・ジョーンズ、ホイットニー・ヒューストン"I Wanna Dance With Somebody"
スパンコールの入ったスタジアムジャンパーにジーンズ、スニーカー。
髪にはブルーのリボンのカチューシャ。
いつもこの人を見ているとマイケル・ジャクソンの若い頃、
10代前半の頃を重ねてしまう。
それだけニュートラルな魅力で周りを楽しくさせる。

ジャックス、ボン・ジョビ"You Give Love A Bad Name"
この時代のパンクな雰囲気を上手に表現した。
バンドの音に声とピアノの演奏がかき消されてしまったことを審査員達が指摘。
リハーサルの時にこれは調整するべきとアドバイス。
これも審査員が言ってくれることでコンテスタント達が委縮しないで、
バンドに、番組側に要求を伝えやすくなったと思う。

ニック、マイケル・ジャクソン"Man In The Mirror"
もっと自信を持って、観客とのコネクトも大切、
とボーイ・ジョージからアドバイス。
ニックの曲に向けた真摯な想いが伝わってくる。
初めてこの人のパーフォーマンスが心に響いてきた。
歌詞の中、ブリッジ、サビの部分の"Change"、これは彼が自分と対話しているよう。
「鏡の中の自分に、自分を変えようと呼びかける」という歌詞、
まさに今の彼にぴったりな曲だった。

ハリー・コニック・ジュニアが"fantastic voice"と言ったと、
ジェニファー・ロペスが大喜び。
ずっと彼のことを「セクシー」"hot"とか
「魅力的」"attractive"とジェニファーは応援していた。
ハリーは「君の魅力は優しさ(sweetness)と謙虚さ(humility)だ。」
確かに自分を知っていて中々自信を持てないのだけど、
メンターやコーチ、審査員達、
観客や視聴者に応えようと自分を変えようとするニック、
挑戦する姿は美しいと思う。

クラーク、The Police"Every Breath You Take"
ボーイ・ジョージから「後半の高音が苦しげ、半音下げたら?」
と言われて試してみせる。
FかGか、どちらの音階を取るかは自分で決めるようにと言われ、
クラークはリハーサルで結局、自分が最初に選んだ高いキーに戻す。
バンドなしで彼のピアノと歌のみのパーフォーマンス。
音色を自分の好みに声をマッチさせることが功をなした。
優しい旋律にジェニファーから"mesmerizing"「夢みるよう」
"goosy"「鳥肌が立つ」と絶賛される。

カシム、前回の生き残りを賭けたパーフォーマンスの最後の部分が映し出される。
歌い終わってマイクを落とすカシム。
スローモーションでまたその姿が再生される。
「このマイクは高いんだよ。」「番組の制作者から弁償するように請求が来るかも」
「どうしてこんなことをしたんだ?」とライアンに言われて、
「何かが憑依してしまったんだ。会場の熱気、皆のエネルギーが僕にさせたこと。」
場内は爆笑となる。

Robert Palmer"Adictted Love"
「また観客とコネクトして盛り上がるチャンスを掴んで欲しい。」
と歌唱指導のスコットから。
ボーイ・ジョージも彼には演技性だけでなく、歌唱力もあると認める。
"Story teller"、歌詞の意味を伝える語り手としても才能がある、
そして"Fighter"、あなたは戦いに挑む勇気のある人だからと、
ジェニファーも励ます。
実際、その通りになった。
派手なパーフォーマンスではなかったが、しっかりと心に届く歌を聴かせる。
客席ではいつも祈るような表情で母と父と弟が見守っている。

最後に残ったのはレイヴォン、マディ、アダナ。
選ばれたのはレイヴォンだった。
Tears of Fears"Everybody Wants to Rule the World"
ボーイ・ジョージ、スコットの二人から「ハッとさせるものがない」
「殻を破るんだ」「冒険をしろ」と言われるが、
「自分は自分のスタイルでやってきてここまで来たんだから、
自分のやり方で通す。」とコメントしてしまう。
まさに歌のタイトル通り、自分のルールで仕切ってしまう。

いつもと同じくそつなく歌ってみせるが、
ジェニファーからも「せっかく指導を受けているのに心を開かないのでは。
失敗と挑戦を繰り返して人は成長するはず。」と言われてしまう。
確かに彼のコメントはボーイ・ジョージに対しても失礼だった。
ジェニファーがきちんと言ってくれて良かったと思う。
視聴者、投票する人は彼の態度をどう捉えるのだろうか。
アメリカと日本では考え方が異なるかもしれないが。

シーズン5でクイーンがメンター、共演もした時に、
「アレンジを変えろ」といって怒らせたコンテスタントがいて、
その時の審査員、ポーラ・アブデュルが「原作者に対して失礼。」
と諌めたことを思い出した。

今までも大切な分岐点で指導者と意見を分かつコンテスタントがいた。
意見を聞いて落ちて行った人も見た。
しかし本気でこの業界でやっていくことを視野に入れていたら、
大物に楯突いたら将来にも関わるかもしれない。
この段階まで来て落選しても拾ってくれる人がいて成功している人もいるのだから。
それでも自分を貫く潔さも必要かと思うが、
サラッとかわして自分を通したクラークは大人だった。

アメリカンアイドル シーズン14 TOP12→TOP11

2015-04-01 19:23:00 | アメリカンアイドル
今回のテーマは"Party"
皆が楽しく盛り上がれる曲。

最初に選ばれたのはレイヴォン・オーウェン。
ハリーから「往年のモータウンのシンガーのようだ。」
コーチのスコットからは「まだまだもっと磨きを掛けないと。」
"Burn" Ellie Goulding
レイヴォンは巧いし、そつなくこなすが、確かにガツンと来る、
鳥肌の立つようなパーフォーマンスには至らない。
「ファルセットを武器にしていつも同じような盛り上げ方をする」とハリー。
個人的には好みだがカリスマ性には欠けているのかもしれない。

2番目、マディー・ウォーカー。
"She's Country" Jason Aldean
カントリーをロック風に歌う。
トップ24から漏れるはずが審査員達が救い上げた彼女。
好き嫌いの分かれるところだがカントリーのディーヴァ的な雰囲気、
を備えているのかと思う。
マディーは体調不良とのことで歌い終わってから会場を後にする。

3番目、ジョーイ・クック。
"Fancy" Iggy Azalea
この人はだんだんと自分のスタイルというのを確立して、
明らかに存在感を高めてきている。
自分でアレンジして1930年代の雰囲気を曲に表現しているそうだ。

4番目、クラーク。
"Taking It To The Streets" The Doobie Brothers
ピアノの弾き語りで大好きなヒット曲を情感豊かに歌い上げてくれた。
ピアノを弾きながらも客席、カメラへと視線を向ける。
ここの所、絶好調のクラークの姿を観れるのは嬉しい。

5番目、ジャックス。
"Blank Space" Taylor Sweift
彼女にはスター性がある。
これからも勝ち残っていくはず、外見も歌唱力も充分にある。

6番目、カシム・ミドルトン。
"Jet" Paul McCartney & Wings
カシムは他の人のパーフォーマンスの時もスタンディング、
選ばれた人の喜びにはいつも共感を示している。
アーティスト、パーフォーマーとしては秀逸だが、
歌唱力に欠けるという指摘を受け、
また他のコンテスタントが楽器を多用することに影響されたのか、
今回のギターを弾きながらのポールの曲への挑戦だが、
カシムの良い所が全く出てこないし、原曲の持ち味も消してしまった。
カシム、次回はぜひ挽回してほしい。

7番目、アダナ・ドュリュ
"Run Away baby" Bruno Mars
ステージの動きが映えて、美しい人だ。
パーティーにぴったりの曲。

8番目、ティアナ・ジョーンズ。
"Tightrope" Janelle Monae
ポップとゴスペルの融合をさせたいというティアナ。
彼女にはドレスよりもボーイッシュな服がとても似合う。
天性の伸びやかな歌声は会場の観客もテレビの前の視聴者も、
ぐっと惹きつけた。
この日、一番のパーフォーマンス。
圧倒的な才能を見せつける。
回数を重ねて自信がついてきている様子もわかる。

9番目、ダニエル・シーヴィ。
可愛いだけでなく、これからは歌唱力も鍛えて行かないととスコット。
"Happy" Parrell
良くぞ、皆が好きな曲、この時期にタイムリーな曲に挑戦してくれた。
実際、彼は周りをハッピーにする才能がある。
細かい所は許せてしまう好感度を持った人。

10番目、クエンティン・アレキサンダー。
"Rolling in the Deep" Adele
故郷のニューオリンズのパーティーの雰囲気を出してみたかったとクエンティン。
出だしは心配したが、多少の音程のずれなどは気にならなくなる、
心地良く心に響く歌声。
この人も回を重ねるごとに魅力が増してきている。

11番目、最後はニック。
"Wake Me Up" Aloe Blacc
最後に呼ばれた緊張感と動揺が歌に出るが、
それはそれで悲しい曲に合っていた。

トップ11が決まる。
残されたサリナ・ジョイ。
"Neon Lights" Demi Lovato
審査員からのワイルドカードの適用はなく番組を去る。

アメリカン・アイドル シーズン14 TOP16→TOP12

2015-03-23 15:26:26 | アメリカンアイドル
男女トップ16から一気に4人振り落とされトップ12が選ばれる。
男女5名ずつは視聴者の投票、残りの6人の中からは、
審査員が二人を選ぶ。
コンテスタント達が歌うのは地方オーディションの際に歌った曲。
今回、これを少なからず疑問に感じた。
同じ歌をFinalとかでアレンジを変えてならともかく、
この段階でもう一度歌わせる意味とは何だろう。
番組の進行上の問題だろうか。
名前を呼ばれる順は投票結果の順位とは無関係。

トップバッターはサリナ・ジョイ・クロウ
"Love Runs Out" OneRepublic
会場が盛り上がるノリの良いヒット曲で口火を切ったかと思いきや、
最初から音を外す。テンポもずれている。
審査員達も顔をしかめている。他の候補者たちも複雑な表情。
終盤になってやっと建て直したが、やはり一番目として、
いきなり歌うのは音を取るのが難しいことなのかもしれない。

2番目、レイヴォン・オウエン
"Wide Awake" Katy Perry
この人のパーフォーマンスは安定している。
その中できちんと盛り上がる瞬間も作っている。
ファルセットが持ち味。
人柄も好感が持てる。
エリック・べネイファンの私としては応援したいものを備えている。

3番目、ダニエル・シーヴィ
"Straight Up" Paula Abdul
かつて審査員をしていたポーラ・アブデュルの曲。
自分の曲をこんな少年が歌っている、ポーラが聞いたら喜ぶだろうなと思う。
カメラ目線やステージでのアピアランスが格段に進歩している。
ハリーから「他のコンテスタントと比べると若く、
未経験ゆえに物足りなく思える。」と厳しい批評があるが、
15歳、完璧だったら反対に不気味だ、未熟なところも含めて、
頑張っている様子が年相応で魅力がある。

4番目、マディー・ウォーカー
"Suitcase" Gwen Sebastian
審査員がトップ24の段階で迷って救い上げた彼女。
それだけテレビに映える、カメラの前で輝けるものを持っているのだろう。
「考えながら歌っている」とジェニファーとハリー。
曲に集中できてない心の内がパーフォーマンスに出てしまう。

5番目、ティアナ・ジョーンズ
"Wings" Little Mix
彼女はやはりドレスよりもパンツスーツが良く似合う。
歌は全くぶれない。周りをハッピーにするオーラがたっぷりだ。

6番目、ニック
"In Your Eyes" Peter Gabriel
考えてみるとダニエルの約2倍の年齢。
熟練したパーフォーマンス、安心して見てられる。
しかし、何かインパクトが弱い。
年齢的に自分を知っているだけに、
優勝はあり得ないと思っている自信のなさのようなものが
演技に出てしまうのだろうか。

7番目、JAX
"I Want To Hold Your Hand" The Beatles
ピアノの弾き語りから始まり、マイクをハンドに替えてステージを周りながら、
歌の佳境に入る。いつもながらセンスのある彼女らしいアレンジ。
光るものを持っている人だ。

8番目、カシム・ミドルトン
"Sir Duke" Stevie Wonder
ビート・ボックスや数々のひねりを加えながら曲を独自にアレンジしているが、
ここのところ、毎回サプライズをもたらせていた彼のパーフォーマンス、
残念なことに陰りが見え始めてしまった。
ぜひ挽回してほしい。

9番目、クラーク
"It's a Man's, Man's, Man's World" James Brown
停滞気味だったクラーク、本来の実力を魅せつける。
余りに曲に集中し、その世界に入り込むと、
そこからすぐにもどってこれなくなることが歌手も演奏者もある。
今回の彼の歌い終わった瞬間がまさにそんな感じだった。
それだけ素晴らしい感情移入と集中力だった。
この人は優勝する気で勝負している。
先日、地方予選の録画を観返してみたら、
キースとジェニファーは彼に"YES"と言ったのに、
意外にもハリーが"NO"だった。
ここまで実力がある、成長するとはハリーにも見抜けなかったのか。

10番目、ジョーイ・クック
"King of Spain" The Tallest Man On Earth
誰にもマネできない世界を彼女は作り出している。
会場の女子から一際高い声援が。女の子にとても人気があるようだ。

審査員が選んだ一人目はクエンティン。
"Royals" Lorde
この人はファッションの含めてオリジナリティーが光る。
もちろん歌の実力も伴っている。

二人目はアダナ・デュルゥ。
"You and I" Lady Gaga
最後に選ばれた喜びが画面を通して突き抜けてくる。
歌も動きも抜群に魅力的。

残った4人の中にアダムがいる。
基本はロック、オールマイティーに歌をこなす人。
今後のパーフォーマンスも観てみたかっただけに残念な結果。
本人も落胆の色を隠せない。

アメリカン・アイドル シーズン14 男性TOP8

2015-03-15 19:44:22 | アメリカンアイドル
タイムリーな画像を検索するとアメリカで既に出ている結果発表を
みつけてしまう可能性大なので、いつもながら同じ画像で失礼されていただく。

会場はデトロイト、今回はモータウン特集、
それぞれがどんな曲を聴かせてくれるのか、思いっきりテンションが上がる。
いきなりアレサ・フランクリンが登場、グロリア・ゲイナーの"I Will Survive"
「何が何でも生き残る」というこの曲、『アメリカンアイドル』の候補者たちのために
カヴァーしたのかと思いきや、アレサのNEWアルバムに収録されているとのこと。
アレサの存在感は絶大だ。
ちょっとした音程のずれなんてもう関係ない。
この番組にアレサが登場したのはシーズン12のファイナルで中継で繋がった形での参加、
生出演は今回が初めてではないだろうか。
客席、審査員、候補者たちも盛り上がっている。

今までの進行と異なり、今回は男性TOP12の中から選ばれたTOP8のみが
歌を披露する形になる。
指名される順は投票結果の順位とは無関係。

トップバッターはダニエル・シーヴィ―。
マーヴィン・ゲイの"How Sweet It Is To Be Loved By You"
セクシーなマーヴィンの曲を15歳の少年が情感を込めて歌う。
大人の真似なのでなく、年齢にふさわしいキュートさが炸裂する。
余裕さえ感じられるパーフォーマンス。
一番先に選ばれた嬉しさがにじみ出る。
審査員からはキーを高くした方が合っていたのではという意見。

二番目はマーク・アンドリュー。
この人はカントリーの歌い手かと思っていたら、
テンプテーションズ"Papa Was A Rolling Stone"
R&Bもしっかりと行けるところを見せる。
スムースでノリの良いステージだったが、
軽く歌ってしまった感が否めない。
ジェニファーからも「心に響くものがない」と指摘される。

3番目はレイヴォン。
テンプテーションズ"My Girl"
ギターソロと彼の歌から始まり、"I guess you say"の歌詞の部分から、
バンドが加わる。
誰もが知る曲を当たり前に歌わず、キレの良いファルセットの連発に、
エリック・べネイファンの私としてはとろける。
原曲の良さはそのままに自分の魅力をたっぷりメロディーに乗せた。
ハリーから「非の打ちどころがない。外見も歌もハッピーでスイート。
でも知らない面も見てみたいね。」とコメント。

4番目はアダム。
ロックのイメージの彼がJackson5"I Want You Back"
名曲を自分の曲にとアレンジしているが、これが全く嫌みがない。
大物の風格を見せる。
ライアンから「君がタキシードを着るとは。」と驚かれて、
「だってモータウンだよ。カッコよく決めなくちゃ。」

5番、クラーク。
Smokey Robinson & the Miracles"The Track of My Tears"
スモーキーの持ち味があってこそのこの曲、
クラークは原曲の良さも自分の個性も光らせることができなかった。
モータウンの特集なのにグルーヴ感が出てこない。
今回は前の4人の出来が良いだけにクラークが霞んでしまった。

6番、ニック。
「父からモータウンの曲は聴かされてきた。その発祥の地で歌えるとは。」
と感激を語る。
Stevie Wonder"Signed, Sealed, Delivered"(I'm Yours)
彼の弾くギターと歌に始まり、バンドがかぶさる。
こんなに難しい曲をいとも簡単に歌いこなしてみせる、
この人の底力を知る。
ステージのアピアランスも光る。
「もっと笑顔が見たかった。」というハリーに、
ジェニファーは「彼は笑顔なのよ。」
キースは「ギターなしで動きを見せた方が良かったのでは」とアドバイス。

7番目はカシム。
ドレッドヘアにスーツ。叔父がいつも衣装を作ってくれると紹介する。
Stevie Wonder"I Wish"
歌もダンスもダントツに一人抜きに出ている。
もうファイナルを彩るコンテスタントのよう。
明らかに別格の才能を見せつける。
もっとずっと見ていたいと思わせるパーフォーマンス。
よっぽどの失敗、あるいは他の人が急成長しない限り、
この人の優勝は堅く思えてきた。
歌いながらバックコーラスの女性の手を何気なく取ったり、
自分の世界を構築しながらも観客ともしっかりコネクト。
会場の一体感を作り上げている。
終わった後もしばらく静止したまま。
そして動くやいなや、バンドのメンバーを振り返り、
リッキー・マイナーに感謝の挨拶をしている。
ステージマナーも好感度が高い。

最後の一人はクエンティン。
Stevie Wonder"Master Blaster"
シーズン11でディアンドレもこの曲を歌ったが、
中々うま味を出すのが難しい曲だ。
ハリーから「最後まで結果発表を待たされて集中力が切れたのでは」
とフォローがある。

トップ8に入れなかった4人、やはり個性の面で選ばれた人よりも弱かった、
あるいは似たタイプがいてその人が自分よりも優れていた、という結果だろうか。
今回、せっかくのモータウン特集なのにスティーヴィーの曲に集中、
テンプテーションズも2曲ありで、もっとバラエティーに富んでいればと思う。
勝ち進めなかった4人がどんな曲を用意していたのか聴いてみたかった。

アメリカン・アイドル シーズン14 男性・TOP12

2015-03-09 22:19:09 | アメリカンアイドル
TOP24、男性12人のパーフォーマンスから始まる。
会場はハリウッドからデトロイトのコンサートホールへ。
マイナス17度の寒さの中、会場は満席で熱気に包まれている。
判定の結果は男女24人から16人、それぞれ8人ずつに絞られる。
つまりこの12人の中から4名が脱落することになる。
今回からは視聴者に投票が委ねられる。
一人20回まで投票できるそうだ。

トップバッターはアダム。21歳のトーイデザイナー。
"I Wanna Rock" Twisted Sister
トップを飾るのに相応しい迫力のパーフォーマンスで観客をウォームアップする。
映画『スクール・オブ・ロック』のジャック・ブラックと姿が重なる。
自分のスタイルを貫く潔さに審査員も笑顔。
観客の声援を浴び、本人も楽しんでいるのが伝わってくる。
声量もたっぷりだ。

ナッシュビルで農業に従事するマイケル。
"How Am I Supposed to Live without You" Michael Bolton
普段は農作物を育てている朴訥な青年が満場の観客を前に、
甘く切ないバラードを歌い上げる。
心が洗われるようなパーフォーマンスだ。

セイヴィオン、22歳の学生。
昨年は脱落、今回は屈辱を晴らすべく悩んだ末の応募。
昨年はドレッドヘアだったのが今回はキャップとメガネがトレードマーク。
ギターを手に歌うが、スタンドマイクをハンドに変えて最前列と握手するために
歩み出した辺りから歌のインパクトが弱くなる。
必要以上の動きは歌唱力を返って不安定にしてしまう。
曲も何となく彼の魅力を表現できてないようで、
ここぞという時にもう少しキメ曲で勝負できなかったのかと残念。

ここまで観て、今回からコンテスタント達がイヤホーンを付けているのに気付く。
前回まではしていなかったのが、今回から大きな会場に移ったゆえだろうか。
イヤホーンは使い慣れないと調子を崩すことになる。

ミネアポリスで造園業を営むマーク、29歳。
The Weight "The Band
安定したギターの弾き語りにキースも楽しそうに一緒に口遊んでいる。
「君の声はいいし、バンドなしでも行けるよ。」と。
選曲がぴったりだったと審査員達からも高評化。
アメリカには根強いカントリーファンがいるだけに勝ち残る可能性は高い。

トレヴァー、17歳の学生。
"Best I Ever Had" Gavin Begraw
彼もまたギターを手に歌う。
若者の元気いっぱいのパーフォーマンスだが、
音程は思いっ切り外れていて、曲が進むにつれて更に悪化する。
しかし結果はともかく最後までエネルギー溢れるパーフォーマンスを通したことを、
審査員達は評価。

ストリート・シンガーのクラーク、22歳。
前回はピアノの弾き語りでの"Georgia"に圧倒されたが、
今回はPercy Sledge "When a Man Loves a Woman"
第一声からこう来たか、と思わせる期待通りの歌に観客も審査員も魅了される。
さまざまなテクニックを使い分け歌を作り上げつつ、
曲のエッセンスもストレートに伝える。
歌を知り尽くし、自分のものにできるまさに円熟した歌い手。
キースはスタンディング、ジェニファーも「鳥肌が立った」と讃える。
優勝候補の一押しと言える。

レイヴォン、23歳、ウェディングシンガーやクラブで歌って生計を立ててきた。
"Jealous" Nick Jonas
笑顔あふれるパーフォーマンスだったが、前回ほどの魅力は発揮できない。
ジェニファーからもっと悪っぽく、曲のコンセプトに相応しく表現するべきでは、
とアドバイスがある。
確かに何かスパイスが欠けているような結果になってしまった。

今回の最年少、15歳のダニエル・シーヴィ。
"I'm Yours" Jason Mraz
今回からスタイリストが入ったのだろうか。
普通の少年ぽさが良かったのに髪型から作り込まれて、
いかにもアイドル風にされてしまったことで返ってこの業界では平凡に見えてしまう。
マンドリンを手に歌うが、審査員から曲全体を歌いきれてないと批評が。

ライリー、18歳、学生。
キースの大ファンで共演したこともあるそうだ。
"Home Boy" Eric Church
エレキギターを手に歌う姿が板について決まっている。

ニューオリンズ出身のクエンティン、ショップで働く21歳。
"I Put a Spell on You" Screamin' Jay Hawkins
毎回趣向を凝らした衣装で楽しませてくれる。
ここまでステージに溶け込み、違う面を表現するためには多くの想像力を伴うはず。
「まだデビューもしてないのにグラミーのパーフォーマンスみたいだった。」
とキース。
それだけ大がかりでゴージャスな雰囲気があったということだ。

ニック、歌をずっと職業としてきた28歳。
番組が続く中に29歳となり、最後のチャンスに掛けている。
"Thinking Out Lord" Ed Sheeran
熟練した歌を聴かせるが、緊張からだろうか、なぜか十分に力を出し切っていない、
そんな印象がぬぐえない。

カシム・ミドルトン、ブルックリンの19歳の学生。
"Uptown Funk" Mark Ronson & Bruno Mars
思わず立ち上がって踊りだしたくなるようなパーフォーマンスに会場もスタンディング。
今、人気の曲の良さは残したまま、自分らしくアレンジ。
観客と審査員達を多いに沸かせた。
観客としっかりコネクトして、完璧に自分のステージにしている。
大舞台にもひるまないカリスマ性を見せた。
この人も一押しと言える。
客席には彼に声援を送る家族の姿がある。
音楽一家で育った。
この日、最もステージを支配したのは彼だった。

アメリカンアイドル・シーズン14 TOP24

2015-03-07 14:15:10 | アメリカンアイドル
アメリカンアイドル シーズン14、トップ24が先週決定した。
男女12人ずつ、今日から女性、男性と分けたバトルが始まる。

トップ24を決める際に使われた会場はLAのHouse of Blues。
ライヴ会場さながらのパーフォーマンス。
選ばれた24人の歌のみをまとめた映像を教えていただいた。

通して観て思わず唸る。
今年のトップ24は素晴らしい。
たいへんな緊張感の伴う状況であるにもかかわらず、
選ばれたコンテスタント達は楽しげに歌って魅せる。
だからこそ、トップ24になったのかもしれないけれど。
House of Bluesで観客を前に歌うことができるというまたとない機会、
それぞれが喜びを全面に出し切った。

House of Blues Showcase - Top 24 FULL Performances: Just Singing! - American Idol 2015


一人一人、アレンジを聴かせ、自分の長所のある限りを、
思いっ切り表現しているが、後は何曲、これが続けられるか。
また今後与えられていく課題をどうこなしていくか。

これから先となるといつも思うのは、
最初は個性のある人が勝ち残っていき、次は癖の強い人が落ちて行き、
最後は次にもう一度歌うのを聴きたい人を一人選ぶとしたら、
と究極の選択肢が付きつけられる。

オールラウンドに巧い人、アメリカンアイドル向きの人という観点ではなく、
あくまでも自分の好みから気になったコンテスタントをピックアップする。
視覚に頼らないためにも映像を観ず、声だけでも聴いてみた。

No.1のマイケル・シメオンの癖のある声に惹きつけられる、
ロックも歌えるNo.3のアダムもいい。
No.5のクラーク・ベッカムの歌う"Georgia"には心が揺さぶられた。
続くNo.6 Adama Duruのジェームズ・ブラウン"It's Man's World"
これもブルージーに自分の歌にしていた。
No.7 Daniel Seavey、15歳の少年なのに堂々たるステージマナー、
声も音域を使い分けるし、音程も安定している。
そしてアイドル性がある。
No.9 レイヴォン・オーウェン、エリック・べネイファンという立場の私としては、
次回にどんな曲を聴かせてくれるか楽しみな存在。
No.10 Tyanna Jones、女の子なのにスーツで出てきてビヨンセのアップテンポな曲を、
豪快にかつ繊細に歌ってみせた。
これからも応援したいという要素を充分に備えた人。

この他にも個性溢れる魅力たっぷりなパーフォーマンスが続く。
No.14 Jaxは父親想いの少女、父はニューヨークの消防士で911の際に
負傷して以来退職した、叔父は亡くなったというドラマが紹介されるが、
それだけでなく自身のスター性が輝く。
No.19のニックは彼女と挑戦して彼のみがここまで勝ち残ることができた。
アンディー・ガルシアに似た男っぷりだけでなく歌唱力も光る。
No.21、Qaasim、あなたは一体何者?と思わせるだけのダントツの個性派。
自分の選んだスタイルに徹しきることができるのもそれに相応しい実力があるから。

この映像から引き続き、かつての準優秀賞者、アダムが審査員として加わった
NYCのオーディションの映像を観てしまったが、ニューヨークから多くの才能ある
コンテスタントが勝ち進んだことを見直した。
またアダムがかつて候補者だった自分を思い出すシーンは感慨深い。

1. Michael Simeon“Classic” by MKTO
2. Loren Lott“My Heart Will Go On” by Celine Dion
3. Adam Ezegalian “Here I Go Again” by Whitesnake
4. Lovey James“Wings” by Little Mix
5. Clark Beckham“Georgia” by Ray Charles
6. Adanna Duru “It’s a Man’s Man’s Man’s World” by James Brown
7. Daniel Seavey“Straight Up” by Paula Abdul
8. Maddy Walker“Big Girls Don’t Cry” by Fergie
9. Rayvon Owen“Lay Me Down” by Sam Smith
10. Tyanna Jones“Love On Top” by Beyonce
11. Mark Andrew“Take Me To Church” by Hozier
12. Shannon Berthiaume "Piece of My Heart” by Janis Joplin
13. Quentin Alexander“Youth" by Foxes
14. Jax“You & I” by Lady Gaga
15. Savion Wright“I Don’t Trust Myself (with loving you)” by John Mayer
16. Joey Cook Sweet Pea” by Amos Lee
17. Trevor Douglas “Burnin Love” by Elvis Presley
18. Katherine Winston "Rhiannon" by Fleetwood Mac
19. Nick Fradiani “Drops of Jupiter” by Train
20. Alexis Gomez“Better Dig Two” by Band Perry
21. Qaasim Middleton “Satisfaction” by Allen Stone
22. Sarina-Joi Crowe “Big White Room” by Jesse J
23. Riley Bria "Love this Pain” by Lady Antebellum
24. Shi Scott“Higher Ground” by Stevie Wonder

アメリカンアイドル・シーズン7、マイケル・ジョーンズ急逝

2014-08-09 11:16:45 | アメリカンアイドル
デビッド・フォスターがFB上に下記の動画をアップした。
懐かしいなぁと思い観ているとそこに"RIP"という表記が。
信じられないまま、マイケル本人のFBページを見ると、
ヘッダーの画像が"RIP"となっている。
驚きのあまり検索すると、8月1日に亡くなっていたとある。
7月末に足を捻ったことから血栓ができ、病院で治療を受けていた。

マイケル・ジョーンズ(Michael Johns)アメリカンアイドル・シーズン7に登場、
ルックスと歌唱力で人気は高く、楽々とトップ10に入る。
しかしながらトップ8で脱落。
彼に劣るコンテスタント達がいたのにどうしてこんなことにと、
応援していただけにかなり悔しい思いをした。
それはアメリカ全土でも同じだったようで、
「なぜマイケル・ジョーンズはトップ8で敗れたか」
というyoutube動画を作った人までいた。

理由は『男女比を合わせるため』という説で納得した。
多くの非難が寄せられ、
その後、アメアイのトップ10で男女比は関係なくなった。

アメリカンアイドル・シーズン7、優勝者はデビッド・クック、
準優勝者はデビッド・アーチュレッタ、
この時のアメアイはレベルが高かった、観る方も燃えていた。

落選が発表された時のマイケルは落ち着いていて、
他のコンテスタントの女性たちが涙したり、ハグしたりする中で、
反対に慰めてさえいた。
この時の彼の態度からますますファンになった。
マイケル・ジョーンズ、外見と歌の実力、人柄の良さから、
視聴者にもコンテスタント達にも慕われていた。
彼のおおらかさについて、オーストラリア出身だからいう説もあった。
トップ8で脱落してもトップ10には入っていたので、
全米ツアーに参加できることに希望をつないでいたマイケル。

そんなマイケルを救ったのは、デビッド・フォスターだった。
エリック・べネイも招かれ歌った2008年の"David Foster & Friends"、
何とここにデビッドはマイケル・ジョーンズを呼んでしまったのだ。

そしてその時に披露した曲がこの映像、
映画、"St.Elmo's Fire"から"Man In Motion"
デビッド・フォスターのステージを飾る大御所達、
ピーター・セテラ、セリーヌ・ディオン、ブライアン・マックナイト、
シェリル・リン、ジョシュ・グローバン、マイケル・ブーブレに交じり、
堂々たるステージを見せたマイケル・ジョーンズ。

この時、アメアイはまだトップ4ぐらいの時期だった気がする。
優勝を逃しても更にステップアップしているマイケルの姿に、
胸がスカッとする想いだった。
その時期、スタジアムに招かれアメリカ国家を歌うマイケルの映像も見た。
アメアイでは落選してもアメリカが彼を放っておかなかったことに感動も覚えた。

デビッド・フォスター&フレンズの映像、
マイケルは招かれた喜びが溢れ、生き生きと歌い上げている。
35歳とは余りに若過ぎる。
人の命のはかなさを思うと同時に輝いていた瞬間を胸に留めておきたいと思った。

RIP.Michael Johns

Michael Johns - Man In Motion (John Parr, St. Elmo's Fire) (live 2008) HD 0815007