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●NHK会長人事 報道の自由課題では、前門の虎、後門の狼
年内に決定されるであろう、次期NHK会長人事の話だが、どうも良い方向に向かっている気配は見られない。以下、サンデー毎日や朝日新聞の情報。そして、日刊ゲンダイの情報を読んでも、日本の報道の自由度ランキングが改善されることはないようだ。街を支配する“ヤクザ組織AとB”どっちが良いのか、と問われているようなもので、目糞鼻糞の選択と云うことのようだ。
まあ、以下の三つの情報から推測できる興味深い情報は、安倍官邸と一括りにしてはいけない事情が存在している気配だ。安倍首相と菅官房長官の対NHK会長人事に関する思惑が完全に一致しているとは言い難い面がある。しかし、悪い奴ほど、利益相反な問題を丸く収める能力があるので、官邸内の対立が表立つことはないだろうが、世間知らずのボンボンと苦労人(成り上がり)補い合える部分も多いだろうが、人間的根っこの部分では、激しい対立の葛藤があるのではないかと考える。
日本の報道の自由度ランキングが72位と、毎年確実に順位を下げている。民主党政権時の2010年には11位と最高位にランキングしたが、14年は59位、昨年は61位、そして今年は72位にまで落ちた。巷の予測では、来年は2桁の順位をキープできるかどうかに注目が集まっていると云う。100位前後となれば、チュニジア、イスラエル、レバノン、クウェート等々の国々と同等のレベルになると云うことだ。180か国が調査対象なのだから、世界の先進国文化国家だとか、普遍的価値の共有など、本来口が裂けても言えないのが、NHKや全国紙の現状である。
NHKは半官半民のような組織と云う認識があるので、政権寄りの大きな流れを抱えているのは、理屈抜きに理解出来るが、公共放送ではなく、国営放送にすべきで、運営費は国家予算ですべて賄うのが筋だろう。中途半端に視聴者への受信料と国家予算の曖昧さが、国民のメディアリテラシーの混乱に拍車をかけている。運営方法も経営委員会があり、NHK会長がいる。責任の分散化と云えば体はいいが、自分達が発信する情報の責任所在が曖昧になるだけになっている。半官半民ゆえに、好き勝手のお手盛りも起きやすく、ペーペーNHK職員の給与総額は、中小企業の社長並みになるのだ。実際には、全国紙も、広告収入に大きく依存しているし、既得権でおんぼ日傘なジャーナリズムなのだから、世界の100位でも、悦ぶべきかもかもしれない。今夜はこの辺で失礼!
≪ 深層スクープ! NHK籾井会長「自民党“出禁”」の不徳
動き出した「ポスト籾井」レース NHKの籾井勝人(もみいかつと)会長(73)が川崎二郎衆院議員ら自民党郵政族の重鎮から出入り禁止の憂き目に遭っている。受信料制度の見直しや東京・渋谷の放送センター建て替え計画など重要案件が目白押しの中、来年1月の会長選に向けた「ポスト籾井」レースの幕が開く。
NHK会長が自民党で出禁になる―。異例中の異例の事態が生じた原因は3カ月前にさかのぼる。 籾井会長は4月に役員と局長級の人事を行った。任期満了で退任した役員4人の中には、官邸との太いパイプがある専務理事の 板野裕爾放送総局長(当時)と井上樹彦理事(同)が含まれていた。2人は、NHKのグループ企業・団体に渋谷の350億円の土地を購入させ、ビルを建設してひとまとめにするという籾井会長の計画に、理事会で異論を挟んだのだ。
造反した2人を切り、人事で組織を掌握することは籾井会長としては当たり前の判断なのだろうが、2人に「待った」をかけさせたのは官邸サイド。板野・井上切りへの反発を抑えるべく、官邸へ密使を送り込み、どうにかこの人事を推し進めた籾井会長だったが、知ってか知らずか、さらにもう一度、虎の尾を踏んだ。
NHKには記者ではないが、職務として「永田町詣で」をする職員がいる。政治部記者時代のパイプを生かし、予算など重要な案件について国会議員を訪ね、 説明し、審議の動向を探る。土地購入問題で政治とのつながりのある役員に懲りた籾井会長は、こうした与党の窓口役の局長らも春の人事で切り、地方局の局長などに配転したのだ。
籾井会長の豪胆な人事に反発した川崎氏や佐藤勉国対委員長らは会長の面会を拒むようになった。以来、3カ月近くその状態が続く。出禁にしている議員の一人は「会える雰囲気にはならない。今まで付き合ってきたメンバーを全部切った後に、後任だけを送り込んでくるような相手と話ができるものか」と切り捨てる。出禁になったばかりでなく、5月の衆院総務委員会でNHKの2012年度、13年度決算(*筆者注:年度表示はこれで良いのか?)が審議される予定だったが、これも流れた。
■政見放送収録で「首相お出迎え」
NHK内には、会長のこの“暴走”を歓迎する向きもある。結果として、放送総局長の後任にはドラマ制作畑出身で、政治とのつながりが薄い木田幸紀氏が 座った。官邸の意向を忖度(そんたく)した指示を放送現場に出す板野氏に比べ「まだずっとましだ。自由さが戻った」(NHKの報道関係者)。
一方で、経営層のNHK幹部からは「NHKは予算の国会承認など、どうしても政治との付き合いは続けていかなければならない立場にある。ここまで関係が切れてしまうと、予算はどうなるのか」と危惧する声も聞かれる。
籾井会長の暴走の背景には、来年1月に任期満了を控え、会長続投を狙う思惑があるとされる。事情に詳しいある与党議員も「会長は自分の続投人事を考えて暴走したんだろう」と話す。
NHKの最高意思決定機関で会長の任免権を持つ経営委員会内には、籾井会長の手腕について、過去最高となる受信料収入を上げたとして評価する声が少なく ない。6月28日に委員長に就任したばかりの石原進・JR九州相談役もそんな一人だ。籾井会長としては、政治に邪魔されずに、インターネットでの番組配信などで経営手腕を発揮し、続投を狙うべく人事で環境を整えようとしたとNHK内ではみられている。
しかし、事態はそう甘くはない。石原氏は前の会長選で籾井会長を推薦した本人ではあるが、暴走する籾井会長について委員長就任時の記者会見で「誤解されるような発言が幾つかある。問題があればご注意申し上げる」と述べた。経営委員会は今月中に会長の指名部会を立ち上げ、秋から人選が本格化するが、候補として名前が取りざたされているのは冒頭の板野氏だ。
板野氏については後述するが、ここで理解しておくべきことがある。次期会長選は、公共放送NHKにとって重要な局面になる。
自民党郵政族、総務省内には「NHKは構造改革の時」との認識が広がりつつある。その本丸が受信料制度だ。菅義偉官房長官は総務相時代の07年には、受信料の支払い義務化と引き下げをセットでNHKに突きつけたことがある。NHK内には義務化による「事実上の国営放送化」への抵抗が根強く、12年10月から月額120円(振り込みの場合は月額70円)の引き下げで決着させた。
さて、今回はどうか。ネット時代を迎え、NHKも民放も番組のネット配信に力を入れる。放送か、ネット配信か、番組を流す経路を問わず、受信料を公平負担させるという理屈で、「受信料の義務化」が再燃する可能性がある。自民党政調の部会は、放送法改正案を今秋にもまとめる構えだが、こうした最重要案件を めぐっても、籾井会長の出禁が解けなければNHKは指をくわえて流れを見守るしかないことになる。
これと同時期に、経営委員会では次期会長の人選が本格化することになる。政府・与党と気脈の通じた石原経営委員長の下、自民党の放送法改正案をのむ会長を選ぶ可能性は十分にある。そこで浮上したのが前出の板野氏というわけだ。 「自分にとっての損得で考えを決める人。昨年の安保法制の国会審議の頃、番組でこの問題を取り上げることを抑制するよう指示した張本人。政府の意向を忖度 してのことだった。受信料義務化も、自分が会長になれるなら、のみかねない」(板野氏をよく知るNHK関係者)。会長人事のフィクサーと称される葛西敬 之・JR東海名誉会長とも近いとされ、石原氏とは東京都立戸山高校の同窓でもある。
有力候補の登場に、出禁の籾井会長も得点を上げようと必死だ。今夏の参院選では、政見放送の収録のため、NHKの放送センターを訪れた安倍晋三首相と小 泉進次郎衆院議員の2人を自ら出迎えて挨拶(あいさつ)した。自民党だけは特別待遇、まさにVIP扱いだったという。「公職選挙法に基づく収録。報道機関 の長として公平性を考えれば、本来、出迎えるべきではない」とあるNHK幹部は憤る。
石原委員長は会長選について、記者会見で「本当にいい人を選んでくれたと国民の皆様に評価いただけるよう手続きを尽くしたい」と述べた。さて、「いい人」とはいかに。
≫(毎日新聞・NHK問題取材班:サンデー毎日2016年8月7日号から)
≪ 籾井会長続投?交代?揺れるNHK 役員人事に波紋
来年1月に任期満了を迎えるNHK会長の選考が、この夏から本格化する。「政府寄り」と取られかねない言動が続く籾井勝人・現会長は4月、熊本地震についての局内会議で、原発に関する報道は「当局の公式発表をベースに」などと指示。役員を大幅に入れ替える人事も発表し、局内に波紋が広がった。籾井氏の2期目続投か、新会長への交代か――。公共放送としてのあり方が問われるNHKで、動向が注目される。
4月中旬に発表された役員人事が職員を驚かせた。
10人の理事ポストのうち、空席だった2人を含む計6人が入れ替わる「異例の人事」(幹部)。複数の幹部によると、かつて「会長側近」とされながら事業計画について意見が分かれた理事らを再任しない一方、昨年理事を退任したばかりのNHK交響楽団理事長を呼び戻し、専務理事の放送総局長に据えた。技術職を統括する技師長には記者出身の理事が就任した。
役員に次ぐ幹部人事でも、これまで記者出身者が多かった経営企画局長にディレクター出身者が就き、就任1年の政治部長が熊本放送局長に移った。
4月12日に開かれた経営委員会では、多数の役員が交代する人事案について、委員から「普通はあまり考えられない人事では」「8月から(スーパーハイビジョンの)4K、8Kの試験放送が始まるのに技術職出身の理事が不在で大丈夫か」との指摘が噴出。しかし籾井氏は「NHKはずっと同じ部門で上がってきた人を理事に選ぶことが続き、たこつぼ文化を形成している」とし、「新しい人に新風を吹きこんでもらいたい」と押し切った。
就任後、当時の理事全員から日付を空欄にした辞表を集めた籾井氏。ある理事経験者は「民間出身でマネジメントには強いこだわりがある。言うことを 聞く人物を近くに置きたいということなのだろう」。局内の幹部は「会長は絶対的な人事権を握ることを改めて示した。2期目への意欲の表れでは」と分析する。
籾井氏の任期は来年1月に切れる。次期会長選任の動きは、今月決まる経営委員長人事から本格化する。
会長の任免権はNHKの最高意思決定機関である経営委員会にあり、中でも委員長の意向は会長選考に大きな影響を与える。現委員長の浜田健一郎氏(ANA総研会長)は今月19日での退任が決まっており、新委員長は12人の経営委員が互選で決める。経営委員は国会の同意を経て首相が任命する仕組みで、これまでも委員長人事には政権の意向が色濃く反映されてきた。
複数の関係者によると、委員間では委員長代行の本田勝彦氏(JT顧問)や委員の石原進氏(JR九州相談役)らの名前が挙がっているという。ただ本田氏は学生時代に家庭教師をしていた安倍晋三首相に近いとの意見も。3年前に浜田氏に代わる委員長候補として本命視された際には、野党の反発を考慮して安倍政権が本田氏を経営委員に起用する同意人事案の提示を見送った経緯がある。石原氏は3年前の会長指名で籾井氏を推薦し、委員から「適任といえるのか」との声も漏れる。
経営委は7月にも、会長の指名部会を立ち上げ、籾井氏の続投か、新会長への交代かについて議論を始める。年内には候補者を一本化する予定だ。 ≫(朝日新聞デジタル:後藤洋平)
≪ NHK会長は“粛清”強行
北朝鮮化するメディアから漂う腐臭
■安倍・籾井体制が盤石という悲喜劇
鈴木敏文会長兼CEOが辞任を表明したセブン&アイHDは15日、指名・報酬委員会を開き、新しい経営体制の選任案を決める。新社長には、セブン―イレブン・ジャパンの井阪隆一社長(58)の昇格が有力。鈴木会長が退任を迫ったその人である。交代案が取締役会で否決されたことが、鈴木会長辞任の引き金だった。
「三越事件で、当時の岡田社長は取締役会で解任された時『なぜだ』と叫んだそうですが、鈴木会長も同じ心境だったでしょう。これは経営の主導権をめぐる権力闘争です。創業家の伊藤家と井阪氏が手を組み、鈴木会長を追い落としにかかった。歴史を顧みても、カリスマ的なワンマン経営者はたいていクーデターで解任されていますが、その後、会社はガタガタになり、長きにわたって低迷するケースが多い。今後に注目です」(経済ジャーナリスト・有森隆氏)
次男を取締役に抜擢するなど、鈴木会長にも懸念原因はあるが、新聞報道がことさら老害経営者の暴走のように書き立てるのは、創業家サイドの情報に乗っかっているせいもあるだろう。本当のところはもう少し経ってみないと分からないが、それよりも驚愕なのがNHKの内部人事だ。セブンの“お家騒動”に隠れて、籾井会長による暴走粛清人事が断行されたのである。
NHK経営委員会は12日、現職の8人の理事のうち、4人を退任させる人事案に同意。24日付で退任するのは、板野裕爾専務理事と福井敬専務理事、井上樹彦理事、浜田泰人理事の4人だ。
■自分が任命した理事もクビに
「理事の任期は一般的に2期4年なので、板野氏と福井氏はまだ分かりますが、井上氏と浜田氏は一昨年に就任したばかりです。自分が選んだ理事のクビまで切 るなんて、尋常ではない。あからさまな粛清人事で、これを見た内部はますます萎縮してしまう。エビ・ジョンイルと呼ばれた海老沢会長時代でも、ここまでロコツなことはしませんでした。これだけ不祥事が続出しているのに、人事権を握っている籾井会長に誰も逆らえないとしたら異常です」(NHK出身で船橋市議会議員の立花孝志氏)
発売中の「週刊文春」によると、今回退任となった板野氏と井上氏は、菅官房長官や杉田官房副長官と近く、籾井体制を支えてきた側近中の側近。NHK内部では「会長の側用人」「官邸のお目付け役」と称されるほどだったという。
官邸子飼いの籾井氏は、自身が主導した350億円の土地取引問題で、板野、井上両理事が反旗を翻したことに激高。それが今回の粛清につながった。もっとも、両理事が土地取引を止める方向に動いたのは、官邸の意向を受けてのことだという。籾井氏に黙って従うか、官邸に恩を売るか、天秤にかけただけのことで、要は権力亡者の内輪モメなのだが、逆恨みした籾井氏は今年2月、手始めに専務理事の塚田祐之氏、吉国浩二氏を退任させた。そして今回、一気に4人の理事のクビを切ったわけだ。
「そういう不遜な人事を経営委員会が追認してしまうことも問題です。籾井会長は公共放送を“自分の会社”にしようとしている。それで組織がおかしくなっていく。セブン&アイもNHKの問題も、強権的なトップにモノを言える人が周囲にいなくなってしまった結果の悲劇といえます」(有森隆氏=前出)
■卑屈なゴマすり体質は就任前からの筋金入り
籾井体制になって以来、会長の暴言失言は数知れず、不祥事も続発している。子会社「アイテック」の2億円着服が発覚、危険ドラッグ所持でアナウン サーが逮捕され、さいたま放送局ではタクシーチケットの私的流用がバレた。350億円の用地買収計画も白紙撤回され、一時は官邸が籾井会長を見限り、後任探しを始めたという話まで広がった。
それだけ追い詰められていた籾井氏が今も強権を発動していられるのは、官邸にとって、これほど操りやすいNHK会長はいないからだ。土地取引問題や後任探しで揺さぶりをかければ、これまで以上の忠誠を誓って、政権批判を徹底排除してくれる。
今週の「週刊文春」には、官邸からの圧力で3月に「NEWS23」のアンカーを降板させられたと噂の岸井成格氏が、阿川佐和子氏との対談に登場。官邸の圧力については否定したが、こんなエピソードを開陳している。
かつて、BS-TBSの「われらの時代」という番組の中で麻生太郎の批判になった時、スポンサーの社長が乗り込んできて「麻生さんの悪口は一言もダメです」と警告したという。わざわざ社長が乗り込んでくるなんて異例だが、〈それがNHK会長になる前の籾井さんだった〉と、岸井氏はこう解説する。 〈「われらの時代」は日本ユニシスという会社の1社スポンサードで、籾井さんは当時そこの社長だった。あとで聞いてなるほどと思ったのは、兄弟仁義の世界みたいな話で。福岡県の筑豊炭田で麻生炭鉱と籾井炭鉱ってのは兄弟分のような関係らしい〉
〈麻生炭鉱の方が兄貴分だから、どんなことがあっても悪く言ってはいけないという仁義がどうもあるみたいなんですよ〉
立場を利用して、意に沿わない放送内容に介入する。兄貴分が右と言えば黙って右にならう。そういう卑屈なゴマすり体質は会長就任前からで、筋金入りなのだ。
■同調圧力に加担するメディア
NHKの不祥事を国会で追及してきた野党議員のひとりが言う。 「就任時の会見で『政府が右と言っているものを左と言うわけにはいかない』と発言するなど、放送法の精神を理解していない籾井会長は公共放送のトップにふ さわしいと思えません。やらせ問題をはじめとする数々の不祥事が発覚し、何度も国会の場で説明を求めましたが、納得できる内容ではない。それどころか籾井会長は、やらせ問題を逆手に取って、官邸から敵視されていた『クローズアップ現代』の国谷裕子キャスターを降板させ、局内の言論統制を強化してしまった。 これは誤算でした」
「世界」5月号に、その国谷氏が寄稿している。降板のきっかけになったといわれる『クロ現』での菅官房長官へのインタビューについても触れ、権力にからきし弱いテレビの現状に警鐘を鳴らしている。
〈批判的な内容を挙げてのインタビューは、その批判そのものが聞き手の自身の意見だとみなされてしまい、番組は公平性を欠いているとの指摘もたびたび受ける〉
〈最近、ますますそうした同調圧力が強くなってきている気がする。流れに逆らうことなく多数に同調しなさい、同調するのが当たり前だ、といった圧力。そのなかで、メディアまでが、その圧力に加担するようになってはいないか〉 〈人々の情報へのリテラシーを高めるためにも、権力を持ち、多くの人々の生活に影響を及ぼすような決断をする人物を多角的にチェックする必要性はむしろ高まっている〉
14年3月にケネディ大使にインタビューした際に、質問の中で「日本とアメリカの関係は、安倍政権の一員、それにNHKの経営委員や会長の発言によって影響を受けていると言わざるを得ません」と、あえてNHKについて触れた理由も書かれている。
〈番組への信頼のためにも、この言葉を避けてとおるわけにはいかなかった〉というのだ。それだけ、今のNHKに対して危機感を抱いているのだろう。
「NHKに限った話ではありません。安倍首相はじめ与党幹部は、メディアが政府を批判すれば『公平中立ではない』などとイチャモンをつけるし、高市総務大臣にいたっては『電波停止もありうる』とドーカツする。メディアは官邸の顔色をうかがい、忖度と自粛がはびこっている。政権に批判的な発言をしたキャスターは、この春に画面から一掃されてしまいました。国民の受信料で成り立っているNHKが先陣切って政権の宣伝機関に成り下がっているのですから、もはや 北朝鮮のことをバカにできません」(ジャーナリスト・横田一氏)
言論の自由が失われるにつれ、籾井・安倍体制が盤石になるという悲喜劇。国民にとっては、笑っていられない状況だ。 ≫(日刊ゲンダイ)
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