世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

●ユダ・ネオコンが怖れるシナリオ 中露印共同体+独の覇権

2014年12月31日 | 日記
幻滅 〔外国人社会学者が見た戦後日本70年〕
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藤原書店


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●ユダ・ネオコンが怖れるシナリオ 中露印共同体+独の覇権

 2014年もまもなく暮れてゆく。新年早々、暗いコラムを届けるのは気の毒なので、本年中に片付けるとしよう。安倍晋三と云う男に引っ掻き回され、生きながらえる筈だった細々とした我が国の生命維持装置も、大量のマネーが濃縮され点滴のビニール袋に混入されたことで、あだ花のような生命は活性化し、消えゆくロウソクの最後っ屁な炎が一瞬部屋を明るくしたが、今や暗闇の中にある。まあ、良いじゃないか、いずれは経済三等国になるのだから、それが、一人の無知蒙昧な右巻き政治家によって早められたという達観した立ち位置から眺めることも可能だ。

 日欧米のマネーに支配された政府、官僚、マスメディアは、今年もプロパガンダ幻想を振り撒き続けた。マネー陣営の悪魔的ニヒルな嗤いは、人類がマネーを礼賛する以上、その礼賛心理を煽り立てれば良いわけだから、成長があろうがなかろうが、成長は存在するという言説を、彼らの願望通りにひけらかせば、涎を垂らしてついてくるのは理の当然だ。それなら、何も考えず、その嘘っぱちな「成長神話」を我々も望んでいる、絶対にあるという顔で、まことしやかに語るだけで良いだろう。

 我々には、その嘘っぱち言説を「真実」として語る「語りべシステム」を構築しているのだから、彼らが「虚偽」に気づくわけはないだろう。その「語りべ」が活躍するメディアの主だった新聞、テレビ、雑誌関連は我々の支配にあるのだから、そこで大いに活躍させれば、「嘘でもいいから前向きな世界」を見たがっている人類に情報を振る舞ってやればいい。最後の最後は、悲惨なことになるだろうが、悲惨もマネーにとっては餌になり得る。その時はその時で、貧困ビジネスにマネーを注ぎ込み、次なる幻想を振り撒けばいいのだ。

 米国を舞台にするマネー勢力の陣営は、必ずしもアメリカマネーだけではないのだろう。世界のマネーが時には顔も判らずに、シンパシーだけで呼応する奇怪なシステムなのだが、その操作装置として、アメリカ合衆国の覇権国家性が必要なツールだったのだろう。ゆえに、世界的にみると、如何にもアメリカ一国で富を独り占めしているように見えるが、必ずしも正しい分析ではない。ただ、それ以上の分析は、秘密の秘密なのだから、探りようもない。

 ただ、彼らにも重大な弱味がある。北米大陸を中心に作り上げた、それらのシステム全体は、安全な北米大陸が存在する前提で動いていることだ。その為には、マネーは自分たちの住んでいる国が危機的状況寸前であっても、或いは火が噴いていても、自国の安全や豊かさより、北米大陸の安全と豊かさを優先する。最悪な場合には、マネーを牛耳る連中は、北米大陸と云う包括的安全シェルターに逃げ込もうと考えているようだ。無論、このような推測に物的証拠など見えていない、ただ、状況的な証拠は世界中にふんだんに残されている。その断片を繋いでみるかどうか、推理の世界なのだろうが、興味深い世界である。

 この彼らの安全シェルターであるアメリカ覇権主義が世界マネーの唯一の拠り所なのだから、これが壊れることは、彼らのすべての計画が根こそぎ破壊されることになる。20世紀の後半から、彼らが得意としたのが“イメージ”とか“空間”における優位性でマネーの特性をいかんなく発揮させて唯我独尊的世界の構築に成功した。そして、“モノ”と云う、原始的資本主義の触媒は、外国の先進諸国や発展途上国に投げ捨てた。

 しかし、この辺から、マネー陣営の戦略的な齟齬が生まれたのだと思う。“モノ”を生産、乃至は輸出する国に、思いのほかマネーが集中し、北米大陸にマネーが集約されなくなってしまったのだ。“イメージ”や“空間”があれば、七面倒くさい“モノ”などは、馬鹿な奴らに任せておけばいいと云うのが間違いだと気づきだした。つまり、“イメージ”や“空間”だけでは無理で、やはり資本主義の根源的な“モノ”を欠いてはいけないと思いついたのである。このような齟齬の修正に乗り出したのが、現在の欧米対ユーラシアと云う対立構図を生みだした。

 この結末がどのようなものになるのか、現時点では正確なことを把握している者など誰もいないだろう。我々に出来ることは、状況証拠を掻き集め、幾つかの選択肢を探るのがようやく可能な出来ることである。筆者の観点は、アメリカに一極集中させた、世界の覇権システムが分散化し始めている部分にスポットを当てて、この難題の選択肢を探している。あくまで、状況証拠の集積であり、論理的分析にまでは至らないだろうと思っている。

 ただ、「欧米対ユーラシア」と云う構図で、情報を収集していくうちに、上述したようなマネー勢力の実態も見えてくるのだから、存外無駄な努力でもないだろう。日本の新聞やテレビを見聞きしていたら、ロシアが今にもなくなるような雰囲気になっているが、現実は相当違うのではないかと思っている。以下は今日の時事通信の記事だが、この構想にロシアやインドが絡んでくると、アメリカ中心のドルマネー勢力の安寧も長続きしない可能性を示唆している。

≪ 中国、ユーラシアで影響力=アジアインフラ銀、始動へ-シルクロード再興と呼応
 【北京時事】中国がユーラシア大陸での影響力拡大を図っている。同国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)が2015年に始動。中国が打ち上げるシルクロード再興構想と呼応し、途上国で鉄道や道路などのインフラ整備を後押しする。依然高い経済成長率と豊富な資金を背景に、その影響力はかつてのシルクロードのように欧州まで迫る勢いだ。
 AIIBの資本金は1000億ドル(約12兆円)。出資比率は国内総生産(GDP)に基づいて決まるため、日米などが加わらない見通しの中、世界2位の経済大国である中国が圧倒的な発言権を握るのは確実だ。
  役割が似た国際機関としては、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)がある。ともに日米の発言力が強く、ADBの歴代総裁ポストは日本が握る。こうした現状に不満を抱くブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの新興5カ国(BRICS)は14年7月、「新開発銀行」の設立で合意した。
 BRICS開銀、AIIBで弾みがついた中国の勢いは止まらず、習近平国家主席は14年11月、400億ドル(約4兆8000億円)を拠出して、シルクロード沿いの各国のインフラ整備などを支援する基金創設を表明した。
 シルクロードは大きく分けて、ユーラシア大陸の内陸部とインド洋を通る2ルートがある。中国のシルクロード再興も史実に倣い、陸路と海路の双方で各地をつなぐ構想。各国では中国主導で鉄道、道路、港湾、発電所などを整備する。 ≫(時事通信)

 日本のマスメディアや週刊誌を読んでいる限り、中露の協力など「屁のカッパ」みたいに受けとめる判断になっても、これは致し方ないなと思うほど、西洋マネーのプロパガンダに覆いつくされている。しかし、ここ15年くらいの世界史の中で、アメリカの歴代大統領たちは、何をしたのか思い出す器量があれば、なんだか変だなくらいの印象を持つのが、教養なのではないかと思う。 金正日、フセイン、ビンラーディン、カダフィー、アサド…らがアメリカのイメージ戦略の中で「悪魔化」という偶像イメージを作られ、概ね失脚し、その当該国はズタズタにされたり、国家の形態を失うばかりになっている。いま、このような流れの最先端にウラジミール・プーチンロシア大統領がいることを、多くの人間は目撃しているわけだ。

 おそらく、多くの日本人は、そんなこと言ったって、プーチンは悪そうに見えるじゃないか、クリミアを軍事力で併合しちゃったろう!しかし、アメリカが名指しする悪魔が本当に悪魔かどうか、検証作業もせずに、悪魔のまま置き去りにして、その国の惨状は、当該国の国民の質が悪いからくらいにしか評価しないのだろう。小沢一郎支持者であれば、ある程度、この辺理屈が判るだろうかと思っていたが、多くの小沢支持者も、西洋のプロパガンダの罠からは逃げられないようである。小沢一郎は、まさにこの手法で「悪魔化」されたのである。

 筆者の予測は当たらないので有名だが、ユーラシア(中露印)を中心とするBRICSの西洋覇権に対する挑戦は、ますます確実な情勢になっている。2016年には、中露の経済軍事同盟が有効化する可能性が大いにあるので、それまでに、アメリカ及びNATOは、この同盟関係を潰す行動に出なければならない筈である。中国がフォルクスワーゲンを自国の市場で優遇している意図を深読みすれば、ドイツのNATO離脱と中独露共同体のイメージまで生まれるのだから、米英は必死になって阻止する気持ちはよく判る。

 アメリカネオコンと愉快なマネー強欲勢力は、中独露印ユーラシア覇権の現実味を怖れ、本気で早めに潰すことを真剣に模索しているという。ただ、ネオコンなマネー勢力も、幾分イケイケどんどんとは行かない事情がある。核ミサイルの攻撃力、防衛力が、確実に中露を上回っている確証がない点であり、仮に、核戦争が勃発した場合に、受ける経済的被害、人的被害への、国民の拒否反応は、アメリカが断然飛び抜けているわけで、この評価が難題になっている。しかし、ロシア軍事ドクトリンでも示唆しているように、2016年に向けて、中露の軍事関係は同盟より一歩進んだ、共同体化する前に何とかしたという焦りは、かなり強迫神経症的になっている。

絶望という抵抗
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金曜日


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●成長余力がないのに 「経済成長なくして、財政再建なし」by ABE

2014年12月31日 | 日記
脱・成長神話 歴史から見た日本経済のゆくえ (朝日新書)
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●成長余力がないのに 「経済成長なくして、財政再建なし」by ABE

 与党税制改正が泥縄式になされたようだが、内容は最悪なものになっている。安倍晋三は、どこの誰に聞いて、「経済成長なくして、財政再建なし」なんて言葉を記憶したのだろう。まあ、百歩譲って、発言の理屈は認めるとして、それにしちゃ、あまりにもお粗末な、経済成長税制ではないのだろうか。現実をまったく無視して、机上の空論を、どこの誰が耳打ちしたのか聞いてみたいものである。これじゃ、成長しそうなものまで殺してしまいそうだ。

 市場の需給バランスが悪化の一途を辿っている事実を無視して、空論を振りかざし、抜刀したうえで、放射能汚染まみれの魚介類を口に押し込まれ、目ン玉丸くして、仰るとおりに書きますので、どうか福島産沖のヒラメだけはご勘弁くださいと泣いてすがる、マスメディアの編集幹部や経営陣、最近は、こういう事があれば風刺がと云うものがコメディー風に料理してくれたものだが、そういう雰囲気はなくなったようだ。サザンの桑田君が“解散するとむちゃをいい”と比喩したそうだが、そんなもんで感じる玉ではないだろう。

 経団連傘下の企業に聞けば、法人税が上がるより下がることは結構だ、というだろう。だからと云って、鉱工業生産指数は減少の一途、鉱工業製品在庫率指数は上昇の一途なのだから、完璧にリセッションに突入し直しているのだ。否、消費増税前の駆け込み特需が瞬間風速的に数値に寄与したことと、株価の上昇により、有価証券評価益が大幅にプラスに貢献したのが、最近の企業業績が好調のように見えているだけで、ファンダメンタルは下降線を辿っている。なにせ、需要をけん引する内需の側が、実質賃金の確実な低下なのだから、考えるだけ馬鹿ばかしいのだ。ガキでも分かる理屈だろうが。

 そもそも、実質的に数%の法人税しか納めていない大企業が多いのだから、2~3%法人税が下がって、経営上の大局には、たいした意味を持たないのである。こんな税制で、給料が増えるなんて話もくだらない。仮に上がったとして、数千円。保険料や住民税が上がるから、そんなもんチャラである。つまりは、給料など上げても、需給のバランスがほぐれるわけがない。1年以内に使い切らなければ権利が消えるポイントカード10万円とでもなれば、需要は増えるだろうが、財政は悪くなるばかり。それに、何年もカンフル剤は打てないし、打って世界経済が上向くこともないだろう。

 日本の大企業の多くがグローバル企業群の一員になっている現状は、マネーの支配に跪いているわけだから、国政が影響できる部分は僅かなのだ。つまり、経産省や財務省が綱引きやっても、コップの嵐で、マネーの威力には敵わないのだ。覇権国のアメリカまでが、マネーの子分なのだから、子分の子分はなんだろうね(笑)俗っぽく言えば「パシリ」ってとこでしょう。

 日経はマネーの傀儡だから、嘘言うのが当然。驚くのは毎日の記者の感性でもある。一家の中で、国民が有する1700兆円を、なんとか国内で動かそうとしているだけで、何も金持ち優遇策でも何でもない。人の褌で相撲取る日本政府税制と云うことだよ。この策が、たいして効果が上がらないとなれば、銀行口座凍結と新券発行の荒療治を考えるような気がする。場合によれば、日本の民間金融機関を倒産に追い込み、1000万以上のカネを吸い上げる手立ても検討されるだろう。財務・金融官僚は、もうそのプロジェクトに着手しているに違いない。まあ、筆者の戯言ついでに、以下の日経と毎日の記事をご賞味ください。

 ≪ 法人減税、稼ぐ企業に恩恵 赤字企業に負担じわり
2015年度の与党税制改正では法人税率 の引き下げが最大の焦点となった。アジアや欧州では税率を引き下げて国際企業を誘致する動きが進んでおり、日本も追随する。企業には15年度から2年で計 4200億円の実質減税となり、賃上げや設備投資を促す狙いもある。収益力の高い企業ほど減税の恩恵がある仕組みで、赤字を計上する大企業などは負担増と なる。
 「法人税を成長志向型に変える」。安倍晋三首相はこう力説してきた。法人実効税率は34.62%と、米国に次いで主要国で2番目に高かった。来年度には2.51%下がってフランス並みの税率になる。高収益企業が税負担の重さを嫌って日本から海外に事業所などを移すことを防ぎ、国内雇用の維持なども狙う。
 今回の法人税改革は一律で実効税率を引き下げるため、高収益企業ほど減税効果が大きい。業績が好調な自動車大手や、金融危機から業績が持ち直した生命保険各社は巨額の利益を上げており、減税効果が大きいとみられている。
 赤字企業にとっては負担が増す。地方税の法人事業税のうち、黒字か赤字かにかかわらず、資本金や給与総額を基準に課税する外形標準課税の税率が上がるからだ。
  財務省によると、外形標準課税が適用される資本金1億円超の中堅・大企業は約2万3千社ある。そのうち約6400社が赤字で合計1020億円の増税とな る。黒字企業は外形標準課税が増えても、法人事業税の所得部分への課税が減り、差し引き平均700万円の減税になるという。 大企業の収益力に応じて減税か増税かを試算すると、税制改正の影響は鮮明だ。資本金500億円、従業員数が6000人、平均給与が700万円の大企業の場合、300億円の黒字を計上している企業は15年度の税額が14年度に比べ5億円減る。一方で赤字を100億円計上している企業は1.5億円の増税となる。
 中小企業も収益の高い企業ほど税率引き下げの恩恵がある。課税所得のうち800万円を超える部分の税率は25.5%(国税分)から23.9%に下がる。中小企業のうち18万社は所得が800万円を超えており、成長著しいベンチャー企業などにもメリットがある。
 赤字の中小企業は税負担が変わらない。大企業の負担が増す外形標準課税は、中小企業への適用拡大を見送った。課税所得800万円以内の部分に適用する軽減税率(国税、15%)も2年延長する。
  今回の法人税改革では繰越欠損金制度の縮小などの課税強化策もある。繰越欠損金制度は当期の黒字額から過去の赤字額を差し引いて課税所得を減らす仕組みだ が、この控除の上限を黒字額の80%から65%に減らす。企業が受け取る配当への課税も強化され、大手銀行5グループで300億円弱の減益要因になるとの 試算もある。研究開発減税も縮小するため、医薬品や化学などの業界には制度改正のメリットが小さくなる可能性がある。 ≫(日経新聞電子版)


≪ 税制大綱決定:潤う大企業・富裕層 庶民に配慮少なく
自民、公明両党は30日、2015年度与党税制改正大綱を決定した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の柱と位置付ける法人税改革では、企業のも うけ(所得)にかかる法人実効税率を15年度から段階的に引き下げる。家計向けでは、高齢者の資産を子や孫に移し、住宅購入や育児などに活用してもらうため、贈与税の非課税制度を大幅に拡充。企業、家計向けの減税で賃上げや消費拡大などを促し、「デフレ脱却」を後押しする考えだ。ただ、好業績企業や富裕層 への優遇が目立っており、減税の効果が幅広い層に波及するかは見通せない。
 与党の2015年度税制改正大綱は、法人税改革を目玉にする一方、暮らしに関わる税制で減税メニューを並べた。とりわけ、高齢者の資産を若い世代に移す際の贈与税を大幅に軽くするなど、富裕層への優遇が目立つ。
 祖父母や親が、子や孫にお金を贈った場合の贈与税の非課税制度を拡充する。住宅資金については、非課税枠(現行1000万円)を16年10月から 最大3000万円に拡大する。教育にかかるお金を贈った場合、1500万円まで非課税とする措置も18年度末まで延長。新たに、結婚や出産、育児にかかる お金も1000万円を上限に非課税の対象に加える。
 また、株式などへの投資で得た利益への所得税を軽くする「少額投資非課税制度」(NISA)に、子供版の「ジュニアNISA」を新設する。子ども や孫の名義での年80万円までの投資について、運用益に課税しない。贈与や投資への減税について政府は「子育ての時期にあたり、いろいろな意味でお金がかかる若い世代に(高齢者から)資産が移転すれば、消費を喚起する」(麻生太郎財務相)としている。
 ただ、子や孫にまとまったお金を贈る余裕のない高齢者は、拡充のメリットを受けられない。
 4月の消費税率引き上げ後、低迷している住宅市場のてこ入れ策としては、17年末に期限を迎える住宅ローン減税を1年半延長することを決めた。17年4月の消費税率10%への引き上げ後の落ち込みを避けることも目指す。
 この他、自動車販売の下支えとエコカー普及のため、燃費の良い車を対象にした「エコカー減税」を、燃費基準を厳しくした上で延長。軽自動車税も新たに適用対象に加える。 消費回復の前提となる賃金引き上げを促すため、給料を増やした企業の法人税負担を軽くする制度も拡充する。業績好調な大企業がどこまで制度を活用するかや、中小企業が賃上げできるほどの利益を上げられるようになるかが課題になる。  負担増では、「わかば」「エコー」など、紙巻きたばこの一部銘柄(旧3級品)に適用されているたばこ税の軽減税率を段階的に縮小、廃止。インター ネットを通じて海外から販売される音楽や電子書籍は現在、消費税がかけられていないが、15年10月から課税対象にする。 ≫(毎日新聞:竹地広憲)

タックス・イーター――消えていく税金 (岩波新書)
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岩波書店


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●家族に責任という行政 自由市場原理主義と喧伝しつつ

2014年12月31日 | 日記

 

現代思想 2015年2月臨時増刊号 総特集◎網野善彦 無縁・悪党・「日本」への問い
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青土社


●家族に責任という行政 自由市場原理主義と喧伝しつつ

 昨日の夜から本日にかけて、ブログランキングのマイページをいじくり回していたら、滅茶苦茶になってしまい、ついに一旦退会の手続きをする羽目になった(笑)。先ほど新たに登録した、我がサイトのランキングは370位になっていた(笑)。新年じゃなくてヨカッタと、己のドジを慰めるしかない体たらくです。

 本日は、新年早々の話題としてはチョッとと思うので、年末に取り上げておこうと思い立って書くコラムです。以下の朝日の報道に触発されて書くのだけれど、この報道の精神疾患問題もそうだが、医療問題や介護問題などにも、同じような臭いのする問題が内在しているように思う、日本の行政状況だなと、最近つくづく思うのである。

≪ 暴れる娘、押さえつけて病院へ 精神疾患、孤立する家族
精神の障害を抱えた三男の暴力に悩み、三男を殺してしまった父親の裁判の記事(12月4日付朝刊)に、多くの反響が寄せられました。「どうにかならなかったのか」「ひとごととは思えない」。そうしたなかで、切実な思いを打ち明ける手紙を寄せてくれた家族に、話をうかがいに行きました。

■警察も医師も解決できず  
「私たちも、ありとあらゆる苦難とともに生きています。娘を殺さなければ家族の誰かが殺されるか、巻き添えで死ぬことになるのではという恐怖とともに生きてきました」
 神奈川県に住む50代の女性は胸の内を打ち明けた。いまは20代になる長女が摂食障害を起こしたのは、14歳の時。その後、精神疾患の疑いがある、と医師に告げられた。学校に行けなくなり、入退院を繰り返した。16歳ごろからは暴力がひどくなり、女性に塩酸が原料の洗剤を飲ませようとしたり、夜中にわめいて暴れたりすることも増えた。
 「警察に連絡をすると、『またか』という対応をされ、それでも何度も呼びました。真夜中のサイレン、無線の音、近所の不審そうな目、いまでも忘れません」
 暴力がひどくなった時こそ、長女を入院させてほしかった。しかし、精神科医には「ベッドが空いてない」「本人の意思を尊重した方がいい」と断られることがほとんど。自分や他人を傷つけるなどの恐れがあると認定された時に強制的に入院させられる措置入院を警察に願い出たが、長女は警察官の前では落ち着きを取り戻し、「措置入院は無理です」と断られた。
 女性は精神病に関する専門書を何冊も読み、著者である医師のもとへも相談に行った。保健所にも相談した。しかし、解決策は見いだせなかった。「うちでは対応できません」と断られることも。暴れる長女を夫と2人で押さえつけながら、早朝に病院に駆け込む日が続いた。
 命の危険を感じ、家庭内暴力(DV)に関する相談所に駆け込んだこともあった。だが、DVの対象は配偶者やパートナーで、子どもからの暴力は対象外として、シェルターに入ることはできなかった。
 「子どもが暴れるのは親の育て方が悪いという土壌がある。だから、親が駆け込む先がないのではないでしょうか」「結局、家族が自らの命と引き換えに本人を引き取るしかない」

■措置入院しかなかった
 長女は約7年前から自殺未遂を重ねるようになり、措置入院が認められた。現在は閉鎖病棟に長期入院している。女性は週に数回、長女の着替えなどを持ち、病院に通っている。
 しかし、入院への世間の目は厳しい、と女性は感じている。「体を拘束してかわいそう」「人権侵害ではないか」。そういう声を耳にする度に、ではどうしたらいいのか、と絶望的な気持ちになるという。
 厚生労働省は2004年、長期入院する精神疾患患者が多い現状を受け、「入院医療中心から地域生活中心へ」と精神医療の改革方針を打ち出した。ただ女性は「入院患者数の縮小を訴えるだけでは、家族は追い詰められる」と話す。まずは暴力を振るう患者を家族などから引き離し、保護する場所が必要だと考えるからだ。
 「娘を拘束するのはつらい。それでも、もし子どもが他の人を傷つけた場合、家族はつぐないきれない。これ以外に、娘を生かす方法がないんです」。社会の支援と理解が進まないなかで、家族は孤立している。女性は、そう感じてならないと語った。(塩入彩)   
   ◇  
〈三男殺害事件〉 12月4日朝刊で報じた事件の概要 今年6月、東京都内に住む男性(65)が自宅で就寝中の三男(当時28)を刃物で刺し、殺害した。11月に東京地裁立川支部であった裁判員裁判の公判で、男性ら家族が、精神の障害がある三男の暴力に悩み、追い詰められていたことが明らかになった。  検察側や男性の証言などによると、三男は約10年前から精神科に通っていたが、症状は悪化。次第に家族に暴力を振るうようになった。男性は主治医や保健所、警察などに相談し、三男の入院を懇願していたが、断られていたという。  地裁支部は11月21日、「相当やむを得ない事情があった」と男性に懲役3年執行猶予5年の判決を言い渡した。男性側、検察とも控訴せず、今月6日に判決が確定した。 ≫(朝日新聞デジタル)


 年々国民の実質所得は確実に減り続け、好景気の煽り報道を横目で見ながら、疎外感を味わう国民は、日増しに増していく按配だ。植草氏のコラムでも紹介されているが、
≪ 12月26日、11月鉱工業生産統計速報値が発表された。 鉱工業生産指数は季節調整後前月比 -0.6%の減少を示した。 鉱工業製品在庫率指数は前月比4.0ポイント上昇の 116.8を記録した。 11月に発表された予測指数では、12月の生産は季節調整後前月比 +2.3%の伸びを記録することとされていたから、予測指数に対して、大幅下方修正の統計数値発表となった。 この統計が示していることは、日本経済が、完全に景気後退局面にあることだ。 景気の循環変動を把握するうえで、最も有用な経済指標は、鉱工業製品在庫率指数の推移である。 景気循環の姿は、鉱工業製品在庫率指数の推移にくっきりと表れる。 鉱工業製品在庫率指数は、景気拡大局面で低下し、景気後退局面で上昇する。≫
完璧に不況を表す指数が現実に出ているのだから、晋三や黒田が何と吠えても、景気が上昇することはない。

 不況になるのは、先進諸国の運命的な面もあるので、生活が厳しくなっていくことは、状況把握としては、現実的であり、合理的でもある。奇妙なマスメディアの粋がりな論調に乗って気分がハイであっても、システム的に動いている国際経済では、角を矯めて牛を殺すことになるだけで、努力が報われることは一切ない。国民は、自分たち家族全体で有している1700兆円近い金融資産を、国家に召し上げられないように、気配りしなければならない時代が、すぐそこまで来ていることを自覚した方が利巧である。筆者はかなり金の延べ棒に化けさせている(笑)。

 高齢化したら(3,40年前から判っていることだが)、老後は自分たちで頑張れ、年金支給は減りますよ、保険料、医療負担は増えますよ。増税しないと国がやっていけないのだから、仕方ないじゃありませんか!もう、ここまで来ると、政府や行政の言い放つ言葉が「居直り強盗や説教強盗」に思えてくる(笑)。80歳の爺さんに、100歳の親の面倒をみなさい、家族でしょう?扶養義務があるのだから、生活保護も出しませんよ。アンタ達、ぼろ屋は自宅でしょう?

 精神疾患を抱える家族の窮状は朝日の記事で充分理解可能だが、老老介護だって、結局途方に暮れる高齢者が増えるんだろうね。それでも、自助だ共助だって官僚機構は言い放ち馬耳東風である。南相馬市の特定避難勧奨地点の解除にしても、除染した後すぐに、その地点を測り、「線量が20mSv/年以下になった!」と叫び、内閣府の役人が「もう補償金はでないからね」と通告する始末だ。県も国も、放射線の影響軽微を国際世論化させたいのが見え見えだ。無論、東電の経営事情にも配慮しているのだろうが。

 何もかも、判っていて、実際は何も手を打たないのが、官僚機構と云うものなのだろう。駄目バカな裁判官同様に、過去の事例を見て物事を決める能力には長けている連中だが、目まぐるしく変わって行く、世界的潮流や日本の時流にも、対応できない組織の旧態依然度は完璧に近い。オリジナリティがない民族であることは、ある程度理解しているが、オリジナルな考えをしても、そのアイディアを拾い上げ、引き伸ばしてやる才覚はゼロである。そんなことをすれば、君大変なことになるよ、と先輩が真剣にアドバイスする世界なのだから、永遠に治らないのだろう。

 未来展望にも繋がる話なのだが、そこまで面倒見たのでは、手に余るので、俯瞰的見地だけで、次回にでも、中国ロシアの総体的動きと、アメリカの死に物狂いの覇権維持策を検討していこうと思う。少々慌ただしくまとまりの悪いコラムだが、370位なので、許して戴くことにする。

アダム・スミス 人間の本質---『道徳感情論』に学ぶよりよい生き方
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