善の根拠 (講談社現代新書) | |
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●いつでも、ひっくり返る勝者と敗者、破れたり安倍晋三のコア
以下の東京新聞の選挙分析を読んでいて、そうか、そういう事かと思った。世の中上手く出来ていると云うか、民意には、隠れたメッセージが籠められているのかもしれないと、今さらのように感心した。まずは、熟読していただきたい。
≪ 首相は「公約支持」というが 議席数 「改憲」減 「脱原発」増
政権の継続が決まった衆院選を受け、安倍晋三首相は十五日に記者会見し、自ら争点に設定した経済政策「アベノミクス」だけでなく、政権公約に盛り込んだ改憲や原発再稼働の推進も支持を得たとの考えを示した。だが、今回は九条改憲や原発再稼働に前向きな勢力は数を減らしている。改憲や再稼働を進める 首相の路線に有権者が全面的に賛同したとは言い難い。(上野実輝彦)
首相は会見で、集団的自衛権の行使を容認する憲法解釈変更の閣議決定に関し「(今回選挙で)支持を頂いた」と明言した。改憲も「国民的理解と支持を深め広げていく」と強調。原発についても「安定した低廉なエネルギーを供 給していく責任がある」と述べた。こうした政策を公約に盛り込んだことに触れ「約束を進めていく義務がある」との姿勢を示した。
だが、九条改憲に積極的な自民党と次世代の党を合わせた議席は、公示前は衆院での改憲発議に必要な定数の三分の二に迫る三百十四あったが、二百九十二に減った。
九条改憲を公約には入れなかったが道州制導入など統治機構改革の改憲を位置づけた維新の党も含め、改憲に前向きな勢力は総じて後退した。
原発再稼働をめぐっても、前回衆院選では超党派議員でつくる「原発ゼロの会」などに属した脱原発派の約百二十人の七割が落選・引退したが、今回は民主党などから九人が返り咲いて議席を得た。脱原発を明確にする共産党も議席を八から二十一まで伸ばし、社民党も公示前を維持した。
再稼働で与党と歩調を合わせる次世代を除き、慎重・反対を唱える野党の勢力は公示前の百十九議席から百三十九議席に増えた。
いずれも多数を形成するには至っていないが、改憲や再稼働論議に与える影響が注目される。
安倍首相が公約全体に理解を得られたとの認識を示したことについて、早稲田大の田中愛治教授(投票行動論)は「自民党の獲得議席は多かったものの、投票率 が52・66%で(自民の)得票率が五割に満たなかったことを考えると、すべての政策に信任を受けたとおごれば落とし穴があり得る。多様な民意に耳を傾け ことが大事だ」と話した。 ≫(東京新聞)
今回の選挙の比例区の党派別得票の率を見てみると、自民党33.11%、民主党18.33%、維新の党15.72%、公明党13.71%、共産党11.37%、次世代の党2.65%、社民党2.46%、生活の党1.93%、その他となっている。自公の合計が概ね47%ある点を見ると、公明党が如何に自民党、もっと言えば安倍政権の独裁を許していると見ることも出来るし、独裁の歯止めとして機能していると嘯く理屈は一応ある事が理解できる。
しかし、そのような計算式が成り立つのなら、民主、維新、共産、社民、生活を合算すれば49.8%あるのだから、一概に安倍自民の独走が万全のかたちで機能すると云う愕然たるものではないのだろう。安倍自民の集団的自衛権容認や原発再稼働への驀進は、必ず命取りになりそうな勢力図でもある。また、一部で候補者調整などが起きたので、民主党、維新の支持はもう少し多いのかもしれない。逆に共産は多めな率が出ていると言えるだろう。
また、生活はちょっと見では、破たん的状況を呈しているが、日刊ゲンダイの記事でも触れているように、隠れ小沢派閥が、それなりに隠れ蓑を通じて議席を獲得している部分にも注目しておいた方が良いだろう。生活の党は表向き5議席から2議席まで減り、政党助成金を得る政党要件を失っただけに、小沢嫌いなマスメディア、週刊誌、識者、反小沢の人々は大いに喜んでいるようだが、内容はかなり違う。
テレビは、どぶ板選挙運動をする小沢一郎の映像を垂れ流し、悦に入っていたようだが、その霊験もあり、見事に小沢は選挙区で当選した。選挙に強くなければ、良い政治家になれない面を体現してみせた。小沢一郎は予てより、生活の党が大切なわけではなく、対自民勢力の結集がすべてであると公言していた。その所為かどうかは別にして、今回の選挙では、流れをくむ政治家の、議員として生命維持に注力した。その結果、浪人中だった元同僚5人が、今度の選挙で政界に返り咲いた。松木謙公などは好例である。太田和美氏(千葉8区)、木内孝胤氏(東京9区)、初鹿明博氏(東京16区)、牧義夫氏(愛知4区)がいずれも維新で復活当選した。直前に電撃的に民主党に移った小宮山泰子氏(埼玉7区)、鈴木克昌氏(愛知14区)もそれぞれ比例で復活当選した。「身を捨てて、仁を為す」を体現したことと、選挙情勢の分析力は、いまだ衰えずと云う面をみせつけた。
東京新聞の記事で主張しているように、集団的自衛権行使容認課題や原発再稼働課題などは、いつでも火を噴く土壌があるし、辺野古新基地埋め立て工事の強行は、安倍の命取りになる可能性は十分ある。それだけに、本土の人々も、もう少し沖縄県民の味方になる必要があるのだろう。安倍隷属プロパガンダ新聞と化した読売でさえ、内閣支持率こそ、晋三を怒らせては拙いと、下駄を穿かせて51%で横ばいとしたが、自民党支持率は正直に5%ダウンの36%と正直な数値を報道している。支持する理由も「他の政党よりマシ」と云うもので、積極的支持は15%くらいなのだと思われる。
上述した点を考慮に入れると、安倍自民党がメディアが報道するほど1強の大政党というわけではない。未だに、詳細な経済指標等をチェックしていない国民からは、株価上昇と輸出大企業の業績回復を鵜呑みにしているようだが、この鵜呑みにしている、経済指標が、国家経済の力を減少させるだけだった気づく瞬間は来年の2.3月には表面化するので、安倍晋三が強弁し、居直ろうとしても、晋三並みの雲霞な政治屋が色気を出し、安倍自民を、まず崩壊に導くだろう。その先は、まだ筆者にも見えていない。国民の曇った目から“自民党よりマシ”に見える政党の形がどのようなものが適切なのか、この辺が、今後頭を使わなければならない部分なのだと思う。
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