世相を斬る あいば達也

民主主義や資本主義及びグローバル経済や金融資本主義の異様さについて
定常で質実な国家像を考える

哀れな朝日新聞の「泣きごと」社説を斬る!新聞社の思惑暴露(永田町異聞コラム拝借)

2011年02月19日 | 日記

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哀れな朝日新聞の「泣きごと」社説を斬る!新聞社の思惑暴露(永田町異聞コラム拝借)


本日はブログサイト「永田町異聞」(新 恭氏)の秀逸なコラムを紹介させていただき、筆者の思いに代えさせていただく。手抜きだとお叱りを受けそうだが、ご容赦願いたい。

日本のマスメディアは、百年一日の如く官僚組織と癒着し、記者クラブ・メディアスクラム活動を展開している。その上彼等は、好き勝手な解釈、憶測、推測、好みの人物へのインタビュー等を通じた伝聞を掻き集め、日々国民に正確な情報が届かぬように、努力している情報機関なのである。

彼等が自分等の既得の利益死守と云う目的で、そのような行動に出ている事は、今や定説になりつつある。勿論、一定の知識人においての定説だが、市民社会においても、ネットメディア等の発展にともない、相当定説化している。しかし、未だ充分とは言えないのが現実だろう。

筆者は日本のマスメディアのすべてを駆逐・粛清すべきとは思っていないが、マスメディアの「言論の自由」「報道の自由」「国民の知る権利」と云った正しいものに、正しく適用されるべき権利を、悪用・濫用されるのであれば、消滅も致し方ないと考えている。何時?どの時点で?反省の弁を携えて懺悔するのか、楽しみに待っている。

何やら風雲急を告げている菅直人政権の命運問題だが、今日明日と情報収集に追われている。情報が錯綜し、今ひとつ推測でも道筋が見えてきていないので、暫くお待ちいただきたい。最も頭が痛いのは「誰が本予算を通過させるのか?」と云う部分の課題がクリアーしないのが悩みだ。では、永田町異聞:新恭氏のコラムを以下に転載しておく。


≪ 16議員の行動を非難する朝日社説に「理」はあるのか

誰が言ったか、社説は「新聞の床の間」だという。なくても困らないが、なければなんとなく体裁が悪いというていどのものだ。

実のところ、筆者は「社説」に異議を唱えるのをあまり好まない。経営陣の意向が色濃い「社論」に沿って、論説委員が 意見を出し合い、その総意を汲み取って書くようなものに、さしたる意味はない。いわば、「毒にも薬にもならない」からである。 それでも、この論を信じきっている人も、中にはいるだろうから、時々はお愛想ていどに苦言も呈しておかねばなるまい。

たとえば、今朝の朝日新聞「小沢氏系造反 異様な行動に理はない」と題する社説に、どれほどの「理」があるか。それを今日の料理の材料としてみよう。

いうまでもなく、16人の民主党衆院議員が、国会内の民主党会派からの離脱を表明した一件がテーマなのだが、「政党人として到底許されない行為だ」と書き出しからいきなりバッサリ斬って、怒り心頭といった風情なのである。

なぜ、そんなにお怒りなのか。「社論」の背景は色々あるだろう。それは後述するとして、まずはこの「社説」における怒りの理由を下記に抜粋したので、とくと拝見しよう。

◇16人は「造反」の大義名分として、菅政権が国民との約束であるマニフェストを 「捨てた」と断じるが、見当違いもはなはだしい。ばらまき型のマニフェストが財源不足で破綻していることは誰の目にも明らかだ。必要なら見直すのは、政権 与党のむしろ責務だろう。確たる恒久財源の当てもなく、「マニフェスト実現」のスローガンばかりを繰り返す方がよほど無責任である。◇

これだけ読んだら、「そりゃそうだ」と納得する読者も多いことだろう。しかし、その納得の思いは、財源不足で破綻しているマニフェストを菅政権が捨てたのを造反の理由とするのは見当違いだ、とするこの社説の意見に同意するからに他ならない。

ならば、本当にこの16人が見当違いなことを言っているのかどうかを検証しなくてはなるまい。

こういうときにこそ、ぜひ、インターネットを活用したいものだ。ネットで検索すれば、彼らが報道陣に配った文書の全 文が手に入る。朝日社説が書く「マニフェスト実現のスローガンばかりを繰り返す方がよほど無責任である」に対応する文章はこうなっている。

◇総選挙では、予算のムダを徹底的に削り、新たな政策の財源に充てるとしたマニフェストを掲げ、政権交代を実現した。しかし、「予算の総組み替えなどを行う」と主張していたのに、ほぼ手つかずの一方で、先週、菅総理大臣は、「衆議院の任期中上げない」としていた消費税については、「来年度末までに法的な対応をしなければいけない」と発言し、増税への意欲をあらわにした。菅政権は国民との約束、マニフェストを捨てたのである。 また、政治家主導で日本を立て直すはずが、目玉とされた国家戦略局の設置法案は実現せず、公務員制度改革も反古(ほご)にされている。官僚に頼り放しだが、尖閣問題や北方領土問題など、もっとも政治主導であるべき案件で失敗すると官僚のせいにする。菅政権は政治主導の御(み)旗も捨てたのである。◇

議員16人が強調しているのは、政治主導で総予算組み替えや公務員制度改革などを実行することによって、国民との約束であるマニフェスト実現に努力するべきであるのに、菅政権は約束を破って消費増税に血道をあげ、官僚依存の自民党政治に逆戻りしたということである。上記の文章で彼らの行動の真の意味は十分、理解できるはずだ。

その真意を無視し、「マニフェスト実現のスローガンばかりを繰り返す方がよほど無責任である」という問題にすり替えて論説を展開する背景に何があるのだろうか。それは、この社説の後半、つぎのくだりにヒントが隠されている。

「小沢氏の処分を早く決め、マニフェストの見直しや社会保障と税の一体改革も決然 として進めなければならない。もはや『党分裂』を恐れて迷い、ためらっている段階ではない」

つまり、なにがなんでも「消費増税」をやり抜け、と菅首相の尻を叩き、首相を操る財務省に声援を送っているのであ る。

ここで、2月10日の「永田町異聞」メルマガ版にくわしく書いた新聞界の思惑にふれないわけにはいかない。メルマガ から一部を転載する。

◇新聞と財務省の関係をうかがわせる人事があった。昨年11月16日、丹呉泰健氏が読売新聞の社外監査役に就任するという 小さな記事が各紙に掲載された。
 丹呉氏といえば、2009年の政権交代直前に財務事務次官となり、2010年7月に退任したばかり。OB人脈を含め た財務・大蔵一家のなかでの影響力は大きい。 読売新聞がなぜ、丹呉氏を必要とするのか。読売グループのドン、渡邊恒雄の意思がはたらいているとみるのが自然だろ う。
この人事の背後に、「消費増税」への新聞界の思惑が透けて見える。 消費税が数%でもアップされると、ただでさえ人口減、インターネットの台頭、広告収入の大幅ダウンに見舞われている 新聞業界はもたない。 そこで、渡邊氏ら新聞界のトップが考えているのが、英国のように食料品など生活必需品の税率をゼロ、もしくは軽減す るよう世論を誘導し、その生活必需品のなかに、さりげなく新聞をもぐりこませるという算段だ。
それを可能にするために、財務省の増税路線を大いに支援して恩を売っておく必要がある。いざというときの橋渡し役と して、丹呉氏はうってつけだと考えたに違いない。
新聞にとって、もうひとつの恐怖は、再販制度と特殊指定の特権を剥奪されることだ。現在のところは、再販制度によって高価格に維持できているからこそ、まがりなりにも新聞の経営はなりたっている。
ふつうの商品なら、価格を決めるのは小売であり、メーカーが価格を押しつけると独禁法違反になる。新聞は特殊指定に よって、メーカーである新聞社が価格を決めることができる数少ない商品だ。
渡邊恒雄氏ら新聞業界トップには再販制度をめぐるこんな前歴がある。2005年11月、公正取引委員会が、再販制度 について新聞の特殊指定を見直す方針を打ち出した。実はそれよりはるか前の1998年にも公取委が「基本的に廃止」の方針を固めたことがあったが、新聞協会会長だった渡邊氏らの政界工作で、「当面見送り」にさせた経緯がある。
05年の見直し方針に対しても同じだった。新聞協会は猛反発し、各政党への働きかけによって政界の支持を得た新聞協会に公取委が屈して、方針を取り下げた。
記者クラブの独占的取材体制など新聞協会の既得権に手厳しい小沢一郎は、マスメディアにおもねる体質が色濃い政界に あって異彩を放っており、それが異常なバッシング報道を受ける大きな要因であることは確かだろう。
ちなみに、再販制度を所管する公正取引委員会の委員長、竹島一彦は大蔵省OBであり、読売新聞の社外監査役となった 丹呉が、この方面でも一定の役割を果たすことになると推測される。
こうしてみると、強大な予算配分権の維持をめざす財務省は国家財政の危機を過大に喧伝して増税の必要性を唱え、現実 に経営危機が迫りつつある新聞社とその系列のテレビ局を抱き込むことで、世論調査という擬似国民投票に右往左往する菅内閣が財務省の言いなりになる形をつ くることに成功したといえる。◇

大新聞がこぞって消費増税を支援している理由がわかっていただけたのではないだろうか。 経営の論理が新聞の「社論」になり、そこから逸脱しないよう、いやむしろ社長の覚えめでたきよう意図して「社説」が 書かれている日本新聞界の現状が、今日の朝日社説からも浮かび上がってくる。≫ (永田町異聞:新 恭 『ツイッターアカウント:aratakyo』) *掲載の都合上一部改行は筆者の都合


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