アフガン・イラク・北朝鮮と日本

黙って野垂れ死ぬな やられたらやり返せ 万国のプレカリアート団結せよ!

麻生の暴言放置したまま野党にだけ自制求めるのは筋違い

2019年07月17日 21時21分18秒 | モリカケも忖度もない公平な社会を
 
 
「選挙に怪文書は付き物だ」と言ってしまえばそれまでだが。
 
少し前に、「テラスプレス」なる正体不明のサイトが発行した「フェイク情報が蝕むニッポン トンデモ野党とメディアの非常識」という冊子が話題になった。その冊子は、立憲民主党の枝野代表、国民民主党の玉木代表、共産党の志位委員長など主な野党政治家を、まるで痴呆や陰謀家みたいな似顔絵で描き、一方的にこき下ろしていた。そして、自民党の安倍総裁をイケメン風に描き、安倍政権をべた褒めしていた。
 
テラスプレスの記事は今でもネットで読める。但し、検索サイトには敢えて引っかからないように細工されている。この事から、広く国民に訴えるというよりも、むしろ仲間内で情報共有する為のサイトだという事ができる。冊子に掲載された記事についても、ネットから削除されてしまったようで、今はもう読めなくなっている。テラスプレスの発行元は一切明らかにされていない。多岐のジャンルに渡る記事が、数日毎に頻繁に更新されている事からも、とても個人で発行できる代物ではない。与党の大物政治家が運営に関わっているのではないかと噂されている。
 
そんな出所不明の冊子を、天下の自民党が、こともあろうに党内研修用の資料として、党の国会議員全員に配布していた。その事を国会で追及された安倍首相は、悪びれもせずに、逆に「この冊子の言う通りじゃないか」と持ち上げる有様だった。

自民冊子の元ネタ「テラスプレス」、公示後も更新続く 野党批判のトーンそのまま...(J-CASTニュース)
DAPPIの再来?自民党が正体不明の野党叩きメディア「テラスプレス」を冊子化、参院選対策用に議員らへ配布(BUZZAP!)

 そればかりではない。「野党も同じ様な事をしているじゃないか」という記事が、今度は「KSL-Live!」なるサイトに掲載される始末だ。「共産党に大ブーメラン!麻生大臣を『ブタ』で擬人化するマンガを公開→批判受け削除、自民党の冊子より悪質な内容」というタイトルの記事がそうだ。
 
共産党HPの中にあるとされる漫画は、もうHPから削除されて読めなくなっているようだ。よって、KSL何ちゃらの記事でしか、その漫画の内容を確認できない。このKSL何ちゃらも、どんな団体が運営しているのかよく分からない。運営者としてライターの名前が一人出てくるが、本当に個人サイトなのかは不明だ。しかし、そのKSL何ちゃらの記事を読んでも、一体この漫画のどこが「自民党の冊子より悪質な内容」なのか、サッパリ分からなかった。
 
何故なら、ブタで擬人化されているのは別に麻生太郎などの与党政治家だけではないからだ。共産党の志位委員長も、「イケメンのブタ」として擬人化されていた。方やブスブタ、もう方やイケメンのブタでは、同じブタでも不公平ではないかと言われても、共産党があくまで自党の宣伝用に編み出したキャラクターなので、文句の付けようがない。
 
この事からも、KSL何ちゃらは、本当は政治家をブタになぞらえた事よりも、むしろ麻生太郎を批判した事自体を問題にしたいのだ。本当は「偉大なる麻生閣下を批判するとは何事か!」と言論弾圧したいのを、それをそのまま言ってしまうと、もう麻生べったりなのが誰の目にも明らかになってしまうので、「政治家をブタになぞらえるな」と、品格の問題にすり替えているのだ。そうして、「共産党も同じような事をしているではないか!」「自民党批判の内容が共産党にもブーメランとして跳ね返って来ている!ザマアミロ」と言いたいのだ。
 
でも、よく考えてみれば、これは決して「どっちもどっち」で済まされる問題ではない。何故なら、テラスプレスの例の冊子が、何の根拠もなく、枝野代表などの野党政治家を痴呆や陰謀家呼ばわりしているのに対して、共産党マンガの方は、あくまでも、麻生が実際に喋った言説を批判しているのに過ぎないからだ。麻生は実際に、記者たちに向かって、「はあっ、もっと大きな声で言えや!」と恫喝したのは事実だ。
 
それを批判して一体何が悪いのか?その程度の批判もできないようでは、日本も中国や北朝鮮、中東やアフリカあたりの独裁国家と同じではないか?その点をきちんと踏まえた上で、「それでも政治家をブタになぞらえるとは、少し行き過ぎではないか?」という意見はアリだろう。「政治家はあくまでも公人なのだから、一般人の居酒屋談義みたいなノリで、政治を語ってはいけない」「もう少し大衆受けするやり方を考えろ」という意見は、あり得るだろう。
 
しかし、それも時と場所によりけりだ。夜中に山中で女性が暴漢に襲われたとする。周囲には誰もいない。そこで女性は、やむなく手に持っていた護身用のナイフで、暴漢に抵抗し、誤って暴漢を刺し殺してしまったとする。普通なら正当防衛だ。仮に女性の行為が過剰防衛に問われたとしても、暴漢も女性も「どっちもどっち」なんて絶対あり得ない。暴漢の方がはるかに罪が重いに決まっている。但し、満員電車の中で、男性の腕が偶然、女性の胸に当たっただけで、女性が逆上して、男性に大怪我を与えてしまったり殺してしまったら、どうだろうか?ここまで行くと、さすがに女性の過剰防衛だと言われても仕方ないだろう。
 
そこで、先のブタの話に戻ると、これはどちらのケースに当たるだろうか?私は、多少行き過ぎはあっても、まだ「言論の自由」の範囲内だと思う。麻生の夜郎自大、傍若無人な態度については何も批判せず、それをブタに擬人化した共産党だけ批判するのは、明らかに片手落ちだ。これでは「為にする批判だ」と言われても仕方ないだろう。そんなに恨まれるのが嫌なら、最初から恨まれるような事をしなければ良いのだ。それだけの話だ。
 
その上で、「もっと上品な批判の仕方を考えなければならない」という議論はあると思う。しかし、その是非を判断するのは、あくまでも有権者であって、KSL何ちゃらではない。
 
かつて、北朝鮮による拉致の被害者家族を支援している活動家の中で、当時の北朝鮮の指導者である金正日を、ネットで「豚金」と揶揄した投稿者がいた。さすがにその物言いに対しては、同じ活動家仲間からも、「表現が余りにも下品である」と、議論になった事があった。しかし、そのような投稿が許容される一方で、「麻生太郎をブタ呼ばわりするのは一切まかりならぬ」と言うのでは、「麻生は神聖にして侵すべからず」と言っているのと同じだ。
 
むしろ、この問題で批判されるべきは、共産党の弱腰の方だろう。少し批判されたからと言って、有権者に説明もせずに、漫画を一方的に削除してしまうようでは、年金報告書を黙殺した麻生太郎と同様に、「臭いものに蓋」でしかない。かつて戦争反対、主権在民を唱えて、天皇制政府から弾圧されても節を曲げなかった、かつての共産党は一体どこに消えてしまったのか?もはや安倍に対抗するには、山本太郎を支持する以外には無いのか?
 
「新聞記者」という映画を最近観た。大学の経営者が総理のお友達という理由で、規制されていた獣医学部の新設が認められた。その真相を女性の新聞記者が、政権側の協力者と共に追及していく映画だ。加計学園をモチーフにした映画で、前川喜平などの映像も映画の中で登場する。
 
その映画の中で、内閣調査室の大勢の官僚が、世論操作の為に、一般投稿者を装って、ネットに政府擁護の書き込みをする場面が出てくる。テラスプレスやKSL何ちゃらも、こいつらがでっち上げたフェイク(偽装)サイトである可能性が濃厚だ。日本をこんな陰謀国家にしてはならないと、強く思った。

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