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「ルポ ニッポン絶望工場」に見るベトナム人留学生の労働実態

2016年08月24日 20時11分57秒 | 職場人権レポートVol.3
ルポ ニッポン絶望工場 (講談社+α新書)
クリエーター情報なし
講談社


前回記事の中で紹介した上記の著書について、本の紹介やレビュー(感想文)がAmazonや紀伊国屋等のHPに掲載されているので、それをこちらにも転載しておきます。


内容紹介
新聞・テレビが決して報じない外国人留学生、実習生の真実。コンビニ弁当工場、新聞配達、宅配便仕分け、農業……日本人の便利な生活を末端で支える彼らが絶望し、<謀反>を起こす時、この国の生活基盤は崩壊する!

内容(「BOOK」データベースより)
外国人犯罪者の1/4がベトナム人、“奴隷労働”が支える新聞配達、日本語学校によるボッタクリ、犯罪都市「NY化」する日本、日本への出稼ぎをやめた中国人―新聞・TVが報じない「現代の奴隷労働」

著者について
出井 康博
1965年、岡山県に生まれる。ジャーナリスト。早稲田大学政治経済学部卒業。英字紙「ニッケイ・ウイークリー」記者、米国黒人問題専門のシンクタンク「政治経済研究ジョイント・センター」(ワシントンDC)客員研究員を経て、フリー。
著書には『松下政経塾とは何か』(新潮新書)、『長寿大国の虚構 外国人介護士の現場を追う』(新潮社)、『黒人に最も愛され、FBIに最も恐れられた日本人』(講談社+α文庫)などがある。

目次
はじめに──復讐される日本
第1章 ベトナム人留学生という“現代の奴隷”
第2章 新聞・テレビが決して報じない「ブラック国家・日本」
第3章 日本への出稼ぎをやめた中国人
第4章 外国人介護士の受け入れが失敗した理由
第5章 日本を見捨てる日系ブラジル人
第6章 犯罪集団化する「奴隷」たちの逆襲
おわりに──英国のEU脱退と日本の移民問題

以下、Amazonのトップカスタマーレビュー(感想文)より抜粋

5つ星のうち 5.0
「留学生」と「実習生」という虚飾の下での「現代の奴隷労働」の実態は想像以上であり、日本人として恥ずかしいとも思ってしまった
投稿者 gl510 トップ500レビュアー 投稿日 2016/7/24

本書では、2007年から「外国人労働者」をテーマに取材を続けているという筆者が、「留学生」と「実習生」という虚飾の下で、彼らがいかに劣悪な環境で働かされているか、そうした環境の裏には何があるのかを明らかにしている。このうち実習生の問題については、マスコミ報道で我々もある程度はその実態を知らされてはいるが、本書で筆者が暴いている「新聞・TVが報じない現代の奴隷労働」の実態は想像以上であり、発展途上国の貧しい外国人を低賃金・重労働でこき使うとともに、そこから抜け出せない構造を作り上げたり、彼らを失踪して不法就労せざるを得ない状況に追い込んでしまう日本を、日本人として恥ずかしいとも思ってしまった。 
筆者はまず、「日本留学ブーム」が起きて留学生が急増しているというベトナムを例に、発展途上国からの留学生の多くが出稼ぎ目的の「偽装留学生」であり、現地のブローカーに騙されて多額の借金を背負って来日した後、留学先の日本語学校などに食いものにされ、借金の返済と親への仕送りのために徹夜の「奴隷労働」に就くことになるという「留学生30万人計画」のもとで起きている現実をルポし、現在、日本で最底辺の仕事に就き、最も悲惨な暮らしを強いられている外国人は、出稼ぎ目的の偽装留学生たちだと断言できると結論付けている。 
実習制度については、我々もマスコミ報道で、その実態が、日本人がやりたがらない3K仕事を発展途上国の外国人にやってもらうだけでなく、実習制度の美名の下に、日本人より遥かに安い給料でこき使う制度となっていることまでは理解していると思う。しかし筆者は、実際の受け入れ企業の金銭的負担は、日本人を雇う場合と比べて大きく変わるわけではないとし、送り出し国や日本の官民のピンハネ機構の存在を明らかにし、そうした搾取が、実習生の不当な低賃金と失踪多発の根本原因になっているとしている。 
筆者はこの二つの問題だけでなく、高齢社会を迎えた日本の深刻な介護士不足を解消するために必要な外国人介護士の受け入れ制度がなぜうまくいかなかったのか、その理由を明らかにするとともに、マッチポンプ的な税金の無駄遣いや官僚の利権構造を批判し、併せて、こうした中途半端な日本の外国人介護士や看護師の人材獲得対策では、今後激しさを増していく国際的な人材獲得競争に遅れを取り、日本に質のよい人材は来なくなると危惧している。 
筆者は『おわりに』で、現状の制度は、嘘と建て前のオンパレードであり、外国人労働者、留学生の受け入れ政策について、一から見直すべきだとし、日本で働く外国人に、この国で、いかなる役割分担を求めるのか。どうすれば優秀な外国人を日本に迎え入れられるのか。長期的な方針と戦略を立てるのは今しかないと結んでいる。


5つ星のうち 5.0
本書は、外国人労働者について、いろんなことを考えさせてくれます!!
投稿者 直いい親父 トップ500レビュアー 投稿日 2016/7/24 

移民先進国の欧米諸国と比較すると、わが国の移民政策は大きく遅れていて、
欧米先進諸国から、そのことを指摘されることも少なくありません。
しかし、日本で暮らす外国人は、昨年1年間で11万人増加し、過去最高の223万人に達しています。
そして、増加する外国人の約半数は、「実習生」或いは「留学生」として日本にやってきています。
また、日本政府は、2020年までに「留学生」の総数を30万人にするとの目標を立てていて、
外国人留学生の数は今後も増加するものと思われます。
一方、わが国では、新聞配達、コンビニの弁当、サンドイッチの製造工場、宅配便の仕分け、農業、
などのいわゆるきつい単純労働は、働くものが少なく、その部分を「実習生」「留学生」が任っているのが現実なのです。
簡単に言うと、わが国では、単純労働での来日が認められていないので、「実習生」「留学生」がそれを担っているということです。
もう一つは、やはり労働力不足が深刻な介護業界。
政府は、フィリピンをはじめとする外国人介護士の導入でその問題を解決しようとしましたが、
国家試験が日本語で出題という理由などで、外国人にはむつかしすぎて、当初の目的を達せないでいます・・・・ 
これには省庁間の対立があったようです・・・・。
そして、わが国に来る外国人も、当初は中国人、次いで日系ブラジル人、
そして、現在は、ベトナム人、フィリピン人が主流になってきています。
また、これらの外国人が、多額の借金をせをって来日していています。しかし、日本での賃金が見込みより少ないうえに、
日本語学校でぼったくられ、ブローカーに搾取され、犯罪に走るものも出てきているというのが現実です。
さらに問題なのは、彼らが日本嫌いになることです。
日本では、移民政策をとる代わりに、「実習生」「留学生」を単純労働につかせているというのが実情のようです。
労働力不足を移民で解決しようとしてきた欧州先進国ですが、ここにきて、テロの温床、続発という事態に見舞われています。
さらには、移民問題などで、英国がEU離脱ということを招きました。
わが国の「実習生」「留学生」を単純労働につかせるという政策は、いずれ欧米の指摘で大問題になると思われます。 
わが国は、現在の新聞が毎日宅配される、コンビニでいつも新鮮な弁当が購入できる、
宅配便が安く早く届く、などの利便性を維持するか・・・当然移民を大量に受け入れることになります・・・・、
あるい値段が高く、かつ不便な日常に我慢するか、そのどちらかの道を選ばなければいけないという問題に、 
近々直面することになります。
本書は、外国人労働者についていろんなことを考えさせてくれます!!


5つ星のうち 4.0
周りで正体不明の外国人が増えている謎が解けた
投稿者 カスタマー 投稿日 2016/8/7

8/7の朝日新聞書評を見て、書店で購入しました。
電車に乗っても、自宅周辺でも、欧米人でも中国人でもブラジル人でもない外国人が増えているのが気になっていました。
日本人の借り手のいない近所の古い安アパートは、いつしか中東系(トルコ?)とおぼしき男性たちが集まるようになっていました。
さまざまなルートで日本にやってくる外国人が増え、その背景で犯罪まがいの詐欺、ピンハネ、搾取が行われている実態を詳しく調べ、書かれたのが本書。とくに今いちばんひどい目に遭っているのが、ベトナム人留学生たちだとは初めて知りました。
コンビニ弁当も、新聞も、彼らがいないと作る人がいない、届ける人がいないという状況になっていたとは…。
地域コミュニティにも参加しない、言葉も通じない、社会にも当然溶け込めない。そんな彼らが自身の待遇、日本社会の扱いに不満を抱き、反社会的行動に走ったら…。
移民の是非云々の問題ではなく、彼らはすでに「そこ」にいます。具体的に社会の一員として彼らが「普通に」暮らしていける仕組みを早急に整えないと、日本人自身のリスクとして跳ね返ってくると、怖くなりました。
少なくとも、本書で内幕がバラされている官僚の天下り先を作るためとか、そこがピンハネ行為をしているとか、ありえない。


5つ星のうち 4.0
奴隷労働に支えられているニッポン
投稿者 パール601 投稿日 2016/8/21

一般の日本人が全く気が付かない場所で働いている、外国人たちのルポです。
以前は中国人や日系ブラジル人が多かったが、最近はベトナム人が多いそうです。
しかし彼らはかなりあくどいやり方で日本に連れてこられている。
研修生、留学生とは名ばかりで、単純労働の現場に放り込まれています。
日本人がこういった人たちについて耳にするのは、せいぜい犯罪を犯したときぐらい。
なかなか彼らの現状については知りえません。
著者は日本で誰もやりたがらない仕事を、奴隷労働の彼らが支えていると指摘しています。
しかも日本の官公庁自体が、こういった貧しい国の人々を搾取していると述べています。
またマスコミなどもこれらについて報道することは無い。
弱者の味方だと自称する朝日新聞が、ベトナム人の新聞配達人を不当に働かせている現場が生々しく描かれています。
著者は単純労働を担う外国人を、もっとちゃんとした形で受け入れるべきだと説いています。
確かに人手不足を解消するには外国人の手を借りなくてはいけないかもしれない。
しかし私はそう簡単に筆者の言う通りに移民政策を進めるのは危険だと思うなあ。
日本人でもブラック企業に勤めている人はたくさんいるのに、外国人を優遇するのは無理だと思う。
欧米の移民政策がそれほど優れているとはとても思えません。
貧しい外国人がかわいそうなどと言う安易な論理で、日本に永住させるのはどうかと思う。
今は確かに人手不足かもしれないが、それがどのくらい続くのかわからないことです。
10年も経てば今度は人余りに戻るかもしれない。
著者が憂慮しても、今の日本の官公庁のやり方はむしろ現実的な方策なんじゃないかな。

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