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維新メルトダウン

2013年07月04日 21時58分27秒 | 二大政党制よりも多党制
 
 

 世の移り変わりは早いものです。少なくとも橋下慰安婦発言以前は、こんな「溺れる者は藁をも掴む」なんて(旧)タイトルで、維新の話題を取り上げる事になるとは、想像もつきませんでした。確かに、昨年の衆院選の頃には既に党勢に陰りが出始めていたとは言え、それでもまだ当時は「第三極の筆頭」として、マスコミから「時代の寵児」扱いされていたのに。
 今度の参院選で、維新は相当焦っているのではないでしょうか。橋下徹による慰安婦発言のお蔭で支持率急落、でも今、橋下に共同代表を辞められたら、更に求心力を失い党は瓦解してしまいます。進退窮まり身動き取れなくなった今となっては、維新議員にとっては、橋下と共に心中するか、維新を見限り自民党に移籍(出戻り)するしか、生き残る道は残されていません。

 6月30日の日曜日に、大阪・難波の高島屋横の道路を、維新の宣伝カーが必死の形相でアナウンスを流していました。「はて、まだ参院選の公示前なのに?」と思いつつも、宣伝内容は「憲法改正で国防力強化を」という政治宣伝で、「誰それに一票を」という選挙活動ではなかったので、「まあ良いか」と思いながら、当日帰宅したら、自宅に上記の郵便物が来ていました。
 郵便物は私の名前宛で、送り主は「日本維新の会 参議院比例代表(全国区)支部長 吉田ひろみ事務所」となっていました。「はて、維新なんか支持した覚えはないのに?」「そもそも吉田ひろみって一体誰?」と訝しく思いながら、開封したら出てきたのが推薦依頼の上記文書と2通の推薦ハガキでした。

 推薦依頼文書には、私と同じ大学のOBで、卒業後は奈良県橿原市の市役所勤務の傍ら、外国人支援のボランティア活動に没頭→やがて国際交流の社団法人理事長に就任し、地元紙に連載記事を載せ始めたのが維新の目に留まり、全国比例区支部長に就任→地域づくりの情熱と経験を活かし、ボランティア活動で感じた壁や矛盾を政治の力で解決したい。それで「何卒、先輩諸氏のお力添えで、ご支援賜りますよう宜しくお願い申し上げます」と。
 ついては、同封の推薦ハガキ2通に推薦人として名を連ね、全国の知人・友人に送って欲しいと。しかも、直接ポストに投函させず、ハガキを一旦「吉田ひろみ」事務所に返信用封筒で転送させた後に、7月4日の参院選公示日以降に事務所から一括で指定郵便局経由で発送する手順になっているのだそうです。でも、幾ら発送のみ告示日以降にしても、それ以前の推薦人募集活動もれっきとした選挙運動なのだから、これは事前運動で公選法違反じゃないのか。しかも、同窓会名簿を使って、会員の個人情報を特定政党の宣伝に悪用して。

 私、そう思って大学の校友会(同窓会)事務局にメールを送り、「既に他のOBからもこの件で抗議が殺到している」「会として特定政党を支持した事はない」「名簿については、個人情報保護法が施行された平成17年に在庫を全て廃棄処分にしたので、それ以前の名簿が流用されたのではないか」「発送人が吉田ひとみ個人ではなく事務所で、直接投票依頼もしていないのでグレーゾーンだと思うが、会としても吉田ひとみ事務所には抗議しておく」という返事をいただきました。
 この事務局の対応についても、確かに維新の公約ビラも同封されていたが、郵便物の主体はあくまで「吉田ひとみ」という個人の選挙事務所による「ご支援=投票」依頼なのだから、私個人は、これはグレーなぞではなく完全にブラックだと思いますが、でもまあ一応は「抗議する」との事なので、それで了承しました。

 「吉田ひとみ」氏についても、幾ら大学OBと言えども、卒業年次も在籍学部も違い、政治信条もまるで違う「赤の他人」を応援する義理なぞ露ほどもないが、それでも氏にも選挙に出馬する自由はあるので、どこの党からいつ出馬しようとそれは氏の勝手だが、少なくとも「地域づくり」に拘るのであれば、衆院小選挙区か参院選挙区から出馬するのが筋でしょう。そこで地域活動を通して知り合った人たちに支援を頼むならまだ分かりますが。それが何故、参院比例区から出馬なのか。「外国人支援」云々とか言うのについても、本来なら、規制緩和推進とかで外国人労働者の人権を蹂躙するブラック企業に大甘な維新なぞから出馬できる筈はないのに。言ってる事とやってる事が全然違うやないか。口から出まかせばかり言うな。
 でもまあ、「地域づくり」とか「外国人支援」とか言っても、維新や自民党と私らでは、同じ言葉でも定義や意味合いが全然違うという事例は、今までも幾度となく経験してきたので、別に今更驚くまでもないでしょう。少なくとも私らにとっては、「他人種・民族や少数派への差別との闘い抜きに、外国人支援なぞあり得ない」し、「公害反対・環境保護の運動や、住民の暮らしを守るとか抜きに、地域づくりも糞もないだろう」と思うのですが、所詮彼らにとっては「地域」も「外国人」も、「人権」抜きの単なる「金儲けの道具」でしかないのでしょう。

 しかし、最初の選挙違反の件については、これはもうグレーなぞではなく完全にブラックだと思います。下記のワタミの例と一体どこが違うのか。 

●渡辺美樹・ワタミ前会長 「公選法違反」証拠ビデオ公開(週刊文春)

 参院選に自民党公認で出馬することを表明している渡辺美樹・ワタミ前会長が公示前に「ぜひ応援をしてもらいたい」と呼びかけていたことが、週刊文春が入手したビデオレターでわかった。
 当時、ワタミの会長だった渡辺氏は、「今回、僕は自民党の公認を得て国政に挑戦することになりました」、「政治の目的が国民の幸せならば、私は今回の参議院選、自民党が勝つことが国民の幸せに一番大きな影響を与えると思っています」、と述べ「皆に話をしたくて今回はビデオレターを送りました。ぜひ応援をしてもらいたい」と結んでいる。
 このビデオレターは、6月10日前後、ワタミの各事務所に届けられた。ワタミの現役社員によれば、ビデオレターは「ワタミの全社員とスタッフは見て視聴シートに感想を書くよう義務づけられている」もの。翌週、ワタミ本部から、内容に不備があったという理由でビデオレターと視聴シートの回収が指示された。
 専門家によれば、公職選挙法129条によって、公示前は投票の勧誘などの事前運動は禁止されている。
「『参院選』、『ぜひ応援してもらいたい』と語っていますから、今回の参院選の支援依頼とみなされます。違反行為であったことは間違いない」(岩井奉信日大教授)
 渡辺氏とワタミは次のように回答した。
「渡辺が政治活動に重点を置く決意をしたことから、スタッフ等に不安を与えぬよう説明をした次第であり、会社内部の業務連絡に過ぎません。したがって、事前運動に該当するとの指摘は当たりません」
 ただ、「業務連絡なら、主語が会社になるはず。『公認』、『参院選』、『ぜひ応援して』と言っており、投票依頼と受け取れます」(前出・岩井教授)との指摘もあり、選挙違反の取り締まりにあたる警察当局、公認を機関決定している自民党の対応が注目される。
 http://shukan.bunshun.jp/articles/-/2887

●【追記・速報】参議院選挙出馬断念のご報告とお詫び(吉田ひろみHP)

(以下引用)
・・・橋下代表の慰安婦発言以降から、日本維新の会は逆風にさらされ、大変、厳しい日々となりました。奈良県選挙区の候補者も立候補を断念され、ますます厳しい状況になりました。
 本来、どんな逆風が吹こうとも、それらをはねつける自分自身の力が必要であることは言うまでもありません。私は、その信念にもとづき、日々、邁進してまいりました。
 しかしながら、残念なことに、厳しい空気は、私の後援会や支援者にまで広がって参りました。参議院議員全国比例区選挙は、多くの候補者の中から名前を書いてもらわなければならないという、わかりにくい選挙であったことも原因であったと思います。
 一昨日、こうした状況から発生した様々な事態から、後援会長を始め、支援者から出馬断念を促されました。私としては、無念極まりないものがあり、なんとしても最後まで戦いきりたかったわけでありますが、これ以上、内部が混乱することは、避けなければなりません。苦渋の決断を致しました。(以下略)平成25年7月3日 吉田ひろみ
 http://yoshidahiromi.jp/

 この記事を書いた直後に早速氏のHPを覗いていたら、既に上記の様な結末になっていました。「一昨日、こうした状況から発生した様々な事態」とか色々書いていますが、恐らく抗議殺到でにっちもさっちも行かなくなったのでしょう。しかも、この期に及んでもまだ、自らの言行不一致を棚に上げ、「分かりにくい選挙」制度に責任転嫁の言い訳に終始とは(呆)。
 もう今から記事を丸ごと書き換えるのもしんどいので、とりあえずタイトルだけそれまでの「溺れる者は藁をも掴む」から今の「維新メルトダウン」に変更しておきます。
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