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高津宮は梅よりロールケーキ

2024年02月14日 22時53分09秒 | なにわB級グルメ探訪

まだ2月だと言うのに、昨日あたりから急に春めいて来ました。その陽気に誘われ、また高津宮の梅を見に行って来ました。高津宮(高津神社)は大阪市内の谷町9丁目にあります。地下鉄谷町9丁目駅を下りて谷町筋を北上、一つ目の角を西に折れたら高津宮の大鳥居の前に出ます。大鳥居をくぐると、柱に何か漢字で刻まれた碑が目の前に現れます。

門柱に刻まれた漢字は「仁風敷宇宙 徳化洽乾坤」。「思いやりのある風が宇宙に満ち溢れるとき、人を思う慈しみは行動となって天と地に広がる」という意味だそうです(参考記事)。その反対が「自分さえよければの風が宇宙に満ち溢れるとき、自民党の裏金政治が天と地に広がる」今の日本です。

この碑を通り過ぎると、梅にちなんだ史跡が現れます。それが梅之橋と献梅碑です。元々ここは梅の名所で、梅川と言う川のたもとに梅が咲き誇っていたそうです。そこにかかっていたのが梅之橋だそうです。多分、下流で道頓堀川に注いでいたのでしょう。今はもう梅川も梅之橋もありませんが、その遺構だけがこのような形で残っています。その近くには梅ノ井や献梅碑も残されています。

今はもう梅之橋も梅ノ井もありませんが、梅は今でも高津宮の周辺に咲き誇っています。高津宮の拝殿に向かう参道の横に小さな公園があります。その公園の中に入り、高津宮の横の小道を北に向かうと、小さな広場に行き当たります。その小道と広場に梅が咲き誇っていました。梅の見頃はもう少し先のようで、今はまだ5分咲きぐらいでした。

高津宮には、南の鳥居からだけでなく、北のこの小さな広場からも階段で上がる事が出来ます。広場から上がったら拝殿の横に出ます。そこには拝殿の他に絵馬殿もあります。昔は絵馬殿の高台から大阪の街や港だけでなく、対岸の六甲山も見渡す事が出来たそうです。江戸時代には、旅人はここで遠眼鏡を買って港や六甲山の眺望を楽しんだそうです。今はもう賃貸マンションや雑居ビルが乱立し、眺望を楽しむ事は出来ませんが。

さらに時代をさかのぼると、飛鳥時代に仁徳天皇が、ここに立って、民家のかまどから煙が立ち上るまで税金を免除したという逸話が残され、大阪市歌の歌詞にも取り入れられています。ところが、今は不景気でも消費税が値上げされ、さらにインボイス導入で小規模事業者が追い詰められています。民主主義の今の世の中より、専制政治の昔の方がまともな政治が行われていたとは、もう皮肉と言う他ありません。

私がここに来たのは梅を見る為だけではありません。高津宮の中に、「富亭カフェ」という喫茶店があり、そこのロールケーキが美味しいのです。「氏子ロール」と言って、この喫茶店の名物です。コーヒーとセットで800円。初めて食べた時に、女の店員さんが熱いほうじ茶を注いでくれて、それが美味しかったので、梅見にかこつけて、たびたび来るようになりました。「花より団子」ならぬ「梅よりロールケーキ」です。

今日はおまけにバレンタインデーにちなんでチョコレートも一つ付けてくれました。ただ、私が行った時は、まだお店がオープンして間もなく、ケーキも冷凍庫から出したばかりのようでした。しかし、これもこれで、アイスケーキみたいで美味しかったです。

高津宮の祭神は仁徳天皇です。仁徳天皇の名前も最初の「仁風敷宇宙 徳化洽乾坤」から取ったようです。そう言えば、最初にこの喫茶店に来た時も、店員さんがしきりに「天皇陛下」や「皇后陛下」の事を話しておられました。でも、同じ神社でも、近くの大阪護国神社とは雰囲気が全然違います。

大阪護国神社は、靖国神社の末社として、戦時中に戦意高揚の為に作られました。祀られているのも、明治維新や日清・日露戦争、太平洋戦争で亡くなった軍人だけです。維新の志士でも、後に西南戦争で政府に楯突いた西郷隆盛などは、「賊軍」なので祀られていません。ましてや、空襲の犠牲になった民間人や、侵略戦争で殺された中国や東南アジアの人たちは、完全に蚊帳の外です。

だからでしょうか、私はこの神社には、全然親しみを感じません。雰囲気が余りにも「上から目線」だから。近くの住之江公園に桜の花見に行った時も、この神社だけは絶対に行く気になれませんでした。でも、高津宮には、そんな「よそよそしさ」はみじんも感じないのです。

逆に、上方落語の演目にもなった「高津の富くじ」や「高倉狐」。前者は、宿代を踏み倒そうと、いかにも自分は大金持ちであるかのように言いふらした為に、宿の主人から逆に高津宮の富くじを買わされる羽目になった旅人が、富くじで大金を的中させ腰を抜かす話です。「富亭カフェ」の名前も、この逸話から来ています。後者も、人間を化かそうとした狐が、逆に人間に化かされる話です。この狐を祀った高倉稲荷神社も、高津宮の境内にあります。いくつか連なる赤い鳥居が目印です。

高津宮の歴史を調べると、そんな話がいっぱい出て来ます。特に、私なぞは競馬ファンなので、「高津の富くじ」に登場する旅人の気持ちが、手に取るように分かります。ところが、大阪護国神社には、そんな話は一切ありません。戦争美化の「英霊物語」だけで庶民の暮らしは一切登場しない。

それは多分、高津宮の成り立ちが大阪護国神社とは全然違うからでしょう。同じ天皇崇拝の神社でありながら、方や「民の暮らし」の事を心配していた仁徳天皇。これを聞いて、かつての民主党政権のスローガン「国民の生活が第一」を思い出しました。それとは対照的に、「兵の命は鴻毛よりも軽し」「一銭五厘の召集令状でいくらでも補充できる兵隊よりも軍馬の方が貴重だ」と、特攻作戦で兵士を捨て駒のように扱った戦時中の日本軍。その生き残りや二世が、今の自民党の裏金議員や、「福祉予算を食いつぶす大阪市なぞ廃止してしまえ」と主張した維新の成り金議員、社員を社畜扱いするブラック企業の経営者たちではありませんか。

勿論、仁徳天皇も、今の基準からすれば、一専制君主でしかありません。「民のかまど」の逸話も、どこまで本当か定かではありません。でも、そんな専制君主ですら、今の政治家よりもはるかにまともだったと言うのでは、もうお話になりません。今はもう仁徳天皇や大岡越前、遠山金四郎の時代ではないのですから。誰か偉い人のお慈悲にひたすらおすがりするだけではダメです。政治がまともでなければ、まともな政治に変えるのは、我々国民一人一人の権利であり義務なのです。せめて選挙の投票ぐらいは棄権せずに行くようにしなければ。

話があらぬ方向に脱線してしまいました。高津宮のロールケーキはお勧めです。


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