前回記事の予告通り、12月3日(木)午後2時過ぎから本社で社員昇格試験の面接がありましたが、結果は最悪でした。そして、会社批判てんこ盛りの応募書類を出したにも関わらず、なぜ私が最終段階の面接まで残ったのか、その理由も面接の席で明かされる事になりました。
面接当日は午前中まで仕事で、昼休みを1時間取ってから午後1時に職場を出て、電車で本社に向かえば、2時までには充分間に合うと思っていました。その想定で、友達のバイトと昼食を取っていると、副所長から「下で待っているので食べたらすぐ来るように」と言われました。何と副所長が本社まで車で送ってくれるそうです。そこで、昼食もそこそこに済ませ本社に向かい、本社近くの集合場所で所長や同じ受験者の丘染(おかぞめ、仮名)さんたちと落ち合いました。そこで、所長から「頑張って来いよ」と声をかけていただいた後、私と丘染さんの二人で本社に向かいました。丘染さんたら、ガチガチに緊張してやんの。(^O^)
本社ビルはもう直ぐそこでした。そこの2階の会議室で、面接開始まで待機する事になりました。会議室には既に2名の受験者と案内役の本社人事部員がたむろしていました。私と丘染さんも含めれば受験者は4名で、私以外は全員スーツを着ていました。皆さんガチガチで緊張されていました。(^O^)
面接は、私たちが待機している部屋の向かいの会議室で行われました。面接の順番が来ると1人ずつ呼ばれ、約20分ぐらいかけて面接が行われました。それまでは、この会議室で待機です。私は最後の順番だったので、約1時間そこで待機する事になります。
受験者の中で制服(作業着)で来たのは私だけでした。午前中まで現場で仕事でしたから。面接の案内文書には「スーツまたは制服着用で臨む事」とあったので、別に制服でも一向に問題なかったはずですが、それが後に面接で問題とされる事になります。
その待機中に配られたのが上記写真の「面接心得(こころえ)」です。その心得には、ヘアスタイルやスーツの色、ネクタイの結び方から、面接の際のノックの仕方やお辞儀の仕方まで、注意すべき点がこと細かに載っていました。例えば「入室の際にはドアのノブは両手で持たなければならない」「椅子に座る際には椅子の後ろを通って着席しなければならない(前を横切るのはダメ)」という具合に。
この心得の内容は、多分、接遇本や就活本のコピーなのでしょうが、私はそれを読んで非常に違和感を感じました。なぜなら、私が生協に正規職員として採用された時は、面接でこんな細かな事まで要求されませんでしたから。その時も、もちろんスーツ着用で、人事教育部長と1対1の面接でしたが。当時は羽曳野(はびきの)にあった生協物流センター2階の本社会議室で面接が行われ、面接終了後に部長の案内で物流センター内部を見学させてもらったっけ…。もう何十年も前の話で、今とは雇用情勢も違いますが…。
また、待機中の会議室では、「面接心得」の他に、私が休日に所長からもらったカードに書かれていた社是や経営方針の内容も、改めて紹介されました。カードを超拡大コピーしたような物を会議室に持ってきて、「面接で多分聞かれるであろうから覚えておけよ」と。そこには、「社会に貢献、社員の幸せ」とか、「天の時は地の利に如(し)かず」と言った、どこぞの戦国武将の言葉みたいな事が書かれていました。受験者は皆、必死になって覚えようとしていましたね。私は、そんな物全部覚えられる訳もなく、所長も「適当に何か一つでも覚えておけば良い」と言われたので、その「戦国武将の言葉」だけを語呂合わせで覚えましたが。
だって、そのカードに載っているのが、経営方針(6行)、社是(2行)、基本政策(2行)、営業方針(1行)、安全理念(3行)、改革コンセプト(1行)、スローガン(1行)、経営理念(1行)と、8つもあるのですよ。どれもこれも似たような項目ばっかりで、同じような美辞麗句(びじれいく)を書き連ねたものが8つも。こんなもの、「はい、これ」といきなり渡されて、1日や2日で全部覚えられる訳がないでしょう。(^O^)
でも、私に言わせると、これらの面接心得や経営方針などの言葉も、当たり前の事が出来る会社であってこそ初めて言える事ではないでしょうか。ゴミを散らかしたら、散らかした人間が後片付けをする。バイトの配置を変更したら、変更した社員がちゃんとそのバイトに変更した事を知らせる。そんな当たり前の事も出来ない会社に、何でこんな、こと細かな事までアレコレと、偉そうに指示されなければならないのか?!その当たり前の事も出来ていないのに、それを放置したままで、「ドアノブは両手で持て」とか「社会に貢献」とか、バカにするのも大概にせえよ。(`Δ´)!
これぞ形式主義の極(きわ)みではないですか。前回記事で問題にした「上層部の視察があるから元気に挨拶(あいさつ)、整理整頓」の業務連絡と同じです。普段の整理整頓や挨拶(あいさつ)こそが大事なのに、普段は散らかし放題で、バイトをモノ扱いしまくっているくせに、上層部の視察や面接の時だけ、何でこんな「戦国武将の言葉」なぞ覚えなければならないのか。第一、バイトの配置や勤務シフトを勝手に変更されても声もかけてもらえなかったのに、何が「社会に貢献、社員の幸せ」か。言っている事が白々しいにも程がある。(`Δ´)!
そうこうしているうちに、とうとう私に面接の順番が回ってきました。「面接心得」の通り、向かいの面接会場のドアをノックし、「失礼します」と声をかけ、ドアノブを両手で回し、「こんにちわ。××から参りました××と申します。本日はよろしくお願いいたします」と名乗りを上げ、お辞儀して、面接官に「どうぞ」と促されてから、椅子の後ろを通って着席しました。
面接官は6名もいて、私の椅子と向かい合って一列に座っていました。その6名を紹介された後、私の面接が始まりました。
まず開口一番、左端の刺々気(ささき、仮名)次長から、私がなぜ最終ステップの面接にまでたどり着いたのか、聞かされる事になりました。ちなみに、この刺々気次長は以前、私が前の配属先で働いていた時の所長でもあり、私が知っている唯一の人物です。
その刺々気次長が言うには、やはり面接官6名中5名までが私の社員採用には二の足を踏んでいたようです。そりゃあそうでしょう。あんな会社批判ばかり書き連ねた応募用紙を見せられたら、私が面接官でも不採用にします(笑)。私はむしろ、それも承知の上で、ダメ元で一石を投じる為に、敢えてそこまで書いたのです。
その中で、刺々気次長の尽力により、何とか面接までたどり着く事が出来たのです。その次長いわく、「××さん(私の本名)は確かに筆記試験も高得点で通過している。筆記試験と同時に実施した適性検査でも、長所とされる面では非常に優秀な結果が出ている。その反面、協調性の部分では非常に点数が低く、上司や取引先、部下との衝突が懸念されるとの但書(ただしがき)も付けられる結果となっている」「この社員応募書類にある、『下手な社員よりも、よっぽど会社に貢献してきた自負がある』との記述や会社批判の部分も、本来ならば書かなくても良い事だ。そんな事を書くくらいなら、なぜもっと、自分は会社でこうしたい、これが出来ると、積極的にアピールしないのか」と言われました。
これで面接の流れが決まってしまいました。だって、そうでしょう。その他の5名の面接官から何を言われようと、私にとっては痛くも痒(かゆ)くもありません。この5名の面接官は、私にとっては「敵」でしかないのですから、「敵」にどれだけ攻撃されようと、私にとっては勲章にしかならない。むしろ、「敵」から攻撃されればされるほど、こちらも反撃のやり甲斐があるというものです。
ところが、私を評価してくれた唯一の人物からそんな辛口の評価をされたら、私は困ってしまいます。下手にその人物に反撃して、唯一の味方を失う羽目になっては元も子もありません。勢い反撃を手控えざるを得なくなりました。
その後はもう完全に「敵」のペースです。次に発言した人事部長の運尽(うんのつき、仮名)という奴からは、「なぜ君だけスーツを着て来なかったのか?」と聞かれました。それに対して、私が「午前中は現場作業でしたから」と答えても、「着替える時間はなかったのか?」と。(しかし、書いているうちに、だんだん「敵」の仮名が酷くなってきました…w)
私は、「着替える暇なんてある訳ないだろう。そんな事言うなら、お前こそ、午前中にスーツ着て白菜の仕分けでもしてみろや。第一、面接の案内には『スーツまたは制服着用の事』とあるじゃないか。それがダメだと言うなら、最初から『スーツのみ着用の事』と、ちゃんと書いとけよ。このヴォケ!」(`Δ´)と言いたのを、ぐっと堪えていました。
何を隠そう。この「運尽」こそが、私が前の配属先で、会社のドーリー発注サボタージュに抗議して、個人加盟の労働組合に入り会社と団体交渉した時に、会社側の人間として交渉に出てきた人物の一人でした。そう言えば、こいつは交渉の席でも、「我々のやっている事が何か法律に違反しているのかね?」とうそぶいていました。何十キロもある荷物をカゴ車からドーリーに積み替えさせても、労働基準法や労働安全衛生法には荷物の重量制限なぞ無い事を盾にとって、法律の網の目をすり抜けるような事をやっていたのです。(上記がその時の証拠写真。詳しくは当時のブログ記事を参照の事)
その「運尽」野郎が、今回の面接で、私に次に投げかけてきたのか、「あなたの職場での人気はどれ位あると思いますか?」という問いかけでした。それに対しても、「芸能人の人気投票じゃあるまいし。そんなに三流のお笑い芸人みたいな奴ばかり入れたいなら、一層の事、吉本の子会社にでもなって、ブースの磯野(仮名)みたいな奴ばかり入れれば良いだろう。彼こそ会社の超有名人じゃないかw。但し、そんな奴ばかりになったら、ますます、ハローワークにいくら求人出しても誰も寄り付かなくなるが」と言いたいのを、ぐっと我慢して。(`Δ´)!
そして、最後に言い放った言葉が、「『社会に貢献』という経営方針にもあるように、我が社は昔から家族経営でやってきたのだ。従業員あっての会社なのだ。もし、その中で社員としてやって行こうと思うのであれば、協調性も今まで以上に求められるのと違うか?」。細かい言い回しについては、必ずしもこの通りではなかったと思いますが、大体そんな意味の事を聞かれました。
これにはさすがに頭にきました。
…何でそんな事まで、こんなバカ会社から言われなアカンねん!そりゃあ、私は八方美人ではない。人によっては「協調性に欠ける」と取られかねない面もあるだろう。しかし、これも取り方一つだ。協調性がある事が必ずしも長所だとは言い切れないのではないか。むしろ、今の会社の現状では、何でもイエスマンで上の言いなりになる事を、「協調性」という言葉でごまかしているだけではないか。そんな「協調性」なぞ、むしろ無い方がよっぽどマシだ。
…「家族経営」という言葉もそれと同じだ。ブラック企業などで、社内にはびこるパワハラ、セクハラや、法律違反のサービス残業や不払い労働の実態を覆い隠す為に、ことさら「家族経営」とか「社員の幸せこそが会社の幸せ」という美名で取り繕う例がよくあるが、それと一緒じゃないか。
…よしんば、私にそのような欠点があったとしても、私よりもはるかに欠点だらけのダメ会社やダメ社員から、何でそんな事を言われなければならないのか。他人の事をあれこれ言う前にまず我がふり見て直せ……言いたい事は他にも山ほどあります。(`Δ´)!
そんなこんなで、もう散々なクソみたいな面接でした。
もし、私が「協調性に欠ける」と言うなら、私よりもっと協調性に欠け、しょっちゅうバイトとトラブルを起こしている井下(仮名)や、しょっちゅう事故やミスを起こして業務発注元からフォークリフト運転禁止の通達まで食らっている崖淵(仮名)を、なぜ社員として採用したのか?そして、なぜ、それを今まで放置してきたのか?それを棚に上げて、私ばかりに色々言われても全然説得力がありません。
でも、それを今さら運尽をはじめとした「上層部」に面接で言っても、奴らが聞く耳持つとは思えません。完全に喧嘩する覚悟なら別ですが、最初の刺々気の発言で奴らに面接の主導権が奪われてしまったので、それも出来ずじまいに終わってしまいました。もし、万一喧嘩になったとしても、1対6では勝ち目がありません。
まあ、それでも「奴隷根性を社内から一掃しなければならない」という事は、最低限言ったつもりですが、それもどこまで伝わっている事やら。
もう、所長には、面接翌日に社員昇格辞退の意向を伝えました。「こんな会社なぞ、こちらから願い下げです。もう今まで通りバイトのままで結構です」と。でも、「せっかくここまで来たのだから。まずは面接の結果を待ちましょう」という事になりました。
ただ、これだけは、はっきり言っておきます。この会社の言う「家族経営」というのは完全な偽物(にせもの)です。
もし、この会社が、本当に従業員を大事にする「家族経営」の方針で運営されているなら、上の顔色ばかりうかがって、ドーリー発注の要望も出せずに、ドーリー不足のツケを、危険な積み替え作業の形でバイトに押し付けるような真似はしなかったはずです(前述)。また、改装工事中で通路が狭くなった現場で、出来上がりドーリーを後ろに搬送する際に、前がよく見えずに前方にいた作業員の後ろ足にドーリーを当ててしまった私の過失に対して、会社の安全管理手落ちの責任もあるのに、労災申請もせずに私個人の過失だけで済まそうとはしなかったはずです(この件については、こちらの関連記事を参照の事)。
つまり、この会社の言う「家族経営」とは、本当に「従業員を家族のように大事にする」という意味ではなく、単に「子供は黙って親の言うことを聞け」「ゴチャゴチャ文句を言うな」と言っているにしか過ぎないのです。こんな物はただの「奴隷の服従」でしかない。
そして、「無責任の極み」でもあります。本当に従業員の事を思うなら、ダメ社員の井下や崖淵も、今までずっと「飼い殺し」になぞしておかなかったはずです。会社の責任において、一人前の社員に育てるべく、今まで何らかの手を打ってきたはずです。ところが、それを行った形跡すらない。こんな無責任な会社が一体どこにありますか。
そんな「奴隷の服従」に屈し、「会社の無責任」を「家族経営の嘘」で取り繕う事が「協調性」であるなら、むしろ私は「協調性に欠ける」事を誇りに思います。会社の思い通りにならず、「協調性に欠ける」私がいるからこそ、他のバイトの権利もかろうじて守られているのですから。