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acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

冬の磐梯山

2019年01月19日 08時14分43秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2019.1.14(月) 天気:晴れ

メンバー:szt(CL),fuk(SL),yuka

装備:冬装備一式,わかん

1/13 22:00石下出発→1:30道の駅裏磐梯(泊)

1/14 7:44裏磐梯スキー場P→8:33銅沼→8:54イエローフォール→10:11稜線分岐付近→10:51弘法清水小屋→11:40山頂着→12:00下山開始→13:17火口原付近→15:00頃 基点P

 

  「磐梯山」.この名前を聞くと,はるか昔小さいころのテレビCMに流れていた民謡を思い出す.甲高い声とともに宝の山と謡われていたあの山だ.会津盆地に赴いて晴天に恵まれれば,その姿が眺められる磐梯山.会津地方に住む人にとっては,さしずめわたしの住む街から眺められる筑波山のような存在か?であれば,きっと会津に暮らす方々に愛されているのだろう.会津地方の歴史を考えれば,百名山に数えられるのも至極当然だ.

そんな磐梯山,夏には観光がてら登ったことはあるのだが,登頂時はあいにくガスに包まれてしまった.おかげで麓に広がる猪苗代湖を眺めることは叶わなかった.今回は,体力維持と雪歩きの練習と猪苗代湖の眺めを堪能することを目的に,冬の磐梯山に向かった.

前夜に石下を出発し,道の駅で前夜泊.標高が低いためか,年末年始の八ヶ岳に比べれば寒さはそれほど感じない.6:00に起床し朝食をのんびりすませ裏磐梯スキー場へ移動.スキー場のオープン前に駐車場に到着するが,山に向かうと思われる車はすでに2台停まっている.駐車場整理のおじさんの指示に従って車を駐車し,磐梯山を目指していざ出発.開場前の点検で動くリフトを横目にスキー場脇をスポスポと歩いていく.予報通り雲はなくいい天気.あ~,気持ちイイ.

ゲレンデ脇を登り,振り返れば裏磐梯のいい眺め.

ゲレンデトップに立ったところでハッと思い出す.そういえば朝テントで準備したお湯の入ったテルモスを車に忘れた~!!

ほかのメンバーに確認すると,yukaおねーたまのザックの中からテルモス2つ,500mlのペットボトルの水,500mlのプラスチックボトルのスポーツドリンクが出現.はっ!?ここでも歩荷訓練??どこまで自分に厳しいんだ!?いやいやただただ自分を痛めつけるのが大好きなドM体質orド変態???なんてことを心の中で囁きながら,ありがたく余分な水分を半分こ.これではもうこの山行でyukaおねーたまには頭が上がらない.

ゲレンデトップからイエローフォールまでは予想通りトレースはバッチリついている.まずは凍った銅沼の上を歩きイエローフォール目指してゴー.

銅沼(あかぬま)の看板.ここからトレースを辿って銅沼の上を行く.

銅沼の上より.朝日がまぶしいです.

銅沼の上より磐梯山方面.う~ん,素晴らしい景色!

あれが噂のイエローフォール.

基点となった駐車場から1時間ほどでイエローフォールに到着.同行したfukさんは何回か冬の磐梯山へ来たことがあるそうで,イエローフォールの発達はまだまだとのこと.確かに滝の氷の規模としては迫力はない.暖冬の影響か?ここまでトレースのおかげで持ってきたわかんなど出す必要は全くなし.天気のいいうちに頂上まで行きたいからありがたいことこの上ない.

イエローフォールからやや左に回り込むように進んでゆくとピンクリボンとトレースがあり,磐梯山へ向かう尾根はわかりやすく進路は明瞭.ここもわかんを出す必要性もなし,ということでツボ足で高度を上げてゆく.

ご覧の通りピンクリボンがなびいている.その後も適度な間隔で目印アリ.

急な尾根を登ってゆき振り返ると桧原湖がよく見える.いい眺めだねぇ..

慣れない雪山歩きで奮闘するyukaおねーたま.ガンバレ~!

傾斜がきつくなった登りを進むこと1時間ほどで稜線へ.そこからは樹木は減ってそれまでとは別の景色が拡がる.風が強いとここら辺からつらくなるだろうが,この日はほぼ無風状態.磐梯山に雲がかかることはあるものの,目標である山頂を捉えることができ気持ちは高ぶってくる.あ~,気持ちいい~~!

標識についたエビの尻尾.見事だねぇ.

これぞ雪山の景色?しかし磐梯山は拝めない.

画になるところで,はいポーズ!

こちらの壁いかかでしょう?のポーズ!登れるところはあるかしら?

うっすらと見える磐梯山.近づいて来ましたよぉ~~!

右手のピークは櫛ヶ峰.あとちょっと~(1回目)!

気持ちの良い晴天の中,11時前に弘法清水小屋に到着.ただ,それまでと比べると段々ガスが多くなってきている印象.なるべくなら晴れ間のあるうちに山頂に行きたいが,初めての本格的な雪山歩きとなったyukaおねーたまは,雪に足を取られて苦戦気味.確かに年末の赤岳は条件良すぎたからね~.それでも弱音は吐かずにここまでやってきた,ご立派です.

ここから先は念のためピッケルを出す.でもアイゼンを履く必要もなさそうなのでツボ足のまま.トレースもそのまま明瞭についているので,ストックとわかんをデポして少しでも軽量化を図る.

10:51,弘法清水小屋.ここで小休止.

弘法清水小屋からピッケルに持ち替えたものの危険を感じる場面は全くと言っていいほどなく,ストックの方が歩きやすかったかなと苦戦しているyukaさんを見て少し反省.

山頂に到達するまでに先行していた単独の2人とすれ違う.振り返るとリフトに乗って登り始めたと思われる人々が視界に入り始める.さすが百名山,祝日ともなれば登山者は多いですなぁ..

山頂まであとちょっと(2回目).

弘法清水小屋から1時間足らずで無事山頂に到着.到達したものの山頂はガスに包まれ念願だった山頂からの景色はいまひとつ.それでも雪に包まれている磐梯山の山頂は別格です.

余裕綽々のfukさん.疲労困憊?のyukaおねーたま.

雪に包まれる山頂の祠.これはこの時期でないとみられないからねぇ.

山頂は風があるものの烈風というほどでもなく,場所を代えれば休めそうなのでせっかくだから頂上で小休止.yukaおねーたまから預かったテルモスを取り出し,さも自分の飲み物を持ってきたかのように,その中身でヌクヌクと温まる.それぞれ行動食も頬張って栄養補給をはかるが,yukaおねーたまがごそごそと取り出したのはコンビニおにぎりの3倍はあろうかという巨大おにぎり..食べられないからとザックに再度忍ばせようと試みている...へっ!?歩荷訓練の隠し玉??あくまでも自分の体をいじめるつもりっすか???何ならオレ食べますよ.ということで,飲料水だけでなく食料まで厚かましく他人のものでお世話になるという展開に...

伝わりづらいかもしれませんが,これコンビニおにぎりの3倍はありました.

小休止を挟んでいると少しだけガスが切れ,麓の景色を眼下におさめることができた.猪苗代湖のすべてが見えたわけではなかったけれど,思いのほか大きなその湖面にチョット感激.思いっきり晴れた日に登って景色を眺めてみたいな~と,再登したい気持ちがちょっぴり湧いてくる.まぁ,いずれ機会があれば参りますまい,と思いつつ12:00に下山開始.

雲の切れ間からの猪苗代湖.チョットだけよ~~.

下山の一コマ.わ~~~~~っ.

ドテッ...ってコテコテの鉄板です..あんたも好きねぇ~.

下山の途中で弘法清水小屋でデポしたストック&わかんを回収.樹林帯をサクサク下り火口原付近へ.ここで今回の目的の1つであるわかん歩行を体験してもらうべく,各人持ってきたわかんを装着する.yukaおねーたまはわかん初体験.買って間もないこともあり履くことすら初めての様子でしたが,慌てず騒がず靴に括り付けていざ歩かん.トレースを外し歩いても,あ~ら不思議歩きやすいじゃありませんか.

トレースを外しても雪の深さは脛程度.ここにこの時期来るのは初めてだからよくわからないけど,きっと雪の量は少ないのかな?それでも初めての練習にはちょうどいいくらいの深さかな??わかんを履いても太刀打ちできない雪ってのもあるからねぇ.

fuk先輩による紳士なわかん指導.戦前の流れを組むスパルタ指導!では決してありません!!

わかんデビューのyukaおねーたま.そのあるき心地はいかに??

スキー場までの帰路は,往路と違いトレースのない雪原や樹林帯を歩く.たまにはわかんを履いてスノーウォーキングってのも良いですな~.

 ズンズン進むfukさん.膝,全然問題ないっすよ~!!

時間が経つにつれ磐梯山は隠れてゆく.早く片付けて良かった好かった.

14:36,ゲレンデトップに到着.駐車場まであとちょっと(3回目).

往路で通った銅沼の看板でわかんを外し,ゲレンデトップまで朝歩いたトレースを進む.リフト場のおじさんに下山路を確認しゲレンデ脇をてくてくと歩いて下山.リフトに乗るスキーヤー&ボーダーの視線を浴びつつ駐車場に到着してこの日も無事終了した.

下山後,民謡”会津磐梯山”をネットで聞いてみる.何か違うな~とさらにネットで検索を進めて,昔TVで流れていたCMの動画を発見し視聴する.あぁ,これだ~と思って納得.その画面に現れたのは,雪に囲まれたお屋敷の景色.このCMを観て”磐梯山”=”雪”が刷り込まれ,冬の雪の磐梯山に登りたいと思っていたのだねと,疑問が氷解したのだった.

雪の百名山,今年はもう少し別の所も狙ってみよう.あとどのくらい行けるかな?

szt


常念岳東尾根より蝶ヶ岳縦走

2019年01月18日 00時19分16秒 | 山行速報(雪山・アイス)

・ 期間:2019年1月2日~1月5日

・ メンバー:S田

・ アクセス:

往路:豊科駅から「ほりで~ゆ四季の郷」先冬季ゲートまでタクシー 3,000円/台

帰路:中の湯バス停から松本バスターミナルまで路線バス 2,200円/人

 ・ コースタイム:

1月2日 行動時間:8時間25分

6:55「ほりで~ゆ四季の郷」先の冬季ゲート-8:00烏川林道途中の高瀬川線No.63- 8:25鉄塔-11:10巡視路終了1600m地点-15:20 2200m地点  

1月3日 行動時間:6時間40分

8:10 2200m地点-12:40前常念岳-13:50常念小屋への分岐-14:50常念小屋(冬季小屋)

1月4日 行動時間:9時間40分

7:10常念小屋(冬季小屋)-8:40常念小屋への分岐-9:00常念岳山頂-12:30P2592-14:10蝶槍-15:00蝶ヶ岳-16:50長塀尾根2200m地点

1月5日 行動時間:4時間50分

7:40長塀尾根2200m地点-8:50徳沢-10:45河童橋-12:30釜トンネル

 ・ コース状況:

往路利用したタクシーの運転手の話では年末年始に初めて里に雪が降ったらしい。

東尾根の森林限界未満では積雪は少なく、やぶは埋まっていない。森林限界以上では様々な規模で踏み抜きが多い。

東尾根のルートにはピンクテープがあり、特に迷うことなく登れた。

 ・ 記録:

1月2日 曇り:

早朝の豊科駅

駅には客待ちのタクシーが2台待機していた。

「ほりで~ゆ四季の郷」先の烏川林道冬季ゲート

烏川林道

「高瀬川線No.63」の標識から東尾根に入った。

鉄塔

1600m地点で巡視路が終わる。

この先からやぶ漕ぎ。

東尾根名物のやぶ

やぶの上にのっている雪も曲者で、手や身体で押しのけると降り注いでくる。

勾配があるところや灌木と組み合わさって狭くなっているところを登るのが一苦労。

1800mくらいになると落ち着いてくるが、やぶはなくならない。

2200m地点のテント設営場所

灌木の枝がうっとおしくなるが、見通しの悪い樹林帯から抜けて周囲の山並みを見ることができた。

テントを設営した場所から見えた前常念岳。

1月3日 曇りのち晴れ:

雪の踏み抜きが多く、前常念岳まで4時間30分かかった。

特にひどい踏み抜きでは、抜け出そうとして身体を動かすと沈んだ。

肩あたりまで埋まったところから雪の中の枝を踏みつけ、雪の上の枝を両手で引っ張って脱出した。

テント泊装備のザックであと何回同じ目に合っても気力が尽きないでいられるだろうかと呼吸を整えながら考えた。

そこからは雪庇に気を付けつつ出来る限り尾根のてっぺんを外さないで歩き、少しでもトレースがあった痕跡があればそれを辿るように注意した。それでも踏み抜く時は踏み抜いた。

小規模な岩場が2つあり、1つ目を直登、2つ目を右から巻いてみた。

直登の方が雪の踏み抜きの心配が少なくて良いように思う。

前常念岳の石室は常念岳に向かって左側で、尾根より少し下がったところにあった。

常念岳山頂あたりは白く煙って、前常念岳からはあまり見えなかった。

常念岳から常念小屋の区間は風が強く、石が出ている。

夏山のコースタイムとあまり変わらずに登れそうだ。

明日蝶ヶ岳方面へ縦走するため、常念岳山頂には行かずに常念小屋へ下った。

常念小屋の冬季小屋

ドアノブの上まで雪が積もっていたため、スコップで掘り出した。

1月4日 晴れ:

常念岳を常念小屋から見上げたが、山頂は見えない。

この日も風が強く、バラクラバや手首の隙間などから寒さが染みてくる。

常念岳山頂

常念岳東尾根終了。ここから蝶ヶ岳への縦走の開始。

常念岳山頂から見える蝶ヶ岳方面

トレースありだが、雪の中に隠れている岩がアイゼンに引っかかるので要注意だ。

常念岳を下り、樹林帯を抜けてP2592へ登る。

雪はグズグズとして崩れやすいところと固くてしっかりとしたところが混在し、高く足上げするところが多くて疲れた。

P2592への登り途中に常念岳を振り返る。

P2592の上から次の蝶槍を眺める。

P2592と蝶槍との間で日の当たる斜面の雪が靴の裏にだんごになってへばりつく。

まめに雪を落とさないと重いし危ない。

蝶槍からの穂高及び槍が岳の眺め。

よく晴れた日に縦走できてよかった。

稜線は同じ方向から強い風が吹き続けるため、肩や頭が冷えて痛くなった。

耐え難くなってきた頃に蝶ヶ岳に到着。

蝶ヶ岳山頂から蝶ヶ岳ヒュッテは近い。

長塀尾根の樹林帯に入ると風が弱まり、安心した。

蝶ヶ岳は入山者が多かったのか、トレースがはっきりしていて沈み込みも少ない。

2200m地点でテント設営

今夜から天気が崩れる予報なので出来る限り尾根を下り、日の入時間間際でテント設営。

1月5日 雪:

朝、テントはパウダースノーに囲まれていた。

トレースもかなり雪で埋もれてしまったが、ピンクテープや赤丸印が頻繁についているため道は迷わなかった。

ほとんど雪の重さを感じずに下れて快適だが、雪に隠れている丸木階段につまずかないように注意した。

徳沢

長い長い上高地の道の始まり。

河童橋

この辺りから釜トンネルまでの道は除雪されていた。

少し滑りやすいが、わかん・アイゼンなしで最後まで歩ける。

こういう時はチェーンスパイクが便利なのだろう。

釜トンネルを抜けて終了。

上高地トンネル及び釜トンネル内は照明がついていて、ヘッドランプが不要だった。

卜伝の湯(30分交替制、700円/人)

釜トンネルのすぐ隣にあるため、とても便利。

ここから少し上に松本バスターミナルに行く路線バスのバス停もある。

今年も山と湯に恵まれる一年でありますように。

(S田)

 


旭岳東稜

2019年01月12日 05時08分15秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2019/1/8.9

八ヶ岳東面 旭岳東稜

メンバー:sakさん、koz(きくりん)

 

昨年8月に会に入会させてもらい、冬季シーズンを迎えた。

12月から朝日岳東南稜、阿弥陀南稜、赤岳主稜、甲斐駒ヶ岳、八ヶ岳キャンプと経験を積ませてもらった。今回は私の希望もあり、全装備担いでのアルパインスタイルで。

sakさんからのメールで軽量化していく事を確認しこの日に臨んだ。

道の駅南きよさとで一泊。6:00美しの森駐車場出発。

林道は途中で行き止まり。テープが張られていた。ここを左へ行き地獄谷へ降りる。

堰堤をいくつか超えていく。この岩、なにかに見える?

8:30 出合い小屋

使わせて貰い、装備を付ける。雪が少なそうので、わかんストックは置いていく。

ツルネ東稜の印に沿って沢沿いを歩いていき、途中から旭岳の尾根に上がった。

尾根は雪は少なくて、足首から脛がたまに埋まる程度。

遥か先に今日の幕営予定地付近&このルートの核心部、五段の宮が見える。

緊張する、リッジを降りて

急な雪壁を上がる。

14:00 つきました五段の宮。

この付近にテントを設営。

冬季はテント場以外に幕営した経験がなく、設営や水作りまで全て教えて頂きました。

コーヒーを飲み軽いつまみと少量の酒、簡単な食事で18:00就寝。

予報では、明日に掛けて冬型が強まり、八ヶ岳でも夜間若干の積雪があるよう。

夜はたまに強風が吹き付け目を覚ます。

5:00起床し、7時登攀開始

昨晩、予報通り5センチ位降ったようだ。一晩すると五段の宮も全然様子が違う。

風がかなり強く寒い。

実は昨日見たとき意外と行けるなこれは、なんて思ってた。

しかし今日は、、、霜が降りて、抜け口に雪が乗っている、、。記録で見てきたきのこ雪が乗っている2月3月よりは状態はいいと思いますが、、

まだ始めたばかりだし、無理なら敗退しましょう。条件も良く無いし、恥ずかしい事じゃないからと、自分にとっては保険となるお言葉を頂きリードで行かせてもらう。取りついてすぐ、一箇所ハーケンにお助け紐がぶら下がっていて躊躇なく使うけどその上が越せない。あっという間に手の感覚が無くなり一旦降りる。うん。昨日の行けるなんて思ったはきのせいだった。無理だ。。。弱気になる。

ここで必殺100均で見つけた分厚いウールの手袋に変えてみる。

そしてsakさんから、選択肢をいただく。

1、空荷で行き、懸垂で降りて再度ザックを背負いユマーリングで登り返す。

2、記録であるように左を巻く。ただ雪がクラストしてなくて、巻くのも厳しそう。

3、敗退

うろ覚えだが確かこの三つ。

心では敗退でいいやなんて思ってたけど、1で行きますと言っていた。

必死すぎてあんまり覚えてないけど、アックス使いながらむりやりパワーで登った。

100均分厚い手袋も調子がいい気もする。抜け口の雪を払いながら登る。除雪作業した雪が手首にかけていたオーバー手袋の中にたくさん落ちていく、、、、。

1段目を上り2段目は私は左から登り灌木でランニングを取る。ここも難しかった。この灌木がなければ登れなかった、、

3段目はクラックになっていて、カムで2か所支点を取りながら登った。

3段目終了地点にビレイポイントがあったので、1P目をここで区切る。カム・スリングを回収しながら懸垂で降りて行く。

基部に到着して、クライムハイストを結び付けて登り返そうとするが、スリングが細すぎて上手く滑らずそうこうしている内に、腕がパンプして疲れ切ってしまった。この日は軽量化の為、タイブロックやマイクロトラクションのようなアッセンダーも装備から削ってきた。

sakさんに交代してもらって、登ってもらった。sakさん1P終了点到着後、ロープを引き上げてもらい、末端の八の字の上にプルージックで手掛かりを作成して登っていく。

この辺で2時間以上は経過していたと思う。強風に全身冷え切ってしまった。sakさーん、そこから懸垂で降りてきて下さ―――い、、、今日の所は、敗退で、、、全身震えてるし、、ジムでは11台なんかもまだまだ登れないし、、今日の所はなんて言い訳しまくって自分を守ろうとするしょーもない、、、、

もう一人の自分がいましたが、なんとか登りました。弱い自分、、、

ドラゴンボールのサイヤ人は、死にかけて復活すると覚醒する描写がありました。そう、そんな気持ちになって気合いで無理やり復活です。(意味がわからない??)

アルパインクライミングとは?なんて色んな解釈があるようだし、自分がやっている事はそのはしくれですが、やっぱり自然や自己と対峙して乗り越えていくことが楽しい、他人の評価ではない、自分が納得出来る事を山では出来る、素晴らしいことだ(もっと難しいルートに行きたきゃフリーのレベルも上げなければだけど、、、)

その後4段目、5段目はsakさんリード。5段目終了点で2P目終了。

 

その後3~5P目は両側がすっぱり切り落ちたリッジを行く。

 

6P目はこの写真のバンドを左上していき、右に折り返して雪壁を上がっていき旭岳山頂。

15:00

凄い時間がかかってしまった。

昼を回ってからは、太陽も完全に出てきましたが、強風吹き荒れていたので

早々にツルネ東稜に向かって下山開始。

美しの森駐車場には、20:30到着。

帰りは双葉SAで丼ものを食べてつくばには、0時半。

sakさん、帰りの運転ありがとうございました。

 

冬季の厳しさに触れて、記憶に残る山行になりました。

まだまだおんぶにだっこの山行ばかりですが、徐々に成長していけてるはずです。

今回もありがとうございました。

冬の本番はまだまだこれから。。魂燃やして。。

ACC-J茨城は新人会員さんを募集中です(^^♪

是非一緒に山に行きましょう!

新人会員 koz(きくりん)

 


赤岳(八ヶ岳キャンプ2日目)

2019年01月10日 00時32分21秒 | 山行速報(雪山・アイス)
出発8:00赤岳鉱泉→行者小屋→文三郎尾根→赤岳頂上11:30→赤岳天望荘→地蔵尾根→行者小屋→赤岳鉱泉14:30


☆メンバー☆
kim会長、連合艦隊N長官、yuka


テント場で装備の確認!!!
不安そうな顔で確認しているのが、私、今回、冬の雪山登山2回目、アイゼンをしっかりはいての登山は初めてなもので(^-^;ドキドキです。下りの地蔵尾根をしっかり歩けるか…念のため、ハーネスをつけて登りました。kim会長がメールでくれた雪山の歩き方を思い出して安全に登って参ります。N長官、まだまだ、アイゼンなんかつけねぇ~ぞぉ~!こんなとこではいちゃーダメだ!という事で!雪の上を歩く訓練です。途中、kim会長より、歩き方はスキーのハの字と一緒で内側にエッジをかけると歩きやすいと教えていただき、ほぉ~!!めちゃくちゃ歩きやすい!!勉強になります。


行者小屋からの阿弥陀岳。
行者小屋のベンチは人がいっぱいでした。さすが人気の八ヶ岳!!
阿弥陀岳に光があたってとてもきれいでした!!雪の阿弥陀岳も登ってみたいなぁ~(*´ー`*)
ここでもまだまだアイゼンはつけません!!もう少し先の階段の手前でアイゼン装着です。


中岳の尾根を登っている皆さん!!
N長官が「ヤッホーカッコイイねぇーしびれるねー」とエールを送ってらっしゃいました!!
急にビックリ!!
よーく見ると!!中岳につながる?尾根に人が!!この写真では分かりづらいですが、7・8人のパーティーで登ってらっしゃいました。お二人はルートやら道具やらのお話をされてましたが…まだひよっこの私には…
また、ひとつ成長してまた課題が増えて…どんどん知りたくなって、どんどん登りたくなってしまうスパイラルですね!!


そんなこんなで!!
アイゼンをはいて登っていると、左側に赤岳の主稜を登っている方々がかなり多く、前のパーティーが登るのを待っているような感じでした。天気のいい風のない日ですが寒そうです。もう少し行くと、南峰リッジのルートが出てきてここも人が沢山。更に登山道は人が沢山!!!写真では見づらいですが…渋滞してます。という事で、頂上まではゆっくりゆっくり。N長官が、八ヶ岳には何度も来ているが…こんな風のない八ヶ岳は初めてだ!!ここで昼寝ができる!!と言うほど、天気でほぼ無風の頂上付近でした!!本当に2018年は最後の最後まで天気に恵まれたありがたい1年でした。


kim会長カッコイイ\(^o^)/


そして、2018年のしめくくり!!
2018年12月31日赤岳頂上!!
kim会長、N長官カッコイイ!!
こんなスーパースター二人と初めての冬の赤岳登山なんて…何てラッキーな私でしょう\(^o^)/ありがとうございます。


何とも言えない…黒マスクと立ち姿の私…Yukaです。初アイゼン登山!赤岳頂上到着!夏に登った時とはひと味違う達成感!雪の八ヶ岳!!八ヶ岳ブルーが美しい!!!
ありがとうございます。
また、私は1つ夢をかなえました!!!

さぁ~下山です。
赤岳天望荘で少し休憩をして、お地蔵さんが目印の地蔵尾根をくだります。
とりあえず、ロープは使わずにおりていきます。
アイゼンをひっかけないように、お二人や皆さんの教えを思いだし慎重におりたら!!ちゃんと自分の力でおりれました。アイゼンて!?何て素晴らしいんだろう!!と興奮気味の私でした(笑)


地蔵尾根の終盤でアイゼンを外していると何だか兵隊さんが!?おぉ~ビックリ(゜ロ゜)お二人は大興奮??どんな人ともお友達になっちゃうんですね!流石です!!


帰り道!!!大同心、小同心教えて頂きました!!来年はあそこかぁ~(笑)
ほんとですかぁ~!?
あんなとこ登れたらすごいなぁ~頑張ってまた帰ってくるぞぉ~♪待っててねぇ~(^O^)/


赤岳鉱泉へもどってまいりました。
今日のルートを振り返り、kim会長!!あの、赤岳の頂上から、あの急な地蔵尾根をおりてきたんだぞぉ~!!もう、ガールじゃないなぁ~山女だなぁ~!!N長官、行きは途中で落っこっちゃうんじゃないかと思ったけど…なーんだ大丈夫じゃねーかぁとお二人に言っていただき!!!
2019年も頑張ろう!!挑戦しよう!!成長しよう!!と密かに燃える新人yukaでした。
最後に、2018年10月に入会させて頂き、皆様には本当に本当にお世話になりました。まだ、登山ひよっこの私を山に連れていって色々なことを教えてくださったり、装備の事を聞けば、資料を下さったり、練習に付き合って下さったり、本当にありがとうございました。忘れられない、素晴らしい1年になりました。皆様との出会いに感謝です。
2019年も色々とご面倒をお掛けするかと思いますが、呆れずに、どうぞよろしく御願いします。皆さんと山に登れるように、頑張ります(`・ω・´)ゞ
今年一年皆様もよい年でありますように♪

2018-19年末年始 八ヶ岳冬キャンプ

2019年01月05日 06時52分12秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/30-2019/1/1 

メンバー:kim会長(CL),N(連合艦隊司令)長官,yuka,きくりん,szt(SL)

装備:宴会&年越装備?一式

 

12/29(土) 22:00頃 石下発→1:00過ぎ 美濃戸口(泊)

12/30(日) 天気:概ね晴れ

9:30頃発 赤岳山荘→12:45赤岳鉱泉→13:48 BC設営完了→14:00過ぎ~ 宴会の儀はじまる

 

 2018年もいよいよ大詰め.2018年は12月に連続して山.しかも量は少なかったかもしれないけど,ほとんどが雪.そんな日程が続き,さすがに疲れを感じていたものの今シーズンの年越しは山の中で.振り返れば年越し山行はどうやら3年ぶり.意外と入っていないもんでした.

前夜に石下に集合し美濃戸口に車中泊.今回はどちらかというと,いろいろな意味で新入会員さんたちの体験山行の様相のため1日目のタイムスケジュールはかなり余裕がある.の~んびり寝て,朝ごはんもの~んびり食べる.

八ヶ岳の積雪は少なく,美濃戸までの林道に雪はほとんどない.N長官は車を美濃戸まで上げるということなので荷上げは車にお願いし,自分の車は美濃戸口に.荷物がなければ美濃戸までの林道歩きも食後の丁度いいウォーミングアップだ.

美濃戸からは赤岳鉱泉まで歩荷.事前に送ってもらった装備表には「アルコール(沢山),つまみ(美味のもの)」とあり,「アルコールは沢山飲めないからせめて食べるほうで楽しめるように」と準備していたらザックが大変なことになってしまう..当日は共同装備の大きなテントをザックに捻じ込み,いざ赤岳鉱泉へ.

赤岳山荘より歩荷.今年は雪が少ないそーです.

赤岳山荘から出発したのも束の間.美濃戸山荘で火に当たる.これも今日は赤岳鉱泉までという予定の賜物.3年前とおんなじだ~.

美濃戸山荘にて.今回はのんびりなんです,ハイ.

2018年の7月に赤岳をやっつけたというyukaさん.それから半年もたたないうちに冬の八ヶ岳デビューとは..しかも今回の山行では,翌31日に赤岳アタックの予定.半年の間に夏と冬の赤岳を体験できるのも,会に入会すればこそ?

見よ,この雄姿!山ガールはもう卒業?

胸にサブザックでも抱えているのかと思ったら,,出てきたのは寒さに打ち震える子犬でした.

えっちらおっちらのんびり北沢の登山道を進み,昼過ぎには赤岳鉱泉に無事到着.先行していたN長官の話では,トイレの方までテントでいっぱいとのこと.アイスキャンディの盛況ぶりを見るとその言葉にもうなずける.

確かになかなかのテントの数の多さ.さすが赤岳鉱泉です.

ロープすだれ状態のアイスキャンディ.今年は登れるエリアが少なく,余計混んでいるように見えてしまう.

計画段階では,翌日中山尾根を攻める話はあったものの,いろいろ協議した結果今回はアイスキャンディで落ち着いた.それでも機会があれば中山尾根には取付きたい.kim会長に中山尾根を確認して,赤岳鉱泉からルートのポイントを大雑把にチェック.

中山尾根に取付くチャンスは果たしてやって来るのか?

テントを張るのにちょうど良さそうな場所を確保し,無事BCを設営.この日の夜に上がってくるきくりんにテントの大まかな位置をメールで伝えれば,あとは宴会を執り行うだけ.

BCをオッ立てて,まずは宴会第一幕のはじまりハジマリ~.

宴会とは言うもののわたくしはあんまり酒を嗜まず,どちらかというとお食事会の様相と相成りました.味はともかくとしてそれなりにお腹は満たされ席を外してテントの外に出てみれば,大同心のアーベントロートが美しい.

夕焼けに染まる大同心.きれいだねぇ..

赤岳鉱泉のテン場が闇に包まれる頃,仕事を終えたきくりんがテントに駆けつける.宴会(お食事会?)第二幕が開始され,お腹をたっぷりと満たしたら寝袋の中へ...

みんなでつまみを焙る焙る焙る々~.

 

12/31(月) 天気:快晴

kim会長(CL),N長官,yuka→赤岳へ

szt(SL),きくりん→アイスキャンディへ

 

山行中日は二手に分かれる.一組は文三郎から赤岳へ.もう一組はアイスクライミング.

赤岳組は8:00前にBCを出発.アイス組は,まずはアイスキャンディを登ろうとオープンの8:00までのんびり過ごす.

準備を整えて,,,

赤岳へいざ出発~~.いってらっしゃーい!

我々アイス組は,アイスキャンディに飽きたらジョウゴ沢でもなどと思っていた.天気は風もほとんどなく快晴.前日眺めた中山尾根に燦々と陽が当たり,少しもったいなかったかなぁと未練がよぎるがアイスキャンディに付く人の数も思いのほか少なく,目の前の氷に夢中で戯れる.これも好天で人がいろんな場所にばらけたからと思うと,アックスの振り方にも以前とは違って工夫を凝らす自分がいる.

そんなことをしているうちに,この日はここで目一杯登って楽しもうと気が変わり,ふと気が付けば文三郎尾根から赤岳に登り地蔵尾根を下ってきた,kim会長たちの赤岳組が戻ってきていた.

会長の視線を浴びつつ登る.

あれ?どっちがきくりん??

珍しくも画になる一枚.撮り方がうまいんだね.

この日の夜も二部構成.前半はテント,後半は小屋.前半のメインは年越しそば,後半のメインはビンゴゲーム.振り返ってみれば,こんなに賑やかな年越しはいつ以来だろう?というくらい,わたくしにしては華やかなる大晦日でございました.

 

 ビンゴ大会の結果は..これからいいことがあるっていう前ぶれってことだよね,きっと...

 

 2019/1/1(火) 天気:晴れ

8:00過ぎ 雪訓&ロープワーク練習→13:00頃 赤岳山荘

 

最終日,元日はお汁粉を食べ,餅入りそばをたべ,お腹を満たし荷物を減らして雪上訓練.ビーコンの使い方,プローブの使い方,コンテのロープの結び方,スタンディングアックスビレイ,滑落姿勢などなど,それまで気になっていたあれこれについてのご指導を賜る. 

当初雪訓は場所を変えて行う予定だったが,移動前の内容が盛り沢山となり思いのほか冷たい風で体も冷えたため,BC地での訓練で終了.実技は再度3月頃に設けていただけるとより実のあるものになりそうなので,それではその方向で参りましょうということに...

いろいろなことをご指導いただき,実りある時間となりました.

テントをたたみ,楽しんだキャンプ地をあとにする.下りは早く,あっという間に美濃戸山荘を経て車を置いた美濃戸口に到着.12月は山も仕事も慌ただしく過ごした気がするだけに,この3日はうまいこと体も頭も適度にリフレッシュすることができた気がする.

〆は美濃戸山荘にてお茶を一杯.ホッとしますね.

もうすでに冬山シーズンは始まっているが,いよいよ2019年が始まる.今年はどんな山へ入り,どんな一年になるのだろう?

今年も充実した年になりますように.皆様よろしくお願いいたします.

szt


南アルプス 甲斐駒ヶ岳(北沢峠)

2019年01月03日 13時43分13秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/22-24

メンバー:szt(CL),きくりん  装備:冬装備一式

12/22 5:00自宅(つくば)→10:30戸台登山口P→12:47角兵衛沢分岐→15:53長衛小屋BC

12/23 4:40長衛小屋BC→6:15仙水峠→8:33駒津峰→9:31六方石→11:14甲斐駒ヶ岳山頂→12:45駒津峰→15:00 BC

12/24 7:15 BC→8:39丹渓山荘跡→10:53基点P

 

12/22(土) 戸台登山口P→北沢峠(長衛小屋BC) 天気:雨

 前週八ヶ岳に遠征し,ここは最低でもやっつけておかないと思っていた赤岳主稜をコンプリート.これで弾みをつけて今年はどんどん雪や氷のあるところに挑戦したいところ.正月前の3連休に狙いを定めたのは甲斐駒ヶ岳.本来は北アルプスを考えていたけど,3日間とも天気はイマイチな予報.私は以前黒戸尾根から甲斐駒には登っているので,北沢峠から頂上を目指すことにした.

今回はロープを出すようなバリエーションルートではなく,登山道を歩くことがメインになる感じなため余裕があると判断し,つくばを早朝に出発する.実はわたくし戸台に入るのは初めて.気にはなっていたけれど,駐車場までのアプローチの遠さと,駐車場付近から山に取付くまでのいろんな意味での煩雑さが億劫で敬遠していた感があった.それが早速出足でつまずくきっかけに..夏にマイカーからバスに乗り換える仙流荘隣の駐車場を,予定していた戸台の駐車場と間違える.危うく数時間余計に歩くところだった,,あぶねー.

事前に考えていたよりも出発が遅くなってしまったものの,これくらいなら暗くなる前に予定しているテン場まで到着できそうだ.しかし残念ながら天気は雨.テンションは全く上がらない.予報では一応これから雨は上がるようなので,車内にあったコウモリ傘をさして戸台の河原を歩いてゆく.

初日はあいにくの雨.そして甲斐駒は雲の中.

持っている地図では戸台川の右岸をしばらく歩くはずだが,ピンクリボンが左岸を進む感じでついている.それに引き込まれるように進んでいくが,途中2回ほど渡渉することに.その際,傘をストック代わりにするものの,バランスは悪くスマートに流れを渡れずさらにテンションダウン.やれやれである.

角兵衛沢の案内板を過ぎ,熊ノ穴沢の案内板を過ぎたあたりで少しだけ雲が切れて山が見える.後から分かったがこれが甲斐駒だった.この時は天気も悪く,初めて来るところからの眺めとあって山座同定なんぞちっともできなかった.

角兵衛沢の案内板.いずれは鋸岳にも行ってみたいものですね~.

行きで少しだけ見えたおそらく甲斐駒.

丹渓山荘跡.だいぶ古いんですね~.

赤河原分岐を過ぎて丹渓山荘跡の辺りからようやく山の佇まい.さらに高度を上げてようやく雪が現れて冬山らしくなってきた.登攀具も背負っていないので前週に比べれば荷は軽いものの,それでも冬のテン泊装備で斜面を上がるのはツラいよね.

ようやく雪が.先行パーティもいるようでトレースあり.出発のアクシデントが活きた?

途中の大平山荘付近で先行する4人パーティを抜き,予定している長衛小屋のキャンプ場へ移動する.しかし気温が高いため,北沢峠からの林道は融雪してベチョベチョでちょっと歩きづらい.テン場に着く頃には雲はなくなってかろうじて仙丈ケ岳の頂上が見えた.テン場には水が流れ出しており,融雪して水を作らなくてよいのは楽な限りだ.

長衛小屋のテン場.少しだけ仙丈ケ岳が見えますな.

初日はここで行動終了.結局ここに泊まったのは我々を含めて4パーティ.我々以外はみんな仙丈とのこと.まぁ今回は,いずれ仙丈に来る時の偵察かな?小屋に寄った人からの情報では,明日は午後から崩れるとのこと.きくりんの携帯の天気予報でも午後は良くないと.しからば明日は午前中勝負.今宵は腹を満たして寝るだけと,この日も早めの就寝で長時間の睡眠をとるのだった.

 

12/23(日) 長衛小屋BC→甲斐駒ヶ岳→BC 天気:曇り/雪・風

今回の山行は天候が悪い冬の環境下で行動することが主目的.とはいえ,ここまで来たらせめて素晴らしい展望は望めなくとも山頂まで到達したいところ.ならば,早立ちして頂上を目指しましょうということで,当日は3:00に起床し4:40にはBCを出発する.

BCより.4:40出発です.傘も凍ってます.

前日甲斐駒には雲がかかっており,間違いなく雪だろうと思っていた.登山道はもちろんトレースなどないが,樹林帯では大したラッセルでもなくツボ足で登山道の目印を頼りにズンズン進む.それでも,新雪には抗いがたくコースタイムは遅れ気味.

仙水峠には6:15.辺りは真っ暗です.

仙水峠を過ぎ駒津峰への登りで夜が明ける.そして登山道の雪は少しずつ増え始め,ところどころ樹林帯が切れて風が吹きつけるポイントも増えてくる.事前の予定では駒津峰辺りでアイゼンでも履くかと思っていたが,こうも風が強いと立ち止まってもたもたしているだけで体力が消耗する.ということで,風がよけられそうなところでストックをデポし,アイゼンをつけてピッケルも準備する.

駒津峰への登山道を上から.雪が増えてきましたよ~.

駒津峰への登山道を下から.風も強く視界も悪いですよ~.

駒津峰に到達したのが8:33.BCを出たのが4:40だから4時間近く経っている.う~ん,やっぱりかかるな~.それもここまで体力のあるきくりんが,主にラッセルをしてこの時間.私一人ならとっくに帰っているかも.いやこのコンディションでここにいないか.なんてしょーもないことを考えながら,まだまだ引き返すには早すぎるので登山道を進む.

山頂に上がるにはいったん下って登り返す形になるが,駒津峰からの稜線でグッと雪の量が増えてくる.それまでは脛程度の深さが,膝はズッポリ埋まっていしまい前に移動するのも一苦労.せっかく持ってきたんだからと,ここでアイゼンを履いたままわかんを履く.アイゼン+わかんというのも初体験のため,装着するのに四苦八苦.それでもなんとか身に着けて,雪の上に乗ってみればあら不思議.体が沈まないじゃありませんか!ってわかんなんだから当たり前か.

それでもそれまで雪の中でもがいていた苦しみから解放され,山頂到達が達成できそうな手ごたえをここで感じる.

確かこの時はわかん装着済みのはず.だいぶはかどったよね.

ちょっと雲が切れた瞬間に山頂方向を撮影.天気が良いと気持ちいいんだろうねぇ.

六方石の手前で七丈小屋から山頂を越えてきた単独の男性とすれ違う.スゲー,この天気と雪の中を単独か~.しかもわかん履いてないし.どれだけ強いんだ?と感心する.まぁ,人は人,わたしはわたし,今日は計画通り進めるだけです.

9:31,六方石付近.展望などありません.

六方石を過ぎ,夏道と直登ルートの分岐に到達.山頂を越えてきた単独の人はどうやら夏道で来たみたい.ここで少し迷ったが,計画通り直登ルートを登ることにしてわかんを外し,アイゼン&ピッケルでちょっとした岩稜のある直登ルートを登ってゆく.

直登ルートを登るきくりん.頼もしい限りでした.

直登ルートでも登山道の目印が途切れることはなく,慌てなければ前進は可能.風が強く,駒津峰からの稜線に比べれば雪の量は減ったものの,前日の雪の影響か場所によってはラッセルを強いられる.トップを交代しながら進むが,そのほとんどはきくりんが担って高度を上げてゆく.きくりんのパワーが頼もしい限りだ.

夏道との合流地点に10:52到着.ここら辺では風が一層強くなる.上を見てもここが山頂からどのくらいの位置にいるのかちっともわからない.12:00になったら引き返すことを確認し,上を目指して歩いてゆく.ただ引き返すときにはここがポイントになるので,お賽銭や周囲の目印となるものを確認する.

夏道との合流地点に10:52到着.

夏道との合流地点より直登ルートから登ってくるきくりんを写す. 

夏道との合流地点より上部を写す.山頂がどこらへんか全く分からず.

時折風に煽られながらも淡々と山頂を目指す.冬にこんな天候で何やってんのかなぁと思いつつも,とある人が山頂は区切りとして必要だと言っていた言葉が頭の中によぎる.少しずつ空が広がる感じがして,祠のようなものが見えはじめたと思ったらそこは山頂だった.

さすがにこの天気では何も見えない.ここに長居は無用ということで,数分滞在し記録用の写真を撮ってそそくさと下山する.

11:14山頂到着.きくりん,あなたがいなかったらここまで来られなかったよ.

せっかくだから記念撮影.このうしろは晴天ならとっても眺めがいいようです.

夏道との分岐まで下り,念のため持ってきていたGPSで来た道を確認しそのまま来た道を下る.登山道の目印が要所で確認できるためヒヤリとする場面は全くと言っていいほどなかった.ただ帰り道ではトレースは消えかかり,厚い手袋越し&ゴーグルの曇りによってGPSの操作も手間がかかる.強風の厳しい環境下では,こういうことでもたもたしているのが命とりだなと実感する.

少し晴れ間が切れた瞬間に駒津峰方面を撮影.あれを登り返せばあとは下るだけ. 

駒津峰への登り返し.ここはラッセルしたかいもあってわかんをつける必要なし.

帰りの駒津峰には12:45.ここら辺の風も強烈でした.

駒津峰を過ぎ,樹林帯に入ってデポしたストックを回収すれば,アイゼンも外して後は気楽に下るだけ.下れば下るほど空気が濃く暖かくなってくるように感じ,危険な領域から抜け出しつつあることを実感する.こう感じるのってわたしだけ?

仙水峠を過ぎた辺り.ここで13:58.下るのって早いよね.

15時にはBCに到着してみれば,長衛小屋のテン場では雨..せっかく山頂まで行ったのに標高2,000mで雨とは...七丈小屋から甲斐駒を越してきた単独の人も,ここで泊まるようだ.仙丈に向かったパーティはみんなテントの中.我々も空腹を満たすべくテントの中に潜り込むのだった.

 

12/24(月) 北沢峠→戸台登山口P 天気:晴れ

前夜は雨であったがテントに雨が流れ込むような事態にはならなかったが,残念ながら私の寝袋は自分の汗と上着の湿気を吸ってびしょびしょ.一度シュラフカバーのみで寝てみるがさすがに寒くて眠れない.仕方なくもう一度びしょびしょの寝袋にくるまって眠りにつくが,深い眠りに就けないまま朝を迎える.早く行動したいものの朝になるとテン場には風がピューピューと吹きつけており,暗い中ヘッデンを点けて動く気もしない.ということで,予定通り7時過ぎにテントを撤収し戸台まで向かう.

宴の後?前日の雨と朝の冷え込みのおかげでいろんなものが凍り付いてしまいました.

下りはアッという間.赤河原分岐には9時前に着き,どんどん上着を脱いでゆく.天気は良いが寒気が入っているせいか入山時より寒さを肌で感じる.帰路は白く染まった甲斐駒を眺めつつ,目印を頼りに往路で左岸を歩いたところも右岸の踏み跡をたどる.そして靴を濡らすこともなく11時前に戸台の駐車場に到着した.

所々で顔を出す甲斐駒.

よく探せば右岸を歩けた.右岸をたどれば渡渉はなし.

戸台駐車場付近より甲斐駒や駒津峰.歩き始めから眺められれば確かにテンション上がるよね.

戸台の駐車場には平和な空気が漂っていました.

下山後は仙流荘の日帰り入浴で汗を流す.料金は¥500とお徳ナリ.下山が早いこともあったので,つくばまでは下道でのんびり帰り,高速代を浮かすのでした.だってこれからも遠征したいからね~.

良き相棒に恵まれて,悪天の3,000m級の環境を体験でき山頂まで踏めました.パートナーって大切だね.

szt


八ヶ岳 赤岳西壁 主稜

2019年01月02日 16時04分54秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/16(日) 天気:晴れ

メンバー:szt(CL),きくりん

装備:登攀具&冬装具各一式,ロープ(8.1mm×50m)×2本.

5:37行者小屋BC→6:40主稜取付き→8:33 7P目(上部岩壁?)登攀開始→9:55南峰頂上→10:37地蔵尾根分岐→11:30 BC着→14:05赤岳山荘P

 

 さて,ようやく赤岳主稜だ.

前日の阿弥陀北稜は危なげなく終了し,素早い行動のおかげで主稜の取付きからそれぞれのピッチのイメージを掴むことができた.前夜のテントでは日出時刻からBC出発と起床時刻を逆算し,4:00起床の5:30出発として,結果的には12時間近く睡眠をとることに.2人ともぐっすり眠り仕事と前日の疲れを吹き飛ばす.あ~よく寝た.

予定通りの時間に起きだし,準備も済ませてほぼ予定通りの時刻に出発する.BCを出発すると,後続で4人パーティが直後からやってくる.「やっぱり赤岳主稜かなぁ,,」と思いつつも,大汗をかきたくもなかったので,文三郎尾根への登山道をのんびりと歩いてゆく. 前日目印に着けたテープを見つけ,登山道から取付きに向けてトラバース.目印のテープがなければ周囲は暗いし見逃していたかもしれず,内心「よかったぁ~」と思いつつ,消えかけたトレースを追いつつ取付きへ.

登山道へ目を向ければ後続の4人パーティはどうやら主稜ではないみたい.これなら自分たちの登りに集中できそうだ.それぞれのロープを結びあって,夜明けとともに登り始める.

1P目のリードはわたくし.昨日はきくりんに先攻を譲ったのも核心といわれるこのピッチに触りたかったから.いざ登ってみるが,スリングの付いているフェイスの方へ登ってしまうとどうにもその後が手を出せない.「う~ん,人工はちょっとやだな~」とスリングにつかまって取付きへ戻る(この下降ですでに人工?).「ごめん,もうちょっと粘らせて~」と内心できくりんに謝りつつ,仕切り直してCSを直上する感じでスタンスを拾っていくと無事突破.やれやれ,これでは一撃とは言えないな~.

取付きより.出だし間違えちゃいました.

出だしを抜けると凹角状を登って右へ曲がり,歩きやすいところを進めば2P目のしっかりした支点に行き当たる.

2P目の支点からは昨日登った阿弥陀岳や北アルプスなんかがよーく見える.ロープを上げている間に次のパーティが主稜の取付きにトラバースしてくるのが確認できる.「とっとと登って,抜かれないようにしたいところだな~」とロープをたくり相方に登っていーよのコールを送る.

2P目の支点より.テキパキと作業を進めましょう.

2P目の支点より.夜明けの阿弥陀岳.昨日登った北稜がよく見える.

2P目リードきくりん.どういうピッチか正直あんまりよく覚えていない.きくりんは岩角でビレイしていたかな?昨日の登山道で主稜に取付いていた人たちを見たけど,多分ここに立っているのを見たんだと思う.

3P目の支点辺りより.隣に見えるのは南峰リッジ?

3P目リードわたくし.確か寝た岩&雪稜帯を登っていったと思う.途中に3P目の支点と思われるハンガーボルトあり.事前の情報では各ピッチでしっかりした支点があるらしいので,そのつもりでロープを伸ばしていくとありましたありました,4P目の支点が.

3P目の支点より先のルート(のはず).

4P目の支点.

4P目の支点より下部(のはず). 

4P目リードきくりん.ここも特に危ないところはなかったはず.きくりん,また岩角で肩がらみのビレイ.いい感じですよ~.この調子でサクサク進んじゃいましょう.

5P目の支点から先.深く考えず簡単なところを進んだと思います.

こちらが5P目の支点.サクサク進みましょうね~.

5P目リードわたくし.焦っているわけではないけれど,登山特に冬場はスピードが大切.斜面の岩や雪に導かれるままに高度を上げる.先ではボルトないかな~と思いこの日初めて岩角でビレイ.実はもうちょっと上にボルトの支点があったけど,長いスリング,それもナイロンのやつをいい感じで使うもんだな~なんて思ってました.リズムはいい感じ.振り返るとだいぶ高くなってきましたよ~.

6P目の支点より.行者小屋をバックにしたきくりん.爽快だ~~.

6P目の支点.落ちる感じもしなかったから肩がらみだった気がする.

6P目リードきくりん.左側に岩壁を見つつ基部を右へ進む.ところどころハーケンが打ってありスリングも垂れ下がっている.ここら辺は登れるところをみんな登るのだろうか.こちらは事前の情報を参考に立派な支点の所まで移動する.

7P目の支点.ここからはいろいろなルート取りがあるのかなぁ?

7P目リードわたくし.会の人からは「1P目だけが難しい」と聞いていた.その言葉,参考にはしていたけど鵜呑みにはしていなかった.「侮っていると痛い目にあうぞ~」と身構えていた.それがここのピッチで活きる.

前日までにおさらいしたルートの全体像からすると,ここが意外に侮れないのでは?と思っていた.だからと言って細かなところはその場に来てみないとわからない.ボルトのあるところから見ると右に回り込むほうがなんとなく登りやすそう.ただ,ここら辺りは風の通り道なのか,風の強さが急上昇.

7P目の支点より上部.なんとなく登りやすそうなところをなんとなく登る.

ということでとりあえず寒さに耐えつつ登っていくと,そこそこ傾斜が立ってきてノーピンではちょっと怖さを覚えてくる.手袋で岩は掴みづらい上に強風で指先が冷え,アイゼンでスタンスを探さなければならないからイヤだな~と思っていると,ちょうどいいところに半分腐ったハーケンを発見.こいつでランナーを取りじりじりと登るとその上はリッジ状.さすがに立てそうもないところはリッジにまたがって嫌なパートを通過する.このパートはフォローも登りづらかろうと,しっかりした支点の取れそうなところを探すと,やっぱりここにもしっかりしたボルトが打ってあり,そこでビレイ.

このピッチなかなか怖かったっすよ.アイゼントレの重要さを実感.それにしても,大まかなルートのイメージトレーニングってのも大切だね.きくりん,1P目といいこのピッチといい,このルートのアクセントのあるパートを登らしてもらってありがとー.

8P目の支点より下部.フォローで登ったきくりんも怖かったそうな. 

8P目の支点もしっかりボルトでした.支点より上部はこんな感じ.あ~寒い.けど,もうちょっと.

8P目リードきくりん.風が強くて寒いので,焦らずにちゃっちゃと登ってゆく.それにしても高度が上がってきたからか,攀じ登ってゆくのに息が上がる.あー苦しい.

9P目の支点.もうちょっとだよう.がんばろー.

9P目リードわたくし.最後のピッチは危ないところはないけれど,歩いて上がるのがあ~つらい.でも,稜線はすぐそこだ.登山道の手前でピッチを区切ってフォローをビレイ.

実質的な終了点より.お疲れさまー.上がったもんだね~.

終了点から見上げれば,そこはもう登山道.ハイカーがほらそこに..

登山道のすぐ脇でロープをたたみ,小屋を通り過ぎれば,そこはもう赤岳山頂.山頂はごった返しているわけではないけれど,自分が今まで登った冬山に比べればたくさんの人がいる.赤岳って人気あるんだな~.

昨日にはなかった雲海も拝めて,富士山の眺めが前日とは一味違う?

今回のツアーのメインの目標を達成し,山頂で風を避けて小休止.栄養補給や記念撮影を済ませたら,後は下るだけ.分岐の目印であるお地蔵さんを確認して地蔵尾根を下る.途中のちょっとした斜面で,諸先輩方に倣って尻セードもどきでの下降を交えつつ,登山道を下りBCへ移動する.

下りは地蔵尾根から.お地蔵さんにお別れのご挨拶.

任務を完了すれば後はケガや事故なく家に帰るだけ.途中,アイス愛好家の顔が浮かび,相方の意欲を高めるのも狙って南沢大滝を偵察し,家路につく.

 

何年か前に目標を立ててそれを目指して過ごしてきてけれど,段々とその目標が遠ざかって行くのを感じてもいたここ最近.目標が遠ざかれば,また別の目標に修正すればいいだけのことなんだけど,パートナーと天候に恵まれて通過点の一つに考えていた目標を,考えていたよりもちょっと時間がかかってクリアできた.


 「アルパインの経験がない人を,バリエーションルートに連れていけるようになればチャンスはあるんじゃないですか?」

半月ほど前の山行の記憶をたどって思い出すのは,なぜだか何年か前にとある人から言われたそんな言葉..

ってことは,まだチャンスがあるのかねぇ..??

szt

 


八ヶ岳 阿弥陀岳北稜

2019年01月02日 13時40分50秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/15(土) 天気:晴れ

メンバー:szt(CL),きくりん

装備:登攀具&冬装具各一式,ロープ(8.1mm×50m)×2本.

12/14 19:10自宅(つくば)発→23:00頃 道の駅小淵沢(泊)

12/15 4:30起床→6:00赤岳山荘P→9:33行者小屋BC発→11:37第一岩峰取付き→12:23阿弥陀岳山頂→13:38文三郎道分岐→15:00頃行者小屋BC着

 

 「アルパインの経験がない人を,バリエーションルートに連れていけるようになればチャンスはあるんじゃないですか?」

半月ほど前の山行の記憶をたどって思い出すのは,なぜだか何年か前にとある人から言われたそんな言葉..

 

3年位前から雪に囲まれた環境でロープを出す山行をしてみたいと思っていたが,いろいろな条件が重なってなかなか経験を積むことができなかった.今シーズンの冬はどうやら念願の?チャンスがやってきたみたい.パートナーはきくりん.こちらは冬山歩きや短いアイスクライミングの経験はあるけれど,何ピッチもあるバリエーションルートとなるとそうは数をこなしていない.おまけにこの時期は陽が一番短く行動時間も限られる..そんなわけでルート選択に頭を悩ませたが,まずは簡単といわれるルートでもいいから数をこなしていこう!ということで,阿弥陀北稜と赤岳主稜をチョイス.

前夜つくばを出発し,珍しくも長い区間高速を使い,当日早朝に美濃戸まで車で上がってしまう.予報では土日好天の予想.計画通り初日に行者小屋でベースを張って,阿弥陀北稜にアタックすることを確認する.

美濃戸の駐車場にて.この日はこれくらい雪あったんですよ~ 

南沢の登山道をのろのろ歩き,8:30前には行者小屋に到着.さっさとテントを張り,そそくさと登攀具を身に着ける.見上げれば阿弥陀の北稜と思われる稜線がよく見えるではないか.

南沢の登山道より.うっすらと陽が当たり赤岳山頂付近の眺めの美しさにちょっと見惚れてしまう.

8:27行者小屋に到着.

阿弥陀北稜と北西稜.行き先がわかって少しだけホッとする.

こちらが今回のBC.

1時間ほどで準備を済ませ,文三郎尾根への登山道から阿弥陀岳への夏道へ入ってゆく.ネットの記録などでは12/10までは八ヶ岳にほとんど雪がなかったようだが,12/11に通過した南岸低気圧の影響かこの日は阿弥陀北稜の取付きまでトレースはなし.天気は良く,樹林の間から時折見える北稜を目指して雪の中を進んでゆく.あまりにも多い雪では疲れ果ててしまうが,このくらいの量であれば一番最初に足跡をつけることが気持ちいい.振り返れば,これもこの日の山行のいいアクセントになったのだろう.

踏み跡なのか,夏道なのかよくわからないが取付き目指して登ってゆく.

確か夏道から撮ったところ.ここから取付きめがけて明瞭な尾根を登っていった.

第一岩峰取付きまでは,ところどころ急な登りとなるもののラッセルにめちゃくちゃ苦労することなく雪の中を進んでゆく.ああだこうだ2人して確認しながら第一岩峰取付きに到着.夏道から分かれた登りの最中にちらりと何人かの人が見えたが,取付きで単独の女性の方に抜かれる.「北稜を単独か~.かっこいいなー」と思いつつ,「うちらは冬山初心者パーティなんだから,マイペース,マイペース」とお互いに準備したロープを出し合う.

第一岩峰.左に回り込んだところに支点あり.

ご覧の通り立派なボルトがありました.

1P目のリードはきくりん.目の前で単独のお姉さんが登っていった後を追うように,スルスルと登っていく.コールの後,フォローで登るわたくし.前に登った二人は簡単そうに登っていたが,手袋&アイゼンで登ってみると意外に岩を掴めないしバランスは悪いしで,なんだかおっかない.2人ともスゲーなぁ..

1P目,登りやすいところを適当に.

2P目はわたくしめ.きくりんが岩角で取ったビレイポイントからもう少し上がると,立派なボルトの支点がある.そのすぐ上が少し立った岩場.前のお姉さんが登った跡らしきものがあったから概ねルートはわかったが,取付いてみるとなんだか岩がうまいこと掴めない.それでも足を上げたり指でこらえたりして岩場を抜ける.やれやれ,なんだかおっかないな~.

2P目支点より.この少し先に立派なボルトの支点あり.

岩稜帯を抜ければ事前に写真で見たことのある,リッジ状を通過.リッジ手前にスリングもぶら下がっていてこの日はそれほど緊張感はなし.それでも振り返ってみれば画になるところではないか.

チョットした雪のリッジ状.この日は風もなく,心地よい緊張感でした.

リッジ状を抜けた後はロープを伸ばし,横たわっていた灌木でビレイ.ここから先,きくりんに少しロープを伸ばしてもらうが実質的には2Pでロープ出しは終了だった.確かにここは1回来てしまって,天気が落ち着いていれば1人でも来られるかなぁという印象.それでもわたしにはここに2人で来られていい経験を積むことができた.

途中明らかにロープはいらなそうな雰囲気となったので,ロープをしまい少し歩けばそこは阿弥陀岳山頂だ.降雪から数日経って,柔らかい感じの山の景色が素晴らしい.

山頂より富士山.

こちらは北岳ほか南アルプス方面.

赤岳.翌日登る予定の主稜を追う.

こちらは横岳方面.

硫黄岳,東天狗,西天狗だって見えるのだ.

山頂でぱっと周りの景色を眺めたら,あと気になるのは明日登る予定の赤岳主稜のことだけ.取付きの確認をするべく,そそくさと下山を開始.中岳を乗越して文三郎道に合流.振り返れば,「そうか阿弥陀は初めて登るんだったな」と思い出し,もう一度阿弥陀岳を眺めてみる.よーく見れば北稜に数パーティ取付いてるではないか.

文三郎道に合流.これだけの天気だから赤岳に登る人は多かったっす.

阿弥陀岳ときくりん.まずは一本完登だね.

文三郎尾根の登山道を下ってゆけば南方リッジの取付きを通り過ぎ,やがて赤岳主稜の取付きに向かうトラバースポイントへ.案の定,主稜には数パーティ入っていて取付きまで踏まれている.目印をつけてBCに降りてゆき,翌日の山行に思いを馳せるのだった.

szt

 


那須・茶臼岳

2018年12月27日 15時07分31秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/24 那須・茶臼岳


初めての雪山に那須を選んだのは19年ほど前。
いわば、sakの冬山の原風景がそこにある。
以後、雪の季節に幾度となく訪れた。
つい、2週間前にも。

再訪率の高さの理由はシンプルだ。
いろんな雪山の要素が体験できる。
近くて手軽。
加えて、あの暴風体験は大いに価値があるはず。

メンバ-はsak、kakさん。
そして雪山初体験のYUKAさん。
雪山は、楽しいですよ-。


少雪の今シ-ズン。
それでも充分寒いはずなんだけど初めの登りで体温上昇。
体温調節はこまめにね。


峠の茶屋駐車場。
ここでこの強風なら、今日は那須日和。
ワクワクものです。

さあ、強風域。
まだまだ、風は強まります故。

峰の茶屋避難小屋。
風がないとホッとしますよね。
温かい飲み物が沁みます。

茶臼岳。
完全防備な二人。
宇宙服を着た惑星探査のよう。

惑星探査的なスナップその②

晴天の中、どうしたの?
という感じですが、暴風で前に進まないんです。
ガンバですっ!

峰の茶屋あたりで雪山講習。
アイゼン装着、アイゼン歩行、ラッセル。
それぞれの課題を次回までにクリアしましょう!

雪山。
過酷な環境ならなおさら。

この環境でも楽しめる。
なんだか自分が強くなった気がして、嬉しい&楽しい。


sak


那須・朝日岳東南稜

2018年12月19日 18時24分43秒 | 山行速報(雪山・アイス)

2018/12/8 那須・朝日岳東南稜

物事を催す前に、あらかじめ整えておくためには3つの約束があります。

ひとつは「用意」
前もって必要なものを揃え、事態に備えましょう。

ふたつ目は「支度」
具体的な行動に取り掛かれるように持ち物などを整理します。

そして三つ目は、、、


冬那須の玄関口大丸には雪がない。
登山口にも雪がない。

冬山に向けて、アイゼントレも含めて朝日岳東南稜でと計画したものの、雪がない。
仕方ないので、雪はなくてもアイゼンを装着して登攀とする。
メンバ-はsak、sztさん、kojくん、そして連合艦隊N長官。

明礬沢で装備を付ける。
登山道はそれなりに風があったけど、ここは日向のぽかぽか陽気。
なんか癒される。

視界もあるので、困難もなく東南稜の末端。
しばらくアイゼンを鳴らして歩く。

ギャップ手前はトラバ-スも可能だけど、あえて岩塔へ。
アイゼンの前歯に乗る感覚を確かめながら。

懸垂下降でギャップからの登り返し。
念の為ロ-プを出すが、中間支点がないので注意。
風雪の強い場面なら少し緊張するだろう。

あとはガレ場とリッジを歩いて山頂直下凹角スラブも困難はない。
ここで装備とアイゼンを外す。
後はうっすら積もった雪を踏んで下山する。

二手に分かれてsakとkojくんは茶臼を周遊。

耐寒訓練とまではいかなかったが、アイゼンに乗る感覚はうっすら思い出したような気がする。

「準備」
物事のみならず、態勢や環境、心を整えること。

みなさん、冬山の「準備」は整いましたか?

sak