acc-j茨城 山岳会日記

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山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

帝釈山、馬坂沢ジャ-コン沢・サル沢下降

2011年06月26日 00時46分17秒 | 山行速報(沢)

帝釈山、馬坂沢ジャ-コン沢・サル沢下降

梅雨の中休み
どうやら休日が晴れ間にあたるらしい。
タイトな仕事の具合が頭をよぎったが、無理でも行ってしまえば後悔はしないものである。

馬坂沢

栃木北部、南会津と隣接する帝釈山塊は林道走破、ダ-ト路愛好者の世界ではメジャ-な存在だ。
盟主は帝釈山に違いなかろうが、山塊の白眉は隣の田代山、高層湿原にある。
その田代山に突き上げるサル沢を遡行し、馬坂沢本谷のジャ-コン沢を下るというのが今回の計画だった。

相当地味なこの計画。
この山行を思い立ったのも、いくつかの想いもあった。
回顧主義というか、初心に帰るというか、まあ、そんなところだ。
林道探索という好奇心が、登山へと変化したキッカケがココにあった。
初めて手に入れた1/25000地勢図で惹かれたのが「ジャ-コン沢」という奇妙な沢の名だった。
「ジャ-コン沢ってどんなところだろう?」
沢登といった遊びがあることすら考え及ばない頃の話である。
沢登を知ってからそんな積み重なった「想い」とは裏腹に「相当地味な」を薄々感じていたのは否めず、期を逸していた。

栃木と福島を繋ぐ川俣桧枝岐林道は幸いにして全線開通。
しばらくの林道歩きも覚悟していたが、幸先がいい。
馬坂沢から離れるようにカ-ブしていくところに駐車スペ-スがありそこが起点となる。
入渓点からサル沢出合はすぐのはずだったが、見落としたらしい。
しからば、ジャ-コン沢遡行でエエじゃないかと計画変更。このあたりの自由さが心地いい。

馬坂沢の滝場

本谷は何てことない流れが続くが、オオイデ沢を分ける手前に二段の滝場がある。
右岸を行くが、ヌメりが強いので慎重に。
その先は支沢が張り巡り一体どれが本流なのか判然としないものの、沢床でチョイスしていったら馬坂峠の少し手前に出た。

馬坂沢上部はジャ-コン沢と呼ぶ。

馬坂峠にある駐車場は、ほぼ満車。
200名山たる帝釈山の最短ル-トということもあってか、平日にもかかわらず大繁盛。
丁度「オサバ草祭り」の期間中とのことで、限定ピンバッジを頂戴した。

帝釈山・晴れの頂は初めて

帝釈山への登りは約1時間の急登。久々の山行で大いにバテながら山頂。
さらにそこから1時間で田代山。
10数年ぶりの田代山は予想以上の賑わいで、湯の花温泉、猿倉口からの登山者も大勢訪れていた。
そこで苦慮したのが、サル沢への下降である。
衆人環視の中、木道を外して行くのはさすがにツライ。ひっそりと薮に消えるタイミングを30分ほども待っただろうか。

田代山は大繁盛

雪渓混じりの急な薮を100mほどトラバ-スし、尾根を一つ越えたら下降が始まる。
ほんの少し、道を外れただけなのにこの静寂。
背の低い笹薮に岩塔が美しい。しばし膝を折って佇む。

サル沢の最上部・ミニ烏帽子岩がある

笹薮のシリセ-ドもどきで快適に高度を下げるもネマガリが出てくるとそうも行かなくなってくる。
薮コギも下降なのでラクではあるものの、体の自由は利かない下降が沢床まで1時間。遡上でなくて良かったと少々ホッとする。
細いながらも流れが出てくれば、薮の苦労はない。

サル沢の滝

サル沢は、最大10mほどの滝場がいくつか出てくるものの、水流脇や軽く巻くル-トが見出せる。
結局、ロ-プや登攀具を出す機会はなかった。

さるさわはし

サル沢橋で沢から離れ林道を歩く。
深く濃くなりつつある緑の世界に夏の空。入道雲。蝉時雨。
短い夏を謳歌する生き物たちの大合唱は、山に谷に空に響く。

砂防ダム湖の風景に夏の空が映える

やっぱり来てよかった。
このひとことに尽きる。

sak


筑波山の風景<20> さわがに

2011年06月17日 00時08分01秒 | 筑波山の風景

筑波山の風景・20

さわがに

もう充分シ-ズンインのはずが、なかなか沢は遠くなりにけり。
なんとか一本と画策中ではあるものの、果たして如何に・・・。
話は変わるが、”さわ”つながりでさわがにのお話です。

筑波の沢をたずね歩くと、小石の影にさわがにを見ることがある。

ネットで調べてみると、さわがには、エビ目(十脚目)・カニ下目・サワガニ科に分類されるカニの一種で、日本固有種。
一生を淡水域で過ごす純淡水性のカニである。とあった。
さまざまな固体や局地的固有種を有し、環境省レッドリスト絶滅危惧I類にランクされているものもあるらしい。

ここで思い至るのが「岩魚」のような陸封動物のことだ。
高山植物にも通ずるところがある。

こんな小さな動物にも深い進化の歴史がある。
何気ないひとコマに大きな偶然と遥かなる対面。
ちょっと大袈裟かもしれないが、身近に存在する感動物語である。

sak


月山6月滑り納め

2011年06月09日 20時35分50秒 | 山行速報(山スキ-)

どうしてももう一度スキーを履きたくて、遠路月山を目指しました。天気はやや不安定だけど、なんとか持ってほしいものである。早朝のスキー場を久々にシール登行、青空をバックにした久々の雪山やはり気持ちのいいものである。よくしまったざらめの雪面はスプーンカット気味でクレバスも多い。姥沢リフト降り場付近から眺めると、残念ながら雪は山頂までつながっておらず、1800m付近までのもよう。

姥沢岳の東南斜面を延々にトラバースしていくと、いくつかの山ひだを越えて行かねばならなかった。リフト降り場付近から、滑降して谷底に降りてから谷芯をスキーで直登したほうがよかった。1800m付近に到着すると風がやや強い。しばらく休憩して雲の流れを観察する。ときどき、朝日連峰が黒い雲に見えなくなるときがある。スキーを背負って山頂まで行き大雪城の大斜面を滑ってみたいとも思ったが、ちょっと弱気になった。視界のあるうちに下ることにしよう。  スキーの下りはあっという間だけど、スプーンカットの雪面は足に堪える。天気がまた持ち直してきたので、、月山の西側斜面でだいぶ上までつながっていそうな、ひとつ南側にある支谷を再度登る。谷の左岸側はクレバスやシュルントが多く、右岸側を主に登る。シュルントとクレバスの間が10mぐらいの幅しかないところも一部ある。

スキーアイゼンを着けて、急なところは斜登行も交えて登る。もう少しで雪がきれるというところで、ガスが時折かかるようになってきて、早々と退散を決める。ゆっくりと下ったが、やはり下りはあっという間である。スキー場との間の谷底までくだり、スキーを手にもって少し台地状まで登る。スキー場にもどるのは面倒なので、スキー場の東側の片斜面を延々にトラバース。上から雪庇崩れの雪塊が落ちてきそうなところは注意した。最後にブナ林の笹やぶを少し漕いで姥沢小屋に戻った。雪上に萌えるブナの淡い緑を見て春の実感が湧いてきた。

青線:登り、赤線:滑降

行動タイム記録ダイジェスト 5:24 姥沢駐車場発 6:33リフト降り場付近1510m 7:11ー1600m 7:55ー1800m最高到達点 8:23滑降開始 8:39ー1470m 滑降終了ー登行再開 9;43ー1770m最高到達点 9:55 滑降開始 10:04ー1470m 谷底からつぼ足登行 10;20 やや急な斜面の長い斜滑降 10:27ー1230mスキー終了 10:41姥沢小屋10:55 駐車前に到着。