acc-j茨城 山岳会日記

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谷川・宝川ナルミズ沢

2019年10月23日 12時50分09秒 | 山行速報(沢)
2019/10/9-10 
 
 
一日の仕事を終え、車を走らせる。
頭の中に渦巻く仕事の名残を振り切って、山行計画を立ててみる。
時計の針は22時を少し過ぎていた。
 

そして、私は山に行く。
山は丁度良い気持ちの落とし所。
自分の感性で行動できるシンプルさがいい。
 
 
 
 
ことさら、沢登は最高のフィ-ルドだ。
程ほどに滝を登り、薮を漕ぎ、径を読む。
遡行だけに限らず、幕場でのひとときも同様に。
 
 
 
 
焚火を前にウトウトする。
遥か昔。原始の森でも人類はきっと同じことをしていたのだろう。
それは、この夜を生き抜くために。
 
そんななかにも「和み」の瞬間はきっとあった。
炎のゆらぎと温もり。
言い知れぬ魔力。
 
薪が燃え崩れ、火の粉が舞い上がっていく。
それを追って、星空を仰ぐ。
さすがにこの季節の山は冷え込む。吐く息が白い。
 
 
 
 
ナルミズ沢は癒し系沢登の王道。
その白眉は源流域にある。
 
遥かなる青空。
爽やかな秋風に草原。
そして一筋の流れ。
 
 
 
 
 
 
コルにある池塘で一休みしたら、笹原の薄い路形を行く。
遠く笹葉の照返がキラキラして美しい。
振り返れば巻機山までの山並み。
いつかは繋げてみたい場所のひとつだ。
 
ジャンクションピ-クから登山道を行く。
 
 
 
 
ひと登りすると、草原の向こうに青空に囲まれた朝日岳。
チョコンと突き出した頂に立つ登山者のシルエット。
そのどれもが、この好天と見晴らしを堪能しているのがここからでもよくわかる。
 
ひっそりと遡行を終えた今、にぎやかな頂は今の自分に眩しすぎる場所だった。
結局、朝日岳は目指さず、手前の分岐を宝川温泉に向かって下ることにする。
 
 
 
 
下山は自分と向き合う時間となる。
普段の彼是を思い起こしてはあるべき自分を顧みる。
 
昔も今も、あなたにしかできないことがある。
だから私は帰るのだ。
あの約束を守るために。
 
sak