acc-j茨城 山岳会日記

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山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

蝉の渓谷

2012年07月30日 16時03分52秒 | 山行速報(沢)
蝉の渓谷

「閑けさや 岩に染み入る 蝉の声」
西上州・南牧川の名勝、蝉の渓谷は夏の盛りにもってこいの1本。
芭蕉塚もあることからそれなりの所縁があるらしい。



ここでいう「蝉」は「狭水(せみ)」の転訛。
名に違わぬ狭谷はまさにゴルジュ。
戦闘服(ウエットス-ツ&ライジャケ)を用意して、幼少のころあこがれたヒ-ロ-戦隊ゴレンジャ-ならず、まさかゴルジャ-になるとは。
ゴルジュ突破といえばガストンさん。さすがに渋い所をチョイスしますなあ。

ネットで「蝉の渓谷」を検索してみるとやはりいるのだ。
遡行した方々が。

「山登魂」

「やはり!」というか「さすが!」というか。
素直に尊敬いたします。

直線距離でいえば300mほどの距離ですが、ポイントは2か所。
下部、狭い水路状の「蝉渕」そしてゴルジュの抜け口の滝(1m)。
そして何より、県道から丸見えというシチュエ-ション。一般的に見たら、おそらくは「奇特な」人達に映ることであろう。
つまり、蝉の渓谷にあたって必要なのは、そういった覚悟でもある。

駐車場から少し下って、遊歩道へ入る。橋を渡ったら南牧川へと下る。そこが蝉渕の入り口。
蝉渕は足が着くなら楽勝な場面であるが、残念ながら足はつかなかった。



意を決して泳ぎに入る。
半分までは何とか進むが途中、廊下の少し折れた所から流れが速くなる。
ザックを外してトライするがなかなかどうして進まない。
両岸もホ-ルド乏しくヤツメウナギも機能せず、力尽き、ガストンさんにバトンタッチ。



さすがガストンさん、屈曲部を超えロ-プは順調に引かれて行ったがその先でピタリと止まる。
窺い知れぬ状況に、こちらとしては手元の準備を進める。
次第に僅かながらロ-プが引かれ、60m(30m×2)がいっぱいになってsak自身も蝉渕の足の着くか着かないかという場所まで入ってホイッスルが鳴る。
距離でいえば70m位あったのだと思う。



あとはザックを浮袋にロ-プで引っ張られる。
屈曲部を過ぎてさらに左岸から小さな流れが入るとさらに流れが速い。
一瞬足が着いたが、すぐに深くなる。これはよほど泳ぎが達者でないと辛い。



ゴルジュ中ほどのゴ-ロ状で一休みして、しばらくは浸食した自然の造形を堪能しながらゴ-ロ状を歩く。
その先に出てくるのがゴルジュ抜け口の滝(1m)だ。

わずか1mと侮るなかれ。
まさに激流。



まずは試しにと取付いたガストンさん。
折れ曲がった先に滝を見るがこの屈曲部から先の水圧がすごい。
張り付いていた左岸の岩から引きはがされる。
あとはドンブラコ、ドンブラコと流されるほかない。
何度流されたことだろう。何度水を飲まされたことだろう。

しかし、その屈曲部から先の解決方法が見いだせない。
まさに「セミ」だ
ともかく、流れが強い、足が着かない、ホ-ルド乏しい、足元見えない。



想定して持ってきた装備を駆使し、あらゆる可能性にトライしてみる。
水線突破ラインに左岸カンテ人工突破ライン。
いろいろ試したがやはり水線突破に注力。

地道に一つずつパズルを解き明かしていく。
最後のム-ブはガストンさんの直感(さすが!)で、ダイナミックに。
やった-!水線突破-!
左岸カンテを人工で行ったならば、ちょっと微妙な空気が流れたかもしれないが、何とか水線を突破できたのは素直にうれしい。



初突破の山登魂パ-ティ-も「後続の楽しみを奪ってしまうわけにも参るまい。だから、正解を明かしはしない」と語った。
その意向に沿ってというか、そもそも蝉の渓谷はこのパズルを解き明かしていくのが楽しい、そういう所なんだと思うし、突破ラインはそれぞれ違うものだろう。
実際、今回のラインは山登魂ラインとはやはり違うものであったと思う。
激闘二時間半。この僅か1m滝でこれだけの激闘ぶり。



一ケ所、コパ-ヘッドの残置をしました。山登魂の記録にある残置ハ-ケンもなくなっていたので、おそらくはいずれ増水で流されてしまうことでしょう。
ここはそれだけ激流地点であるということが物語ってます。
あとは開けた場所にある滝を右でも左でも思い思いに行って県道に上がれば終了。

しかし、蝉の渓谷。
覚悟に値するゴルジュ。
突破後に待っていたのは、今まで激流の轟音にかき消されていた蝉の声だった。

sak

奥多摩小坂志川ウルシゲ谷沢右俣~左俣

2012年07月23日 21時43分43秒 | 山行速報(沢)
奥多摩小坂志川ウルシゲ谷沢右俣~左俣

7月22日、奥多摩小坂志川ウルシゲ谷沢に行ってきた。私としては、今年沢初めであ
る。メンバーは、T氏、G氏、M君、N氏、ガストンの5名である。M君は、将来、山
岳ガイドを目指している21歳の当会きっての若手のホープである。
前夜はいつものように宴会をして寝る。
今日は、時間もかからない短い沢なのでゆっくり出発。


右俣出合の滝2ピッチ目を登る


その滝の落ち口に出るところのG氏


おおむねこんな沢を登っていく

右俣を見逃し少し先に行くが、すぐに気が付き戻って右俣出合の滝に取りつく。ここで
ロープを使わなかったらもう使う所はないとロープを出す。シャワークライム2ピッチ
でこれを越す。あとはこれといった所もなく稜線を目指す。稜線直下には林道ができて
いた。


市道山での面々(左からG、N、M、T)

市道山から左俣を下降する。一か所15mの懸垂下降を行った。N氏は、肩がら
み懸垂下降を披露した。現在の若者は知らない技術だが、なかなかのもんなんですよ。
私はそんなズボンの傷むことはしないでディセンダーで降りました。


肩がらみ懸垂下降を披露するN先生

天気は曇りで、雨は降りそうだったが降ることもなく、暑くもなく、半日の遊びには適
当な沢でありました。

ウルシゲ谷沢出合(8:05)-登山道(10:00)-市道山(10:40)-ウルシゲ谷沢出合(11:50)


                                          ガストンガニマタ

北アルプス明神岳5峰西南稜

2012年07月23日 21時17分14秒 | 山行速報(登山・ハイキング)
北アルプス明神岳5峰西南稜

当初の目的は7月15日~16日にかけて前穂高まで縦走する予定だった。14日夜、
沢渡に着いたが雨が降っており、この雨は15日になって益々強くなり、沢渡で停滞を
きめていた。帰ることも考えたが、16日の天気予報がマアマアなので、16日に賭け
てみることにした。16日早朝の沢渡は曇り。河童橋のライブカメラを観てみると雨は
降っていないようなので5峰だけ日帰りでアタックすることにした。
本日のメンバーは、K氏、Y氏、G氏、N氏、ガストンの5名。


西南稜取付きの7号標識


フィックスロープ付近を登る


5峰の肩付近を登る

上高地バスターミナルに着くと同時に出発。岳沢を登っていく。7号標識で登山道から
離れ、西南稜の急登を続ける。本来なれば1人2日分5リットルの水を背負って登るは
ずだったが、今日の荷物は軽くて楽だ。フイックスロープ地点はナイフエッジであるが
、ヤブがあるので怖さはない。5峰頂上に着くと同時に霧が晴れ素晴らしい展望が得ら
れた。これも日頃の行いが良いからであろう。しかし、穂高の稜線が姿を現すことはな
かった。


5峰頂上でのメンバーの面々(向かって左からN、Y、K、G)


頂上から、東稜のひょうたん池を見下ろす


明神岳4峰、3峰、2峰、1峰方面


霧の一瞬の切れ目に見えた2峰と1峰。シャモニ針峰群を彷彿とさせる風景(ちとおおげさかな?)

近いうちに前穂高までの縦走はリベンジすることにしよう。往路を戻り上高地バスター
ミナル着と同時タクシーで沢渡に向かった。


河童橋付近まで降りるとガスが切れ、去年登った六百山が見えた

上高地バスターミナル(5:30)-7号標識(6:30)-フイックスロープ地点(8:15)-5峰頂上(
10:15~10:40)-上高地バスターミナル(14:20)

※私ガストンは、下りにフイックスロープから約200m下で休憩しました。そのとき石
の上にメガネを置き忘れてきてしまいました。ケースにも袋にも入ってなく、裸のまま
です。どなたか見つけましたらご一報いただければ非常に幸いでございます。
                                            ガストンガニマタ

八代富士

2012年07月13日 00時17分24秒 | 会員日記
八代富士

梅雨空の休日。安息日。
家で映画など見てから、着の身着のまま近所の山シリ-ズ第二弾



八代富士は八代浅間神社の裏山だ。
ご丁寧に登山口を示す標柱もある。



結構な傾斜に一汗かくと・・・。



御鉢に出る。
一回り御鉢めぐりをして・・・。



火口のような山頂の窪地が山頂。

どうやらこの八代富士、自然の裏山ではなく、神社の象徴として築きあげられた御神山。
江戸時代に盛んとなった富士信仰に基づいて人工的に作られた山、富士塚である。
関東地方を中心に造営され、中には重要文化財であるものもある。



標高は27.5mとも34.8mともいわれ、まあ大体30m位という訳だ。
しかし、なかなか立派なものだ。

身近な一山。
探せばまだまだあるかもしれない。

sak

藤坂ロックガ-デン

2012年07月09日 20時06分26秒 | 山行速報(フリ-)
藤坂ロックガ-デン

当初、西上州タカノス岩の計画であったが、そちら方面は朝夕小雨の予報。
しかも今日は気温も上昇、湿度も上昇。
それではと、予備案の藤坂でみっちりとロ-プワ-クをやりましょう。
ebさん。



朝のうちは岩も湿り加減ではあったが、次第に上部から状態は良くなってきた。
まずは岩になれるところから復習。
ebさんには2ピッチル-トをフォロ-で。

簡単な南稜を何度かフォロ-してもらってから、リ-ドをしてもらう。
そして初リ-ド。



ちょっと緊張した様子。

そんなことを繰り返し、クラックアラカルトをつるべで。
ジャンケンして勝ったebさんが先行。

無事つるべ方式をクリアしたが、なかなか緊張したようだ。



「リ-ドって緊張しますね」

そうです。緊張するんです。
緊張感のまま登攀に没頭する。

そして抜けた時の解放感というか安堵というか・・・。
それがまたいいんだな。
って、これはsakの場合。
クライミングも人それぞれの快感があるのだけれども。

ともかく、ebさん。
よ-く復習、反復練習してくだされ。
次はアルパインと行きたいところですな。

sak

乾徳山&渓流釣り

2012年07月07日 18時14分51秒 | 山行速報(登山・ハイキング)
2012.06/30(土) 天気:曇り→晴れ

奥秩父 乾徳山登山をしてきました。
メンバー:釣師N・Appleの2人パーティ。 装備:補助ロープφ6.0×12m(使用せず)

今回の登山行程は、前夜発車で常磐=首都高=中央道=勝沼IC=R411=R140=道の駅まきおかPまで入る。

道の駅まきおか=8:30乾徳公園~9:12登山口~9:44-54銀晶水~10:55錦晶水~11:37-47扇平~12:39-13:40乾徳山~14:15-25扇平~15:29-34道満山~16:28乾徳公園の1日です。


先週の硫黄沢に引き続き今週も山行する。
天気が悪ければのんびりしたい気分であったが天気予報もよさそうなので計画どおりに実施する。
いつものように前夜発で出発する。遅めの出発なので混雑も無く“道の駅まきおか”に到着する。
入山祝いにビールで乾杯し夜も遅いので早めに就寝する。

朝ものんびり乾徳公園まで車で移動するが、駐車場はすでに満杯ですこし下った運動場入口付近に駐車する。
徳和の集落には意外と立派な家が多く林業で栄えた町なのではないだろうかと思う。
徳和川沿いの林道を歩き乾徳神社を過ぎると10台程度の駐車場がある。
ここでも良かったが後の祭りでスルーする。
林道途中に登山口があり立派な看板でコースタイム記録のため写真を撮る。

登山道はよく整備されており急登も無く登りやすい。
途中に石垣がところどころにあるがワサビ田跡ではないかと思う。
途中の水場は2ヶ所あり最初の銀晶水方が美味い。次の錦晶水は不純物が多い沢水である。

いい感じのカラマツ林を抜けて国師ヶ原に出ると広々とした広場があり乾徳山頂が見える。
避難小屋には行かずそのまま山頂を目指す。
扇平も広々とした草原で絶好の休憩場所になる。樹林の中に入るとだんだん岩稜帯になってくる。
しばらく行くと念仏岩になる。見かけより手掛かり豊富で登りやすいクサリは不要だ。
次は山頂直下の天狗岩になる。ここは足がかりが少なく腕力が必要だが巻き道もある。

山頂に着くと沢山のハイカーが記念撮影をしたりランチをしたりと一杯だ。
写真を撮ったら直ちに下り天狗岩前の岩稜の広場でランチにする。
充分のんびりしたので最後の出発になるが静かでいい。
扇平に着くと6頭の鹿の家族が草を食みほほえましい光景に出くわす。
道満尾根を下り途中林道をかすめ道満山を通り徳和峠を経由してのんびり下山する。

お気楽ハイキングの後は“笛吹の湯”に入って笛吹小屋キャンプ場に向かう。
テントを張りビールと枝豆、銘酒花泉で宴会をしてポトフ・鳥釜飯で夕食とし、翌日は渓流釣りをした。
朝食はポトフに餅を入れ洋風雑煮とトウモロコシの塩ゆでを食した。鳥釜飯の残りは昼飯用におにぎりにした。
釣果はヤマメ(アマゴ)11匹である。獲物はさっそく刺身にして食した美味かった~っ。
帰りは富士山が一望できる人気の“ほったらかし温泉”に寄ったが雨のため眺望はゼロであった。





林道をしばらく歩くと乾徳山登山口の看板がある。ずいぶん立派なので感心する。




錦晶水の水場をすぎるとカラマツ林になる。日差しを遮ってくれて快適な歩きになる。




扇平から山頂方面を見る。樹林帯のうえに岩稜帯が顔を出している。




山頂直下の天狗岩です。足がかりが乏しく腕力が必要だが難しくない。巻き道もある。




天狗岩上から登ってきた稜線を見る。緑と岩がいい感じである。




乾徳山▲2,031mです。奥秩父の山並みが一望できるが、薄曇りで視界はいま一です。




山頂から黒金山方面を見る。岩稜の下にしっかりした登山道がある。




山頂の岩稜見える広場でランチをとる。山頂は狭いので休憩するならここです。




扇平で鹿が移動している。合計6頭の子鹿をつれた家族のようだ。

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