acc-j茨城 山岳会日記

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山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

西上州・鍬柄岳南稜

2023年12月22日 19時24分57秒 | 山行速報(アルパイン)

2023/12/2 西上州・鍬柄岳南稜

そこここに突き出る岩峰
一つ登れば、その先に見えるトンガリが気になってくる
岩に触れゆく道にスリルと緊張感
西上州には、そういう楽しさが溢れている

鍬柄岳もその一つ
下仁田の街から北に見える岩峰
マルチピッチの練習も兼ねて南稜からのアプローチ
skmさん、nksさんと

駐車場からは鍬柄岳がよく見える
あの先端へ行くのかと思えば、誰しも高揚することだろう

指道標に従って登山道を行く
30分ほどの登りで基部に到着する

登り始めはいくつかルートが取れるらしい
できるだけクライミングの高さを確保しようと、登山道を大桁山方面に下って西面へ回り込む
あれこれ吟味して西面のコーナークラックを登路に定め、装備を纏う

今日はskmさんがオールリード
先日入会のnksさんはセカンドで、sakがフォローしながらラストというオーダー

1P
バンドを少し登ってコーナークラック
右壁にハーケン
用意したカムはサイズが小さく、クラックで支点が取れないようだった
支点を求めて左壁を行くが苦戦を強いられていた

クラックを抜けた立ち木でピッチを切る
本来、その先のリッジまで伸ばせると思ったが、苦戦に加えて岩の冷たさに指が悴んでしまったようだった

続いてnksさん
やはりクラックの所で逡巡するも、時間をかけて登りきる

立木まで到達したのを確認してからsakもクラックを行く
ここはレイバック気味に行くとホールドスタンス共に得やすい

2P
フェイスを少し登ったらあとは階段状をリッジまで
本来はここまでで1Pだろう

3P
目前の岩を右から巻いてリッジに登る
ここは岩を直登の方が楽しいかもしれない
途中にある枯れ木はぐらつくので要注意
松の木をよけてクライムダウンしたら安定のコル
少し上にリングボルトとハーケンがある

4P
フェイスを20mでテラス
skmさんはその上の松の木まで伸ばす
支点は灌木でとれるものの岩が脆いので注意

5P
容易なフェイスだが、やはり岩は脆い
15mほどで山頂

休憩をとったら、登山道で下山する
この登山道もほぼ岩場の下りで鎖伝いに降りていく
15分ほどだが慎重に

岩場基部でお昼時間
もぐもぐタイムをしながら主に支点構築を中心にレクチャー
本日の課題を復習して山を下りる

駐車場から振り返ると、鍬柄岳のトンガリ
いつだって、登り終えた後の山は少しだけ恰好良く見える

あれが鍬柄岳
街道からこのトンガリを見るたびに、今日を思うことだろう


sak

動画も↓

 


足尾・松木沢ジャンダルム中央ルンゼ

2023年12月13日 00時36分59秒 | 山行速報(アルパイン)

2023/11/24 足尾・松木沢ジャンダルム中央ルンゼ

 


砂利道を歩く
小石を踏む音に、この地の道程を思う

松木沢ジャンダルム
朝日に照らされたそれは、岩峰そのものが輝いているように見える

今日は中央壁・中央ルンゼを行く計画
skmさんと

ジャンダルムの基部を左に回り込んでいくと顕著なルンゼを見る
ここが中央ルンゼ
少し上の安定した場所で装備をつける

ジャンケンで勝ったskmさんはフォローをチョイス
sak先行で登り始める

1P(リード)
ルンゼを詰めるが、落葉がたまっており掃除をしながら行く
輝く岩峰にあってルンゼ内には陽が届かず手が悴む
次第にルンゼの両岸が狭まり、斜度も立ってくる
進路が岩で遮られるため、右の岩棚でピッチを切る

2P(フォロー)
岩棚から一段上がるところは右から岩がせり出していて窮屈
ここは左にスタンスを見い出すが、足下は切れ落ちているので少し緊張する
そこからは階段状
ルンゼの行き詰まりを左上する

3P(リード)
ほぼガレ場の歩き
3本クラック基部まで

4P(フォロー)
本来、中央ルンゼは右凹角を行くのだと思うがここは直上ルートに合流して真ん中のクラックを行く
NP経験はないというskmさんだったけどソツなくこなす
クライミングとしてはここが一番楽しかったのではないか

5P(リード)
左のルンゼを行く
両壁に足を突っ張ってジリジリと高度を稼ぐ
コブシ岩の肩まで

6P(フォロー)
コブシ岩の凹角を行く
ホールドスタンスともに豊富で楽しい登り

岩上で一休み
風は強いが、小春日和
今日の登りを振り返りながら、次の計画を語り合う
緊張から解放されたこういう何気ない時間に心満たされる

下降路の右ルンゼは、フィックス頼りでロープを出すことなく下ることができた
取付きまで戻ってデポした荷物をまとめたらあとは往路を戻る


きらめく水面に魚影を見る
それでも、あの頃には戻れない

人も自然も時に翻弄され変っていく
そして、ゆっくりと進む

松木村の今
水面に映る空は青かった


sak


↓動画も